混血種(アマルガム)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 17:18 UTC 版)
「彼岸島の登場人物」の記事における「混血種(アマルガム)」の解説
斧神(おのがみ) 黒山羊の被り物と丈の長い腰巻きをした大柄なアマルガム。名前の通り絶えず巨大な斧を持ち歩いており、気に入らない者や邪魔な物は人間や吸血鬼を問わず斧で斬り刻む為、吸血鬼からも恐れられており、田中ナオトも最も残酷で凶暴な吸血鬼と評している。斧神自身は戦いそのものを「神聖」なものとしており、その武技は敵である明すら感激を覚えるほど洗練されている。雅からもその凶暴さには一目置かれており、右腕として絶大な権限を与えられている。被り物の下の素顔はいくつもの目玉や口が入り交じったような醜悪な物であり、部下の吸血鬼達も彼の素顔を知らない。時々「メエエエエ」と山羊のような鳴き声を出す。 アマルガムとしての特殊能力はどんな刃も通さない鋼鉄の体。刃はおろか爆発に巻き込まれても平然といられる程である。その圧倒的な防御力を盾にして体力の消耗を誘い、生じた隙を狙って一気に勝負をつける戦い方を得意としている。さらに巨大な斧や巨大な鎖付き鉄球を振り回せるなど、師匠にも負けず劣らずのとてつもない怪力を持つ。 かつて人間だった頃は抵抗組織に所属していた長髪の青年であり、本名は村田 藤吉(むらた とうきち)。師匠と師弟関係にあり、篤と並んで抵抗組織の主力メンバーだった。また、当時から斧を武器にしていた。戦いのさなか偶然感染し吸血鬼となるも、雅と刺し違える覚悟で吸血鬼側につくことにした。しかし、雅の一緒に行動していく内に敵意が薄れていき、更に雅から全人類を吸血鬼にして一切の病気にかからないようにするという主張を聞いたことで、かつて両親が病死した過去もあってか、吸血鬼こそ人間が進化した存在だと認識し、以降は考えを改めて雅に忠誠を誓うことにした。 温泉の集落のボスとして君臨し、師匠を処刑しようとするも、間一髪のところで明達のトラックが突っ込んで失敗し、一人集落に残った明と戦う。自身の鋼鉄の体を解放するも、それでも折れない彼の正々堂々とした戦い方に感服し、全力で潰そうとする。戦いの末に明を崖まで追い詰めるが、彼の居合によって鋼鉄の体に切り傷が入り、更に激しい戦闘で足場が崩れ落ち、明と共に洞窟に落ちてしまう。洞窟では狂暴な邪鬼である満腹爺が棲息していることを理由に休戦を申し入れ、明と共闘する。共闘していく内に明の姿に篤の面影を感じ、共闘後に自身の過去を明に話す。それを知った明から人間側に戻るよう説得されるが、上記の素顔や雅への忠誠心の高さを理由にそれを拒絶した。洞窟から出た後は再び明と戦うも、洞窟から落ちた時点で左腕を骨折していた明に内心では負い目を感じており、さらに温泉の集落が制圧されたことを師匠から聞き、彼の提案で手を引くことにした。 【最後の47日間】では蚊の第一育成所の責任者となる。抵抗組織が襲撃してきた際に明と再び対峙し、彼から再び人間側に戻るよう説得するがまたも断り、逆に明を吸血鬼になって仲間になるよう提案するがそれも断られる。明とは相容れないと考え、彼や後から駆け付けた抵抗組織のメンバーを地下の蚊の水槽に落とした。その後は地上の抵抗組織との戦いに参戦し、師匠を瀕死にまで追い込むが、蚊の水槽から脱出した明と再度戦うことになる。満腹爺との戦いで使用した鎖付き鉄球を気に入り、再戦時にはそれをアレンジした鎖でつないだ2つの斧を武器に戦った。新たな武器を巧みに使う戦術で明を追いつめるも、ユキたちが偶然に見つけた西洋の剣と盾により斧を弾きながらの攻撃で胸を一突きにされて上に斬り裂かれるといった深手を負い、最期は明の最後の力を振り絞った渾身の一太刀で横真一文字に斬り倒され右腕と下半身を失って敗北する。せめて両親の墓の近くで死のうと這っていく途中で仮面が外れ醜怪な素顔が露わになり、醜悪な素顔を知った部下から罵倒されて石を投げられる。しかし、明は素顔を忌み嫌うことは無く、彼に背負われて両親の墓まで連れていかれる。その道中で自身の考えが間違いであったことを明に謝罪するが、明からはあくまで自分の信念を貫き通したと教えられ、自分を友と呼ばれたことで友情の温かさを感じて両親の墓の前で息を引き取った。 ドラマでは、同じような山羊の被り物をした吸血鬼が登場するが、正体は涼子で、斧も持っていない。 金剛(こんごう) 名前の通り金剛力士像のような容姿をしたアマルガム。隊長曰く、斧神と並び雅の片腕と言われるほどの実力者。素手で人間の首を引きちぎる程凄まじい怪力を持つ。武器は初登場時には金剛杵だが、【48日後…】では巨大なハンマーになっている。 アマルガムとしての特殊能力は脱皮。吸血鬼や邪鬼を喰らうことで膨らんだ状態から脱皮し、以前よりも体が大きくなって力も増す。脱皮する以外にも人間を喰らうことで欠損した個所を修復できる程の再生力を持つが、余分な物が生えてくるなど再生を完全にはコントロール出来ていないようである。また、脱皮した皮はかなりの悪臭がする。 アマルガムになる前から雅に心酔しており、彼に仕えるための力を求めて自ら他の吸血鬼の血を注射したが、強烈な拒絶反応によりおぞましい化け物へと変態してしまい、失敗作として捨てられる。しかし、執念で自我を保ち続け「こんな醜い身体では雅様にお仕えできない」と言い自らの身体を彫刻刀で彫り、現在の姿になった。 最後の蚊の育成所にて、雅の部屋に通じる道で像に扮しており、明を不意打ちを仕掛けたが防がれる。明を見て雅が注目しているのを納得し、戦わずにその場を去って行った。その後、加藤達や火炎部隊の元に現れ、火炎放射も効かず、人間軍を窮地に追い込んだ。 【48日後…】では箱根付近のボスになっており、箱根にある明治屋ホテルを拠点に構えている。強い邪鬼と一騎撃ちして食べることで脱皮して更なる力を得ようとしており、部下に部下に邪鬼の捜索を命令している。すでに何度か脱皮を繰り返しており、明と対峙した際には人間の数倍もの体躯を持つ巨体となっていた。また、何度目かの脱皮で後述のもう一人の金剛と分裂して以降は煩悩がなくなったかのように振舞っている。 ホテルの屋上にて明達と対面し、その圧倒的な力でホテルを半壊させる。途中で邪鬼を喰らい脱皮する事で腕が4本に増え、更に圧倒的な力で明を窮地に追いやる。しかし、逃げるふりをしていた明にガソリンスタンドがある崖の上まで誘い込まれ、そこで手足を切り付けられ、明ごとガソリンスタンドに落下する。それでは爆発には至らなかったが、自身のハンマーが後から落ちてきた事で大爆発が起き、爆風に巻き込まれた。全身火だるまとなり、下あごを失いながらもなおも明と戦おうとするも、燃えた体が徐々に崩れ始め、最期は明に首を刎ねられて完全に塵と化した。もう一人の金剛 明と本体の金剛が戦っている最中、勝次とネズミが発見した金剛。勝次の母を強姦し亡者にした張本人であり、こちらは初登場時の本体と同じぐらいの体格を持つ。本体とは対照的に煩悩の塊であり、性欲のみを求めることから、勝次たちからは「小さい金剛」や「エロ金剛」とも呼ばれる。鮫島の巨体を片腕で持ち上げるほど凄まじい怪力を持つ。 ホテルの一室で大勢の女性を強姦していた所を鮫島と勝次の奇襲を受け負傷するも、近くにいた女を捕食し脱皮しようとする。しかし、犯していた女達の反撃を受け、刃物で滅多刺しにされた挙句最後は勝次の母に首を刎ねられ死亡した。 まり子 大きな顔面に縦に開く巨大な一つ目が特徴の着物を着た女のアマルガム。巨大な一つ目の右側には小さい目玉が一列に並び、さらに目のすぐ下に大きく裂けた口があり、長い腕を持つ。名前は隊長達が呼んでいるあだ名で、常に遊び道具の一つとして毬をついていることから来ているが、自ら「まり子」と名乗るシーンがある。 五重塔2階の鏡の部屋の門番をしており、部屋の中に入り込んだ者を捕まえて拷問するのを生き甲斐にしている。雅からは「部屋に入り込んだ者は人間であるない問わず好きにして構わない」と言われているため、吸血鬼でも一切容赦しない。武器は大鉈で捕らえた獲物を生きながらに少しずつ切り刻み拷問して楽しむ。またこの拷問で性的興奮も覚えるなど、サディズム的な気質もあるようである。 アマルガムとしての特殊能力は幻覚。「腐った卵のような」臭いの息で相手に幻覚を見せて眠らせる。 かつて人間だった頃から醜悪な顔を持っており、村人から蔑まれていた。吸血鬼になってもその扱いは変わらない中、雅だけが自分を必要としてくれたため、彼に心酔している。その心酔故、アマルガムになるのを反対した両親を自前の鉈で切り刻んで殺し、遺体を繋ぎ合わせて自身の拷問部屋に置いている。 五重塔2階の鏡の部屋に入った明と隊長を幻覚で眠らせ、3階の拷問部屋にて二人を全裸にして天井に吊るした。先に隊長を拷問し、下半身を切り刻むも、隙を見た明に天井まで逃げ込まれてしまう。しかし、すぐに気づき明を捕らえるも隊長に噛まれて取り逃がしてしまい、鉈を武器に天井に出向いて殺そうとする。しかし、鉈の攻撃を読まれて拘束していたロープを切ってしまい、さらに鉈を奪われて顔を斬られてしまう。重傷を負いながらも幻覚や付近に隠していた小刀や硫酸入りの注射器で執拗に反撃したが、どれも効くことは無く、最後にはあっさりと首を切り落とされて死亡した。
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