悍ましい
「悍ましい」とは、「悍ましい」の意味
悍ましい(おぞましい)は、「ぞっとするようだ」「いかにも嫌な感じがする」という意味の語。恐ろしさや嫌悪感といったネガティブな意味合いを込めて用いられる表現。「悍ましい」が形容詞。名詞の形は「悍ましさ」である。「悍ましい」の使い方
「悍ましい」は、もっぱら「悍ましい事件」「悍ましい空気」「悍ましい姿」「悍ましい性格」というような言い方で用いられる。「悍ましい」で述べている内容は、人の心に起こった感情であるが、その使い方は「悍ましいという感情を抱いた対象」を形容する表現として用いられるわけである。モノを形容する言い方でなく「そういう(悍ましいという)感じを抱いた」と述べる場合は、もっぱら「悍ましいと感じた」「悍ましさを感じた」もしくは「悍ましく感じた」とか感動詞として「おお、悍ましい」といった言い方で表現される。
「悍ましい」の類語と使い分け
「悍ましい」の類義語としては「惨憺」や「忌まわしい」などの表現が挙げられる、「惨憺」は「痛ましい・嘆かわしい」「見るに忍びないほど無惨」といった意味の表現で「惨憺たる」という言い方で用いられることが多い。否定的な意味合いの表現ではあるが、必ずしも、「悍ましい」のように嫌悪感を込めて用いられるとは限らない。「忌まわしい」は「不吉だ・縁起が悪い」あるいは「不愉快だ・いやな感じがある」という意味で用いられる。「悍ましい」と同様、嫌悪感を含む表現といえるが、「ぞっとする」感覚のニュアンスは希薄といえる。「悍ましい」の語源
「悍ましい」の語源は古語の「悍し(おぞし)」であるといえる。「おぞし」→「おぞまし(悍まし)」→「悍ましい」という脈絡である。なお現代語には「悍い(おぞい)」という語彙もあり、「おぞし」→「おぞい」という語形の変遷があったことも推察される。古語の「おぞし」および「おぞまし」は、「強情だ」「勝ち気だ」という意味の語である。「おぞし」には「恐ろしい」という意味で使われた例もあるが、「おぞまし」は「勝ち気だ」という言い方でのみ用いられている。現代語の「悍い」は「気が強い」「強情だ」ならびに「恐ろしい」という意味の語であり、ほぼ全く古語の「悍し」と同義である。「悍ましい」のよくある間違い
おぞまし・い【×悍ましい】
読み方:おぞましい
1 いかにも嫌な感じがする。ぞっとするほど、いとわしい。「口にするのも—・い事件」
2 我(が)が強い。強情だ。
「かく—・しくは、いみじき契り深くとも絶えてまた見じ」〈源・帚木〉
おぞまし・い【▽鈍ましい】
「おぞましい」の例文・使い方・用例・文例
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