サディズムとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > サディズムの意味・解説 

サディズム【sadism】

読み方:さでぃずむ

フランス作家サドの名にちなむ》相手苦痛与えることによって性的満足を得る異常性欲サド嗜虐症(しぎゃくしょう)。加虐性愛。⇔マゾヒズム

「サディズム」に似た言葉

サディズム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/30 07:48 UTC 版)

サディズムドイツ語: Sadismus 英語: sadism)または加虐性欲(かぎゃくせいよく)は、相手(動物も含む)を身体的に虐待を与えたり、精神的に苦痛を与えたりすることによって性的快感を味わう、また、そのような行為をしている自分を妄想したり相手の苦痛の表情を想像して性的興奮を得ること。診断基準に当てはまる場合、精神的な障害とも見なされ、この場合は性的倒錯(パラフィリア)となる。日本語において、サディズムの資質を備えた人間を指す通俗的な表現として、サドS、ドSなどがある。

由来

SMプレイ

嗜虐性向の強い小説作品を発表したり、実際にSM行為を娼館で行っていたというフランス侯爵マルキ・ド・サドの名前に由来しており、オーストリア精神医学リヒャルト・フォン・クラフト=エビングの造語である。性的な倒錯として定義されたが、後に、加虐的な傾向一般をサディズム(Sadism)と言うようになり、性的嗜好のサディズムは、「性的サディズム(Sexual Sadism)」とも言い分けて区別することがある。

サディスト

サディズムの資質を具えた人間のことを「サディスト」と呼ぶ。加虐性淫乱症とも呼ぶが、多分に差別的な呼称である。ひとりの人間がサディズムとマゾヒズムを併せ持っている状態は「サドマゾヒズム」と言われる(略称は「サドマゾ」)。

サディズムとは何か

個人の倫理観によっては罪悪感無くや小動物を殺すことがあるが、こうした暴力性はサディズム的ではあるが、本来のサディズムとは、意味や内容が異なる。

言葉の一般化にともない、本来の用法から逸脱している傾向があるが、サディズムというのは基本的に他人を虐待して喜ぶ性質一般を指す言葉ではなく、「他人を虐待することによって性的興奮を覚える性的嗜好」のみを指す。

ある種類のサディズムは性的倒錯に規定されるため、このことにより言葉のニュアンスに差別性が存在するのは事実である。また、世間一般で、サディストは異常性欲者であるという偏見も存在する。

精神障害としてのサディズム

サディズム
概要
診療科 心理学
分類および外部参照情報
ICD-10 F65.5
ICD-9-CM 302.84
MeSH D012448

世界保健機関(WHO)の『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』(ICD)においては、「ICD-9」では「性的サディズム」が独立した診断名として存在し、「ICD-10」では「サドマゾヒズム」の診断名が用いられていた。しかし、2019年の「ICD-11」からは、以前は「性嗜好障害」の下に「サドマゾヒズム」を分類していたが、「性嗜好障害」という言葉を使わずに「パラフィリア症群」という言葉を用い、「サドマゾヒズム」ではなく「強制的性サディズム症」という用語へと変更された[1]

アメリカ精神医学会の『精神障害の診断と統計マニュアル』(2013年のDSM-5)では「同意していない者」に対して身体的、もしくは心理的な苦痛を与えること、もしくはそれを空想することに性的興奮を反復的に感じ、本人が心理社会的な問題が発生していると認めた場合性的サディズム障害の診断を付けることができる[2]

よってBDSMは相手の同意があり、心理社会的問題は発生していないので診断を付けることはできない。

ただし本人が既に同意のない加虐行為を実行しており、多数の被害者に身体的、もしくは心理的な被害を及ぼしている場合でも他者の苦痛に対して無関心に振舞い、社会的問題を否認する者に対しては診断を付けることができる。

暴力行為などから反社会性パーソナリティ障害との鑑別が必要となり、また併発する場合もある。

派生語

  • 通常サディズム、サディストともに「S」などと略す(かつては「S」は「レズビアン」を指す隠語だったので単体で使うようになったのは近年[いつ?]からである)。対義語マゾヒズム・マゾヒスト(M)。
  • 極端にサディスト的な性格の人間(またはそのような振る舞いや考え)を表現する「ドS」という俗語が漫画の台詞やバラエティ番組などで用いられている。対義語は「ドM」。

脚注

  1. ^ 太田敏男「パラフィリア症群・作為症群」『精神神経学雑誌』第124巻第1号、2022年、62-66頁、2023年11月8日閲覧 
  2. ^ 高橋三郎、大野裕、染矢俊幸、神庭重信、尾崎紀夫、三村將、村井佼哉「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」『医学書院』、日本精神神経学会、2014年、688-690頁。 

関連項目

外部リンク


サディズム(加虐性愛)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 08:31 UTC 版)

性的倒錯」の記事における「サディズム(加虐性愛)」の解説

性的虐待性的暴力与え性的嗜好対語は「マゾヒズム被虐性愛)」、両面性のある場合は「サドマゾヒズム加虐被虐性愛)」。英語:Sadism

※この「サディズム(加虐性愛)」の解説は、「性的倒錯」の解説の一部です。
「サディズム(加虐性愛)」を含む「性的倒錯」の記事については、「性的倒錯」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「サディズム」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「サディズム」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「サディズム」の関連用語

サディズムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



サディズムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのサディズム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの性的倒錯 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS