混血説と渡来説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/21 09:36 UTC 版)
土井ヶ浜人は、頭が丸く、顔は面長で扁平であり、四肢骨は長く、男性の平均身長は縄文人より3-5センチメートルほど高く、163センチメートル前後と推定された。このことから金関丈夫は、これらの集団が朝鮮半島からの渡来者と、土着の縄文人との混血であろうと考えた。また、土井ヶ浜人の故郷が朝鮮半島北部と思われることを示唆した。埴原和郎は、中国東北地方、あるいは東シベリアに起源地がある可能性がつよい、混血に対しては、渡来人そのものであると主張し、その証拠に、4世紀の慶尚南道金海の礼安里遺跡の人骨が極めてよく似ている、としている。 しかし、その後、礼安里遺跡人骨との比較分析が行われたが、形質的な同質性をみるに至らなかった。同じ慶尚南道の海岸線にある勒島(ろくしま)などの、比較的土井ヶ浜遺跡と年代の近い人骨との比較では、かなり異なっていることが分かった。 最近の調査で、中国山東省の遺跡で発掘された漢代の人骨資料の中に、土井ヶ浜人ときわめてよく似た形質をもつ資料が多く見つかっている。
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