「チーター」
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「DEATHTOPIA」の記事における「「チーター」」の解説
切嶋カレン(きりしま カレン) 【性別:女 / 年齢:25歳 / 身長:170cm / 血液型:A型 / スリーサイズ:B94(Gカップ)・W62・H96】 大きな眼球に似た形状の「ノイズ」を持つ「チーター」。表の顔はファッションヘルス「TIGER & HONEY」で「ローラ」の源氏名を用いる妖艶な美女であり、新宿ナンバーワンのサービス嬢として男性客の高い人気を得ている。 「特別な眼」と称する好みの眼球を持つ男性を殺害しては、えぐり出した眼球を瓶でホルマリン漬けの「彼氏」と称して収集する性癖があり、チューブトップを着用中には胸の谷間に眼球をえぐり出すためのハサミや、眼球を入れておくための瓶を隠し持っている。「チーター」としての能力は強靭な腕力や脚力、そして迅速な自己治癒力であり、殺害方法には被害者の眼が真っ赤に充血する絞殺を好んで用いるうえ、その際には性的興奮すら覚えている。コウ以前の被害者は全員が大企業の幹部や政治家などのVIPであり、第2話時点での総数は23人にも上る。殺害対象は男性だけと決めており、女性は緊急時以外は対象外にしている。なお、表の顔で甘言を用いて籠絡したTIGER & HONEY常連客の山本やチンピラたちについてはいきなり殺害せず、手駒としている。 眼球への異常な執着は幼少時から見せており、当時にはイヌやネコの眼球を収集していたほどで、11歳時には初めて人間の眼球にも手を出した(自分へ欲情した担任の男性教師の眼球をえぐり出したうえ、それを現在でも大切に保存している)。大学在学中には好奇心から始めたサービス嬢をきっかけとして暴力団関係者と知り合い、趣味と実益を兼ねて彼から依頼を受けるようになった。なお、これらのことを説明した単行本第2巻巻末のプロフィールにおけるカレンの背景には、新宿国際劇場ビルがフリー素材の写真を加工する形で描かれている。 北上総合病院ではコウの絞殺に取りかかったところを早希たちに銃撃され、4階の窓から落下して地表へ激突するが、血みどろの沈黙状態から復活して逃亡する。後日、チンピラたちにコウを山本のワンボックスカーへ拉致させたうえで改めて絞殺に取りかかるが、またもや早希たちのために失敗すると、逃げ込んだ廃ホテルで最後の抵抗を試みる。しかし、コウの能力のために失敗して早希と舞夜の斉射を受け、彼へ怨嗟の言葉を吐いた後に死亡する。 作者が後年発表した作品『サタノファニ』にて、女性刑務所の囚人という設定で登場している。また、「元風俗嬢で男の眼球をえぐってきた」という解説から基本的な設定を引き継いでいる。 リッパー 街頭からコウの尾行に気づかないまま入った一軒家で、家人たちを斬殺した男性。本名は不明。犯行の際には鎌に似た形状の「ノイズ」から示唆されるように、ナイフで相手の喉を斬り裂くという殺害方法を用いるため、6係には「リッパー」のコードネームで呼称される。一軒家の周辺を入念に見回ってから侵入するなど、犯行時に発揮する狡猾な性格に加え、「チーター」としての能力は瞬発力に長けており、これで相手から反撃されずに斬りつけることを可能としている。死亡してまもない家人たちの血の臭いが充満した凄惨なリビングで悠然と構えながらカップラーメンを食べたりテレビ番組を見たりと満喫する一方、自分を尾行していたコウの存在には最後まで気づかないなど、鈍感な一面を持つ。 九重や結衣の台詞によれば、コウとは偶然関わることになっただけであり、彼の通報からまもなく6係に確保されていたうえ、表の顔は小学校の優秀な教師として生徒や父兄からの信頼も厚かったが、裏の顔は日本各地への旅行中にその先々で総数18件もの犯行に及んでは、証拠をほとんど残さずに立ち去るというサイコキラーでもあった。 園山ユリエ(そのやま ユリエ) 【性別:女 / 誕生日:1950年8月14日 / 身長:162cm / スリーサイズ:B84(Cカップ)・W60・H88 / 出身地:神奈川県】 無数の顔に似た形状の「ノイズ」を持つ「チーター」。表の顔は美園美容クリニック院長。結婚歴無しで60歳を超えてなお若々しい美貌を保っていることから、世間には「美の伝道師」として知られるが、それは何十回もの整形手術によるものに過ぎない。 常人の10倍もの強大な握力 (450kg) を持つ。また、若い美女への偏見や憎悪に満ちており、彼女たちを自宅内の潜伏先へ拉致・監禁したうえで全裸にしてナリジクス酸を含む合成ドラッグを注射し、翻弄や罵倒を行ってから前述の握力で顔の表皮を剥がして殺害するうえ、その死体にドレスを着せて裏路地へ晒す。そういった経緯から一課には性犯罪者の男性と分析され、6係には「フェイス」のコードネームで呼称される。 美への異常な執着は幼少時から見せており、16歳時に初の整形手術を受けて以降、それを繰り返して別人のような顔を入手したが、その後も満足せずに若く美しい顔を求め続けるようになった。被害者たちから剥がした顔の表皮は、パックに用いている。 「銀座美人OL変死事件」を報じるテレビ番組へ出演し、殺人犯(フェイス)を許せない旨を「全女性に対する挑戦」とコメントする一方、潜伏先では既製品のマスクやマントを着けてフランケンシュタインの怪物に扮する。UDからメールで提供されたひなたの情報に興味を持ち、彼女を拉致して合成ドラッグで弄びながら美女たちを罵倒していた深夜、コウへの迎撃を経て結衣たち3人に確保される。その後、寝室で反撃へ転じて追い詰めたところを結衣に刀で左手首を切断され、警察病院へ収容された。大量出血からの回復後には尋問が予定されていたが、留置場内でUDに始末される。 香炉鈴音(こうろ すずね)、香炉響(こうろ ひびき) 鈴音 - 【性別:女 / 年齢:20歳 / 身長:173cm / スリーサイズ:B83(Cカップ)・W57・H88】 響 - 【性別:男 / 年齢:20歳 / 身長:180cm】 双子の姉弟2人の「チーター」。表の顔は読モとして知られる。色白な長身の肉体の性差以外はほぼ同一の容貌や髪型(異なるのは前髪の色だけであり、鈴音は右前頭部、響は左前頭部がそれぞれ濃い)の妖艶な容姿であり、首には縦真っ二つに分割されたクロスペンダント(鈴音は右側、響は左側)をそれぞれぶら下げている。また、鈴音は城南大学の国文科に在籍していた元学生でもある。頑丈な髑髏柄のヨーヨーの糸(特殊なアラミド繊維製)で相手の身体を分断する斬殺を楽しんでいる。「チーター」としての能力は「スピード」と称される高速移動(相手の微細な予備動作から即座に本動作を予測し、身体を素早く動かすこと)であり、結衣と早希の銃撃をかわす際などに発揮している。UDの指示を受け、手始めの殺害現場に被害者・洋の死体と血液でコウへの「挑戦状」を残した後、城南大学にて鈴音が彼に接触し、結衣と名乗り合う宣戦布告に至った。 ロシアンパブのロシア人ショーダンサーを母、彼女の客の日本人会社員を父に持つハーフであるが、誕生直後に母が帰国したうえ、妻子持ちだった父に引き取りを拒否されたため、児童養護施設で経営者夫婦による壮絶な性的虐待に苦しめられながら育つ。薬物投与すら伴うそれは鈴音のトラウマになっていたことや、彼女と響が「チーター」として覚醒した後に経営者夫婦を十字架で刺殺していたことが、後に早希との会話や九重の台詞で明かされている。そのため、コウが視認した「ノイズ」は十字架に似た形状である。 乱交すら平然と楽しむ一面については、愛情を伴わないそれを大した問題ではないと思い込むことで、前述の性的虐待に傷つけられた精神の均衡を保つためであり、事後の斬殺も相手のことを経営者夫婦に重ねて見ていたためである。姉弟姦についても、お互いをもう1人の自分と認識していた自分自身を、無自覚のうちに慰めたいためである。そういったこともあって鈴音は性欲が響以上に強く、結衣を凌辱する際には嫌がる彼女の性的快感をたやすく引き出すなど、性技にも長けている。 レイブパーティーの会場では、刺客たちを率いてコウと結衣たち3人を襲撃する。しかし、コウの「チーター」の能力無効化能力を覚醒させた一方、結衣を輪姦の危機に、早希を公開処刑の危機にそれぞれ遭わせたことがUDの想定を超えたため、彼の指示を受けたトオルの介入に遭った結果、コウの「チーター」の能力無効化能力で結衣と早希の銃撃をかわせなくなり、死亡する。 UDに手配されたレイブパーティーの刺客たち レイブパーティーの会場でコウと結衣たち3人が目の当たりにした「チーター」たち。「チーター」同士のネットワークを介してUDに手配された多数の者(狂暴化していない者も含む)が一般参加者たちに紛れ込んでおり、刺客を務める者たちは次々にコウと結衣たち3人へ襲いかかる。鈴音の使者 鈴音からコウと結衣たち3人への伝言を録音されたグロテスクな人形を抱いた、ファーストフード店員姿(マクドナルドの制服に酷似)の女性。当初は薄ら笑いを浮かべているだけだったが、伝言の再生が終了すると薬物中毒の症状を露わにして涎を垂らしながら笑い出したため、事情聴取もままならなくなる。 バイス 3人を殺害して指名手配中の色黒かつ筋肉質な巨漢。本名は不明。コードネームは、万力を用いる殺害方法に起因する。自身も常人を超越した強大な腕力の持ち主であり、森の中でバーチャルアイドル姿(初音ミクに酷似)の女性を圧殺した後、樹上へ登ってコウと結衣たち3人を待ち伏せていた。飛び降りて濁音交じりの片言でしゃべりながら襲いかかり、9mm弾自動式拳銃では貫けない頑強な両腕を並べて頭部を防御するが、二手に分かれた早希と舞夜の斉射で防御を破られ、射殺される。 ホスト姿の男性 鈴音の指示で丸腰となった舞夜に対し、ハードロッカー姿の男性と組んで襲いかかるホスト姿の男性。常人では曲げられない方向にも曲がる全身の柔軟な関節(そのため、早希や響には「イカ男」と称されている)と、潜水泳法に長けている。舞夜の脇腹を殴ったうえで崖の上から湖へ突き落とし、飛び込んだ水中で止めを刺そうと絡みついて絞め上げる一方、彼女を救出しようと追ってきたコウを一蹴する。しかし、まもなくコウの「チーター」の能力無効化能力が発動したことで、苦悶の表情を浮かべた死体となって湖岸へ打ち上げられる。 ハードロッカー姿の男性 鈴音の指示で丸腰となった早希に対し、ホスト姿の男性と組んで襲いかかるハードロッカー姿の男性。早希の動体視力で捉えきれないほど高速なナイフ捌きに長けており、追い詰めた際に渾身の反撃で頬の負傷こそしたものの、鈴音の介入もあって早希を圧倒する。その後、会場にて磔となった早希をナイフ投げで辱めながら重傷を負わせて嘲笑していたところ、復帰した結衣の刀で頭部から一撃のもとに斬殺される。その死体は後に、鈴音と響が結衣と早希の追撃をかわす際に時間稼ぎの盾として用いられ、早希のリボルバーの銃撃で破壊された。 ピカソ 鈴音と響の死亡後、UDが差し向けた次の「チーター」。ギョロ目の下に隈がある、痩せ気味の青年。本名は不明であるが、早希には後述の経緯から「慎(しん)兄ちゃん」と呼ばれている。 「ピカソ」は6係によるコードネームではなく、初犯時の自称がそのまま用いられている。その犯行と併せ、舞夜にパブロ・ピカソの絵画『ゲルニカ』になぞらえたものと分析されている通り、彼の名言 "Every act of creation is first an act of destruction." にちなむ「どんな創造も初めは破壊から始まる」という趣旨のもと、徹底的な破壊を求めている。 「チーター」としての能力は、対象物に触ることでその鉄分を分解して発生する水素を用いた爆発であり、水素の発生過程から鉄腐食性メタン生成菌に例えられている。犯行現場に爆発物の残骸や原料の化学物質などが一切残らないために「見えない爆弾」と称されるが、暗躍開始当初は起爆時刻の完全制御にまだ至っておらず、買春したデリヘル嬢への誤発動すら描かれている。起こるのが水素爆発ゆえ、対象が鉄分を含むものや犯行現場が屋内にそれぞれ限られるものの、最終目標である警視総監を狙った際は、コウと早希の機転が無ければ確実に成功する精度や破壊力を見せるに至った。 表の顔はデイトレーダーとして、潜伏先で羽振りの良い生活を送っている。物語開始の2年前は葵の婚約者にして早希から義兄として慕われていたごく普通の優しい青年であり、目つきもギョロ目ではなかった。葵との愛を育んで婚約に至ったことで、早希とも本当の家族になれると喜んでいたが、葵との婚前旅行で同乗中のバスが転落事故に遭った際に負傷して昏倒したうえ、その直前に意識が朦朧としている目の前で、彼女を何者かに拉致されてしまう。それをきっかけに「チーター」としての能力に覚醒し、気配も「チーター」のそれへ変化した(それゆえ、「チーター」であることは早希に知られている)。葵と彼女を拉致した者たちを探し出すため、退院後すぐに失踪していたところ、目的への協力者であるUDとの契約に応じ、ピカソとして暗躍するようになった。そういった理由から、葵との婚約指輪は現在でもネックレスとして着けている。 警視総監の死亡で契約は完了したため、葵の居場所がまもなく判明する旨の吉報を早希の携帯電話へ伝えると、葵の居場所を教えてもらうために地下駐車場でUDとの密会に応じるが、その場で始末される。 後に瑞樹の口から、バスの転落事故の際に秋人のウイルスに感染したと考えられることが明かされている。 沖田睦夫(おきた むつお) 【性別:男 / 年齢:35歳 / 誕生日:1980年6月30日 / 出身地:滋賀県】 物語開始の2年前、如月家を襲撃して結衣の家族の毅・恵美・孝を惨殺した「チーター」。コードネーム「リバース」は、被害者の身体が斬り裂かれて内側から反転させられている(裏返しにされている)という、凄惨な殺害状況にちなむ。「S級」(エスクラス)と評される危険な存在であり、如月家の襲撃後から2年間は活動していなかったが、ピカソの死亡後に活動を再開した。なお、殺害対象については無差別ではなく新聞や雑誌に掲載された人物から選んでおり、今回は雑誌の発刊ペースに合わせて犯行を重ねるといった独自のルールを持っている。 「チーター」としての能力は、身体から半径2m30cmの範囲へある種の化学物質の微粒子を放出し、知らずにそれを吸った被害者の身動きを封じてその身体を言葉で自在に操作することから、宿主を操作する寄生虫(睦夫による説明では、トキソプラズマやハリガネムシなど)に例えられている。その能力を用いて被害者をM字開脚させて仰向けに反り返らせた後、生かしたままその身体をナイフで斬り裂いて裏返しにするという極度のサディストであり、2005年10月から不定期に潜伏期を挟みながら一度の犯行期につき約10人を殺害している。そのため、第37話時点で報告書に記録済みの犯行の総数が3回なのに対し、被害者の総数は28人にも上る。 森元家の襲撃後、結衣におびき寄せられてホテルの屋内プールで彼女を襲撃したところを電流の結界で感電させられるが、殺意をこらえて逮捕に踏み切ろうとする結衣の身動きを能力で封じる。勝ち誇りながら結衣の肌を斬り裂いていく途中、彼女の遺憾に共鳴したコウの能力で殺意のおもむくまま起き上がる結衣に右手を握り潰されたうえ、「止まれ」の言葉すら効かなくなって刀を再び手にした彼女に斬首される。 山下崇(やました たかし) 秋人のウイルスで能力に覚醒した「チーター」の1人。強靭な指の力で対象を貫く破壊と殺戮を楽しむことから、「フィンガー」のコードネームを付けられている。表の顔は陸上自衛隊音羽駐屯地の幕僚長であり、秋人のクーデターにも加担していた。クーデターの決行前には駐屯地を訪問した秋人たちに感謝し、「チーター」としての邪悪な自信を覗かせていたが、クーデターが未遂に終わったために潜伏する。 最終決戦後の冬、少女8人を殺害した容疑の固まった崇の逮捕にコウたちが出動していくシーンで物語は幕を下ろす。
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