「チーター」を使役する者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:11 UTC 版)
「DEATHTOPIA」の記事における「「チーター」を使役する者」の解説
UD(ユーディー) 物語開始当初におけるコウと結衣たち3人の宿敵。鋭利な目つきや左右両端が2つに分かれた眉以外は、落ち着き払ったごく普通の成人男性という容姿。物語序盤に「チーター」への協力者として暗躍する形で登場した後、コウの能力発現のきっかけとなったひったくり事件からのひき逃げ事故を起こさせた張本人であることや、自身も「チーター」の1人であることが明かされているが、「ノイズ」の形はコウがいくら集中しても見えない不定形である。 表の顔は「阿久津海」(あくつ かい)の本名で警視正として立ち回っており、警視総監の感電死後には警視副総監へ抜擢されている。 「チーター」としての能力は、相手を耳鳴りと共に手を触れずに圧倒あるいは失神させることや、全身の穴から血を噴き出させて死に至らしめることであり、後にコウと結衣たち3人が蒔絵を救出に現れた際には、それが身体から超音波を自在に発する能力であることを彼らに明かしている。UDがクジラやコウモリを例に挙げるこの能力は、出力を調整することで前述のようにさまざまな攻撃のほか、反響させることで背後を把握する、収束させることで相手の攻撃を弾くといった、レーダーやバリアのような使い方もできる。 クラッキングにも長けており、その対象については早希の自動車に搭載された情報端末や結衣が睦夫をおびき出した屋内プールの監視カメラなども網羅しているため、コウと結衣たち3人の行動の大半はUDに筒抜けとなっている。 ユリエを始末した後には結衣たち3人の住むマンションを訪れ、当初はUDであるとは知らずに応対したコウの様子を確認すると、前述の能力で彼や脱衣所の結衣たち3人を圧倒しており、満足げに「第一段階」と評して次のステップへ進むことや、彼らと「チーター」を使って新世界を創造する旨を言い残し、立ち去っている。 コウのことは「私にとって最も重要なパーツ」、結衣たち3人のことは「大事な生贄」ともそれぞれ称している。また、同棲かつ共闘するコウと結衣たち3人の関係を音叉に例えており、彼らに「人体間の共鳴」を初めて起こさせた際には称賛している。 物語開始の10数年前には星宮家の財産を狙い、舞夜の父を交通事故に遭わせてその処理を担当する警察官の「蘇我兼人」(そが かねと)と名乗って近づいたうえ、舞夜には絵を好むことを調べたうえで褒めて自分に懐かせるなど、言葉巧みに星宮家の関係者となる。まもなく、真相を知った舞夜の父を能力で心不全にさせて殺害した後、舞夜の母を籠絡して財産の相続候補たちを次々と殺害させたうえ、彼女についても星宮家でのセックス中に能力で殺害する。その現場を目撃した舞夜が逃走の果てに瀕死の重傷を負った際には、理由は不明ながら殺害せずに放置して星宮家の財産を手にしたため、生き延びて真相を理解した彼女からは激しく憎悪されることとなった。 正体はコウの実父。「チーター」化を経て今や肉塊と化した妻の蒔絵を救うため、「チーター」を組織化して使役しながら暗躍する一方、警視庁には頭の切れる九重を責任者に据えて6係を創設させるなど、コウや結衣たち3人をはじめとする多数の人々を利用していた。トオルや瑞樹に説明していた「東京を地獄に変える」計画も実際には別の男性(秋人)によるものであり、蒔絵を救うためには彼を殺害する必要があるという。 培養槽から溢れ出て暴走する蒔絵の姿に彼女を救えなかったことを悟り、慟哭していたところに全裸の蒔絵の姿に擬態して現れた陽子を看破できず、感激して抱き締めた際に右脇腹をナイフで刺される。そのため、正体を現した陽子の撃ったサブマシンガンの弾丸を能力でかわしきれなくなり、死亡する。その後、UDが「チーター」を使役していた本当の目的は、彼らを駆逐して犯罪の無くなった綺麗な世界で蒔絵と暮らすことだったと、瑞樹の口から明かされている。 物語開始の18年前には藤村夫妻と共に科警研に所属しており、犯罪予防のために設立された新たな部署の代表者として、義弟・秋人の検査に取りかかる。その結果、秋人の身体に存在する未知のウイルスの影響で「チーター」として覚醒したことが、記録映像から明らかとなっている。 林西トオル(りんざい トオル) 「UDの使い」を自称する青年。顔には大きな傷痕3本が横断しているなど、『エデンの檻』の登場人物・林西トオル(の素顔)に酷似する特徴を持つ。「チーター」の1人でもある。 ワンボックスカー内で鈴音の仲間たちに輪姦される寸前だった結衣のもとへ現れ、車内外に群がっていた彼らを後述の能力で皆殺しにすると、結衣を手錠から解放して元の衣装や武器を与え、早希の窮状を伝えて彼女のもとへ向かわせる。その後、ピカソの爆殺予告による警視庁庁舎の混乱に乗じる形で、警視総監たちを殺害する。警視総監たちの死因が水浸しの床で感電死という、鈴音の仲間たちと同様だったことからも、能力は電気を操るものと考察されている。その後、UDとの密会時には彼に発現させられた能力であることが明かされている。 単独行動中の結衣を追跡中のコウと舞夜を襲撃した際には、彼らの車の電子部品をワイヤー付きのナイフを介した電撃で破壊して事故に遭わせているが、そのことはコウの新たな能力の覚醒にもつながったため、黒い眼と化してさらなる電撃に雄叫びを上げた彼と同様に黒い眼と化す舞夜を、目の当たりにすることとなった。 鈴音と響の犯行については「警察へのいいアピールになった」と評しているが、「チーター」の存在については明るみに出したくないため、ピカソの趣旨や犯行については危惧しており、睦夫の犯行の際には結衣を失いかねないUDの考えにも疑念を持つほどである。また、女性を危険な目に遭わせることは好まない主義であることを、たびたび口にしている。そういったこともあり、UDとの密会時には彼が「約束」を違えた場合は許さず、独断で動くことを明言している。 上記のことも含めて情に厚い一面を持っており、知人の冬弥が全身火傷で入院した際には、彼から頼まれて「顔の古傷が痛んだ」としてコウを迎えにオートバイで藤村家を現れ、彼を乗せたまま追手の覆面パトカーを振り切る走りぶりを見せた後、病院を後にしたコウを練馬駅まで送ることすら行っている。なお、その際にコウと交わした会話から、蒔絵についてはUDから何も知らされていないことが示唆されている。UDが陽子に殺害された際には、秋人の情報を得るためにUDや瑞樹とは別行動を取っており、UDのネットワークが早くから秋人に乗っ取られていたことを、勝田を締め上げることで掴んでいる。 表の顔はUDと同じ部署に所属しており、特別入館許可証を見せることで警視庁庁舎に出入りできる。また、昔は秋人の生徒の1人にして妻子を持つ身だったが、それゆえに妻子を殺害してしまった過去を持ち、その贖罪のためにも秋人を止めようとUDに協力していたことを、妻子の眠る林西家の墓参りの際に瑞樹に明かしている。 教会では秋人の伏兵たちに銃口を突きつけられて絶体絶命の瑞樹を電撃で救うが、すでに伏兵たちとの戦闘で負傷しており、その手強さとなおも続く戦闘でコウたちのもとへは駆けつけられないことを悟る。 最終決戦後には1か月間の昏睡から目覚めたコウの居る警視庁庁舎を後に、バイクで走り去っていく。 村雨瑞樹(むらさめ みずき) 【性別:女 / スリーサイズ:B90(Eカップ)】 SUZUMIYAの売場爆破事件を報じるニュース番組を、バーでトオルと共に見ていた美女。毛先が所々跳ねたショートカットの金髪に、右眼が隠れるほど長い前髪や、同性すら赤面させる妖艶な魅力が特徴。「チーター」の1人でもある。 表の顔は警察官であり、警視総監たちの感電死による6係の上層部の混乱に乗じる形で、九重の後任に就く。喫煙者であり、紫煙を漂わせながら文字通り煙に巻くような言動が多い。 「チーター」としての通称は、理性を崩壊させて本能をむき出しにさせる毒を体液として生成する能力や、それを指輪の仕込み針で対象へ注入することにちなみ、「スティンガー」(毒針)。6係への着任時には通称通りの「最初の仕掛け」に動き、コウの性的魅力を褒めることで結衣たち3人にも気づかれずに彼へ毒を注入し、勃起や淫夢を引き起こさせている。そのことはコウの共鳴能力の覚醒にも影響し、結衣に睦夫を斬首させることにつながった。また、この毒は唾液として素肌へ塗布しただけでも強力な媚薬のように作用するため、拘束を経て露出させられた胸元へ塗布された結衣や早希が、首筋にも噛みつきによる出血を伴いながら注入された際には、瑞樹の性技とも相俟って強制的に発情させられている。そのほか、蒔絵の毒を中和できる毒を生成する能力も持っており、こちらは彼女の浮かぶ培養槽の液体を介して作用させている。 舞夜に人事部をクラッキングされた際にはUDへ報告する前に独自で対処し、舞夜のノートPCを逆にクラッキングして破壊へ至らしめるなど、コンピュータ技術にも長けている。 蒔絵の毒の中和に際してはUDに抱き寄せられて嬉しそうに応えるほか、彼の目の前で平然と全裸になるうえ、それを終えた後も全裸のまま寄り添って股間へ手を伸ばすなど、UDには仲間以上の感情も抱いている。そのため、培養槽内の蒔絵には皮肉を浴びせている。 慶東大学の研究棟では蒔絵の救出に乗り込んできた結衣と早希を毒で強制的に発情させたうえ、UDと蒔絵のもとへ向かったコウを余所に自分は昏倒させた舞夜を発情させようとするが、悶えながらも起き上がった結衣と早希に拳銃を突きつけられ、人質としてUDのもとへ引き出されたところ、彼に用済みと見限られてコウと結衣たち3人ごと能力で圧倒される。まもなく、失神から目覚めた際にはコウと同じく黒眼化した結衣と早希を目の当たりにした舞夜に、彼女が毒を注入されていないことからコウの覚醒がまだ不十分となったため、蒔絵の能力は無効化されずに暴走したことを明かす。陽子の撤退後には彼女に殺害されたUDの死体を抱えながら泣き叫ぶが、3日後にはコウと結衣たち3人にUDの本当の目的を明かすと、それを実現させるために阻止するはずだった秋人によるクーデターをUDに代わって阻止しようと、協力を要請する。 教会では内部へ乗り込んだコウたちと九重のバックアップを担当し、部下たちを率いて秋人の死体の回収に向かおうとするが、彼の伏兵たちの奇襲で部下たちを全滅させられ、自身も射殺されそうになったところをトオルに救われる。1か月後、昏睡から目覚めたコウから蒔絵のことを聞かされた際には、心臓だけの彼女が最後の再生能力を用いてコウを救ったと分析している。 最終決戦後には6係で九重の補佐に就いた模様。
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