「チンチン電車」という通称
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 19:32 UTC 版)
「路面電車」の記事における「「チンチン電車」という通称」の解説
ファイル:Toden Arakawa Line-bell.ogg 「チンチン」という発車合図のベル音(都電荒川線の7000形の車内にて録音) この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。 これには2つの説があり、1つは、通行人への警報のために、運転士が足で床下の鐘(フートゴング)を鳴らす音から来ており、もう1つは、車掌が運転士にあるいは運転士が車掌に合図を送るために鳴らしていた鐘(あるいはベル)の音に由来する。鐘の音は以下のような意味で使用されていた。 走行中電車が停留場に近づいたとき「チン」と1回鳴らせば「降客があるため停車せよ」または「停車する」 「チンチン」と2回鳴らせば「降客がないので通過しても良いか」または「良い」 さらに停車中に「チンチン」と2回鳴らした場合は「乗降がすんだので発車しても良いか」または「良い」 「チンチンチンチン」と3回以上の連打は「直ちに停車せよ」または「停車する(非常停車)」 現在でも都電荒川線や阪堺電気軌道の全車両(阪堺電気軌道はフートゴングのみで、501形、1001形「堺トラム」、および1101形には装備されていない。)で発車時に聞くことができる。ただし現在は全列車がワンマン運転のため、上記で述べた車掌・運転士同士の連絡には用いられず、乗客に対する発車合図という位置付けである。また、函館市企業局交通部で夏季に限って運行されている箱館ハイカラ號の他、とさでん交通の100形・590形・2000形以外の降車合図音で聞くことができ「維新号」でもこの鐘が信鈴として使用されていた。阪堺電気軌道のモ161形161号「昭和40年代復元車」にも、使用されてはいないが再現してある。 戦後は、改造によりベルを連続音の電鈴やブザーに交換した車両や、ブザーのみで新製された車両が現れたが、吹鳴回数や伝達内容はベル時代のそれを踏襲している。現在も広島電鉄では、車体の長い連接車のツーマンで運行されるため、車掌と運転士の合図にブザーが使われている。2回続けて鳴らす発車合図という点では変わらないが、ブザーのため「ギッ、ギッ」という音である。 なお、路面電車以外では名古屋鉄道(ただし300系以降の車両は2打式ブザーに変更)や京阪電気鉄道・阪急電鉄・阪神電気鉄道・近畿日本鉄道・南海電気鉄道・京都市営地下鉄烏丸線・大阪市営地下鉄・筑豊電気鉄道等でも、ワンマン運転路線を除きベル2連打による合図を残している。過去には神戸電鉄や叡山電鉄などでも行っていた。特に路面電車発祥の会社が多い関西の路線に多い。関東でも、京成電鉄やそのグループである新京成電鉄および北総鉄道、また京成電鉄の乗務員が引き続き乗務する直通先の芝山鉄道では発車時にブザー2回、停車駅が近づいた時にブザー1回と、路面電車式の合図を行っている。 地域によっては音の違いから「カンコカンコ電車」という呼び名もあった。
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