「チリの奇跡」とは? わかりやすく解説

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「チリの奇跡」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:43 UTC 版)

アウグスト・ピノチェト」の記事における「「チリの奇跡」」の解説

詳細は「チリの奇跡」を参照 経済政策では、ミルトン・フリードマン主張する新自由主義実行し、「シカゴ学派」と呼ばれるフリードマン弟子マネタリスト(シカゴ・ボーイズ)を大勢招いたピノチェト世界恐慌以来続いた輸入代替政策大規模な否定取り掛かったのである事実ピノチェト政権奪取後から短期的に良好な経済成長実現しフリードマンピノチェト政策を「チリの奇跡」と呼びピノチェト支持者たちは「アジェンデ失政によって混乱した経済立て直した」と評価したピノチェト時代には経済中心それまでサンティアゴバルパライソから南部テムコ北部アリカや、イキケコピアポ移動した経済的に日本との貿易関係が拡大し低く抑えられ賃金による農業セクター拡大もあり、特にブドウ産業成長したことで、チリワイン生産拡大し本格的な輸出品となった新自由主義政策においては企業民営化なされたのみならずアジェンデ時代行われた農地改革否定され農民分配され農地大土地所有者の手戻ったまた、徹底的な民営化政策にもかかわらず当時チリ世界最大輸出国チリ経済果たしていた役割大きさのために、コデルコのような国営企業設立してアジェンデ時代国有化され鉱山民営化はなされなかった。また、1982年-1983年大幅なマイナス成長のため、1984年10月にはクルサト・ラライン・グループの8銀行国有化された。 また、フリードマンらが評した「チリの奇跡」にもかかわらずピノチェト政権1973年から1990年までの実質GDP成長率は年平均で3.70%に留まりピノチェト否定しようとした輸入代替工業化政策期(1940年から1973年)の3.86%を下回った新自由主義政策一部の者にのみ富を集中させただけで、1975年にマイナス12.9%、1982年にはマイナス14.1%と恐慌直面しており、このように平均では決し高くないパフォーマンス記録せざるを得なかったのである。さらに、1975年には4.3%であった失業率が、80年代平均では22.5%に上昇した貧富の差急激に拡大しアジェンデ政権のような極端な物不足はなくなった代わりに輸入品国内雪崩れ込み製造業壊滅貧困率アジェンデ政権下の2倍の40%に達したほかハイパーインフレも深刻で、インフレ率数百%にまで達している。1985年にはエルナン・ビュッヒが経済相就任し1987年から1989年まで価格国際的に上昇したことも助けとなり、1987年には6.6%、1988年には7.3%、1989年には10.6%と高い実質GDP成長率記録した1985年から1996年までの実体経済における平均成長率は、チリ以外のラテンアメリカ諸国上回る7%となった経済全体として国内生産15%下落賃金1970年3分の1にまで激減するのみならず1973年には2億ドル程度であった公債費が1979年初頭には16ドルにまで急増国民生活貧窮ぶりは目を覆うばかりであり、1976年にはフランス科学機関チリ国民栄養状態について、次のような報告書まとめている。 「 2歳幼児地面座り込み、ほとんど体の均衡を保つこともできないのを見ると、心は悲しみに沈む。この子は立つことができず、歩くことも話すこともできない体重はわずか9キログラムしかない 」 しかし、乳児死亡率については1970年から1985年にかけて1000人当たり82.2人から19.5人へ下落し1980年代ラテンアメリカ諸国で最低を記録した

※この「「チリの奇跡」」の解説は、「アウグスト・ピノチェト」の解説の一部です。
「「チリの奇跡」」を含む「アウグスト・ピノチェト」の記事については、「アウグスト・ピノチェト」の概要を参照ください。

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