膣とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 言葉 > 程度 > 一部 > の意味・解説 

ヴァギナ

別表記:膣、バギナワギナ
英語:vagina

ヴァギナとは、「膣(ちつ)」を意味する英単語vaginaカタカナ表した語。

アルファベットの「v」の音を再現する慣用的な表記として「ヴァギナ」が用いられるが、日本語では「ヴァ」と「バ」の音の区別がほぼされないため「バギナ」、また「ワギナ」と表記される場合もある。英語の発音はやや異なり、あえてカタカナ用いて表記するならば「ヴァジャイナ」となる。日本語においては、膣という語のほうがより一般的に使われているといえる。なお、ヴァギナの語源は、ラテン語で「鞘(さや)」を意味するvāgīnaである。

ヴァギナは、人間では女性動物では雌が持つ生殖器で、子宮開口部をつなぐ細い管状器官である。人間において、主にヴァギナは膣などの性器からの分泌物月経血を体外排出するための通り道男性器受け入れ出産時胎児通り道となる産道としての役割を果たす

人間のヴァギナは酸性保たれているが、酸性度個人により差がある。ヴァギナが酸性のままであると、アルカリ性である精子死滅してしまい、子孫を残すには問題生じるが、性行為により絶頂感じると子宮入り口である子宮頸管しきゅうけいかん)から強アルカリ性液体分泌され膣内アルカリ性傾けて精子生き残りやすくするとされている。

ちつ【×膣】

読み方:ちつ

[音]チツ(漢)

女性生殖器一部。ちつ。「膣炎

[補説] 「腟」は俗字


ちつ【×膣/×腟】

読み方:ちつ

女性生殖器一部陰門から子宮頸部(けいぶ)までの間。交接の際に陰茎入れ分娩(ぶんべん)時には産道となる。


【仮名】ちつ
原文vagina

子宮から体外伸びる筋肉の管。「birth canal産道)」とも呼ばれる

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/08 00:42 UTC 版)

女性器の模式図
膣管(左が正常、右が閉経)
ラテン語 vagina(ワギナ)
英語 Vagina(ヴァジャイナ)
器官 女性器
動脈 腸腰動脈
膣動脈
中直腸動脈
テンプレートを表示

または(ちつ、: vagina: Vagina)とは、動物における雌性の生殖器のうち、体内にあって体外の開口部に連なる末端部の名称である。この項目では便宜上、女性という語を使用し、性別に言及する。

動物一般

一般的に雌性生殖器のうち、体表面と内部の子宮等の生殖器をつなぐ管状構造のこと。交尾出産に使われる。無脊椎動物を含め、体内受精を行う動物ではこの構造を持つ例は少なくなく、下等な方では無腸動物にもその例がある。鳥類や幾つかの爬虫類、および単孔類など一部の哺乳類における膣は総排出腔(=総排泄腔)であり、昆虫無脊椎動物においては卵管(=輸卵管)の末端部である。

哺乳類の場合

哺乳類においては雌の子宮から体外に通じる管状の器官であり、交接器と産道を兼ねている。また、膣の開口部(膣口)は外陰部に位置する。

役割

膣の役割は以下のものがある。

処女膜

処女膜Hymen)は、哺乳動物ではモルモットゾウハクジラアザラシジュゴンキツネザルなどに存在する。多くの場合は膣口を完全に覆うものではなく、処女膜は膣口周囲を縁取る、もしくは部分的に覆う構造をしている。帯下(おりもの)や月経期間中の経血は、処女膜に空いた穴を通り排出される。処女膜の役目は「未成熟な内性器を細菌などから守るものだ」など諸説あるがはっきりしていない。ヒトにおいての処女膜はやや薄く、性交の経験がなくとも破れることはある[1][リンク切れ][2]。また、破れる際に必ずしも出血や痛みを伴うものではない[3][出典無効]

子宮頸部

子宮頸部およびその周りを取り囲む膣円蓋が膣の行き止まりを形成する。子宮頸部のほぼ中央部に子宮口(外子宮口)が開口しており、子宮頸管・子宮へとつながる。ヒトにおいて子宮頸部は約2〜3cm程度膣内に突出しており、周産期以外は子宮口のサイズは数ミリ以下である。膣の真上ではなく斜め前方についていることが多い。これは子宮が通常は前傾している事による。ただし、子宮が後屈している場合などはこの限りではない。

ヒトにおける膣

ヒトにおいては、子宮頸部の周りを囲む膣円蓋部から体表面をつなぐ筋肉でできた伸縮性のある管状構造をしている。膣内は分泌液によって酸性に保たれ[4][リンク切れ]、細菌などの有害な異物の侵入を防いでいるが、いわゆる無菌状態ではない(代表的な菌として、デーデルライン桿菌がある)。この膣の自浄作用により、精子も大半が死滅するほどである[5](もちろん、妊娠を望まない性交を行う際には避妊が必須である)。膣の長さは約7〜9cm程度とされてはいるが[6]、個人差も大きく膣自体に伸展性もあるため必ずしも平均に当てはまるものではない。月経周期[7]や年齢によって子宮・膣を支える骨盤底筋の強さに変化が現れ、膣の長さが変化することもある。

性器を含んだ画像があります。
表示する場合は右側の「表示」をクリック
(モバイル版の場合はタップして表示)。
膣のひだ(Rugae)

女性の外性器の解剖学

女性の外性器は、よく「膣」であると言われるが、厳密には外陰部(=Vulva(ウルウァ:ラテン語の「子宮」に由来する)または、Pudendum(プデンドゥム:ラテン語で「恥るべき」を意味するpudendlus(プデンドゥス)から派生))のことである。外陰部を構成する小陰唇に挟まれた膣前庭部に膣口が開口している[8]。膣は、厳密には体内の部分を指す医学用語である。

膣は性教育で示される模式図(断面図)のように空洞になっているわけではなく、通常は膣圧によって閉じられた状態である。性交(膣性交)はこの閉じられた膣を陰茎亀頭で押し広げながら、陰茎を奥へと挿入する行為であり、勃起が不充分な場合は膣圧によって押し戻されてしまい挿入が困難である。また、膣分泌液の分泌が不充分な場合は摩擦が強すぎて挿入が困難であり、女性が痛みを感じたり、膣壁を裂傷する場合もある。

このため挿入する際には、前戯などによってお互いの性的興奮を高め、男性は陰茎が充分に勃起し、女性は膣分泌液が充分に分泌されているのが望ましい。

膣内壁は皺襞(ひだ)状になっており、挿入された陰茎や亀頭を刺激し射精を促す。

一部医師によって膣内壁の皺襞、疣贅(いぼ)の形状が尖圭コンジローマによるものと誤診されることがある[9]

語源

一般的には「(ちつ)」と表記されるが、「(しつ)」が使われる場合もある。いずれも常用漢字外である。小川鼎三の「医学用語の起こり」によると、「腟」は『重訂解体新書』(『解体新書』の改訂版)を訳出する際に作成した新字であり「しつ」と読ませようとしたが、既存の似た文字である「膣」に取って代わられ、読みも「ちつ」になったとされている[10][11][12]。しかし、いずれの字も『康熙字典』に存在するため、この説には疑問が残る。ちなみに、中国語における「膣」は「肉が出来る」といった意味を表し、この字が女性器を表すのは日本語の用法である[疑問点]Vagina のことを中国語では「陰道」と言う。

益田赤十字病院 第一産婦人科部長 水田 正能の「産婦人科医が“膣”を使ってはならない」からすると“腟”という漢字は,文政9年(1826年)『重訂解体新書』の中で,大槻玄沢が初めて使用している。

重訂解体新書』は、『解体新書』の原典であるクルムスの『解剖圖譜』を翻訳、重訂したものである。その中で大槻玄沢は、“腟”を女性生殖器に用いた理由として、「腟、法技納〔羅〕、悉乙牒、〔蘭〕」とあり,さらに「按ズルニシケイデハ室ナリ。則チ男茎容受ノ室ナリ、且ツ胎産及ビ月経通利ノ道ナリ、イマ新ニ字ヲ製シテ訳シテシカ云ウ。室ノ辺傍肉ニ从ウ、音ヲ叱トナス、則チ会意ナリ。中略、肉生ズルナリノ腟ニハ非ズ」と書いている。これは、“腟”は以前より中国 に存在していた漢字で、『玉篇』に「腟チツ、音扶、肉生也」とある.

大槻玄沢は、中国製漢字の「肉が生ずる」という意味の“腟”の存在は知りつつも、臓器の特徴を著すために、「月(にくづき) 部」に「室」を会意した漢字“腟”を使用したのである。大槻玄沢の記載は、小生の出身地であ る岡山県津山市にある洋学資料館で『重訂解体新書』を拝見させていただき、確認した。どうして“膣”が誤用されているのか。一般に、“腟”は“膣”の略字であり、“膣”の方が古い 字体で正式だと誤解されているようである。

小川政修の『西洋醫學史[13]』によれば、「妊娠診斷、受胎、陣痛促進(坐藥)、乳分泌増加(膏藥貼用)、通經(煎劑の腟内注入)」と、“醫學”“斷”“經”などの旧字体の中でも、“腟”が正確に使用されている。さらに断定的な証拠として、大槻文彦氏は『大言海』に、“腟”と“膣”は異義の字であると書いているが、「膣ハ篇海「音窒、肉生也」ト。今ハ腟ト同ジク用ヰル」と続く。この『篇海』は、前出の『玉篇』より後代の著であるので、強いて言えば「腟」の方が旧字体なのである.

Vaginaラテン語や植物の葉鞘子房といった鞘状の構造一般を意味するvāgīna(ワーギーナ)に由来し、解剖学では膣を含めたさや)(包膜、包被としての役目を担っている構造)を意味する。膣粘膜は、vagina mucosaと呼ぶ。

脚注

  1. ^ Japan, CondeNast. “処女&処女膜についての意外な事実8つ! 初体験で出血しないのはノーマル!?”. VOGUE GIRL. 2021年7月10日閲覧。
  2. ^ 9処女膜 | 女性の医学BOOK”. 2021年7月10日閲覧。
  3. ^ 日本放送協会. “タンポンで処女膜は破れない? - 教えて!性の神さま”. NHK福祉ポータル ハートネット. 2021年7月10日閲覧。
  4. ^ Japan, CondeNast. “膣トラブルについて、まず知っておくべきは「pHバランス」。”. VOGUE GIRL. 2021年7月10日閲覧。
  5. ^ 子供ができる"危険日"をめぐるデマと真実 学校で教わらない妊活のキホンQ&A (2ページ目)”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン) (2019年7月9日). 2021年7月10日閲覧。
  6. ^ Konar, Hiralal; Dutta, D. C. (2014-04-30) (英語). DC Dutta's Textbook of Gynecology. JP Medical Ltd. ISBN 978-93-5152-068-9. https://books.google.co.jp/books?id=40yVAwAAQBAJ&pg=PA2&redir_esc=y#v=onepage&q&f=false 
  7. ^ 妊娠初期の症状の概要 いつから?自覚できる?子宮口でわかる?生理前とどう違う?”. アスクドクターズトピックス (2016年10月14日). 2021年7月10日閲覧。
  8. ^ 『ネッター解剖学アトラス原書第6版』南江堂、2016年9月。 
  9. ^ STD・性行為感染症 婦人科女医の盲点?”. 高橋クリニック 高橋 知宏 (2005年9月14日). 2025年4月8日閲覧。
  10. ^ 小川鼎三『医学用語の起こり』(東京書籍1990年ISBN 978-4487722181
  11. ^ 徳島大学吉田秀夫のホームページ
  12. ^ 96「腟と膣」を参照
  13. ^ 1947年(昭和22年)初版

参考文献

関連項目


出典:『Wiktionary』 (2021/08/06 13:52 UTC 版)

発音(?)

名詞

(ちつ)

  1. (解剖学) 動物雌性生殖器一つ子宮から体外じる管。

翻訳

熟語


※ご利用のPCやブラウザにより、漢字が正常に表示されない場合がございます。
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence. Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.

「膣」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



膣と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「膣」の関連用語

膣のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



膣のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
実用日本語表現辞典実用日本語表現辞典
Copyright © 2025実用日本語表現辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
がん情報サイトがん情報サイト
Copyright ©2004-2025 Translational Research Informatics Center. All Rights Reserved.
財団法人先端医療振興財団 臨床研究情報センター
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの膣 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
漢字辞典
Copyright © KANJIDIC2 - the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group(EDRDG), used in conformance with the Group's licence.
Copyright © 1991-2010 Unicode, Inc. All rights reserved. Distributed under the Terms of Use in http://www.unicode.org/copyright.html.
Stroke Order Diagrams(SODs) licensed from © Kanji Cafe.
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS