ジーンズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/12 02:17 UTC 版)
インディゴ染料
インディゴ染めのデニム生地が使用され始めた理由として蛇や虫除けの効用を挙げる説がある。しかし微量ながらピレスロイドが含まれている天然藍には、ある程度の除虫効果があるが、不純物の無い純粋インディゴ(合成インディゴ)にはそのような効果はない。
またインディゴ染料にまつわる俗説として「昔のジーンズには天然インディゴが使用されていた」というものがある。事実は、1900年代のはじめ頃よりインディゴ染料は化学合成されたものがほとんどであり、ヴィンテージ・ジーンズはすべてこの合成インディゴで染色されていた。この説は1990年初頭までは雑誌や古着マニア等の間でまことしやかに流布されていた。逆に現在では高価ながらも少量生産のメリットを生かした天然インディゴ染めのジーンズがいくつかのメーカーから製造販売されている。
2008年9月14日に日本テレビで放送された『世界の果てまでイッテQ!』の企画で、「ジーンズをはいてるとガラガラヘビに噛まれないって本当なの?」というテーマで東貴博と福井未菜がアメリカ合衆国のテキサス州に赴き、東が天然インディゴ染めのジーンズを履いてガラガラヘビ10匹がいるセットを通過すると、当初は襲ってこなかったが、結局飛びつかれた。また、2009年5月23日放送の所さんの目がテン!では合成インディゴ染めのジーンズだと噛まれたが、天然インディゴ染めだと噛まれないとの結果が出ていた。
生地の厚み
「オンス (OZ) 」という単位で表され、ジーンズ1本の重さではなく1平方ヤードの生地の重さを表したもの。1オンス = 28.3グラム弱。1平方ヤード = 0.84平方メートル。
一般的には14オンスほどの厚みが多く、しなやかな履き心地がある。厚いほど生地は硬くゴワゴワし、馴染むまで時間がかかる。その硬さは洗濯して天日干しすると、壁に立てかけられるほどである。まさに丈夫で破れにくいのだが、夏場は非常に暑い。過去、1980年代にリーバイス ジャパンが15オンスデニムのモデルを販売していた。一方作業着ではなく、ファッションアイテムとしてのジーンズでは12.5オンス、11オンスなどがある。
シルエット・スタイル
- 5ポケットパンツ
- 前部に左右のポケットとコインポケット、そして臀部の左右のパッチポケットの計五つのポケットを備えたパンツのこと。いわゆるジーンズの基本デザインであるが、デニム以外の多種多様な素材もよく用いられる。
- ストレート
- テーパードストレート
- パイプドステム
- スリム:膝から裾にかけてストレートよりも細くなるもの。
- フレア
- バギー
- ローライズ
- ヒップハング
- スキニー[10]
- スキニーとは「皮膚のような」という意味を表しており、脚の筒の形が、全体的に肌にぴったりとなるように作られている。従来の、細身のジーンズなどより、より細く作られている。
- 伸縮性のあるポリウレタン、ポリエステル等を含む混紡のデニムを使用することが多く、これが従来のスリムジーンズとは違った肌に張り付いたような感触とシルエットをもたらす。近年はコーデュロイやサテン製の物も出てきた。
- 1990年代からヘルムート・ラング、ラフシモンズといったデザイナーズブランドでタイトなラインを描くジーンズはあったが、2000年代ディオール・オムの裾を溜めるスキニージーンズの流行をきっかけにブームが始まった。その後チープマンデー、エイプリル77、ドクターデニム、ジストといったスキニーを代表商品として人気を伸ばすブランドも現れ、ユニクロなどの安価なスキニーも浸透した。
- ディナー(ディナージーンズ)
- ブッシュパンツ
- ブッシュ(やぶ、茂み)で穿くことを想定したアウトドア用途のパンツ。70年代以降からよく見られる。前部の左右のポケットと両膝にフタの付いたパッチポケット、臀部にフタの付いた左右のパッチポケットの計六つのポケットを備えている。主にデニムやコーデュロイが用いられる。ポケット補強用のリベットは使用されない。
注釈
- ^ 現在は多様な店舗展開により北青山一丁目の本店は閉鎖されている。
- ^ 正確な表記は 501Ⓡ(Rの丸囲み文字)。特殊文字のため本文では代替表記を行った。なお、アメリカ製の501や505などの中にはタブの刺繍がこのⓇ(サークルR)のみのものが一定の確率で存在した。
- ^ ただし正式型番は 501 ではなく、55501、71501などのように原型の年式が頭に付く。
- ^ 当時日本製品に 501 の名を使用できなかったため止むなく 502 となったと言われている。以降同様に701XX、504Z、503B、503Z、50s(1950年代の501)などの復刻が続き、近年のものでも正式型番が「501」のみの日本製品は発売されていない。
出典
- ^ a b Oxford Dictionaries
- ^ a b ジョアン・フィンケルシュタイン『ファッションの文化社会学』成実弘至訳 せりか書房 2007年、ISBN 9784796702799 pp.50-53.
- ^ a b c d e f g h i 『アメトラ』デーヴィッド・マークス、DU BOOKS、2017、4章ジーンズ革命p112-142
- ^ “女生七嘴八舌嚷「解放」 老教授硬是不准入課堂” (Chinese). The Kung Sheung Daily News. (1977年5月27日) 2019年2月25日閲覧。
- ^ “大阪大学講師 過去にジーンズ姿の女子大生の受講を拒否” (Japanese). NEWSポストセブン. (2011年4月9日) 2020年10月10日閲覧。
- ^ a b c d e f 『アメトラ』デーヴィッド・マークス、9章ビンテージとレプリカp287-322
- ^ アメリカ村『新しい息吹の集まるまち』【1985年前後】
- ^ What is Selvedge Denim?Tod Shelton, October 29, 2019
- ^ ジャパンデニムの分岐点!2007年Levi’s(リーバイス)事件FAsion Pathfinder, 2019-05-27
- ^ スキニーデニム - goo辞書(デジタル大辞泉)、2020年9月24日閲覧。
- ^ 日経スペシャル ガイアの夜明け 第480回 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分) テレビ東京、2011年8月23日
- ^ メリアム=ウェブスター辞典オンライン版:"Selvage." Merriam-Webster.com. Merriam-Webster, n.d. Web. 15 Aug. 2014. http://www.merriam-webster.com/dictionary/selvage.
- ^ Heddels Dictionary 2014-08-16閲覧
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