平聖中央病院
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名門平氏の末裔で資産家の平聖盛が経営する平聖中央病院を中核とした全国57系列を擁する私立病院グループ。平聖中央病院は救急車が「列を成す」と評されるほどの激務を強いられる病院。平家の土地を利用した病院施設で平理事長の後継者は、「最上の名医」という名誉と平理事長の資産を受け継げるという「利権」があり、常に「権力争い」が背景にある。結果、西條命が「最上の名医」に選ばれ、理事長を受継ぐ。その後、命の下に桐生3兄妹や命の兄・生をはじめ、小児外科時代の同僚などの協力もあり、様々な病院改革を行った結果、東大卒の医師でも就職は難しいと言われるほどの最先端医療機関へと成長を遂げる。 桐生 危(きりゅう あやめ) 命と同い年で童顔の心臓血管外科医。奠、棗とは兄妹。わざわざ海外で医師免許を取得し、中東で勤務医をしており若手ながら実力派であり、手術手腕に措いては命も「自分より上」と認めるほどの天才的外科医師。「ムシオトコ」という子供向けの食玩を通じて命と堅い友情で結ばれる。仲間でありながら無二のライバルとして競い合う仲。 海外で勤務医をしていた際に、病院に無断で挑戦的な手術を行い「自分の大事な人」を死なせたトラウマを抱える。普段の態度は悪ガキそのもので、手術以外のことはいい加減。悪ぶっているが正義感が強く根は善良で周囲の人間関係にも敏感。医師としての決意や熱意も並々ならぬ物を持ち合わせている。「挑戦」を好み、常に自分を高めることに挑み続けている。自宅に帰るのが面倒になり病院に住み着いている。 野心的な奠とは仲違いしており、それもあって命に味方していたが奠の理想や真剣さを知って和解。妹の棗も含め結果的には命の協力者として三兄妹が揃うことになる。 恋愛に関しては命・マリア・真中と四角関係に陥っており、それを自覚している。危は初対面の頃から真中が気になっている。人当たりが良く優しい命がなにか重大な事実を隠していると勘づいていたが、彼の持病を知らされたときは激昂した。ただ、命の最後の手術にもパートナーとして力を貸す。 義明達が医大生になる頃に命から副院長兼心臓外科部長を任されるが、管理職の雑務を嫌っているため後任を探し自分を降格させることを命に提案している。現在の日本の医学界が抱える致命的な欠陥を逆手にとった「踏み絵」を発案して就職希望者のふるい落としをするなど人の悪さは相変わらず。 桐生 奠(きりゅう さだめ) 危の兄。平聖中央病院副院長。麻酔科医。糸目とロン毛が特徴。院内において実権を握る。 コストとリスクの面から小児外科の切り捨てを主導した張本人。自らが「最上の命医」に選ばれるため小児外科の復活を目指す命を妨害する目的でわざわざ困難な事例を持ち込んだり、患者家族の不安な心理を利用したり、謀略人事や派閥を利用して命を陥れようとするがすべて失敗。命の手術手腕やその姿勢に感服し、遂には断念する。 帝王大学グループ全資産を運用出来る理事長になるため、養老総長が有力な支持勢力を構築するための後ろ盾になっている。しかし、医師として最低限のモラルは持ち合わせており、養老や宗像の手段を選ばぬやり方に反発し命の側に寝返る。養老にバレてからは盗聴やスパイ、謀略に手足が出せない状況になったが、事情を察した命が助け船を出す。野口院長と共に帝王大の抱えた不祥事を内部告発し理事を解任される。その後、危と和解し密かに帝王大のスパイ探しをする。養老の自滅後は命の参謀役かつ麻酔科医として活躍する。 学閥や上下関係にとらわれず研究に専念できる日本国内では私立病院が経営する初の大規模臨床施設を日本に設けたいと考えており、そのため、平理事長了承の下、平聖病院グループの全病院でかなりのコスト削減を推し進めていた。そのため、最も赤字経営になり易い小児外科をグループの全病院から廃止した。そうした理想家としての面とそれを実施するための経営手腕を平から高く評価されていたため、命が平聖中央病院に就職するまでは、「最上の名医」に最も近い人物でもあった。性格は真面目で気が小さく三兄妹の中では一番常識的。また、相手が妹であろうと素直に負けを認める潔さを持つ。かつては天才外科医と呼ばれていたため外科知識も持ち麻酔科医としての腕も一流。 第2部では平聖中央病院の院長と大規模臨床施設設営の責任者に就いている(奠自身は、命の温情と評している)。就職志願者に危の発案した「踏み絵」(平聖中央病院が第一志望だったことを公表すること、風邪〈感冒〉の所見に抗生物質を処方するのは間違いであると明言すること等)を踏ませた上で志願者の選抜も行うなど、他の大学病院や系列病院、そして監督官庁である厚生労働省を真っ向から敵に回しかねない命の強引な手法に対して危機感を抱きつつも支えている。 瀬名 マリア(せな マリア) 平聖中央病院の研修医。小児外科が廃止されるきっかけとなった手術に立ち会ってしまったせいで医師としての将来をも諦めかけていたが、命の「医師としての覚悟」を目の当たりにして立ち直り、最初の仲間として命の小児外科再建に協力する。仲間の間ではムードメーカー的な存在。 性格は天然ボケで鈍くさい。命たちと比べると凡人で本人も自覚しており、小さなことをコツコツ重ね、時間をかけて自分の技術にしていく努力家。その姿勢は才能のない人間が嫌いな棗も認めている。ただ本人は自覚していないが、平均的な研修医と比べ手技や基礎技術、知識において遥かに上を行く実力を備えるが、緊急時のトラブルなどに直面すると回転が鈍くなり行動が後手後手に回りやすいという弱点を持つ。 当初は命に好意を抱いていたが、後に危に惹かれているような描写がある。 第2部では散弾銃事件の際に登場。当時はまだ落ち付きの無い面が見られたが、その約3年後には落ち付いた雰囲気の優秀な女医に成長しており、義明の就職と同時期に帝王大付属病院に移籍する。 坂本 流馬(さかもと りゅうま) 小児外科部長。長身でオールバックが特徴。閉鎖前は小児外科副部長だったが奠の謀略人事で送り込まれる。「絶対にオレに逆らうな」と命令し命の妨害をしていたが、息子の手術を巡って和解し、以後は良き理解者の一人となる。性格は男らしく豪快で、一度信用した相手は徹底的に信じるタイプ。 高島 雅(こうしま みやび) 女性と見間違えられるほどの眉目秀麗の敏腕麻酔科医。年齢的には命たちよりも上。性格は沈着冷静で柔和だが、どこか人を寄せ付けないミステリアスな面を持つ。そのせいで、危からスパイを疑われたことも。常に大人の態度を貫き、人間関係には深入りしない。職人気質が強く、腕一本で勝負する一匹狼的なところがある。以前の勤務先では、学閥に悩ませられたせいで派閥や院内政治を嫌悪し、才能があるせいで悪く言われる命に味方するようになる。 佐野 めぐみ(さの めぐみ) 日本医学会会長にして時事医大病院のトップを務める佐野徳亮の娘。 小児内科部長の地位にあるが、医師としての腕は命には遠く及ばない。そのため、命を慕う若手達の姿勢から、命のことを恨んでおり、副院長の奠と共に、命を貶めるため、暗躍する。だが、内科医として天才的腕前を持つ父徳亮に暗躍を見破られ叱責される。 元々は子供好きで尊敬する父徳亮に近づくため、小児内科医に志したが、あまりに熱心な余り目つきがきつくなり子供に嫌われるという悪循環に陥っていた。 真中 有紀(まなか ゆき) 小児外科希望の移植外科医。黒い髪をストレートに伸ばした美人。帝王大総長・養老の孫だが、絶縁状態も同然で心臓に持病を抱えた父親の治療のため、やむを得ず帝王大側のスパイとなる。命の誠意に触れ裏切る決意をするが、肝心な事を伝えそびれる。それでも手術を問題なく成功させ、徹頭徹尾自分を信じた命に感激し、命を本気で慕うようになる。 何事もそつなくこなししっかり者で服装や化粧も洗練されているせいで、マリアからは羨望の目で見られるが、実は一途で悩める乙女。空回りも多く、アルフレッドからは同性愛者というあらぬ誤解をかけられた。 第1部終盤にて、命の下で医師としての再スタートを切り、恋も仕事も意気揚々としていた矢先に彼の持病を知らされショックを受ける。命の最後の手術に立ち会い、疲労困憊で力尽きた彼を連れ出した際に、命のことを全力で救うと決意する。 第2部に入り、手術により奇跡的な回復をみせる命を側で支える。義明からは愛人呼ばわりされている。最終話で命と結婚、南米に新婚旅行に行っていたことが明らかに。 桐生 棗(きりゅう なつめ) 危の妹。外科医。猫のような目と態度が特徴。性格はデンジャラスで手術マニア。またかなりマゾ。常に難易度の高い手術をしたいと考えており、そのためなら家族が病気になって欲しいと願ったりしていたせいで、危からは避けられている。日本で医師資格をとったが、腕を磨くため中東のクウェートで武者修行していた。自惚れが強く、自分よりも腕の劣る外科医を「医師として殺す」と言っており、現に奠は棗の腕前を目の当たりにして外科医の道を断念したほど。命への注目と名声をそらす目的で奠に送り込まれ、当初は危のことを、手術スピードの遅さから見下していた。しかし、正確に手術をこなす危の手腕を命から教えられ、考えを改めて小児外科の一員となる。奠を「さーくん」、危を「あーくん」と呼ぶ。 不知火 大輝(しらぬい だいき) 帝王大出身の若手医師。消化器外科に属したばかりだが命の実力に感激し自ら小児外科入りを希望。非の打ち所のない優等生で性格は明るく社交的。 素性の影響で危などからは帝王大側のスパイを疑われていたが、その正体は平理事長の遠い親戚で平理事長側のスパイ。理事長より「最上の名医」に命が相応しいのか調査するよう指示を受けていた。副院長の奠からは、薄々であるが平理事長のスパイと見破られていた。 アルフレッド・ハートライン 心臓外科の世界的権威。命のもう一人の恩師。普段は温厚で年齢を感じさせない紳士。鮮やかなメス捌きで大勢の患者を救った天才心臓外科医で、危の尊敬する人物。だが、指導医としては徹底したスパルタ方式で、手術中に失敗した弟子の肩をメスで刺したり、「アルフレッド専用鉗子」と呼ばれる柄の長い消毒鉗子で肉をつまみ上げるなど過激そのもの。ゆえに命からは心底恐れられている。80歳近くでも心臓外科医として第一線に立っていたが、年齢的な衰えを感じるようになり弱気になっていた。しかし、命から指導医として誰にでも出来る方法を編み出す可能性を部下に指導している姿を自身へのメッセージと受け取り「自分にもまだ道があるのだ」と再起。平理事長にも気に入れられ、平聖中央病院心臓外科の特別顧問として迎えられる。着任するや、心臓外科全員に早朝ランニングを命じるなど軍隊式指導を導入する。「性格を変えたければ戦争へ行け」など、発言は相当変わっている。 西條 生(さいじょう うい) 命の実兄。総合診療医師だが見た目は女子高校生。命とは名前を繋げると「生命」になる。自らバイセクシャル、ブラコンを公言し、恋愛に関してはモラルなど全く考えない変態。外交的で明るく軽い性格で誰とでもすぐに打ち解けられる。「愛愛」をテーマに掲げ、専門性を持つ医師同士を繋ぐパイプ役として医療に携わる。アフリカや東南アジアといった新興国を中心に医療活動をしていたが、命の抱える秘密と病院改革の切り札として日本に呼び戻される。そして、命の異変を察知した結果、命がガンに掛かったことを告白される。 第2部でも治療のため、命が抜けた後も引続き平聖中央病院で医療活動を行っている。 平 聖盛(たいら まさもり) 名門平氏の末裔でもあり平聖中央病院を中核とした全国に57の系列病院を経営する「平聖病院グループ」の理事長。グループ内の病院施設は平理事長の土地を利用した医療機関で、平理事長は名門当主にして大地主の資産家。元内科医。医学会会長の佐野とは公私ともに親しい間柄。 名門の御曹司だったため、かつて恋仲だった女性との結婚に父の反対にあいと結婚できなかった過去とストイックな性格が災いして、その後、どの女性とも結婚できず跡継ぎは系列病院の中で「最上の名医」だと判断した者にすると公言し奠と命を競わせていたが、佐野でさえ不可能と判断した元婚約者の孫の治療を成功させた命に対し信頼を抱くと同時に「選ぶ」という行為がおこがましいと自省し、「最上の名医」になってくれるよう懇願した。不知火は遠い親戚。 野口 英敏(のぐち ひでとし) 平聖中央大学病院の院長。最浜大出身。性格は温和で、こと医療になると時間を忘れて話が止まらないほど熱心。名外科医だが過去に致命的な医療ミスを犯しており、その手術で麻酔を担当した宗像が中心となって隠蔽してもらった。そのことで宗像に弱みを握られる。平理事長解任の謀略に荷担させられるが、奠と共に内部告発後辞任して筋を通した。 宗像 彰造(むなかた しょうぞう) 平聖第二病院の院長。麻酔科医。帝王大出身。スキンヘッドにメガネというヤクザ顔負けの強面。根っからの悪党で、院内政治に長ける。過去に野口の犯した医療ミスをもみ消した。命に敗色濃厚だった奠を勝たせる方法として平理事長解任の謀略を進めるが、奠と野口の裏切りにより理事職を失う。その後は養老のブレーンとなり、生体肝移植を巡る謀略を仕掛けるが、患者の父親である警視監に悪事が露見し養老と共に医師の座を追われた。しかし、肝っ玉が据わっており命に潔く敗けを認め、行き場を失った養老を引き受ける等の後始末をつける。 第2部では、かつて自身の娘が命によって助けられたこともあり、ルッケーゼとともに命を助けるために協力した(命自身は気づいておらず、真中も「まさかね」と関係者とは思っていない)。 大谷 吉継(おおたに よしつぐ) 元偏郷大学医学部心臓外科准教授。年齢の割に頭髪が薄い。診察時に患者に丁寧に接しているため義明達から尊敬されている。上司である今川に反抗できないため悪事を黙認していたが義明達を見て今までの行動を恥じ、誤った術式をしようとした今川を締め落とし辞職した。義明達の紹介で平聖中央病院の心臓外科副部長として採用される。本来なら准教授まで務めた人物を副部長として採用するのは心苦しいと前置きした奠から、平聖中央病院での激務をこなし、覚悟がついた時点で部長への昇進の含みを持たすことでの副部長採用となった。 伊達 正宗(だて まさむね) 義明の幼馴染で悪友、かつ良きライバル。ロン毛のオールバックと強面のサングラスが特徴。義明が医師を目指すきっかけとなる。幼い頃ベーチェット病を患った経緯から目が光に弱かったためサングラスをかけていた。そのせいで上級生のイジメに遭ったが義明に救われる。中学・高校では社会への反抗もあり不良として高校一帯をシメていたが、根は生真面目で友達思い。「男気」に溢れており、言い訳を一切せず、弱い者を見過ごさない(そうした青臭い面を義明からはいつも茶化される)。頭もそれほど良いわけでなく手先も器用ではないが、義明が「天才」であることを認めつつ、自分は愚直な努力を貫くと心に決めており、自分を高めるためには努力や出費を惜しまない。わりと神経質で細かいことを気にする性分。 反目していた不良上級生の蘆名達からひき逃げされ、命に関わる重症を負った折に義明に助けられた。不良ばかりの高校が一つだけ持つ医大への推薦枠を狙って猛勉強を始めたことで義明のライバル心に火がつき、幼馴染みの釈と三人で偏教大学医学部に進学。義明と共に豊臣寧々の経営する雀荘に住み込みアルバイトとして生活するようになる。告白されて田村愛と交際を始めるが、義明から散々妨害されている。 入学から4年後、義明の思いつきで見た目を変えることを強制され、一時期サングラスとオールバックをやめて若者らしい格好になる。しかしナイロビ短期留学以降、「現地の悪漢に甘く見られないように」という理由で元の格好に戻した。義明や釈と共に平聖中央病院の説明会での一次審査を通過し、アラスカでの研修では義明とは別のグループに参加。優秀な成績で合格する。 釈 紗英(しゃく さえ) 義明・伊達とは中学以降の幼馴染みで金持ちのお嬢様。頭脳明晰でプライドが高く、他人の考えを読むのが得意であることから中学時代は「余裕釈々な女」と呼ばれていた。高飛車な一方、非常に正義感・責任感が強いタフな性格でもあり、アフリカなど過酷な環境でも弱音を吐くことはない。義明や伊達のような打算ではなく筋の通った人間が好きであり、自身も悪ノリしやすい性格から彼らが行動を起こす際には協力することもしばしば。 中学時代その性格から文化祭の準備を押し付けられた際に義明と親しくなり、その状況を察した義明の行動によって彼に想いを寄せる。一応相思相愛なのだが、義明が「釈と結婚すれば開業医の夫として一生面倒を見て貰える」と公言するなど、あまりに変人かつ鈍感な上に、釈自身も要所で意地を張ってしまうため、2人の仲は全く進展しない。 入試のときから愛を巡る事件に巻き込まれるなどしたが、偏郷大学医学部へトップの成績で入学。その後は義明の周囲に起きる事件に巻き込まれる。後に上杉に認められ義明達とともにナイロビへ短期留学に向かった。その後、義明や伊達と共に平聖中央病院の説明会での一次審査を通過し、アラスカ研修ではアンカレッジでの研修に参加。優秀な成績で合格する。離ればなれとなった義明を心配していたがアラスカ研修の間に義明に好意を寄せる女性が次々と出現し、竹中から唆されて練習帆船の行き先であるハワイに向かう。そこでヒーローから一転して危篤状態に陥った義明の危機を「自らが義明になりきって救う」。その後、義明に告白して結ばれるが義明に好意を寄せる吉川、松前らも含めたグループ交際をすることになり、後に彼女等とは名前で呼び合うほどの仲となる。 松前 慶花(まつまえ きょうか) 義明とアラスカ研修に参加した医学生。北海道出身。つり目とおかっぱ頭が特徴。愛称は「松ちゃん」。性格は生真面目かつ正直で堅物かつ地味。考え方はややネガティブ。貧しい家庭に生まれ、学費捻出のためにススキノで水商売のアルバイトをするなど苦学している。頭脳明晰で成績優秀だったが金のかかる私立の名門医大に進学することは敵わず、出身大学を不問にして優秀な医学生を集めようとしている平聖中央に志願した。一次審査を真っ先にパスして危にも認められた才媛。だが、同じく一次審査を経た立花姉妹に前述の事情を暴露される。この時彼女を庇い、自らの評判が落ちるのを覚悟で二人にやり返した義明に好意を抱く。その後、同じアラスカ・バローでの研修に参加。氷点下でのタクシー待ちの最中に交通事故を目撃した義明が怪我人を救出するのをサポートするが、この時に失禁してしまう。だが、そのことをフォローした義明に心底惚れ込んでしまう。以後、吉川の助言を受けながら義明をふり向かせようと慣れない色仕掛けなどさまざまな試みに出るが、根が不器用な上、余計な金のかかる趣味や遊びは全くしてこなかったせいで上手く行かず、また釈の存在と釈に対する義明の気持ちを知っているせいで積極的に出られなかった。だが、一念発起して金策しハワイに向かう。そこで釈や吉川と共に危篤状態の義明を救う。彼女の一途でけなげな気持ちを裏切りたくない義明は告白を断ることなくグループ交際という形をとることを選んだ。 吉川 妙玖(きっかわ みく) 義明とアラスカ研修、明皇丸での練習航海に参加した医学生。兵庫出身。関西弁を話し、巨乳が特徴。長い黒髪だが髪型は平安時代の女性のような独特のもの。性格は明るく馴れ馴れしいまでに社交的でおしゃべり。また世話好きで友達思いでもある。中学生のときに船乗りだった父親をガンで亡くす。病院での検査で腫瘍を見落とされたことが原因だったことから放射線科医を目指している。 疑問に思ったことは聞かずにいられない質問中毒で、義明からははじめ「質問女」と呼ばれた。初対面から義明に興味と好意を抱くが、バローでの研修で松前の義明への気持ちを見破り彼女に協力。自身は竹中と親密になる。義明、松前と共に竹中の脳手術などさまざまな困難を乗り越えるが研修での結果は不合格となり、補欠合格者として義明と共に明皇丸に乗り込む。そこでビッチやブルといった船員の女性たちとも仲良くなる。そこで義明に積極的に好意を示すビッチを見ているうちに自らも義明を本気で好きになってしまう。乳癌検査と偽って義明を色仕掛けで誘惑し告白するが回答を保留される。だが、義明と共に洋上で妊婦の出産を無事成功させた後、義明に大胆なキスをする。その様子は全米で生中継されており、ハワイに来ていた松前(と現場に変装して居た釈)も目撃する。 知り合った人に次から次へとあだ名をつけるのが得意。義明を「もはみん」(または「もは」)、松前を「松ちゃん」、竹中を「竹坊」と呼ぶ。また、長期航海を乗り切るためには無心になることが大事ということで、義明と共に「ほにゃん顔」を会得。そのため手術関連や恋愛話などのシリアスなパートを除いて、デフォルメされて描かれることが多くなる。 島津(しまづ) 義明達とともにアラスカに行ったメンバー。アメリカ生まれの日系3世で、既にアメリカの医師免許を持った脳神経内科医。参加した新薬開発の臨床実験で5人の患者を殺してしまい、尊敬や好意を見返りに新しいことに挑戦するような人間を嫌っている。 義明達が行った治療の中で他人と協力することで想定外の事態を乗り切ることもありだと思い、義明をもう少し見張ろうという気持ちになっている。 立花(妹) 帝王大出身の双子の妹。下の名前は不明。姉とともに容姿端麗で頭もよく、高校の全国模試の1位2位を何度か独占したこともある。プライドが非常に高く、目的のためにも手段を選ばない。 研修ではジョン・ボブキンス病院に行き、平聖中央病院に合格した。
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