魔道用語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/08 09:52 UTC 版)
「トリニティセブン 7人の魔書使い」の記事における「魔道用語」の解説
専門術式 魔道士が魔術を行使する為のアプローチの系統を分類・体系化したもので、魔道術式、或いは単に魔道とも称される。習得したテーマや魔力の質、後述の才質(タレント)等によって魔道士の得手不得手は千差万別である為、自らの求める研究と合致する方向性の専門術式を自らの魔道の基盤に定める事が、魔道士としての第一歩となる。 多くの魔道士は専門術式の枠内で己の研究を行うが、中には自らに相性の良い形へ基盤自体を改良・派生させる例も確認されており、後々まで続く魔道そのものを創作、或いは“源流”から派生させてのけた魔道士は始祖魔道士と呼称されている。現代であっても、才能次第では新たな専門術式を構築する事自体は不可能ではない。 魔道士の血族はある程度適性が似通う為、始祖魔道士の末裔が同じ魔道に高い適性を示すと言った事例は多い模様。中には、特定の一族に連なる魔道士にしか習得出来ない専門術式も確認されている。基本的には各書庫毎に分類されているが、魔道士にとって優先されるものはテーマとその研究であり、専門術式はその手段という側面が強い。そして、専門術式を定めたからと言って他の魔道を使えないという訳でも無いため、研究の一環として別の「書庫」の専門術式を部分的に習得している魔道士も一定数存在している。 習得の難易度についても幅があり、「錬金術」や「数秘術」と言った専門術式が基礎魔術と称される一方で、「魔装術」の様に極めて習得が難しいものは高位魔術と位置付けられている。また、血統の断絶等によって少数の例外を除き術者が存在しなくなった専門術式も存在し、僅かな痕跡や形式のみを残して解読や解析が不能となったこれらは超古代魔術(ハイ・エンシェント)とも呼称される。 専門術式一覧 傲慢(スペルビア) 黒皇術(アストラル・ルーラー)・映晶術(ゲヘナ・スコープ)・魔装術(ウェポン・マスタリー)・剣灯術(イグニッション・ブレイド)・皇霊術(ゼニス・アクセス)・羅刹術(ブラッド・オウガ)・恒頂術(ジンクス・エスト)・七皇術(セブンス・アストラル) 嫉妬(インウィディア) 忍法術(シャーマニック・スペル)・竜操術(ドラゴン・オーブ)・光輝術(イルダーナハ)・光武術(サウィルダーナハ)・聖語術(イーハ・トーヴェ)・冥醒術(ヘル・テリオス)・切紙術(シャドウ・サーヴァント)・黒霧術(ダーク・ミスト) 憤怒(イラ) 聖儀術(カオシック・ルーン)・金剛術(アダマンタイト)・言霊術(バベル・スクリプト)・殲鬼術(せんきじゅつ)・闇夜術(ロード・オブ・ナイトメア)・至元術(アトモスフィア・エフェクト)・極詔術(ポラリス・オーダー) 怠惰(アケディア) 数秘術(ロゴス・アート)・呪水術(カース・ファウンテン)・屍霊術(アウター・ネクロマンシー)・魔陣術(フィールド・マスタリー)・迅雷術(スピード・クラッカー)・斥翼術(イカロス・ウィング) 強欲(アワリティア) 重唱術(アーク・シンフォニー)・獣帝術(じゅうていじゅつ)・天唱術(エンジェリック・フェザー)・掌陣術(フィフス・ディレクション)・覇炎術(イグニス・レイド)・監京術(キャピタル・プリズン) 暴食(グラ) 真言術(マントラ・エンチャント)・飢食術(フューリー・バイト)・滅世術(アバドーン)・星辰術(サモン・アストロジー)・千眼術(アルファ・ビジョン)・弓悠術(アルテミス・フラッグ) 色欲(ルクスリア) 錬金術(アウター・アルケミック)・植霊術(ワンダー・フォレスト)・精霊術(エレメンタル・コンダクター)・機導術(ルーインズ・ワーカー)・奈落術(アビス・フォール)・傀儡術(クレイ・ビルディング)・錬成術(レイヤー・アルケミック) 虚飾(イリテュム) 聖象術(グラムデザイン) 才質(タレント) 魔道士が秘める各分野毎の専門性を表すパラメータであり、その魔道士の向き不向きを端的に数値化したもの。五つの分野ごとに百分率で示されるが、一般的な魔道士の基準では非常に優れている分野でも30~40%程度で、50%以上あれば素質としては一流魔道士だとされている。およそ後天的に変動するものではなく、専門術式によっては複数の才質のバランスが求められるものも存在する為、己の魔道を選択する上での大きな指標の一つとなっている模様。 以下に、具体的な内訳を記す。体術才質(フィジカル・タレント)…肉体的な活動に優れ、体力や技術力などに繋がる才能。 解析才質(アナライズ・タレント)…魔力の性質を把握し、物事の性質を解き明かす才能。 発動才質(インヴォーク・タレント)…安定性や出力の向上に寄与し、魔力を世界に実体化させる為の才能。 支援才質(エイド・タレント)…他者への支援や、場所・空間に対する継続的な干渉を行う為の才能。 特殊才質(ユニーク・タレント)…その魔道士だけの特異な才能。これが高くないと使えない術式も存在するが、数値が高いことが強さに直結する訳ではない。 魔物 魔道士が研究の末、魔力などが暴走してしまった際に生まれた残滓のようなもの。その魔道士の意志がなくなり、単に魔力を求める「影」となってしまう。その強さは生前の魔道士のクラスから反映されるが、「暴走」した状態になるため、さらに強力になることもある。Dの幻魔(コードD)の幻想種も確認されており、暴走した魔力が幻想種の「存在性」を得ることで、さらに強い魔物に化したものとされている。また、魔道士がより強大な力や研究に費やす永い時間を求めて自ら人間の肉体を捨て去って魔物の体を手に入れる場合もあり、この場合は魔族化(アップグレード)という表現が使われる。魔族化した魔道士は元の人間の姿と魔物の姿を自由に行き来することが可能となり、魔王因子を有していた場合は“人”からより“魔”へと傾くことで更に強大な力を引き出せるようになる。 魔道極法(ラスト・クレスト) 7種の魔道分類に「在る」と云われる概念世界構築の究極魔道。「トリニティセブン」とは即ちこの魔道極法に到達した者であり、そこまでたどり着くためには生まれ持つ才能と「テーマ」の詳しい研究が重要となる。かつて大魔道大戦の折に大魔王ディースに対抗するべく7人の魔道王たちによって編み出された秘法であるが、彼らは何れも使用により絶命もしくは消滅したことになっており、その代償の大きさ故に各書庫ごとにその魔術を極めた一名にしか習得できないよう、魔道王自ら制限を設けた。トリニティセブンとは即ち、「魔道王の後継者」を意味している。時空裂界(バアル・ペオル) 「怠惰」の魔道極法。開発者は大魔公マスター・ピュータゴラース。超高速(むしろ亜光速)の世界を展開し、限りなく時間が停止した状態にすることが可能であるうえ、発動した本人は自分と任意の存在を通常進行の時間に戻すことが可能。停止状態の存在はダメージも進行しないため、一切の攻撃が効かなくなる。代償は、展開した超高速世界から脱出できなくなること。バリエーションとして、魔王因子を用いて完全制御を成功させた『連続性・時空裂界(バアルペオル・イプシロンデルタ)』、極めて狭い空間のみを停止させる『幾何的・時空裂界(ユークリッド・バアルペオル)』が登場している。 混沌渦界(リヴァイア・サン) 「嫉妬」の魔道極法。本編では未だにその性質が完全には明かされていないが、逆に限定版の登場頻度はそれなりに高い。作中で使われたのは、殲滅力のみを台風の様な形で具現化した『外法・混沌渦界(ぎしん・リヴァイア・サン)』と、レヴィが右目の「稀神天眼」を用いて行使した『稀神・混沌渦界(きしん・リヴァイア・サン)』の二種類。前者はともかく、敵を混沌の渦に飲み込んで消滅させる程の力を発揮する後者は発動者の肉体に直接多数のヒビが入るほどの負荷がかかる。 無限絶界(アエシュマ・デーヴァ) 「色欲」の魔道極法。開発者は大魔公マスター・ホーエンハイム。直接別の世界を構築・召喚してこの世界を塗り替える、世界構築魔術の最大奥義とされる。作中で完全に発動したのは、かつてリリスがこの世界に送り込まれた際に、その余波で生じた崩壊現象を抑え込むべくアナスタシアが行使した一度のみ。彼女の場合は終焉世界への鍵となる「終焉」のテーマを有していた為、「指定した対象を終焉図書館に転生させて永遠に幽閉する」という形で発現させていた。代償として彼女は世界における存在を失い、終焉図書館に転生することとなったが、リリスが使用した際にどの様な代償が発生するのかは明確になっていない。 聖魔崩界(アル・シャイターン) 「憤怒」の魔道極法。存在そのものを崩壊させる概念世界を構築する魔術だが、作中で登場したのは対象を世界そのものから局地的なものへと狭めた限定版の『堕天・聖魔崩界(ロスト・アル=シャイターン)』のみ。術者は代償として肉体の一部が崩壊することが確認されているが、完全版の行使にどれ程の負担がかかるのかは明らかにされていない。また、作中では「深闇の女神」復活まで辿り着いてしまった世界で独り生き残った聖が、最適解を探す為に時間をループする際にもこの術を完全版で行使している事が確認されている。 夢幻限界(ア・マイモン) 「強欲」の魔道極法。現実世界と夢の世界、幻の世界の境界を取り払ってしまう、世界構築の究極の一つ。夢の様でありながら確たる自己を確立した者だけが使用できるとされており、実体と幻体、真実と虚実、思想と空想を全て唯一のものにしてしまうが、その負荷は壮絶なものとなる。作中で使用されたのは限定版の『夢遊奏・夢幻限界(パラソムニア・アマイモン)』だが、これだけでも相手を何が夢なのかも定かではない無限の夢に幽閉することが出来る。作中で限定版を使用したユイには特に代償に苦しんでいる様子は見られないが、これは「天」というよりも「神」の資質に近い彼女の才能ゆえとのこと。 聖天失界(ロスト・サマエル) 「虚飾」の魔道極法。開発者は大魔公セレスティア。小説版第三巻に登場したイレギュラーな魔道極法であり、その効果は失われた次元へと回帰する世界構築。この術を行使する代償は術者の存在時間及び存在世界だけが完全消滅することだが、この際に「世界の修正力」によって消え去った分の時間と世界が復元される。この代償によってセレスは「棺から目覚めてアラタと出会い」「ノルニルの巨人から彼らを救う為に魔道極法を行使する」までの僅か一日という時間を無限に繰り返す輪廻の牢獄に自らを置き、その巻き戻しに巻き込んだ「ノルニルの巨人」を永遠に封じ続けていた。最終的に、アラタたちの尽力によってこの無限ループは解消されている。 天帝極法(ゼニス・クレスト) 本編23巻で登場した、正体不明の概念世界構築魔術のカテゴリー。その世界を塗り替える・破壊するといった形で発動する魔道極法とは似て非なる魔道であり、発動することで完全に隔絶された一つの世界を具象化する性質を有する模様。本編では下記の一種類しか確認されていない為、その詳細は殆んど分かっていない。黒帝焰界(レーヴァテイン) 「憤怒」の「天」属性に分類される天帝極法。化身となった魔道士は、春日聖。 対魔王兵器の究極形として、本編初期からマスター・リベルが目指していた極地。現「世界樹の巫女」である聖の魂と、九つの「邪神鍵」を贄とすることで完成に至った。 作中では世界樹を炎滅させるもの、という表現がされており、対天、対神、対魔王などの複数の属性特攻を有していることが伺えるが、その詳細は不明。剣の形で具現化しているが、完全に外界と隔絶された内部世界には永遠に世界を灼き続ける黒焰が満ちており、接続した者は孤独の中で永劫の責め苦を味わうことになる。この焰こそが、化身となった聖の記憶そのものとのこと。 神話武装 神話・伝承で語られている伝説の武器で、世界のどこかで封じられている。神話の持つ「伝承」をそのまま「能力」として使用できる以外に、所持しているだけでも所持者の魔力や身体能力を向上させる効果もある。それぞれの武装には個々に対応したテーマが存在し、それにちなんだ特殊能力を保持している。これは必ずしも習得したテーマと一致している必要は無いが、武装によっては同一のテーマを持つことが能力解放する条件となっているものもあり、その違いは様々。魔道士は大抵1つの神話武装を使いこなすので精一杯とされるが、ルーグは魔王因子の力を使うことで3種の神話武装を駆使し、トリニティに達した。 神話武装は「伝承のどの部分を抽出しているか」で能力が決まる為、同名ながら違う能力を備えた神話武装が複数同時に存在することもあり得るとされる。また、一部のそれは特に強力で純粋に原典に近い能力を再現しているとして始祖秘宝の名で呼ばれており、本編ではアルファベットで名称が表記される形で差別化される。 以下は、作中に登場する中でも特に重要なものを記す。創造武装(パルタムアーム)「魔槍ゲイボルグ」 「憤怒」の神話武装の一種で、使用者の聖儀術を強めると同時に、身体能力も武装の達人クラスにまで達する。所持契約の際には「誓約」を必須とし、形態に関係なく「誓約」に違反した場合、所持者の心臓が貫かれる呪いがかけられる。一般の魔道士が持つだけで、達人クラスまで能力を引き上げるため、トリニティセブン級の魔道士がその槍を持てば、さまざまな敵対者を屠る脅威となりうる。また、武装固有のスキルとして所有者やその仲間を自動的に守る「完全防御」が備わっている。 戦神武装(オーディンアーム)「神王槍グングニル」 対魔王兵器の一種。魔槍ゲイボルグの封印を解くことで起動する真の姿であり、かつての大魔公オーディーンの異名たる“戦神”の名を宿すことで更なる力が開示されているとされる。「神」の名と特別な役割を与えられて天の裁定者により地上へ齎された武装の一つであり、このグングニルの場合はアリンと聖という、現「世界樹の巫女」の為の専用武装となっている。 封印解放当初はアリンが完全には「勝利」のテーマを制御出来ていなかったこともあり、ユイが「重唱術」及び「聖儀術」で補助している空間でのみ使用することが出来ていた。神曲門編でアリンがマスター・リベルの調整を受けてからは、アリン単独での発動が可能となっている。 勇気武装(ヴァータスアーム)「光穿槍ブリューナク」 誠意武装(フェイスアーム)「光斬剣フラガラッハ」 解放武装(ソルヴォアーム)「光剣翼クラウソラス」 ルーグが所有する神話武装で、元は天空図書館に封じられていた物。この内、フラガラッハは治癒不可能な形で相手の攻撃を反射する最高位のカウンター「絶対報復」の能力を有していることが判明済み。クラウソラスは所有者に飛行能力を与える為、比較的多く登場している。 禁忌武装「ムラサメ」 派生作品「レヴィ忍伝」に登場する嫉妬の神話武装であり、「死」を操り持ち主の命と魂を糧にあらゆる魔を斬るとも謳われる伝説級の高位武装。当初から姿も見せないままに街を丸ごと一つ世界構築で用意するという魔王クラスの如き能力を見せたが、実は他ならぬシャルムこそがムラサメと魔道融合した存在だったことが判明。独自に魔王因子を内蔵している事も併せて判明し、レヴィを汚染して魔力を奪って見せた。 その後、同じ「死」の使い手として竜姫を主に選ぶが、彼女が追い込まれるのに合わせて密かに協力関係を築いていた竜貴に所有者を移す。竜貴とレヴィらの最終決戦では途中まで竜貴の武器として振るわれるものの、最後は竜姫に味方して影魔の里の人間の魂の力を彼女に貸すような素振りを見せた。 その正体は、かつて竜貴の手によってムラサメとシャルムが魔道融合させられた存在であり、二人分の自我が共存していた。竜貴が元のムラサメを入手した経緯そのものは不明なままだが、己の主として最強の嫉妬魔道士を探したいムラサメとレヴィの殺し方を探りたいシャルム、そしてレヴィから邪眼を奪いたかった竜貴という三者の思惑が重なって、当初は一般生徒としてビブリア学園に通っていたことが判明している。 始祖秘宝「Gleipnir(グレイプニール)」 派生作品「リーゼ・クロニクル」に登場する怠惰の秘宝であり、所有者を全時空の超越者とする程の絶大な時空操作能力を持った神狼の縛鎖で、アーシャが終焉の魔獣を手懐ける為に使ったものとは別の武装。経緯は不明ながらかつてリーゼとセリナが過ごしていた二人の叔父夫婦の屋敷の地下に封印されており、この神話武装の存在が彼女たちの故郷が壊滅する原因となった。 本編時空では魔物の襲撃をアリエスが阻止して以降その在処は不明なままだが、β時空ではこの武装を確認しに戻ってしまった事がセリナの死に繋がってしまった。彼女を生かす為にリーゼによって自覚をさせないまま魔道融合させられていたが、作中では遂に限界を迎えてセリナのテーマと意識を僅かに残す神話武装へと戻ってしまう。 「リーゼ・クロニクル」終盤にて、暴走したクロノスと時空の崩壊を計測し切る為に「全ての時空のリーゼの演算能力を直結する」べく、β時空のリーゼがその身を融合させた。全てが修復されたβ時空においては、純粋な神話武装の状態でこの時空の彼女に所有されている。 魔王兵器 真の魔王が所持した時、世界の崩壊が始まるとされる伝説の魔道書同様に存在しないものとされていたほどの武器。神話武装の一種ではあるが、魔王兵器の封印は「真の魔王」の資格者にしか解けず、魔王因子を所持していれば誰でも扱えるわけではない。 使用には3つ以上の書庫を取得する必要があり、不足している場合は使用者の魔力を暴走させることで果てしない力を補おうとする。独自の思考を持っており、魔王の補佐が可能で、人間体に変化することも可能。現在派生作品も含めて三振りが確認されており、その全てが「神曲」におけるコーキュートスに由来する名称を与えられている。 また、無数の時空の中でただ一人の所有者が明確に定められている一方で、真の魔王化に達した魔王であれば能力次第ではある程度使いこなす事が出来るのも特徴の一つ。武装名に冠する固有の色彩についても、魔王兵器を所有可能な程の魔王の手に渡った場合はその魔王の色へと変化する事が示唆されている。支配武装(インペルアーム)「黒皇剣ジュデッカ」 声 - 伊藤静天空図書館の2つの魔王兵器のうちの1つ。所有者は春日アラタ。使用条件は「トリニティに達していること」、「支配をテーマにしていること」、「魔王因子を持っていること」。いずれの世界においても、原則としてアストラル・トリニティこと春日アラタにしか扱えないことを意味している。 回収した時点ではアラタがトリニティに達していなかったため、ジュデッカの解析の際にエラーが発生し、暴走(魔王化)へつながった。使用者以外が触れた場合、その者の魔力を吸収する。 『第四の門』を具現する魔王兵器であり、持ち主を『トリニティを超える者』にする力を秘めているとされる。春日アラタの数秘術取得後は無事に使用者として認められ、それにより魔力の使い方の向上およびジュデッカの補佐により魔術の複数同時使用が可能になった。 人造魔王であるラスト・トリニティは、己の錬金術のみでこのジュデッカを参考にした自身専用の魔王兵器の錬成を成し遂げている。これは謂わば「白皇剣ジュデッカ」とでも言うべき武装であるが、下記のアンテノーラの場合と同じで、仮初の顕現を果たしたレプリカの様な扱いである模様。 虚無武装(ヴァニタスアーム)「赫皇剣カイーナ」 天空図書館に2つある魔王兵器の1つ。所有者はアビィス・トリニティ。 『魔王兵器』と呼ばれる、魔王に達した魔道士専用の武具の1つ。所持および使用できるのは原則として『赫の魔王』でもある『アビィス・トリニティ』のみである。 元々はアビィス・トリニティの世界に存在していたが、アビィスが自身の世界を滅ぼしたことで時空・次元・世界を渡り、天空図書館に封印されることとなった。 『第一の門』を具現する魔王兵器であり、その持ち主を『世界を超える者』にする力を秘めているとされる。元々はジュデッカ同様、所有者であるアビィスとは別個の自我を有していたが、世界が全て虚無に沈んだ際にその人格をほぼ喪失しており、本編登場時点で機能のみを残す状態だった模様。消滅寸前のアビィスがスムーズに魔道融合出来た件にもこの辺りの事情が絡み、彼が魔王兵器の化身と化した時点で本来のカイーナの人格は完全に失われている。 「蒼皇剣アンテノーラ」 派生作品「リーゼ・クロニクル」及び「アナスタシア聖伝」に登場する魔王兵器。所有者はクロノス・トリニティ、魔王騎士パンドーラ、そしてアナスタシス・トリニティ。 初登場は「リーゼ・クロニクル」第3巻。β時空において、怠惰の魔王として覚醒したアラタが数秘術によって「魔王兵器を手に入れる可能性」を計測し、世界を越えて呼び寄せた魔王兵器の一振り。彼が最初から怠惰の魔王となる世界に存在していたと思われるが、その詳細は明らかになっていない。 『第二の門』を具現する魔王兵器だが、その具体的な能力は不明。作中では、これを入手したクロノスが時空構築とその対消滅を攻撃に転用する程の演算能力を見せている。 派生作品「アナスタシア聖伝」では、「終焉」を訪れた現・色欲の裁定者によって仮初の形で用意されたものが魔王騎士パンドーラに預けられ、「偽蒼剣アンテノーラ」として具現化。本来一介の魔王騎士には過ぎた力であったが、パンドーラは自分以外の魔王因子に干渉する固有能力を持っていた為、行使の代償をある程度他の魔王騎士に肩代わりさせることで使役していた。自身を救う為に犠牲になろうとするパンドーラから制御権を奪う形でアナスタシアが入手し、それをトリガーとして魔王アナスタシス・トリニティが覚醒している。 派生モバイルゲーム「トリニティセブン -夢幻図書館と第7の太陽-」では、「偽紫剣アンテノーラ」として登場した。 魔道具 魔道書や魔道器、神話武装の類いではないが、確かに神秘を秘めた道具の総称。作中では、派生作品「リーゼクロニクル」でアリエスが所有していた翼型の飛行ユニットなどが該当する。 顕現装束 魔王因子を利用したメイガスモードの高位変換であると同時に、その名前はそれぞれの「書庫」に対応した悪魔の名称を冠する、その「書庫」の最高位魔道の別称ともなっている。これを身に纏った者はその「書庫」の魔道の根源に達して極めたとして、対応「書庫」内に存在する様々な魔道を行使することが可能になるとされる。 原則的には魔王因子を持った魔王候補でなければ身に纏うことは出来ない仕組みだが、小説版第三巻では「黄昏図書館」という特殊な環境下に封じられたトリニティセブンの面々が長い時間を内部世界で研究に費やすことで、魔王因子を持たないメンバーも含めた全員で七書庫全てのそれを纏うことに成功している。 「魔を極めた者」として、この領域に辿り着いた魔道士は「魔人」とも称される。理屈の上では女性魔道士専用の形態という訳でもない為、性別ごとに別デザインが存在する模様。また、同性・同「書庫」の魔人であっても、リリスとアナスタシアのように顕現装束のデザインには個人差がある事が確認されている。セイタン 「憤怒」に対応した悪魔の名称にして、それを司る最高位魔道の別称。セイタン・フォームを纏うことができ、装着者は「憤怒の魔人(セイタンスレイヴ)」とも称される。作中では聖のみが身に付けているが、小説版では聖と共にアリンもこれを身に纏うことに成功した。 アエーシャマ 「色欲」に対応した悪魔の名称にして、それを司る最高位魔道の別称。アエーシャマ・フォームを纏うことができ、装着者は「色欲の魔人(アエーシャマスレイヴ)」とも称される。作中ではアビィス・トリニティが自身の力を取り戻すため、強制的にリリスに纏わせている。また、派生作品「アナスタシア聖伝」では、魔王として覚醒したアナも身に纏っている。 ベルフェゴール 「怠惰」に対応した悪魔の名称にして、それを司る最高位魔道の別称。ベルフェゴール・フォームを纏うことができ、装着者は「怠惰の魔人(ベルフェゴールスレイヴ)」とも称される。作中では神曲門編でリーゼが披露したが、後に派生作品「リーゼ・クロニクル」において、一番初めに彼女がこれを纏ったのはβ時空であったことが明かされている。 リュシフェル、レヴィアタン、ベールゼバル、マハザエル それぞれが「傲慢」、「嫉妬」、「暴食」、「強欲」に対応した悪魔の名称にして、それを司る最高位魔道の別称。本編では登場しておらず、小説版第三巻の極めて例外的な環境でのみ、ミラ・レヴィ・アキオ・ユイが身に纏うことに成功している。 秘宝巫女 「スプリガン」と称される女性たちのこと。秘宝や古代魔術の遺産が存在している遺跡を守護する一族で、その封印を破られないように守ることを使命とする。 元々、高い魔力を持つ一族で、あらゆる高位魔術を駆使することでも有名である。アキオの家系は代々「真言術」を継承しており、彼女の母も腕が立つ実力を持っていた。「神」と呼ばれる存在から、その使命を賜ったとも言われ、秘宝巫女は信仰心の強い者が多い。かつては世界中の遺跡に存在していたとされるが、今ではその数が急激に減少してしまった。 最後の鍵(ザ・ラストキー) 異世界とをつなぐ力を持っているとされる概念武装。リリスの場合、自分が生まれた世界と異世界をつなぐ力を持っているが、彼女が生まれた世界はすでに魔王の手で滅ぼされているため、仮につないだとしても異世界間同士の移動は不可能。あらゆる伝説や伝承にも記されており、理想郷や桃源郷、霊界にもつなげられるといわれている。真の「最後の鍵」はあらゆる異世界への扉を開くとされ、その存在は「鍵」で「扉」にもなりえる。 世界との繋がりが深い為、「最後の鍵」が死亡すると連鎖的にその世界自体が崩壊する危険性も存在している。 概念機構(イデアフレーム) あらゆる世界、あらゆる次元の根源たる「世界記録(アカシック・レコード)」に存在するとされる、「あらゆるものの原型」とされるもの。これに干渉する事であらゆる属性を概念レベルで書き換える事が可能で、例として作中では裁定者たるマリスが自らに「全ての魔術は己に影響を与えない」という属性を常時付与している。 自身の概念を改変する行為は存在の書き換えに等しい為、多くの場合はその変容に耐え切れずに一瞬で消滅してしまう。その為、概念機構に対する直接干渉は、古代魔術の中でも最難関に位置付けられているとされる。
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