世界構築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 03:49 UTC 版)
チェリイは、言語学、歴史、考古学、心理学といった知識を背景として、極めて写実的に架空世界を描く。チェリイの処女作の序文でアンドレ・ノートンはJ・R・R・トールキンと比較し、「この Gate of Ivrel のように物語にのめり込んでしまったのは『指輪物語』を読んで以来だ」と書いている。また、「彼女の科学と民話の混合は、トールキンやジーン・ウルフに匹敵する知的な深さを小説に与えている」という書評もあった。チェリイはもっともらしい地球外生命の文化、種属、予想を生み出し、読者に改めて人間の本質を考えさせる。チェリイは構築した世界を説明せずに暗黙のうちに示すため、複雑さと写実さが際立ち、賞賛されることになる。また、異なる言語間で概念を翻訳したり説明することの難しさを描いている。その最たる例は、Chanur シリーズと Foreigner シリーズである。 チェリイは小説の中の異星人社会を生み出すプロセスを、その社会について色々な質問を考え、その答えが異星人の文化の様々なパラメータを反映するように考えることだと述べている。チェリイによれば、「文化とは、生物が環境に反応し、暮らしをよりよくすること」である。知的異星人種を詳細に描くにあたって、チェリイは以下のことが重要だとしている。 その種が住んでいる物理的な環境。 その種の家屋の位置や性質。家屋同士の空間的関係。 その種の食べ物、食べ物を得る方法と食べ方、食事にまつわる習慣。 その種が知識を共有する際のプロセス。 死に関する習慣と考え方、同属の死の扱い方、来世をどう捉えているか。 「自己」および彼らの住む「宇宙」をどう捉えているかという形而上学的問題。
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