世界標準化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 22:50 UTC 版)
「インターモーダル輸送」の記事における「世界標準化」の解説
海上輸送のコンテナ化により、船に積んだコンテナを別の港で規格化された車台を持つトレーラーにおろしてそのまま客先まで運ぶという、海陸一貫輸送が実現した。マクリーンはこれらのコンテナ船を持つ会社を海陸一貫の理想をこめて「シーランド」と名づけ、アメリカ国内航路だけでなく外国航路にも乗り出した。アメリカ合衆国の同業者やヨーロッパ、日本の船会社も追随し、ベトナム戦争の兵站輸送を始め海上貨物輸送の多くがコンテナを採用した。1960年代後半には世界各地の主要港で、従来型の荷役作業を行なう港湾労働者の「コンテナ化反対運動」のさなか、コンテナ専用埠頭が次々完成した。この時代、日本の神戸港がコンテナ取扱個数世界一を誇っていた。 海上輸送用コンテナの規格は、アメリカのトレーラーや鉄道で使われていたコンテナが元になった。当初はシーランド社の用いていた35フィートコンテナ(アメリカのセミトレーラー車の当時の最大規格)、およびマトソン社の24フィートコンテナ(同じくフルトレーラー車の最大規格)の2種類が主流だったが、国際海運業界の採用を前に1963年にISOが規格を統一し、長さ40 ft高さ8 ft(1A型)と長さ20 ft高さ8 ft(1C型)などの4種類とされた。 コンテナ自身は耐久性があって何年も使用が可能であり、中身の貨物は運送中も確実に保持・保護され、積み重ね可能で、野積みの状態で倉庫代わりにもなり、荷抜きの問題は大幅に解消された。世界中の航路を2,000 TEU級の大型コンテナ船や1万 TEUを超える超大型コンテナ船が往来し、ガントリー・クレーンを使いわずか1日や半日で貨物の積み下ろしを終えて次の港へ向かうという、定時性が高く早いコンテナ時代が到来し、世界の貿易や物流のありようが、わずか十数年で根底からがらりと変わってしまった。こうしてコンテナ船に対応できない従来型の埠頭や倉庫は急速に寂れていった。
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