存在性
存在性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/28 14:11 UTC 版)
全ての関手 G: 𝒞 → 𝒟 が左随伴を持つわけではない。𝒞 が完備圏であるときは、左随伴を持つ関手はPeter J. Freydの随伴関手定理「G が左随伴を持つための必要十分条件は、それが連続(極限を保つ)かつ、ある種の「集合性(小ささ)」条件をみたすことである」で特徴付けられる。具体的には、𝒟 の各対象 Y に対して、集合(つまり真クラスでない集合という意味で「小さい」) I の元で添字付けられた射の族 fi: Y → G(Xi) が存在して、任意の射 h : Y → G(X) が適当な元 i ∈ I と射 t: Xi → X ∈ C を用いて h = G(t) ∘ fi と書けることが条件である。 同様のことが右随伴に関しても成り立つ。
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存在性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/19 15:13 UTC 版)
「与えられた行列に対数が存在するか否か」という問題は、複素係数の範囲で考えるときに最も単純な答を持つ。この場合、与えられた行列が対数を持つための必要十分条件は、それが可逆であることである。ジョルダン標準形で考えれば、任意の A = P J P − 1 {\displaystyle A=PJP^{-1}} に対して、 exp ( P X P − 1 ) = ∑ n = 0 ∞ ( P X P − 1 ) n n ! = P ∑ n = 0 ∞ X n n ! P − 1 = P exp ( X ) P − 1 {\displaystyle \exp(PXP^{-1})=\sum _{n=0}^{\infty }{\frac {(PXP^{-1})^{n}}{n!}}=P\sum _{n=0}^{\infty }{\frac {X^{n}}{n!}}P^{-1}=P\exp(X)P^{-1}} であるから、 J = exp ( X ) {\displaystyle J=\exp(X)} となる X {\displaystyle X} が存在すれば、 A = exp ( P X P − 1 ) {\displaystyle A=\exp(PXP^{-1})} となり A {\displaystyle A} は対数を持つ。逆に A = exp ( Y ) {\displaystyle A=\exp(Y)} となる Y {\displaystyle Y} が存在すれば、 J = P − 1 A P = exp ( P − 1 Y P ) {\displaystyle J=P^{-1}AP=\exp(P^{-1}YP)} となり J {\displaystyle J} は対数を持つ。このため、 A {\displaystyle A} の対数の存在と、そのジョルダン標準形 J {\displaystyle J} の対数の存在は必要十分である。一方、ジョルダン細胞については、固有値がゼロでなければ対数行列を持ち、固有値がゼロならば対数行列を持たないことが言えるので、行列 A {\displaystyle A} が対数行列を持つには、固有値ゼロを持たない、即ち行列式がゼロでない、即ち可逆であることが必要十分と言える。 対数を持つ場合においても対数が一意とは限らないが、その行列が負の実固有値を持たないならば、そのすべての固有値が帯状領域 {z ∈ C | −π < ℑm z < π} に載っているような対数はただ一つ定まり、主値あるいは「主対数 (principal logarithm)」と呼ばれる。 実係数の範囲内で考えるならば答はより込み入ってくる。実行列が実行列を対数に持つための必要十分条件は、それが可逆かつ負の固有値に属する各ジョルダン細胞が偶数回あらわれることである。可逆な実行列が、このジョルダン細胞に関する条件を満たさないならば、その対数は実でない複素行列の中でしか考えられない。この状況はスカラーの場合にすでに生じていることであり、実際 −1 の(複素)対数は実数でない複素数である。2×2 実行列の実対数の存在性については後述する。
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