サブスクリプション
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/03 09:17 UTC 版)
サブスク
2010年代後半ごろから、略称である「サブスク」がメディアでも用いられるようになり、提供・企業側のサービス名称にも冠されるようになった[31]。
2019年のユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた[32]。
- サブスクを用いた用語例
- 新車サブスク - 特に保険料や整備費、消耗品、税金などの代金を月額料金にまとめた商品。ただし、従来からカーリース契約や長期レンタルなど同種のサービスは存在した。
- 音楽サブスク - Apple Music、Spotifyなどの定額制音楽配信サービスの総称としての用例[33]。従来からUSENなど定額料金の配信サービスは存在した。
- サブスク解禁 - これまでは版権の都合でサブスクリプションに消極的だったレコード会社やアーティストの楽曲が、定額制音楽配信サービスで配信開始されること[34][35][36]。この考え方も従来から当初月額料金の提供に反対の立場が変わる場合があった。
- サブスクLIVE - LINE LIVEが提供する、定額でライブハウスからのライブ配信を楽しめるサービス[37]。名称以外では特に新しくなく、テレビなどが演奏会を生中継することはあった。後述する「サブスクライブ」(subscribe)とは意味が異なるので注意。
- 強制サブスク - NHK受信料に対する批判用語[38]。
サブスクライブ
サブスクライブ(英語: subscribe)は、日本においては一般的に「定期購買する」「配信を受ける」「会員登録する」などとして用いられ[39]、基本的に意味はサブスクリプションと同じだ[40][41]。
語源である英語「subscribe」は、「予約・定期購読する」の他、契約書等に「署名・サインする」、また「同意」「承認」「寄付」などの意味を持つ[40]。サブスクリプション(subscription)が名詞、サブスクライブ(subscribe)が動詞形であり、「購読」に当てはめるなら、サブスクリプションが「定期購読」、動詞形サブスクライブが「定期購読する」となる[39]。
- サブスクライブの用例
- YouTube - サブスクライブ=チャンネル登録のこと[39]。
- steam - サブスクライブ=MOD(ゲームの改造データ)を追加すること[39]。
- twitch - サブスクライブ=ゲームライブ配信者等に、スポンサー課金すること[39]。
- サブスクライバー
- 語源である英語「subscribe」に、人を表す「er」を付して、サブスクライバー(subscriber)と呼ぶ[40]。文字どおり「サブスクライブする人」となるが、雑誌などの「購読者」などと訳される[40]。主にビジネス用語において、メールマガジン、ブログ、ニュースレターの購読者を指して用いられる[42]。
- アンサブスクライブ
- 語源である英語「subscribe」に、否定の「un」を付して、アンサブスクライブ(unsubscribe)と呼ぶ。YouTubeやメールマガジン、ニュースレターなどを「購読中止」「登録キャンセル」をすること[39][40]。
- サブスクのライブではない
- 上述したとおり、サブスクライブはサブスクリプションの動詞形であり、単語そのものが「定期購読する」などの意味を持つ。よってサブスク(定額制)のライブ(中継)ではない。LINE LIVEが「サブスクLIVE」なるサービスを提供したが、これは定額でライブハウスから中継されるライブ配信を楽しめる、同社のサービス名称である[37]。
- 語源:subscribe
- LINE:subsclive
メリット
定額制のため安価で利用できるサブスクリプションは、新規利用者のハードルが低く、必要なときにサービスや商品を利用できるメリットがある。また事業者・提供者側からみても、購入と比べ一定期間、継続的な売り上げが見込めるなどのメリットがある[43][44]。
消費者メリット
- 購入よりも安価にサービスや商品を利用できる。
- 初期費用が少ないため、継続利用しやすい。
- 動画や音楽配信サービスはパソコンだけでなく、スマートフォンからでも利用できる。
- 動画の媒体(Blu-ray Disc、DVD)やパッケージを購入・所有する必要がないため、物を増やさずに済む。
- サービス期間はあるが、いつでも解約できる。
- 新しい商品やサービスの提供を受けやすい。
事業者メリット
- 継続的・長期的な売上を見込める。
- 消費者の導入ハードルを下げられるため、新規顧客を獲得しやすい。
- 顧客リストや利用統計データが取れるため、今後の改善に利用できる。
- デジタル、アナログ問わず、様々な業種に導入できる。
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