サブスクリプション
英語:subscription
サブスクリプション、サブスクとは
サブスクリプション(subscription)、サブスクリプション方式、または「サブスク」とは、製品やサービスを一定期間ごとに一定の金額(利用料)で提供するというビジネスモデルのこと。サブスクリプションの方式で販売される内容は、製品やサービスそのものではなく利用権である。つまり、消費者は対価を支払って製品やサービスを購入し、自分の所有物にするというわけではなく、対価を支払って製品やサービスを利用できる権利を取得して使う、というものである。
「サブスクリプション」の言葉の意味
サブスクリプション(subscription)は、英語の動詞「サブスクライブ」(subscribe)の名詞形である。サブスクライブは「購読」「予約購読」などと訳されることの多い名詞である。IT・Web上のサービスの関連では、「RSSフィードの購読」や「YouTubeのチャンネル登録」、あるいは、ゲーム配信プラットフォームの「Steam」におけるユーザーが作成した追加コンテンツ(MOD)を適用する、といったアクションを指す意味で用いられている。サブスクリプションと定額制の違いは?
サブスクリプションの方式は、基本的には「定額制で使い放題になるサービス」と表現してもあながち間違いではない。しかし、従来の「定額制・使い放題」とは別種の概念として理解しなければならない。「定額制」は、基本的には「従量制(従量課金制)」と対比される概念である。例えば、通信・通話のサービスでは、従量制の場合は利用したデータ量や通話時間の分だけ料金が加算される。サービスを全く利用しなければ対価(料金)は最小限に抑えられるものの、使い続けると料金は際限なく嵩んでいく。他方、定額制の場合は、サービスを全く使用しなくても所定の料金を支払う必要があるが、どれだけ使い続けても料金は変わらない。
「サブスクリプション」は、定額で使い放題という意味ではいわゆる「定額制」と同様だが、基本的には「買い取り」方式と対比される概念である。従来は販売されていた(購入し所有した上で使ってた)ものを、もの自体を販売せずに一定期間に限り自由に使える権利を販売することがサブスクリプションである。
サブスクリプション方式で提供されるサービスの例
サブスクリプションはデジタルコンテンツの提供と相性のよいビジネスモデルである。例えば、音楽や映画・映像、電子書籍、ソフトウェア、ゲームといったコンテンツは、既にサブスクリプションによる提供方式が一般的な選択肢の1つになっている。動画配信サービス大手の「YouTube」や、音楽配信サービス大手の「Spotify」は、広告を挿入し利用にわずかな制限を加えつつ無料で視聴可能にするビジネスモデルと、有償で広告その他の制限を撤廃するサブスクリプション型のビジネスモデルを併存させている。
EC(ネット通販)大手のAmazonが提供している「Amazon Prime(Amazonプライム)」の場合、音楽や映画・ドラマ、雑誌・書籍、さらに購入商品の「お急ぎ便」等々が使い放題である。ある意味サブスクのスイートとでも言うべきサービスである。
さらにサブスクリプションは、クラウドベースのコンテンツ提供方式(SaaS)との相性が抜群である。アドビシステムズ(Adobe Systems)は、クリエイター向けのソフトウェアスイートを開発・提供している企業として知られているが、2010年代前半にいち早く従来型の「販売」方式を終了し、サブスクリプションサービスとしての提供に完全移行したことで話題になった。2020年時点ではオフィスソフトから日本語入力ソフトまで多種多様なソフトウェアをクラウド化し、かつサブスクリプションサービスとして提供している。
昨今では、デジタルコンテンツに限らず、現実社会におけるサービスのサブスクリプション化も進んでいる。事業分野によって形態は異なるが、おおむね「定額で利用し放題」「レンタル(リース)」あるいは「定期便」に類するビジネスモデルとして分類される。
例えば、契約期間中なら何度でも通える美容室やカフェ、ワークスペース(作業場)などが挙げられる。契約期間が過ぎたら返却する前提で使える服、あるいはブランド物のバッグ、家電製品。定期的に届けてくれる絵本やオモチャ、食品、化粧品、などなども挙げられる。2019年にはトヨタ自動車が、日本国内で自動車をサブスクリプション方式で提供するサービスを開始している。
サブスクリプションのメリットとデメリット
サブスクリプションにはさまざまな利点(メリット)がある。他方で難点(デメリット)がないわけでもない。消費者が享受できるサブスクリプション方式の最大の利点は「定額で使い放題」という点である。所定の金額を払えば思う存分に使い倒すことができる。とりわけ音楽・映画・書籍について膨大な種類の作品を物色する場合、いちいち購入・レンタルする方法とは比較にならないほど安価、かつ手軽に利用できるようになる。
サブスクリプション方式のサービスでは「購入や処分に付随する雑事から解放され」「商品が常に最新に保たれる」という点も見逃せない大きな利点である。デジタルコンテンツのサブスクの場合、コンテンツ自体は提供する側(事業者)によって管理される。そのため、常に最新版、あるいは最良の状態に維持される。ソフトウェアは随時、改良・アップデートが施され、最新に保たれる。音楽・映画・雑誌などのコンテンツは続々と新規タイトルが追加される。音質や画質が向上される場合もあるだろう。車のサブスク(Kinto)の場合は保険加入、自動車税の支払い、車検・法定点検、乗り換え時の査定・処分などのような手続きの手間が大幅に削減できる。
現物を扱うサブスクリプションサービスの場合、配送サービスが付帯していたり、膨大な種類がある商品の中から手頃なものを選んでくれたりすることも多く、店頭に赴く手間や自分で選ぶ手間が省ける。
サブスクリプションサービスの難点になるかもしれない部分としては、「商品そのものを所有できない」という点が挙げられる。いま利用しているサービスが今後も永続的に続いていくとは限らず、提供者側の業績不振などによってサービスが終了する可能性は多かれ少なかれ必ず残る。もしサービスが終了してしまった場合、手元には何も残らない。終了時点でCDが廃盤になっていたり、小説が絶版になっていたりした場合、改めて入手することは困難である。
また、サービスをほとんど利用しなくなっても、まったく利用しなくなっても、利用契約を終了させない限りは延々と一定額を支払い続けることになる、という懸念も難点となり得る。徐々に利用しなくなっていって契約終了の手続きをすっかり忘れ去るという場合もあり得る。場合によっては、このような無用な支払いを発生させることを狙った悪質な事業者の被害に遭うかもしれない。実際、「無料お試し期間」を謳ってスマホアプリ(スマートフォン向けアプリ)をインストールさせ、試用期間の終了後から高額な利用料金が課されてしまうという悪質なアプリの存在が報告されている。契約の解除を忘れてアプリをアンインストールしてしまった場合、契約の解除が必要だったと気づくことも困難になる。
サブスクリプション
英語:subscription
サブスクとは、サブスクの意味
サブスク、サブスクリプション(subscription)とは、料金を支払うことによって、一ヶ月や一年などの一定期間サービスを使う「権利」を得られるビジネスモデルのこと。従来は、商品やサービスに対して対価を支払って「所有」することが主だった。「使用する権利」に対価が発生するため、サービスの提供者側は継続的な収入を得ることが可能になり、使用者側はいつでも解約可能でお得に無駄にものを増やすことない環境が実現するというメリットを得られるようになった。サブスク、サブスクリプションの語源
subscription(サブスクリプション)には、雑誌の予約購読や年間購読という意味がある。この意味から「一定期間のサービス利用権」というサービスの名称に用いられるようになった。サブスクリプションは「サブスク」と略されることもある。画像加工ソフトなどで有名なAdobeが、2013年にPhotoshopやIllustratorというソフトを、店頭でのパッケージ販売から、サブスクリプションに切り替えた。これをきっかけに、IT業界を中心にサブスクリプションの仕組みが注目され、導入が進むようになった。
サブスク、サブスクリプションの特徴・事例
一度に高いお金を払ってもらうのではなく、継続しやすい安価な価格設定にすることで、企業側は安定した収入を得られるだけではなく、新たな顧客を獲得しやすくなるなどの利点がある。また利用者にとっても、常に最新のバージョンのソフトウェアを利用できたり、追加料金を払うことなく新しく追加されるコンテンツ(音楽や書籍など)を楽しむことができたりというメリットがある。一方で、利用者にとっては、自分には必要のないサービスが組み込まれていたり、使っていなくても支払いの必要が生じたりといったデメリットもある。サブスクリプションの代表的なサービスには次のようなものがある。
サブスクの関連用語
サブスクリプションビジネスとは、サブスクリプションの仕組みを採用したビジネスのことをいう。主にデジタル業界で進んでいたサブスクリプションの導入が、非デジタル業界にも急速に拡大しつつあるが、ユーザーに継続的に利用してもらうためには単なる定額制ではなく、そのサービスの質を高め続けていかなければならない。サービスの質と企業価値を高める、いわゆるブランディングへの取り組みも含めてサブスクリプションビジネスと称することが多い。サブスクリプション [subscription]
サブスクリプション
サブスクリプションとは、寄附・署名、新聞や雑誌の定期購読などを意味する英語である。IT用語としては、サービスなどの利用の権利を特定期間内に限り許諾・提供する方式を指す。
サービスの提供形態において、月などで期間を区切って利用契約を行う方式のサービスを「サブスクリプションサービス」と呼ぶことがある。いわゆる月額制、定額制と同義で扱われることが多い。料金はあらかじめ一定であり、利用期間内はいわゆる使い放題となっているサービスが多い。
ソフトウェアのライセンス形態において、年などで期間を区切って利用権利を提供する方式は「サブスクリプション契約」と呼ばれることが多い。
ライセンス: | ライセンス契約 サイトライセンス サブスクリプションサービス サブスクリプション ソフトウェアアシュアランス サブスクリプション契約 Windows Anytime Upgrade |
サブスクリプション
(subscription から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 07:59 UTC 版)
サブスクリプション(英語: subscription)は、定額料金を支払い利用するコンテンツやサービスのこと[1][2]。商品を「所有」ではなく、一定期間「利用」するビジネスモデル[1][3]。日本ではサブスクとも略される[4][5]。
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- ^ 服部良祐 (2019年7月11日). “サブスクは音楽を生かすのか、殺すのか――電気グルーヴ配信停止も波紋”. ITmedia. 2020年3月9日閲覧。
- 1 サブスクリプションとは
- 2 サブスクリプションの概要
- 3 サブスクライブ
- 4 メリット
- 5 関連項目
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