コミュニケーション コミュニケーションの概要

コミュニケーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/11 14:26 UTC 版)

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女性どうしのコミュニケーション
グループでのコミュニケーション
近年では端末を通じたコミュニケーションも盛んになっている。心(気持ち)の通い合いが大切であるので、表情)を互いに見つつ行うことが好まれ、(文字しか使えない端末では、代わりに)顔文字を用いたり、スマートフォンが登場してからは、ビデオ通話などが行われるようになっている。

原語がcommunicationなのでカタカナで表記する場合は「コミュニケーション」である(出典:広辞苑[1]大辞泉[2][注 1][注 2]

概説

「コミュニケーション」という語は多種多様な用いられ方をしている。

辞典類ではまず、人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達[1][3]、などといった簡素な定義文が掲載されている。

ただし、一般に「コミュニケーション」というのは、情報の伝達だけが起きれば充分に成立したとは見なされておらず、人間と人間の間で、《意志の疎通》が行われたり、《気持ちの通い合い》が行われたり、《互いに理解し合う》ことが起きたりして、はじめてコミュニケーションが成立した、といった説明を補っているものもある[4]

コミュニケーションに含まれるものは実に広範囲に及ぶ。乳児の段階から始まっている表情や身ぶりを用いた非言語的なものから、年齢を重ねるにつれ次第に学習される言語的なものまで含まれる。

非言語的なことを読み取り相手を理解することは、非常に重要である。母親は乳児が非言語的に表現すること、たとえば表情や動作や泣き声で表現することを理解した場合にようやく、適切にミルクを提供したりおむつを替えたりできる。非言語コミュニケーションができないようでは、乳児にすら適切なことを提供できない。 大人の間のコミュニケーションでも目の前の相手の表情のかすかな変化や声の高低のかすかな変化などを感じ取れないようではコミュニケーションがうまくゆかない。

人は学習する能力や模倣する能力があり、一般に、少年期、青年期、成人期と言語能力が増し、他者がコミュニケーションに用いているさまざまな表現を模倣し自分のものとして用いるようになってゆき、コミュニケーションのための言語表現も日々模倣し、自分のものとしてゆく。言語の起源については諸説あるが、一説には「他者とのコミュニケーションを目的とするもの」とも考えられており、言語を使って他者へと呼びかけるものもすべてコミュニケーションと呼ばれうる。挨拶会話演説も、すべてが言語を使ったコミュニケーションである。

人と人が対面し、相手の肉声を直接聞いたり相手の顔を直接見たりして行うコミュニケーションが基本で太古の昔から行われているものだが、古代から手紙のように遠隔地にいる人とコミュニケーションをとることも広く行われている。また19世紀ころからは電信や電話など、電気的な技術を用いて遠隔地の人とコミュニケーションを行うこともできるようになった。直接対面せず、離れた場所にいる人とコミュニケーションを行うことを通信と言う。

20世紀からはラジオ放送テレビ放送を用いた多数の人々に対する一方向的なコミュニケーションも行われている。不特定多数を相手に行うコミュニケーションをマスコミュニケーションと言う。報道も「マスコミュニケーション」の一部である。1990年代からはインターネットを用いたコミュニケーションも盛んになってきている。最近のTwitterFacebookなどのSNSを用いた個人的な情報の発信や受信、意見表明は双方向でも一方向でも、1対1でも1対多でも、コミュニケーションであるしただ「いいね」ボタンを押して相手に賞賛や賛同の意だけ伝えることもコミュニケーションである。 

学術的には、一般的な用法から離れて、広義に用いることがあり、記号などの何らかの因子の移動を伴う、ある分けられる事象間の相互作用の過程をコミュニケーションと呼ぶことがある。

語源

  • 英語:communication < ラテン語:{communis (共通の) < comm(共に)+ unio(一致)}+ munitare(疎通をよくする)

種類や分類

さまざまな分類法がある。

ひとつには、非言語的な要素で行うか言語を使うかで 非言語コミュニケーション / 言語コミュニケーション と分類する方法がある。

非言語コミュニケーションは、ボディーランゲージ / サイン(合図) に細分化することもできる。

ひとつには物理的な距離に着目して、対面でのコミュニケーション / 離れてのコミュニケーション(テレコミュニケーション) に分類する方法がある。

人数を基準にして 1対1のコミュニケーション / 1対多のコミュニケーション に分ける方法もある。1対多のものでも特に不特定多数を相手にしたものをマスコミュニケーションと言う。

動物全般のコミュニケーションを、用いられる感覚器で分類すれば、音声コミュニケーション / 視覚コミュニケーション / 嗅覚コミュニケーション に分類することもできる。以下のようなものがある。

なお最近の研究では、植物と植物も微量物質を放出して互いに一種のコミュニケーションを行っていることが理解されるようになってきている。




  1. ^ 出だしのcommuは「コミュ」と発音する。「community コミュニティ」などと同系統の語幹を持っているのである
  2. ^ 日本人にとっては、発音しにくく、記憶しにくいので、前後の母音を誤って入れ替えて記憶してしまったり、後ろの母音を前の母音にまで伝染させるなどしつつ記憶する人もいる。たとえば「コミニュケーション」、「コミニケーション」などと記憶したり書いてしまう人もいるのである。だが、正式の辞書類では一般にそうした表記は採用されていない。正式の辞書類では、communication なのであくまで「コミュニケーション」としている。
  1. ^ a b c d 広辞苑 第五版 pp.1004-1005 コミュニケーション
  2. ^ 大辞泉 「コミュニケーション」。
  3. ^ デジタル大辞泉
  4. ^ デジタル大辞泉では、わざわざ[補説]として次のような説明文を併記し、注意を促している。
    『「コミュニケーション」は、情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通、心の通い合いという意でも使われる。「親子の―を取る」は親が子に一方的に話すのではなく、親子が互いに理解し合うことであろうし、「夫婦の―がない」という場合は、会話が成り立たない、気持ちが通わない関係をいうのであろう。』(出典:デジタル大辞泉)
  5. ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
  6. ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
  7. ^ 池上嘉彦ほか『文化記号論への招待』有斐閣1983 ISBN 464102345X
  8. ^ 脳科学では、言語的な理解を主に担っている左大脳半球に障害を負ったウェルニッケ失語症の人々は、語られたことの意味を理解できない反面、それがどのように 語られたかという非言語的な理解(またそれによる他者の感情の理解)では、障害を負っていない人々よりも優れた理解を示す。これは、右大脳半球が主に非言語的な理解を担っていることによると考えられている。
  9. ^ 動物行動学では、相手の本能行動に影響を与えるための特定の信号は「リリーサー」ないし「解発刺激」と呼ばれ、コミュニケーションの手段として機能するP.J.B. スレーター(1994)『動物行動学入門』岩波書店。
  10. ^ そもそもコミュニケーション(Communication)という語は、ラテン語のコムニカチオ(communicatio)に由来し、「分かち合うこと」を意味するものである。
  11. ^ 他者理解の困難な自閉症の子どもは、ポテトチップスの筒の中にアイスバーが入っていることを知らされても、他の子どもであればその筒の中にはポテトチップスが入っていると答えるはずだ、ということが推測できないことがある(サリー・アン課題も参照)
  12. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.64
  13. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.65
  14. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  15. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  16. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  17. ^ 関連項目 -- 心の理論自閉症
  18. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.71
  19. ^ ここで言う記号とは何かと言うと、C・モリスの定義のように「あるモノが眼のまえに存在していないにもかかわらず、それが存在しているかのような反応をおこさせる刺激」ということである。(『人間関係 理解と誤解』p.71)
  20. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.74
  21. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.76
  22. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.22
  23. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.22
  24. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.25-27
  25. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.82
  26. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.83
  27. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.85
  28. ^ a b c d Wood, J. T. (1998). Gender Communication, and Culture. In Samovar, L. A., & Porter, R. E., Intercultural communication: A reader. Stamford, CT: Wadsworth.
  29. ^ Tannen, Deborah (1990) Sex, Lies and Conversation; Why Is It So Hard for Men and Women to Talk to Each Other? The Washington Post, June 24, 1990
  30. ^ Maltz, D., & Borker, R. (1982). A cultural approach to male-female miscommunication. In J. Gumperz (Ed.), Language and social identity (pp. 196-216). Cambridge, UK: Cambridge University Press.
  31. ^ 水野由多加・妹尾俊之・伊吹勇亮広告コミュニケーション研究ハンドブック』有斐閣 2015年
  32. ^ 「新聞・雑誌・出版」(叢書 現代のメディアとジャーナリズム5) p153 山本武利責任編集 ミネルヴァ書房 2005年11月20日初版第1刷発行
  33. ^ 「日用品の文化誌」p149 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
  34. ^ 岩波生物学辞典 第四版 p.481【コミュニケーション】






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