コミュニケーション コミュニケーションの概要

コミュニケーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/19 04:00 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
女性どうしのコミュニケーション
グループでのコミュニケーション
近年では端末を通じたコミュニケーションも盛んになっている。心(気持ち)の通い合いが大切であるので、表情)を互いに見つつ行うことが好まれ、(文字しか使えない端末では、代わりに)顔文字を用いたり、スマートフォンが登場してからは、ビデオ通話などが行われるようになっている。

原語がcommunicationなのでカタカナで表記する場合は「コミュニケーション」である(出典:広辞苑[1]大辞泉[2][注 1][注 2]

概説

「コミュニケーション」という語は多種多様な用いられ方をしている。

辞典類ではまず、人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達[1][3]、などといった簡素な定義文が掲載されている。

ただし、上記のような定義文では不十分で、一般に「コミュニケーション」というのは、情報の伝達だけが起きれば充分に成立したとは見なされておらず、人間と人間の間で、《意志の疎通》が行われたり、《気持ちの通い合い》が行われたり、《互いに理解し合う》ことが起きて、はじめてコミュニケーションが成立した、といった説明を補っているものもある[4]

原義が上記のようであるため、コミュニケーションに含まれるものは実に広範囲に及ぶ。そもそも言語そのものが他者とのコミュニケーションを目的とするものであり、言語を使って他者へと呼びかけるものはすべてコミュニケーションと呼ばれうる。挨拶会話演説も、すべてがコミュニケーションである。個人間のコミュニケーションにおいても、直接の接触だけでなく、電話手紙といったように遠隔地にいる者に対して何らかの媒体を使用しコミュニケーションをとることは広く行われている[5]報道も「マスコミュニケーション」という語の通り、コミュニケーションの重要な部分を占める。言語を使わないコミュニケーションも当然存在し、非言語コミュニケーションと呼ばれる(後述)。贈答もコミュニケーションにおいては重要な部分を占める。

学術的には、一般的な用法から離れて、広義に用いることがあり、記号などの何らかの因子の移動を伴う、ある分けられる事象間の相互作用の過程をコミュニケーションと呼ぶことがある。

語源

  • 英語:communication = ラテン語:communis ( common, public, 共通の) communio(交わり, comm共に unio一致)+ munitare(舗装する, 通行可能にする)

心理学的解釈

コミュニケーションを発信と応答という観点から見た場合、ある個体のアクション(発信)に応じて別の個体にリアクション(応答)が生じた場合、両者の間にコミュニケーションが成立していることになる[6]。コミュニケーション行動の機能は、たんに情報の伝達にとどまらず、情動的な共感、さらには相手の行動の制御をも幅広く含んでいる[7]

コミュニケーションの成立は、そのための適切な発信行動が取られたというだけではなく、受け手が適切なシグナル媒体に注意を向け情報を受信した上で、さらに的確な理解をしているかどうか、という点にもかかっている。記号の解釈にあたっては、相補的関係にあるコンテクスト(非言語的な文脈)とコード(言語的な約束)とが参照される[8]。定められたコードを参照するだけでは、メッセージが解読できないとき(たとえば子供のコミュニケーション)、コンテクストが参照され、受信者による推定が加わる事になる[9]

コミュニケーションによって、受け取られる、または伝えられる 情報の種類は、感情意思思考知識など、様々である。受け取るまたは伝える ための媒体としては、言葉表情ジェスチャー鳴き声分泌物質(フェロモン等)などが用いられている。動物の媒体[10]と人間の媒体を比較すると、人間の媒体には(身体の動作表情フェロモンなどの動物と共通の媒体に加えて)言語がある、という点が異なっている。

コミュニケーションは、その相互作用の結果として、ある種の等質性や共通性をもたらすことも少なくない[11]。人間の場合は特に、他者に対して自分の心の状態を伝えることで働きかけるだけでなく、他者から受け取った情報により、相手のの状態を読み取ったり共感したりすることも含まれる(他者理解)[12]




  1. ^ 出だしのcommuは「コミュ」と発音する。「community コミュニティ」などと同系統の語幹を持っているのである
  2. ^ 日本人にとっては、発音しにくく、記憶しにくいので、前後の母音を誤って入れ替えて記憶してしまったり、後ろの母音を前の母音にまで伝染させるなどしつつ記憶する人もいる。たとえば「コミニュケーション」、「コミニケーション」などと記憶したり書いてしまう人もいるのである。だが、正式の辞書類では一般にそうした表記は採用されていない。正式の辞書類では、communication なのであくまで「コミュニケーション」としている。
  1. ^ a b c d 広辞苑 第五版 pp.1004-1005 コミュニケーション
  2. ^ 大辞泉 「コミュニケーション」。
  3. ^ デジタル大辞泉
  4. ^ デジタル大辞泉では、わざわざ[補説]として次のような説明文を併記し、注意を促している。
    『「コミュニケーション」は、情報の伝達、連絡、通信の意だけではなく、意思の疎通、心の通い合いという意でも使われる。「親子の―を取る」は親が子に一方的に話すのではなく、親子が互いに理解し合うことであろうし、「夫婦の―がない」という場合は、会話が成り立たない、気持ちが通わない関係をいうのであろう。』(出典:デジタル大辞泉)
  5. ^ 「新聞・雑誌・出版」(叢書 現代のメディアとジャーナリズム5) p217 山本武利責任編集 ミネルヴァ書房 2005年11月20日初版第1刷発行
  6. ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
  7. ^ 『心理学』東京大学出版会 ISBN 4130120417
  8. ^ 池上嘉彦ほか『文化記号論への招待』有斐閣1983 ISBN 464102345X
  9. ^ 脳科学では、言語的な理解を主に担っている左大脳半球に障害を負ったウェルニッケ失語症の人々は、語られたことの意味を理解できない反面、それがどのように 語られたかという非言語的な理解(またそれによる他者の感情の理解)では、障害を負っていない人々よりも優れた理解を示す。これは、右大脳半球が主に非言語的な理解を担っていることによると考えられている。
  10. ^ 動物行動学では、相手の本能行動に影響を与えるための特定の信号は「リリーサー」ないし「解発刺激」と呼ばれ、コミュニケーションの手段として機能するP.J.B. スレーター(1994)『動物行動学入門』岩波書店。
  11. ^ そもそもコミュニケーション(Communication)という語は、ラテン語のコムニカチオ(communicatio)に由来し、「分かち合うこと」を意味するものである。
  12. ^ 他者理解の困難な自閉症の子どもは、ポテトチップスの筒の中にアイスバーが入っていることを知らされても、他の子どもであればその筒の中にはポテトチップスが入っていると答えるはずだ、ということが推測できないことがある(サリー・アン課題も参照)
  13. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.64
  14. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.65
  15. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  16. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  17. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.66
  18. ^ 関連項目 -- 心の理論自閉症
  19. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.71
  20. ^ ここで言う記号とは何かと言うと、C・モリスの定義のように「あるモノが眼のまえに存在していないにもかかわらず、それが存在しているかのような反応をおこさせる刺激」ということである。(『人間関係 理解と誤解』p.71)
  21. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.74
  22. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.76
  23. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.22
  24. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.22
  25. ^ 『人間関係の心理と臨床』p.25-27
  26. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.82
  27. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.83
  28. ^ 『人間関係 理解と誤解』p.85
  29. ^ a b c d Wood, J. T. (1998). Gender Communication, and Culture. In Samovar, L. A., & Porter, R. E., Intercultural communication: A reader. Stamford, CT: Wadsworth.
  30. ^ Tannen, Deborah (1990) Sex, Lies and Conversation; Why Is It So Hard for Men and Women to Talk to Each Other? The Washington Post, June 24, 1990
  31. ^ Maltz, D., & Borker, R. (1982). A cultural approach to male-female miscommunication. In J. Gumperz (Ed.), Language and social identity (pp. 196-216). Cambridge, UK: Cambridge University Press.
  32. ^ 「新聞・雑誌・出版」(叢書 現代のメディアとジャーナリズム5) p153 山本武利責任編集 ミネルヴァ書房 2005年11月20日初版第1刷発行
  33. ^ 「日用品の文化誌」p149 柏木博 岩波書店 1999年6月21日第1刷
  34. ^ 岩波生物学辞典 第四版 p.481【コミュニケーション】


「コミュニケーション」の続きの解説一覧



コミュニケーションと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コミュニケーション」の関連用語

コミュニケーションのお隣キーワード

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   
検索ランキング



コミュニケーションのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコミュニケーション (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2019 Weblio RSS