両者の違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 05:37 UTC 版)
血液は、血漿成分(血液中52~64%)と血球成分(血液中36~48%)に大別される。血球成分は赤血球、白血球、血小板から成る。 血漿成分は水分(90%)、タンパク質(約7~8%)、陽イオン、陰イオンなどの無機質(0.9%)、糖質、脂質、尿素、尿酸、アミノ酸など(2%)で成り立っており全血液量の55%を占める。血漿中のタンパク質にはアルブミン、グロブリン(αグロブリン、βグロブリン、Φフィブリノーゲン、γ-グロブリン)などがある。血液を試験管に入れ放置しておくと、凝固した沈殿物(血餅)と液体(血清)に分かれる。血餅は赤血球、白血球、血小板の血球成分とフィブリン(線維素)からなる。これをさらに遠心分離すると、血漿と、血餅を含む血球成分を完全に分離できる。 血漿は、抗凝固剤入り採血管で採血して放置または遠心分離した場合に、血球成分の沈殿によりできる上澄みである。この血漿は凝固因子を含む。一方で、抗凝固剤の入らない採血管で採血して放置した場合、抗凝固剤が入らないため、血球成分が凝固因子により凝血する。その場合の上澄みが血清であり、血清は凝固因子を欠く。つまり、抗凝固剤を使った場合は血漿と血球成分とに分かれ、使わなかった場合は血餅と血清とに分かれる。 またアルブミンは腎臓病、肝疾患で減少する。他に血清ビリルビンは溶血性貧血や胆石、肝臓がん、肝炎などで胆汁の流出ができなくなった場合に、血液中に逆流して血清中で増える。ビリルビンは赤血球が壊れて胆汁に再生されたもので、この物質が血清中に増えると、2ミリグラム以上で黄疸の症状を呈する。
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