戦争・事件
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「アリアンロッド・サガ」の記事における「戦争・事件」の解説
第四次ウィンフォード大戦 帝紀400年代後半に起こった、グラスウェルズ王国とゴルフォード王国の戦い。当時のグラスウェルズ王だった「不死王」ユーグはこの戦いでゴルフォードを属国とするが、ゴルフォード王アドヘルムに抵抗されて奪回され、統一帝にはなれなかった。なお、帝紀485年に起こった「エル川の戦い」で両国の先鋒部隊が謎の全滅を遂げている。これについては『ブレイク』3巻5話「見えざる影」で描かれている。 神託戦争 帝紀731年から800年まで、グラスウェルズ王国とレイウォール王国との間で争われた戦争。時のグラスウェルズ王「騎士王」エグベルトが王国の守護者である純白竜アインから神託を受けたとして開戦したことからこの名がある。 アヴェルシアの服属 アヴェルシア王国がレイウォール王国の属領になった事件。主に『アクロス』シリーズで描かれ、『デスマーチ』4巻、『ノベル・デスマーチ』1巻でも触れられている。 帝紀807年、グラスウェルズ王国がアヴェルシア王国に侵攻。アヴェルシアは縁戚関係にあったレイウォール王国に武力介入を要請するも王都フェリストルは陥落し、当時のアヴェルシア王ケネスは死亡、王妃マリアも行方不明となった。王家が不在となったアヴェルシアはケネスの義弟にあたるレイウォール王オーギュストの申し出とメルトランド王国の調停によってレイウォールの属領となり、以後5年間、アヴェルシアの民はレイウォールの支配を受け続けてきた。この状況は帝紀812年、ピアニィがフェリタニア建国を宣言するまで続いた。 なお、公式には行方不明となっていたマリアについては、現在ノーデンスの一人であるユンガーが当時率いていた傭兵隊「黄金の狼」が彼女を保護してフェリストルを脱出しており、その後、レイウォール軍本陣を抜けてラドフォード伯領へ移動。公にならぬよう同地で隠遁生活を送っていたことが、竜輝石戦争終盤、後見人を委託されていたエルザ・ブルックスの証言により明らかとなっている。 フェリタニア建国戦争 『アリアンロッド・サガ』シリーズ全体の出発点となる武力紛争。『サガ無印』1巻で描かれる。公式の名称は確定しておらず、「フェリタニア建国戦争」は本記事執筆上の便宜的なものである。 帝紀812年8月、レイウォール王女ピアニィが国王謀殺の嫌疑をかけられ捕縛寸前に逃亡、レイウォール属領アヴェルシア南西部の都市バーランドで蜂起し、母方の血統に連なるアヴェルシア王国の復興(同時に国号を「フェリタニア」とした)を宣言した事件。 ピアニィの蜂起に対し、レイウォールはピアニィの姉ステラ率いる竜炎騎士団をバーランドに派兵し鎮圧を目論んだが失敗。ピアニィは自ら発掘した「アヴェルシアの王威の竜輝石」をもってフェリタニア建国を宣言。以後、フェリタニアはメルトランド戦役を通じて旧アヴェルシア領土の回収を進めていく。 メルトランド戦役 帝紀812年10月から12月まで、グラスウェルズ王国軍の侵攻を発端にメルトランド王国全土で争われた戦争。『サガ無印』2-4巻、『ブレイク』1-2巻および『デスマーチ』1巻で描かれる。 メルトランド東部の防衛拠点であったファリストル城(旧アヴェルシア王国の王都とは無関係)の「陥落」を機に、グラスウェルズが侵攻。メルトランドの王都レスノールを陥落させるなど優勢であったが、中盤からレイウォール、フェリタニア両国が介入。最終的にはエストネル王エル・ウォーデンの停戦命令を受け、グラスウェルズ、レイウォール両国軍のメルトランドからの撤退とフェリタニア=メルトランド連合王国の成立をもって終結した。この戦争の影響でレイウォールはアヴェルシア全土を失い、グラスウェルズでは国政が混乱する結果となった。 クレスト諸島紛争 帝紀812年9月、クレスト諸島で発生したレイウォール王国とグラスウェルズ王国の武力紛争。シナリオ集『ロスベルク島攻防記』で描かれる。 諸島最大の島ロスベルク島を東西に分かつ非武装地帯でレイウォール軍の兵士が殺害されたことをきっかけに両国軍は武力衝突。一時はレイウォールが諸島全域を制圧する勢いだったが、現地勢力は旧領主クレスト侯爵家の子孫メアリを盟主に「クレスト諸島盟約者同盟」を組織。結果、両国軍の間で休戦が成立した。 グラスウェルズ内戦 帝紀813年9月、グラスウェルズ王国で発生した内戦。『ブレイク』3巻で描かれる。 9月19日、グラスウェルズの王位継承権第1位を有する幻竜騎士団団長エダム公アンリ王子は王都ベルクシーレにて、国王フィリップの退位を要求してクーデターを起こし、前王国軍師オスウィン・ゴーダ伯爵、王国軍師代行エルミール・ブランドル女伯爵を殺害、白竜騎士団団長エゼルバルド・バイゴットら重臣を逮捕した。これに対し、襲撃直前のタイミングでゴーダ伯の命令を受けていた幻竜騎士団の特殊部隊「ファントムレイダーズ」の元メンバー4名が鎮圧に動き、アンリをベルクシーレから放逐した。しかしアンリは白竜騎士団の2/3とシール川‐ジョール山脈以北の領土を掌握。フィリップもエゼルバルドやコランドベリー公リシャール王子(幻竜騎士団前団長、王位継承権第3位)ら軍の有力指導者の支持を得、グラスウェルズは南北に分裂した。これに対する諸国の動きが竜輝石戦争につながる。 竜輝石戦争 帝紀813年9月に勃発した世界規模の戦い。『サガ無印』5〜6巻、『ブレイク』4巻、『デスマーチ』3巻、シナリオ集『ロスベルク島攻防記2』で描かれる。連合王国-レイウォール グラスウェルズ内戦を受け、レイウォールは竜炎騎士団団長ベルフト王子を司令官とする遠征軍(以下「ベルフト軍」)をグラスウェルズ北部に派遣、アンリ政権(以下「北部政権」)支持の態度を示した。一方、グラスウェルズ南部のフィリップ政権(以下「南部政権」)は、王国軍師アンソン・マンソン伯爵の発案で「王威の竜輝石」を譲渡することを条件に連合王国に援軍を要請した。これに対し、連合王国は要請を受諾するも、ベルフトの存在を重視し、主力軍をレイウォール本土へ直接進攻させ、合わせて統一帝・レイウォール王オーギュストを説得することでベルフト軍に掣肘を加え、北部政権を軍事的不利に追い込む方針を決定。10月1日、連合王国軍主力1万の兵は西部国境を成すキール山脈を超え、レイウォール領キャメルウォータ平原にて待ち受けた4万のレイウォール軍を撃破した(キャメルウォータ会戦)。さらに10月10日、連合王国王都ノルウィッチで待機していた連合王国女王ピアニィ直隷の1千人の部隊が海路からレイウォール王都ノルドグラムを急襲。戦闘中に事実上のレイウォール摂政であったヒューバード王子が失踪するなどの不測事態にも見舞われたが、連合王国軍はノルドグラムを陥落させ、ピアニィは一年余りの昏睡状態から覚醒した統一帝オーギュストの説得に成功。結果、ベルフト軍は北部政権軍との合流を断念し、グラスウェルズ西海岸で進行を停止、作戦は成功に終わる。なおこの際、「レイウォールの王威の竜輝石」の所在がオーギュストにより明らかにされた。また、連合王国では、レイウォールへの宣戦方針を決定した9月23日の長老会議(ウィテナイェモート)において、フェリタニア側首脳部やファントムレイダーズ(この時点では解隊されていた)の元メンバーなど、ごく一部のみが存在を把握していた秘密結社「バルムンク」の存在が明らかにされた。。 連合王国-ゴルフォード 一方、連合王国の東部国境へはメルトランド王国騎士団長オトガル・カルカーニ麾下の1千人の部隊が配備され、ベルフト軍や北部政権軍の進攻に備えたが、この過程でゴルフォード軍の主力部隊・錬金騎士団が南部国境に近いハント大森林に集結しているとの情報を入手。帯同していた連合王国軍師ナヴァール直属の特命部隊「エンジェルファイヤー」が、南部国境に近いナドレスに急派された。しかし両国軍が戦火を交えることはなく、ノルドグラム陥落と同時期に錬金騎士団はハント大森林から撤退している。 グラスウェルズ南北政権間 ノルドグラム陥落から5日後の10月15日、グラスウェルズ南北政権両軍は、ベルクシーレ北東のソルトベリー平原にて会戦した。南部政権軍は数で劣る上、先々王エグベルトが建設を進めながら、前王シャルルが建設中止を命じ放置されていた巨大要塞(飛行機能も持つ)「エグベルト要塞」を擁し、さらにレイウォール本土からの帰還命令を無視し再び合流へ向けての進軍を開始したベルフト軍の存在もある北部政権軍が有利に見えたが、南部政権軍は情報戦を仕掛けて北部政権軍を逆包囲し壊滅的な打撃を与えた。窮した北部政権軍はエグベルト要塞をベルクシーレに激突させんとしたが、再編成されたファントムレイダーズによって未然に防がれ、要塞はシーダ山脈中腹に墜落。戦いは南部政権の勝利に終わり、北部政権は事実上崩壊した。北部政権軍指揮官のアンリ・グラスウェルズはこの戦いで生死不明となったが、実際は逃亡しており、帝紀815年に再起することとなる。 連合王国-ベルフト軍 グラスウェルズ北部政権の崩壊で行き場を失ったかに見えたベルフト軍だったが、ベルフトの目的は今や大陸の覇者にならんとする異母妹ピアニィにあった。グラスウェルズ本土にて北部政権軍と合流すべく行軍していた部隊や、クレスト諸島ロスベルク島への上陸(同島の港湾都市ヴェンシスは北部政権軍の制圧下にあった)を目指していた部隊は陽動に過ぎず、ベルフト率いる本隊はソルトベリー平原会戦の際に既に撤退していた。 10月20日、ツナギ・オシミヤ率いる本隊がノルドグラムに上陸し当地に駐留する連合王国軍と交戦。6日間に亘る戦いの末連合王国軍はノルドグラムを死守したが、ベルフト直隷軍の動きは連合王国の予想を超えていた。 10月21日、ベルフト直隷軍はメルトランド北岸に上陸しノルウィッチを目指す。メルトランド東部国境のオトガル率いる連合王国軍は急遽レスノールに移動しベルフト軍を迎撃したが撃破され、オトガルは戦死した。南進したベルフト軍は10月25日にノルウィッチ城に到達、1日に亘る戦いの陥落させ、メルトランド女王スリスと、同じくメルトランド王族のノルウィッチ伯イザベラを拘束。さらにフェリタニアに進攻し、11月4日にはバーランド北西のラドフォード伯領を激戦の末壊滅させ、ラドフォード伯ウォーレンを戦死に追い込み、その娘でアヴェルシア廃王妃マリアの拘束を謀ったが、マリアの一子ウィルフレッドが自ら申し出て人質となった。その後もベルフト軍は進軍の足を止めず、11月9日、キール山脈を超えてキャメルウォータ平原へ進入、異母妹ステラ・ヴェレンガリア率いる守備隊と交戦状態に入った。 ノルドグラムのピアニィ直隷軍は10月26日にベルフト軍本隊を撃破した後、11月15日にステラの部隊と合流。ベルフト軍との合流を図っていた別働隊を奇襲、スリスら人質の奪還に成功する。その後、国境近くの森林地帯にて両軍は激突。長い戦いの末、最後は連合王国第一の騎士アル・イーズデイルがベルフトを下し、戦いは連合王国軍の勝利に終わる。 戦後処理 ステラとナヴァールはベルフトの処刑を要求したが、ピアニィはこれを却下し、ベルフトを辺境の城に拘禁する決定を下す(この決定はのちに禍根を残す事になる。#アリアンロッド・サガ・リプレイ・ゲッタウェイ参照)。 一方、国家間関係については、ピアニィが「アヴェルシアの継承国家たるフェリタニア王」「メルトランド王」「レイウォール王の王位継承権第1位」を合わせて有していることから、3国間の軋轢を回避するため、ナヴァールにより、(1)フェリタニア王位はウィルフレッドに譲位する(これはウィルフレッドの祖父に当たるウォーレンと、その遺志を受けて「アヴェルシアの王威の竜輝石」を預かるエルザの意向でもあった)。併せてフェリタニアは国号を旧来の「アヴェルシア」に復する、(2)メルトランド王位はスリスに返還する、(3)レイウォール王の王位継承権第1位はステラに移譲する、(4)フェリタニア(アヴェルシア)とメルトランドは連合国家を解消し、改めてレイウォールを加え、他の旧七王国や小国家の合流も視野に入れた「フェリタニア合衆国」を構成する。その元首はピアニィとする―との提案がなされた。11月18日にオーギュストが崩御したこともあり連合王国とレイウォールはこの提案に合意。ピアニィはオーギュストの遺言に従い、ステラを代理としてごく短期間レイウォール王に在位し、翌814年、フェリタニア合衆国は正式に発足した。 大崩壊(グレートディストラクション) 帝紀814年、エストネル王国で発生した事件。『サガ無印』7・8巻で描かれる。 10月7日、フェリタニア合衆国大統領ピアニィは、統一帝即位の儀式「四宝の試み」を行うため、エストネル王国を訪問。儀式は無事成功したものの、翌8日、エル・ウルフリック・ミンスターを妖魔・魔族の大群が急襲。これを予期していた国王エル・ウォーデンは、動員可能なセイン、ノーデンスを率いて迎撃に当たった。 しかし、その中で突如発生した衝撃波が、エル・ウルフリック・ミンスターを中心とした一帯を蹂躙。この結果、戦闘に参加していたセインの半数以上が斃れ、エル・ウォーデンも混乱の中で落命。事前に避難していた各国王族にも少なからず被害が及んだ。 この事件により、エストネル王国は王都エル・ウィン・フリット、中心点であったエル・ウルフリック・ミンスターが完全に壊滅。またこの事件以降、統一帝ピアニィ・ルティナベール、護衛として同行していたアル・イーズデイルおよびナヴァール、食客ベネットの4名が消息を絶ったままノルウィッチに帰還せず、行方不明となった。また、この混乱の中で「王威の竜輝石」が散逸し、メルトランド・ベルリールのものを除き、所在不明となっている。このうち一つはメルトランド近郊の都市「ビルベリ」に存在していることが確認されている。 これにより、エストネル王国跡は妖魔・魔族の闊歩する無法地帯と化し、また竜輝石とエストネルの管理による統一帝システムが崩壊。各国は覇権を求めて分裂、軋轢も発生している。 ビルベリ包囲戦 帝紀815年6月に発生した事件。「ゲッタウェイ」3巻で描かれる。 事の発端は、グラスウェルズ前王国軍師オスウィン・ゴーダの養女ヒルデガルドを筆頭とするギルド「ゲッタウェイ」が放浪の末、ビルベリに居住したことにある。到着当時の領主であるジェラルドは「王威の竜輝石」の権威を利用して暴政を強いており、これに反発したゲッタウェイの面々は前領主ヴィクトリオの協力を取り付けてジェラルドを解任、後任にヒルデガルドが就いた。 この過程でメンバーであるチコ・H・ワトソニーが「偉大なるヒース」の芽を宿していること、同じくメンバーであるリージュ・フェア・リースが前統一帝ピアニィと瓜二つの容姿を持っていたことが明らかとなっており、さらにヒルデガルドが預かる竜輝石がグラスウェルズのものであったことが対外的に知れるに至り、フェリタニア合衆国とグラスウェルズ王国はそれぞれに軍を派兵、ビルベリを包囲した。結果として両軍はビルベリを挟んで睨みあう形となり、あわや会戦というところまで事態は緊迫した。 この事態に対し、アガルタ公ロッシュは自身の姉であるナーシアを使者としてビルベリへ派遣。彼女の交渉によりグラスウェルズ軍が動きを鈍化させる中、ゲッタウェイは遺跡学者オズモッドK7とエクスマキナ・アンバーの助力により、ビルベリの地下にアンバーの本体である超巨大エクスマキナが埋まっていることを突き止め、これを起動させることで事態を打開しようと決断。結果、起動したビルベリは両国の軍勢を飛び越えて爆走を開始。対象を失った領国の軍は一先ず撤退した。 ピアニィ三分間の帰還 帝紀815年8月、合衆国首都ノルウィッチを正体不明の魔物の集団が襲撃する事件が発生。この事件に際し、統一帝ピアニィ以下の4名が一時的に帰還。事態収束後、ピアニィは統一帝および合衆国大統領位よりの退位を宣言。一連の事態の背後に旧レイウォール皇子ヒューバード・アーネルの存在があることを示唆し、再びアルディオンより姿を消している。 アガルタ公国包囲戦 帝紀815年8月に発生した事件。『デスマーチ』7巻、8巻で描かれる。 8月、アガルタ公国近辺で停止していたビルベリにて遺跡学者オズモッドK7が行方不明となり、さらにアンバーの不調により再びビルベリが暴走を開始。時同じくしてフェリタニア合衆国において焔硝石爆弾が奪われるという事件が発生した。捜索を命じられた特命部隊エンジェルファイヤーは、国を空けられない総司令アキナと王国軍師マルセルを残し、将軍ドランと特殊工作員ギィの2名が出動することになった。 両名はギィの伝手でオーレリー・カルマンから爆弾がビルベリに運び込まれたという情報を入手し、秘密裏に潜入。この時、オズモッドK7を捜索していたビルベリ領主ヒルデガルド他一名と遭遇した両名は、それぞれの情報を繋ぎ合わせ、事態の裏にバルムンク・ノヴァの存在があることを知って協力体制を取り、事態を収束させた。 一方、合衆国において前統一帝ピアニィが突如として帰還、合衆国体制に異を唱える国々への誅罰戦争を宣言。これに呼応してゴルフォード、レイウォールアライアンス、レイウォール中央政権、メルトランド軍、神聖アンリ帝国がそれぞれに軍を派兵。最初の標的としてアガルタ公国を包囲した。 一方、これら混成軍の指揮官となったアキナ、マルセルは統一帝スリス・ロイドスとノルウィッチ伯イザベラ・クリードの身柄を抑えられ抵抗不能に陥っていた。使者からの通達によってこれを受けたギィ、ドランは、ヒルデガルドの協力のもとビルベリを使用してノルウィッチに潜入、スリスとイザベラの救出に成功する。この後、姿を現したピアニィは誅罰戦争を宣言したのが己の偽物であったことを明かし、改めてスリスへの統一帝位譲位を宣言、さらに合衆国とビルベリの協力体制を締結した後再び表舞台から消えることになった。 これを受けたアキナは混成軍を解体し、アガルタ公国へ講和の使者としてゴルフォード軍指揮官ゲオルグを派遣。戦争は回避されたが、反逆者となったアベルがトレインゴーレムと焔硝石爆弾によるノルウィッチおよびビルベリの殲滅を画策。これに対し、公国を訪れていたチコ・H・ワトソニー、ギデオン・ガバドンと協力体制を取ったエンジェルファイヤーの両名はトレインゴーレムへ乗り込み、水際で特攻の阻止に成功した。 人類戦争 帝紀816年1月8日に発生した事件。『ゲッタウェイ』5巻、『デスマーチ』10巻、『無印』12巻のエンディングで描かれる。 この戦いに至るまでには、2つの発端が存在する。その一つは、アガルタ公国包囲戦終結後にレイウォールで発生したバルムンク・ノヴァの計画である。レイウォール側の動き 815年11月当時、神喚者となって帰還していたピアニィは兄ヒューバードを打倒したものの、彼の計画によるエリンからのアルディオン大陸剥離を食い止めるべくエストネル王国跡に留まり、己の力を氷柱と成して世界を繋ぎ止める楔となっていた。これに対し、ヒューバードの復仇と彼の計画である「エリンからアルディオンを切り離して神や魔の干渉を退ける」を強行すべく、バルムンク・ノヴァ幹部である“仮面”のグリンダは、エストネルのピアニィを抹殺すべく“嘆きの一撃”を修復改造、焔硝石爆弾と各国大都市から集約した人々の生命力をエネルギーとした砲撃作戦“鎮魂曲計画”を実行に移していた。 使者としてエストネルから戻っていたベネットからの情報と、その後の調査でこれらの計画を掴んだ特務部隊エンジェルファイヤーは同年11月24日、計画を阻止すべくキール山脈へ急行。激戦の末グリンダを撃破、砲撃の阻止に成功する。しかしこの直後、アベル・クリードによる事実上の宣戦布告が成された。 グラスウェルズ側の動き 同時期、ビルベリの領主一行であるギルド“ゲッタウェイ”は、「王威の竜輝石」をグラスウェルズ国王フィリップに変換すべくベルクシーレを訪問。この際、何者かによって情報をリークされた偽物の一行による暗殺が実行されたが、水際でゲッタウェイにより阻止された。そして、815年11月24日、イルシールにて住民が邪悪化する事件が発生。ゲッタウェイによりこれも阻止されたものの、直後に一連の事件に関わってきた預言者マーリンが、自らの正体を“始祖の四人”の一人たる魔族“血の螺旋”であると暴露。宣戦布告を行い姿を消す。この直後、イルシールを訪問した前合衆国軍師ナヴァールにより、アルディオンの剥離を食い止めピアニィを解放するには、チコの頭に根付いている“偉大なるヒース”をエストネルに植樹することが必要であると確認された。 開戦後の経過 同月27日、アベルにより、神および魔族の争いと、それに関する事実をアルディオンの指導者層が隠蔽していたことが公開される。これにより一時混乱が発生したものの、バウエス公領軍師グレイ・ウォーデンが記者会見を開き、当のアベルも指導者層の一人だと批判を述べたことにより混乱は最小限に留められた。12月初頭、大陸に分散していた魔族勢力がエストネルへ集結。これに先立ち、フェリタニア合衆国が発起人となり、魔族を打倒するための連合軍が編成。ゴルフォード、リディル・バウエスが即位したレイウォール、フェリタニア、アガルタ公国の4国の軍を主力に、本命となるビルベリ軍はエクスマキナ・ビルベリを使用して一気に中心部へ肉薄、ヒースを植樹する計画が立てられた。 翌816年1月1日に連合軍およびビルベリによる閲兵式が行われ、進軍が開始。8日に開戦した。この戦いの中、ニャール・ラタンの情報により、アベルが各国の王を暗殺、その命を生贄に魔獣フィンブルヴェトルを召喚しようと目論んでいることが判明。これを受けたエンジェルファイヤーは戦場へ急行、王たちの暗殺を防ぐと共にアベルの拠点たる万能戦艦トリシューラへ突入。アベルを討伐、さらに呼び出されたフィンブルヴェトルの撃退にも成功した。同じ頃、エル・ウルフリック・ミンスター跡に突入したギルド“ゲッタウェイ”は、レイウォールの守護竜アイン・ソフの助力を受け、“血の螺旋”の撃滅とヒースの植樹に成功。これにより人類戦争は人類側の勝利に終わり、エストネルよりピアニィも解放されることとなった。 終戦後 戦闘終結後、ピアニィ率いるギルド“アブソリュート”は、アルディオンの戦乱の元凶であった“邪神の御子”を討伐すべく空中要塞へ突入。激闘の末“御子”の魂を撃滅したものの、ピアニィの肉体に封印された力は健在であった。これを解放し、再び戦乱の時代が来ることを憂慮したピアニィは帰還を断念し、直属騎士アル・イーズデイルを伴いアヴァロンへ移動。“御子”の力を消し去る術を模索することとなった。これを受けた軍師ナヴァールと食客ベネットは、救出した前レイウォール女王ステラを伴い地上へ帰還。合衆国は現状の態勢を正式なものへと移行し、ナヴァールはネビスに隠遁、ベネットはエリンディル大陸へと帰還した。 セフィロスが去ったことによる影響か、アイン・ソフはこの後しばらくして行方不明となり、大陸の守護竜は全て消えることとなった。 1月末、アヴェルシア宰相エルザ・ブルックスは妖魔の脅威を憂慮し、エリンディル大陸の制度に倣い冒険者ギルド制度を設立した。 妖魔討伐作戦 帝紀816年4月に行われた戦闘。 旧エストネルに設置されたニュービルベリ領主・ヒルデガルドが発起人となり、エストネルより妖魔を掃討する作戦が提案された。これに人類戦争に参加した各国が賛同し、結果街道の安全が確保、エストネル地方より妖魔が一掃されることとなったが、これに伴いラングエンドと旧七王国の領域が接触し、情勢はいまだ緊張状態にある。 この時期は終戦直後ということで結婚ブームとなり、その中でブルックス商会責任者エルゼリエが商会の擁する“ブルックス娘子軍”の面々(実に10万人を超える)の配偶者を求め、お見合い会を開催。この結果、娘子軍の面々は大陸各地に散っていくことになったが、公私共に優秀な彼女達の影響力はこの混乱の時代に大きく働くだろうと考えられており、一部識者は「今後のアルディオンはエルゼリエ体制によって動かされる」と評している。
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