戦争下での使用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/22 03:21 UTC 版)
「スペードのエース」の記事における「戦争下での使用例」の解説
戦時では、多くの場面でスペードのエースが利用されてきた。第二次世界大戦では、米第101空挺師団の第506落下傘歩兵連隊は、ヘルメットの両側にスペードのシンボルを塗装した。このケースでは、スペードはカード遊戯でのツキを連想させることから、幸運を表すために使われたのである。大規模な空挺作戦で空挺師団に属する連隊を識別しやすくするために4種類すべてのスートが使われた。連隊に属する大隊は、上側から時計回りに小さい棒印または点を書いて識別した。司令部は12時の位置、第1大隊は3時の位置という具合である。 20年ほど後、スペードのエースは再び米兵に使われることになる。ベトナム戦争での心理兵器としてである。米軍は、ベトナムでは伝統的にスペードが死と不運のシンボルとされており、ベトコンは交戦することなく逃げ出すと信じていたため、殺害したベトナム兵の死体にスペードのエースを残したり、森の地面や戦場にカードを撒いたりした。こうした慣習は効果があると信じられていたため、U.Sプレイング・カード社は第35歩兵連隊第2大隊C中隊からスペードのエースばかりを大箱で供給するよう要求された。この木箱にはしばしば「バイスクル秘密兵器」というマークが付けられた(バイスクルの部分はカードの反転した柄であった)。 ベトコンにとってスペードのエースは迷信的恐怖をもたらすマークではなかったが、米兵の士気を高めるのには役立った。アメリカ陸軍と海兵隊では、スペードのエースのカードをヘルメットのバンドに挟んで反ピースマークの一種として使うことも珍しくなかった。 もっと最近では、2003年のイラクの自由作戦で米兵に配られたイラクのお尋ね者トランプカードのセットでは、手配中のイラク高官の写真が印刷されていた。サッダーム・フセインはスペードのエースになっていたので、「スペードのエース」というニックネームがついた。
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