不運とは? わかりやすく解説

ふ‐うん【不運】

読み方:ふうん

[名・形動運の悪いことまた、そのさま。「—をなげく」「—な身の上」⇔幸運


不運

作者金堀常美

収載図書真夜中ココア
出版社新風舎
刊行年月2005.2
シリーズ名新風舎文庫


不運


(不運 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/25 15:09 UTC 版)

四つ葉のクローバーは幸運のしるしとされる。
招き猫は日本では幸運をもたらすとよく信じられている。

(うん)とは、その人の意思努力ではどうしようもない巡り合わせを指す。

概説

運が良い(幸運・好運)とは到底実現しそうもないことを、偶然実現させてしまうことなどを指す。運が悪い(不運・悲運)とは、楽しみにしていた旅行の当日に、発病してしまうことなどを指す。占いや、神社寺院おみくじは、この運を予言する力があるとされる。

勝負事などで運が良いことは「付き」(つき、ツキ)、「付いている」などともいう[注釈 1]。ものごとが滞りなく行われること、かよい[1]

運には「運が良かった」などと過去の状況説明として用いられる場合と、「運の強い男」など個人の特性を説明するために用いる場合がある。「運」を用いた説明は好ましくない(妥当でない)と考える者もおり、「運」に関する信念の違いがおのおのの表現には反映されている。「運」を統制することができるかについての主観的な感覚にも個人差があり、合理的な努力の成果やポジティブシンキングの結果として運を掴まえる者もいる。一方でギャンブルのような統制可能性が低いものでさえ、何らかの努力で成功を得られると考える者がおり、因果関係ぬきで結果に対して満足感を得るために自分の行動に張るラベリングとして「努力」概念を導入し、不確実な事象の結果として満足が得られない者が「運が弱い」などと呼称することがある[2]

決定論の一つである因果的決定論に立てば、実は幸運や不運の意味はなく、過去や未来はすべて決定されているという考え方になる。ラプラスの悪魔に代表されるような存在によって結果はすべて見通されているということになる。ただし未来を見通す力がない人間にとってはどのような未来が到来するかは不確かであり、その意味で運が生じる。現在では古典物理学決定論は否定され、量子論では起きる事象は確率的である。

世俗的なものの考えでは物の道理をよくわきまえ人情に通じ、確率的な危険性を適切に回避するなり他者の妨害を回避しながら、あるものごとを上手く成就させる才能と考えることもできる。但しこの視点はあくまで結果論による定義であり、運のよい人物が先験的に判別しうるかどうかはわからない。何事かをなす場合、うまくやる人とうまく出来ない人がおり、その理由がよく説明できないさいに「運が良い」「運が悪い」などと評論することがある。客観的に見て明らかに「運が良い」手法・手段[注釈 2]、「運が悪い」手法・手段[注釈 3]は存在するが、話者にとって判然としないもの[注釈 4]は「運」で語られることが多い。

意志と運

意志の力や祈りで運(幸運・不運)を変更できるとする主張が多い。歴史上数多くの実験が繰り返されており、またアメリカなどのカジノでは常に情報を集計している。意志の力や祈りなどで運を変更できれば良いとする気持ちは多くの人間が持っている感情であるが、そのような事が可能であるとする証拠は一切ない。また、事前に運を知ることができるとする主張も同様である。小説や漫画などの世界では、このようなことが可能であることを前提とした物語が多い。

人の人生は生まれたときから、運に支配されていると言われており生年月日、出生地、性別、血液型、容姿などは運により決定づけられるとする話が多いが、このような話には曖昧さがつきまとう。決定論的に人間の一生の運勢が出生時に決まっているのか、それとも生まれた時に大体の運勢は決まっていて細部で運勢が上下するのか、また運勢が決定されるメカニズムの問題等、多数の問題点がある。

運の流れ

運には「流れ」があるとする主張がある。つまり、運が良くなると良い傾向が続き、運が悪くなると悪い傾向が続くとする主張である。麻雀などのギャンブルで多用される考え方である。だが、これは錯覚の一種であるとする主張もある。人間はランダムな現象からも一定の法則を錯覚により見いだしてしまう。人間の主観ではなく、冷徹な統計学処理においてはカジノでの統計でも運の流れのようなものは見いだされていない。

この運の流れを事前に知ることができるとする主張もあり、人々を惹きつけるが、このような行為が可能であるとする確証は一切無い。

ここで良く誤解されるのは運の偏りである。完全にランダムな現象でも、そこに一定の傾向を見いだすことができるのである。たとえば、1枚のコインを投げて地面に落とし、表か表かどちらが出るかを見る行為でも、双方の面が出る確率がそれぞれ0.5であっても

裏、表、裏、表… 

などのように表裏が均等に現れることは逆に少なく、どちらか一方に偏りが起きる。実際には

裏、表、表、表、裏、裏…

などのように現れることがほとんどである。人間はこのランダムな現象の「ゆらぎ」に規則性を見いだしてしまうのである。実際にプログラマに乱数用のプログラムとして使用されているメルセンヌツイスターでプログラムを作成し、上記のコイン投げをシミュレートした例を提示してみると次のようになる。

表、表、裏、裏、裏、裏、裏、表、裏、表、表、裏、表、表、表、表、裏、…

多くの人にとって上の結果は「異様に表か裏に偏っている・分布が固まっている部分がある」と感じられるのではないだろうか。実はこれは錯覚の一種であり、クラスター錯覚という。クラスター錯覚から理屈を組み立ててしまうことをテキサスの射撃手の誤謬と呼ぶ。ギャンブルなどで負けがこみ、サンクコストが発生しているさいにはこの種の誤謬に陥りやすい。

ジンクス・まじない

ジンクスまじないには何らかの手段で、運あるいは運の流れを自分に有利な方向に変更できるとする行為がある。ジンクスやまじないの一部には科学的根拠があり有効性が確認されているものもあるが、運に関する事柄の多くは上記のような間違いに起因するものが多い。

その他

  • 運に関連したことわざとして、「運に兵法(優れた戦術・策戦も強運者には勝らない)」がある(鈴木棠三 広田栄太郎 編 『故事ことわざ辞典』 東京堂出版 1968年 p.123)。
  • 運に関係したビジネスには、社会通念上正当化されるものから、悪徳商法まで様々なものがある。

脚注

注釈

  1. ^ 「付きがある」「付きがまわってくる」などともいう。運が悪いことは「付きがない」「付きに見放される」「付いていない」などという。
  2. ^ たとえば億万長者になるために、広く人脈を築き信頼関係を持ち信頼できない人物を遠ざけ、公衆が求めていると考える事業・サービスを展開することなど
  3. ^ たとえば億万長者になるために、毎月の所得の全額を宝くじに投資する手法など
  4. ^ 戦争や天災などで、かろうじて生き残ること、または逆にたまたま天災や事件・事故現場に居合わせて命を落とすことなど

出典

  1. ^ KO字源「運」
  2. ^ 村上 2002.

参考文献

関連項目

外部リンク


不運

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:23 UTC 版)

ツァボの人食いライオン」の記事における「不運」の解説

ホワイトヘッドファーカーなどが帰って1-2日後の12月9日明け方パターソンボマから出ようとしているところにシンバシンバ!(ライオンだ!ライオンだ!)」と叫び声をあげて1人スワヒリ人が走ってきた。彼の報告によると、ライオンが川のそばにあるキャンプから労働者をさらおうとして失敗しかわりにロバを1頭襲って殺していた。ライオンは今、そのロバすぐそこ食べているというものだったパターソンはただちにキャンプ戻ってファーカー万一備えにと残してくれていた連発銃武装し案内役となったスワヒリ人の後に続いたライオンその場とどまっていることを願いながら近づくと、やぶの向こうにライオンの姿が認められるところまで行くことができた。しかし、案内役スワヒリ人が枯れ枝を折る音を立て、それに気づいたライオン唸り声をあげて近く密林逃げ込んだ。 また逃げられる思ったパターソン急いでキャンプ引き返しその場にいた労働者たちを集めたパターソン太鼓ブリキ缶などの鳴り物手当たり次第持参するよう命じライオン潜んでいる茂み半円形取り巻くように労働者配置したパターソン茂み向こう側回り込んだところで鳴り物一斉に打ち鳴らすように労働者の頭に言い含め、彼は単独茂み巡ってアリ塚のそばに身を潜めた。 労働者たちは包囲の円を少しずつ縮めて前進し、その音はパターソンの耳にも届いたそのときたてがみのない巨大なライオン獣道まで出てきた。ライオンゆっくりと歩き2、3秒ごとに周囲様子うかがっていたが、労働者たちが立て騒音に気をとられてパターソン存在に気づかなかった。パターソンライオンが14-15メートルの距離に近づくまで待ち、銃の狙い定めたライオンはようやくパターソン存在気づいて唸り声上げたパターソンライオン頭部狙いをつけて銃の引き金引いたが、手ごたえがなく不発であった。この事態うろたえたパターソンは、左の銃身から発砲することを失念したライオンはまだ労働者たちが立てている騒音動揺していたため、パターソンを襲うことはせずに道路わきの密林逃げ込もう跳躍した。落ち着き取り戻したパターソンは、左の銃身から発砲し、それはライオン当たっていたが、ライオンはそれでも逃げ切り、後を追ったパターソンはやがて足跡見失った度重なる不運の連続は、さすがにパターソン意気消沈させた。インド人たちは、ライオンいかなる武器をも寄せつけない悪霊」だといっそう強く信じ込むようになっていた。

※この「不運」の解説は、「ツァボの人食いライオン」の解説の一部です。
「不運」を含む「ツァボの人食いライオン」の記事については、「ツァボの人食いライオン」の概要を参照ください。

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不運

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 03:43 UTC 版)

名詞

(ふうん)

  1. 幸運恵まれないこと。薄運薄福

発音(?)

ふ↘ーん

翻訳


「不運」の例文・使い方・用例・文例

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