くさび【×楔/▽轄】
クサビ(楔)
楔
くさび
くさび(楔)とは、隙間に打ち込んで材料を割ったり固定したりするのに用いる一端を薄く尖らせた道具[1]。箭(や)ともいい、楔で材料を割ることを箭割ともいう[1]。
石材の加工
古代エジプトの石材の切り出しには、銅製のこぎり、のみ、木製くさび、石製ハンマーなどが用いられたとされる[2]。ただし、木製くさびの有効性を疑問視する見解もあり、玄武岩を球形に加工したものをハンマーとして用いたとする説もある[2]。
木材の加工
木材に楔や楔型の割り鑿(のみ)を打ち込んで木目に沿って切断する方法を打ち割り法という[3]。打ち割り法による製材は、ヒノキやスギなどで木目がまっすぐに伸びているものに限られるが、迅速で、木目に沿って切断するため材に狂いが生じにくい利点がある[3]。
材料の固定
- 石橋ではアーチ状の石組みの最上部に楔型の石をはめ込んで全体を安定させているが、この石をキーストーン、日本語では要石(かなめいし)または楔石(くさびいし)という[4]。
- 太鼓で皮を張る際に外周の締めひもの間にくさびを入れて強く張るようにしたものをクサビ締め太鼓といい、日本では奄美諸島(奄美大島のチヂンなど)に残るほか、韓国の済州島、中国とタイのヤオ族、タイのアカ族、インドなどにみられる[5]。
ギャラリー
修辞表現
くさび
修辞技法としては、割る意味で用いられることが多く、例えば、仲の良い両者の関係を悪くするような場合に「二人の間にくさびを打ち込む」などと使われる。
ウェッジ
三角形の形状の表現として、くさび形・ウェッジシェイプとして用いられる。靴底の一種としてウェッジソール(ウェッジヒール)などがある。
- ランボルギーニ・カウンタック
- ウェッジヒール
脚注
- ^ a b 村上 由美子「木製楔の基礎的論考」『史林』第85巻第4号、京都大学文学部史学研究会、2002年7月1日、468-507頁。
- ^ a b 吉村作治、谷本親伯、安藤拓、近藤二郎「(74) 古代エジプト遺跡 (ルクソール地区VW-22号地下王墓)におけるき裂分布と不安定現象」、公益社団法人土木学会。
- ^ a b 志村史夫「ハイテク時代に見直される古代技術—半導体結晶の加工を考える—」 - HORIBA Technical Reports No.17
- ^ 傘と要石 - エコナビ
- ^ 小島美子「クサビ締め太鼓の分布と民俗文化の地域性」『国立歴史民俗博物館研究報告』第52巻、国立歴史民俗博物館、1993年11月10日、351-355頁。
関連項目
- 楔形文字
- en:Mortise and tenon - ほぞ継ぎの画像のうち2例でくさび(wedge)が使われている。
- en:Dovetail joint
- シム - スペーサー (コンクリート工事用) - ライナー
- キーストーン
- 楔部
- 楔数
- 楔状骨
楔(キーラ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:41 UTC 版)
「史上最強の弟子ケンイチ 技の一覧」の記事における「楔(キーラ)」の解説
握り拳から中指の第二関節だけを突出させる型。この型でマルマンを突くことで相手を一撃で仕留めることができる。(使用者:イーサン・スタンレイ)
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楔
「楔」の例文・使い方・用例・文例
- くさび形文字, 楔形(せっけい)文字 《古代バビロニア・アッシリア・ペルシャなどで用いられた》.
- 文字が発明されたのは比較的新しくその歴史は西暦前 4,000 年ごろの楔(せつ)形文字に始まる.
- 楔を打つ
- 楔形
- 楔形の陣形
- 楔形文字
- (Assyria の)楔形文字
- 楔を挿し込む
- まっすぐなくちばしと長い楔型の尾を持つ大型の黒鳥
- 1つの端が楔形に鍛えられている重い鉄のレバー
- スロットの中の捩子頭にぴったりする平たい楔形の先端をもつドライバー
- 楔形のウールまたは木綿の帽子
- 楔状の泉門の領域にある頭骨計測点
- 脛骨から第1中足骨と楔状骨まで走る筋肉
- 古代,西南アジアで使われた楔の形に似た文字
- 動物の器官としての楔状骨
- 楔状文字という古代の文字
- 楔の形
- 楔状骨という,頭蓋に軟骨性に発生する骨
- 楔という,ほぞ穴のゆるみをつめる道具
楔と同じ種類の言葉
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