事の発端
作者織田兄第
収載図書EX! 5
出版社ソフトバンククリエイティブ
刊行年月2008.5
シリーズ名GA文庫
事の発端
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/05 15:45 UTC 版)
1847年12月11日、両親であるフォックス夫妻と、二人の娘マーガレットとケイトの計4人が、アメリカ合衆国ニューヨーク州北端の村、ハイズビルの一軒家に引っ越してきた。なお、長女レア(Leah、「リー」と表記するものもあり、1814年‐1890年)は、既に結婚してアンダーヒル夫人となり、ニューヨーク市に住んでいた。 翌1848年3月31日(金曜日)の夜、姉妹がベッドに入った後に、「音が鳴る事件」が発生した。木を叩くような小さく虚ろな音とのことであったが、この時点で、(1)夫妻(両親)が毎夜の音に悩まされていたために、思い切って、家族の誰かが交信をするに至った、(2)姉妹の寝静まった寝室の前で通りかかった母親が、最初に交信を始めた、(3)姉妹が、音の主と交信できる事実を両親に伝えた、(4)ケイト(9歳)、マーガレット(11歳)の順に音の主と交信をはじめ、両親へ知れることとなった、など、文献で様々な記述とバリエーションがあり、そのきっかけは不明である。交信方法は、交信者側が、ある質問に対して、あらかじめ用意した答えに対応する回数の音を鳴らす(つまり、「イエス」なら1回、「ノー」なら2回、あるいは、該当する数だけ音を鳴らす)などといったシンプルなものであった。 同日の午後7時30分頃、マーガレット夫人(フォックス夫人の間違い?)は、近所のレッドフィールド夫人を呼びに行った。その後、近所の人達が大勢やって来て質問をして、その晩は夜通し交信を続けた。近所一帯の有力者ドゥスラーという男性が中心になって、アルファベットを早口で口ずさみ、霊に希望する箇所で音を鳴らしてもらう、といった交信を繰り返して、一つの文章を獲得する事に成功した。その文章によると、音を鳴らした霊は、5年前にこの家に宿泊していた住人のジョン・ベルという男に殺されたチャールズ・ロズマという名の行商人で、彼には奥さんと二人の息子と三人の娘がいること、そして、その家に前に住んでいた住人に、500ドルを奪われ地下室に埋められた、と証言した。殺されたのは火曜日の深夜12時で、この家の東の寝室に滞在していた時、肉切り包丁でのどを切られたと訴えた。 翌日、皆で地下室の発掘は直ちに行われたが、湧き水が出たため、一時作業が中止された。水が引いた年の夏、探して掘ると、石灰や木炭とともに、少量の骨と毛髪と歯が出土した。医学の専門家による調査結果から、確かに人間のものとされたが、骨が少量であったため、事件の裏づけとしては不十分であり、信憑性が疑われる結果となった。しかし、1904年11月22日、ボストン・ジャーナルは、ハイズヴィルの「幽霊屋敷」の地下室にこっそり入り込んで遊んでいた少年達が、地下室の壁が崩れて人骨らしきものが見えているのを報告した事が皮切りとなり、この壁が二重壁であったことが判明し、その壁の下からほぼ一体分の人骨と、行商人用のブリキ製の箱が発見されたと報じた。これが事件を裏付ける結果となった。 この事件は、村を越えて噂が広がり、ひいては全米の心霊研究者や学術関係者、マスコミ、霊と通信したい人々、この傾向を信じる者などに広まったという。また、この段階で、この現象をラップ現象(「鼓音現象」とも日本では呼ばれた)と名づけられることとなった。
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