常連客とその関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/04 04:52 UTC 版)
「ねこや」では、常連客は自らのお気に入りのメニューの名前で呼ばれるのが伝統になっている。 サラ・ゴールド(メンチカツ2世) 声 - 安野希世乃 トレジャーハンター。実家は王国の大商家だが冒険者を輩出する一族でもあり、3年前に家出同然でトレジャーハンターになった。 伝説のトレジャーハンターとして知られる曽祖父ウィリアム・ゴールド(メンチカツ)の日記を手がかりに「ねこや」を訪れ、以後常連となる。曽祖父と同じくメンチカツを好物とし、お土産にメンチカツサンドを買って帰り、時には「ねこや」で出来立てのメンチカツサンドを食べて楽しむこともある。普段はライスよりパン派。後に、留守がちな自宅の管理と家事を任せる人間を探していたところ、平日の仕事を探していたアレッタを偶然紹介されたため住み込みの家政婦として雇い、以後はアレッタが「ねこや」よりお土産として持ち帰るメンチカツサンドも楽しんでいる。妹のシアや他の女性の登場人物たちの多数とは異なり、菓子は「贅沢品」と考えていて、手を出さないようにしている。 後に、死亡していたと思っていた従兄のジュニア(後述)と再会した際に彼の冒険手帳を託され、それを翻訳した写本が人々の耳目を集めることとなる。 「ねこや」には月に1、2度の頻度で来店していて、仕事で旅をしている時も、他の旅人やハーフリングから近くの扉の場所を聞いて来店している。 シア・ゴールド 声 - 諸星すみれ サラの5つ下の妹。姉とアレッタが秘密にしているため、異世界食堂の存在は知らないが、アレッタが「ねこや」からお土産として持ち帰った「フライングパピー」のクッキーアソートを気に入り、その後はアレッタに「フライングパピー」で一番大きいクッキー缶を毎週買ってきてもらっている。そのため、以降はサラの家でたびたびアレッタと会っている。一度、木の実の砂糖煮(イチゴジャム)をめぐって姉と軽いケンカをしたことがある。 「ウィリアムの呪い」(後述)とは無縁で、姉をはじめとした家族とは違い冒険者になろうという気は全くない。 ウィリアム・ゴールド(メンチカツ) 作品開始時点で故人。サラ、シア、ジュニアの曽祖父。数々の伝説を持つ生粋のトレジャーハンターとして知られ、ゴールド家の初代当主として、自らの発掘品を商品とした商売を裸一貫から興した。 廃坑で「ねこや」に通じる扉を見つけ、晩年は廃坑の町で過ごして毎週通っていたが、病に倒れ、5年前に死去した。※サラは病死ではなく「大往生だったらしい」と発言している。 メンチカツを愛し、どの揚げ物がよりうまいか、ヴィルヘイム(コロッケ)やアルトリウス(ロースカツ)とよく意見を戦わせていた。 ゴールド家(ゴールド商会) 一族のゴールド商会は、2代目当主のリチャードの頃まではそれほど豊かではなかったが、初代ウィリアムの残した遺産を元手にのし上がり、王国でも指折りの大商家となった。 初代ウィリアムの頃は、当主が自ら発見してきた品を商っていたが、現在は、他のトレジャーハンターが発見した品の仲介や鑑定、魔術の品の製造と販売といった商売を手広く行っている。 商売で成功してからも、一族には、冒険への憧れから、裕福な実家を飛び出して、危険を冒して冒険者となるものが幾人も現れては命を落としていて、初代の名から「ウィリアムの呪い」と呼ばれている。 ジュニア / ウィリアム・ゴールド 詳細は「#ジュニア / ウィリアム・ゴールド」を参照 トレジャーハンター。曽祖父の初代ウィリアム・ゴールドと同じ名前を持ち、「ジュニア」と通称される人物。サラとシアの従兄にあたる。 10年前に遺跡調査の旅に出て行方不明となり、死んだものと思われていた。 ジュリアス・ゴールド 詳細は「ジュリアス・ゴールド」を参照 トレジャーハンター。死の都で命を落とした。 タツゴロウ(テリヤキ) 声 - 大塚芳忠 西大陸の山国出身の侍にして、東大陸でその武名を轟かせる伝説の傭兵。獅子のような気配を漂わせる巨躯の老人。その名は吟遊詩人が歌う歌の主役の定番として、広く知られている。 腰元に下げた鞘に納められた刀はかつて、知り合いのエルフにこの世ならざるものを斬れるよう魔力を込めてもらっており、そのため精霊や幽霊の類でも斬切することが可能となっている。 「ねこや」で食事する際は、ライス、味噌汁、漬物を先に食べ、テリヤキチキンを肴に清酒を飲むが、テリヤキがパンにも合うこと(テリヤキサンド)も知った。冒険者を始めたジャック、ケント、テリー(ハンバーガー)たちの危機に遭遇して助けた後には、彼らを「ねこや」に誘いその際には冷えた緑茶とともに、メニューをみていて目に付いたテリヤキバーガーを注文している。 テリヤキと清酒を定番の注文としているが、フライドチキンも無性に食べたくなることがあり、その際は炭酸の効いたジントニックとあわせて、骨つき、骨なしともに注文して楽しんでいる。 「ねこや」には、もっぱら夕方頃に来店し、店の奥まった場所にある、厨房に一番近い席を定席としているため、同じ席を定席としているアルトリウス(ロースカツ)とは自動的に相席となる。傭兵として東大陸中を渡り歩いているため、大陸各地に点在する扉の場所はおおよそ把握している。20年以上前からの常連ではあるが、旅暮らしであるため、毎週是が非でも通うというわけではなく、「ねこや」とはドヨウの日に扉の近くを通れば訪ねるという付き合い方をしており、巡り合わせが悪ければ何か月も来店しないことがある。 「ねこや」の店主に頼まれ、ハインリヒ(エビフライ)が「ねこや」に置いていった剣を渡すために、彼がいる辺境の砦へと赴き、「ねこや」へと誘ったことがある。 アニメでは、文庫版およびコミカライズ版とは姿が違い、着流しの侍風になっている。 アルトリウス(ロースカツ) 「四英雄」としての概要は「#アルトリウス(四英雄)」を参照 声 - 清川元夢 かつて邪神戦争で人間を勝利に導いた四英雄の一人で、大賢者。現在は王国一、ひいては人間種としては世界最高の魔術師として敬われている。今でも多くの弟子を持ち、ヴィクトリアもかつて師事していた。 「ねこや」のある世界と異世界とを結ぶ魔道具を手に入れた暦(ヨミ)が、最初に「ねこや」に招いた人物がアルトリウスで、常連の中では一番の古株。 空間転移の魔術を操ることができ、「ねこや」と異世界をつなぐ際に協力しているほか、食堂の扉を呼び寄せることのできる魔法陣を作成して自らの研究室に強制的に呼び出すことにも活用している。 「ねこや」では、ロースカツを肴に冷えた生ビールを飲むことを好む。ロースカツに最も合うのはソースとビールと考えており、アルフォンス(カレーライス)による「たまにはカツカレーにしたらどうか」という提案は断っている。何を頼むかはわかっているので、店主はアルトリウスが来店した際に注文を尋ねない 「ねこや」に来店する日は昼までに来ることがほとんどで、日が暮れてから来店することは珍しい。店の奥まった場所にある、厨房に一番近い席を定席としているため、同じ席を定席としているタツゴロウ(テリヤキ)とは自動的に相席となる。 アルトリウスは特別営業で訪れる客向けの通常メニューの説明文の執筆を任されており、読んだ客たちからは、字体は几帳面で整って読みやすく、語彙も豊富で、相当な教養を持った人物が書いたものに違いないと言われている。 タツゴロウ同様、アニメ版では文庫版およびコミカライズ版で姿が違う。 ハインリヒ・ゼーレマン(エビフライ) 声 - 杉田智和 公国の騎士。モスマン討伐の途中でたまたま扉を見つけたが、金を持っていなかった上に早足な性格なため、店主の説明も聞かないままドワーフの名剣を代金代わりに店主に渡し去っていった。再訪の方法がわからないまま過ごしていたが、その3年後に剣を渡しに砦にやってきたタツゴロウに連れられて、ようやく再訪が叶って、以後は常連となる。 港町出身であることもあり、故郷を思い出させるエビフライが大好物で、時にはエビカツサンドを持ち帰ることもある。「ねこや」には、勤務が終わった夕暮れ時に訪れることが多く、非番の日は昼から行くこともある。サラとはサンドイッチ事件を機に、少しだけ親しくなった。 Web版では季節限定のカキフライも大層気に入り、期間中はエビフライとカキフライを一皿ずつ注文するようになった。同じく、生魚は食べないよう故郷で教育されていたにもかかわらず、カルパッチョも気に入る。 なお、第2話の最後でタツゴロウ(テリヤキ)が「ねこや」に連れていこうかと考えている「見どころのある奴」とはハインリヒのことを指しており、剣を届けるついでに連れていこうとタツゴロウは考えていた。 ファルダニア 声 - 日笠陽子 旅のエルフで、料理研究家。エルフの集落であるシエナの森出身。年齢は初登場時点で121歳。種族の特性上、肉や魚、乳製品や卵などは受け付けないが、その条件下でも毎回新たなメニュー(豆腐ステーキ、焼きおにぎり等)を提供してくる店主に刺激され、自ら料理人として各地を旅し修行に励むようになり、後に、彼女が発案した、豆を主体とした数々の「エルフ料理」はあらゆる種族に絶賛され、後世の人々から伝説の料理人と謳われることとなる。 アリスと出会って以降は、足手まといになることを承知で、彼女を旅の同行者としている。帝国の港町で暮らすカミラと知り合ってからは、「ねこや」で使われている海産物に由来すると思われる食材について彼女に教えを請うようになる。 旅をしているため、「ねこや」に毎週来るほどの常連ではないが、旅の途中で時々立ち寄ることがあり、購入した焼きおにぎりに保存の魔術をかけて携行している。旅の途中でアルトリウスやヴィクトリアと同種の召喚魔法を完成させ、ねこやの扉を自由に呼び出せるようになる。 エルフの特性をいまいち理解できていない店主からは偏食家だと認識されており、時折立ち寄るだけの客にもかかわらず、よく覚えられている。 ちょっと甲高い声をしていて、外見は店主からすると女子高生くらいに見えている。 アリス 声 - 戸田めぐみ ファルダニアに同行するエルフの少女。公国にある小さなハーフエルフの村の出身で、ハーフエルフ同士の両親から『取り替え子』として生まれてしまった純粋なエルフ。年齢はエルフとしては幼い30歳。外見は、身長はファルダニアよりも高く、灰色でぼさぼさの髪をしている。 両親からはかわいがられたものの、純粋なエルフは人間やハーフエルフに比べて成長が遅く、動物性のものも食べられないため、両親の病死後に持て余した他の家族によって村を追い出された。森に置き去りにされていたところで、ファルダニアと出会い、以後は彼女の同行者となる。 後に、伝説の料理人と共に旅をしながら料理の研究をした一番弟子と謳われることとなる。 「ねこや」では、初めて訪れた際にはライスバーガーを作ってもらう。その後に訪れた際にはバーベキューのトウモロコシが気に入った。 『赤の女王』(ビーフシチュー) 「七色の覇王」としての概要は「#赤の女王(七色の覇王)」を参照 声 - 伊藤静 『七色の覇王』(6柱の竜)の1柱。10万年以上も生きている赤く巨大な竜で、異世界で五指に入る強大かつ膨大な魔力を持つ。「ねこや」を訪れる際は、縦に割れた黄金色の瞳孔を持つ赤い瞳と頭に2本の深紅の角を持った、美女の姿に変身する 居城としている山に数千年間の間に奪い集めてきた財宝の山を築いており、24年前にその財宝の山に扉が現れるようになり、以来、「ねこや」に毎週通っており、先代店主との約束で、原則として他の客が帰った後、最後に訪れることになっている。 店主によって寸胴鍋いっぱいに仕込まれたビーフシチューをまるごと持ち帰って味わうことを楽しみとし、その楽しみを維持するため、「ねこや」に対し密かに『財宝を守るための呪い』をかけており、「ねこや」や店主、アレッタに何かあれば、すぐに察知することができる。店に迷惑をかけようとする輩は腕ずくで追い払っていたが、これでは察知してから自らが訪れるまでの間は「ねこや」は無防備となってしまうため、後に、「ねこや」の料理を食べたいという点で利害が一致していた『黒』を(守護役を兼ねた)給仕として店主に雇わせた。 ビーフシチューの1皿の値段は銀貨1枚で、店主が寸胴に100皿分を仕込んでいるため、本来であれば、料金は金貨1枚が相当ということになる(詳細は#異世界を参照)が、過剰に払おうとする『赤の女王』と、余分に受け取る気はない先代店主との取り決めにより、金貨2枚で取り引きすることにしている。 神として敬われている存在であることもあり、他の客が帰った後に来店していることは噂として常連客の間では広く流布している。「ねこや」には『赤の女王』の気配が満ちており、彼女を神として信仰する信徒からは聖地として敬われているが、そのことを知った上で訪れている他の宗派の聖職者も少なくない。 他の生物とは次元が異なる存在であるためもあって、店主のことも含め、人の姿をした種族の各個体を実はあまりよく区別できていない。店主とアレッタのほうも、『赤の女王』を竜だとは思っておらず、怪力な魔族くらいに考えている。 なお、「ねこや」のビーフシチューを知るまでは、自分で丸焼きにした牛を好んで食べていた。 バルログ 声 - 加藤将之 『赤の女王』の眷属で、炎の悪魔。『赤の女王』の右腕にして執事として長年仕えている。 トマス・アルフェイド(ミートソース) 声 - 屋良有作 王都の大商会「アルフェイド商会」の元当主。当主だった頃に数々のパスタソースを作成して人気を博し、「商会の中興の祖」、「料理発明の天才」と称えられている。 商会で商っていた小麦麺は味付けが簡素であるため人気がなかったが、「ねこや」のパスタ料理の味を基にパスタソースをいくつも制作して美味しく味わえるようにすることで、小麦麺の地位を引き上げ、それまでどちらかと言えば小さな商会だったアルフェイド商会を、数十年で王都一の大商会にまで成長させた。 王国を代表する「騎士のソース」もトマスが「ねこや」で食べたベシャメルソース(ホワイトソース)を再現したものであり、20年前にこれを食した当時の王太子(現国王)が感動のあまりにソースに騎士の称号を与え、アルフェイド商会は王家との商談の足掛かりを得た。 商会の当主の座から引退するに際して、長男に商会を譲るとともに、商会で実績を挙げていた長女と次男には帝国と公国の都にそれぞれ作った支店を与え、相続争いの芽を摘むと同時に、本店と各支店との間にライバル意識を植え付け、競い合って発展するよう仕向けた。 「ねこや」には30年近く前から通っている。好物はミートソーススパゲティで、その再現を最終的な目標に定めていた。 自らの商会が食べ物を扱う商売をしている以上、自らも食べ物に真摯に向き合わなければいけないという信条を持っており、「ねこや」での料理も分析を交えて味わって食べている。 先代店主との約束により、4回に1回は客ではなく商人として「ねこや」の開店前に訪問して、「ねこや」の売上と異世界の食材や薬を取引している。今後の商会の発展を考え、孫のシリウスに扉の存在を教え、客としては引退した。 シリウス・アルフェイド(ナポリタン) 詳細は「#シリウス・アルフェイド」を参照 トマスの長男の息子。 リンダ・アルフェイド 詳細は「#リンダ・アルフェイド」を参照 トマスの長女の娘。 シリウス・アルフェイド(ナポリタン) 声 - 下野紘 トマスの孫で、アルフェイド商会の次期当主となる青年。トマスに連れられて行ったことで異世界食堂を知り、トマスが「客」としては引退したため、トマスが使っていた扉を4回に3回は自由に使えるようになった。 商会のさらなる拡大を目指す野心家で、「騎士のソース」に代わる商会の主力商材として、「マルメット」(異世界のトマト)を用いた商品の開発に意欲を燃やしている。 祖父同様、「ねこや」の料理を“盗む”ことで商会を大きくできることに気づいており、専属料理人のジョナサンを「ねこや」に連れていき、共にピザなどを食しながら再現する方法を模索している。 「ねこや」では、色々食べてみて一番の好物となったナポリタンを毎回頼むほか、研究のためにもう一品別の料理を注文することにしている。 商会の情報網を通じて、噂話を含む様々な情報に精通しており、「ねこや」の客層と照らし合わせて、噂の信憑性の分析を試みている描写が複数ある。 ジョナサン・ウィーンズバーグ(ピザ) 声 - 保住有哉 アルフェイド商会の専属料理人。父はアルフェイド商会で新商品開発に携わる料理人であるため、歳の近いシリウスとは幼馴染として育った。 シリウスに連れられ、異世界食堂を訪れる。料理を食べることで食材がわかる鋭い舌を持ち、シリウスと共に「ねこや」に通って、料理の味を再現する方法を模索している。 店内には角度的に厨房を覗ける席がひとつだけあり、空いていれば、その「特等席」に座る。 ガガンポ(オムライス) 声 - 保村真 リザードマンの部族『青き尻尾の一族』の若者。8歳。3年前の祭で、部族の「勇者」の座を手にした。部族を代表して「ねこや」に赴き、オムライスの大盛り2個を食べた後、必ずパーティー用のオムレツを3つ持ち帰っている。 一族と話す時は流暢に喋れるが、「ねこや」では、魔法により翻訳されるにもかかわらず、無口かつ片言になる。 アニメ版では、彼と『青き尻尾の一族』の生態の説明や料理の感想をほぼ全てナレーション(声 - 桑島法子)で処理するという演出が採られた。 ゲルパ 声 - バトリ勝悟 24年以上前に青き尻尾の一族の集落に扉が現れた当時の、一族最強の勇者。一族では「ねこや」に初めて来店し、料理を持ち帰った。 扉が現れた当初はワニ皮や乾燥肉などで代金を支払っていたが、先代店主との取り決めで貨幣で支払う事となり、以降、部族は行商と取引して貨幣を得ている。 アーデルハイド(チョコレートパフェ) 声 - 上田麗奈 帝国の現皇帝の第1皇女。初登場の時点で16歳。帝国一の美人と評されるほどの美貌を持つ。 4歳頃に亡き祖父である初代皇帝ヴィルヘイムに連れられ、異世界食堂に来たことがある。16歳の誕生日を迎える少し前に「貧民殺し」と呼ばれる肺の病にかかり、離宮で療養生活を始めたところ、寝室に扉が現れ、そこから常連となる。 昼食後しばらくしてから「ねこや」へ行き、パフェを食べるという付き合い方をしており、後に、食堂で知り合い友人となったシャリーフとラナー兄妹やヴィクトリアとの会話を楽しむようになる。離宮生活を始めてから2年ほどして病はほぼ完治したが、父の皇帝からの帰還命令がないためか、「ねこや」を離れたくないためか、その後も離宮での生活を続けている。 遠くない内に、砂の国のシャリーフに嫁ぐことになるであろうことは、東大陸の各国で中枢にある幾人かが予見している。 名前は曾祖母にあたる帝母アーデルハイドから取って付けられており、曾祖母に仕えていたことがあるハーフエルフのエルマーに言わせると、アーデルハイドは彼女の面影を残している。 長音をはっきりと発音する癖がある(チョコレートパフェ→チョコレイトパフェ、コーヒーゼリーパフェ→コオヒイゼリイパフェ、シュークリーム→シュウクリイム)。 アニメ版では2期11話でシャリーフからのプロポーズを受け入れめでたく結婚、異世界での結婚式を迎えた後日に「ねこや」でも結婚式を執り行った。 ハンナ 声 - 和久井優 離宮でアーデルハイドの身の回りの世話をする側仕えの女性。大地の神殿で数年間司祭の訓練を受けているため、アーデルハイドの病の発作を抑える癒しの術と、不死者払いの術を使える。下級貴族の出身であり、以前は帝都の宮殿で働いていたが、貧しい実家を養うためもあって、給金などの条件が良いアーデルハイドの側仕えの任を引き受けた。 仕え始めてから2年経ったある日、アーデルハイドが風邪をひき、代わりにブッシュドノエルの引き取りを頼まれ初めて「ねこや」の事を知り、そこでラナーとも知り合いになった。 ヴィルヘイム(コロッケ) 声 - 中博史 作品開始時点で故人。帝国の初代皇帝。旧帝国の傍流の末姫アーデルハイド(後の帝母アーデルハイド)の子で、幼児期に帝都が魔族に襲われて陥落した際、奇跡的に四英雄に救出され、母アーデルハイドとともに旧帝国の最後の生き残りとなる。諸侯からも見放されたが、その後、50年かけて、東大陸に覇を唱えるほどとなった現在の帝国を築いた。孫娘のアーデルハイドが生まれた年に、帝位を息子に譲って隠居した。 皇帝としては、多くの場合、「賢帝」として称えられているが、一方で、侵略を受ける側からは「偉大にして野蛮な皇帝」とみなされている。 青年の頃は、母親の面影を残した美しさを持ち、戦いにあっては軍団を率いて自らも戦場に赴いた。 若い頃から健啖家として知られ、「ねこや」ではコロッケを好物としていた。帝位に在位していた頃に、たまたま「ねこや」でジャガイモを手に入れる機会があり、自らの世界でも自分用にコロッケを作りたいと考え、その実を譲り受け、「ダンシャクの実」として普及させた。このことは、結果的に、彼の帝国と東大陸全体に大きな影響を与えることになる。 退位するにあたって、扉が現れる場所に「ヴィルヘイム離宮」と呼ばれる宮殿を建てさせ、晩年をそこで(自分の寝室に現れる扉から「ねこや」に通いつつ)過ごした。このことは、他の常連にも知られており、「扉のある場所に城を建てたのはコロッケくらいだ」と言われている。 コロッケを最も旨い揚げ物だと言って譲らず、メンチカツ(ウィリアム・ゴールド)とは、どちらがより美味かよく喧嘩をしていた。 アーデルハイドが(再)来店する10年以上前に死去しているため、現在の店主は、面識はあるものの、料理を提供したことがない。 現皇帝 声 - 中田譲治帝国の第2代皇帝。アーデルハイドの父で、ヴィルヘイムの息子。 先帝ヴィルヘイムが度重なる出征でその治世において領土を拡張し続けたのに対して、即位してからの18年ほどの間で、現皇帝が行った出征は帝国唯一の港町となった都市を確保した時の1回のみで、以後は荒地に開拓村を作ってダンシャクの実を植える政策を続けているのみであることから、世評では穏健で覇気の足りない凡庸な君主とされている。 ピッケとパッケ 声 - 髙橋ミナミ (ピッケ)、高田憂希 (パッケ) ハーフリングの夫婦。料理を得意としており、珍しい食材は使わず立ち寄った先で料理を売って旅をしている。 初登場時は東大陸にいて、王国のとある村の広場でパン屋の隣に屋台を構え、騎士のソースを使ったクリームシチューを販売していた。 ハーフリングは代々受け継いだスキルをもって日銭を稼ぎ、旅を続ける風習があるが、この夫妻は先祖代々料理に特化した流離料理人の血を引き継いでいて、騎士のソースも親から受け継いだものであった。 ねこやの扉の出現場所は、他のハーフリング同様種族内で情報を共有し、出現場所をまとめた地図で旅をしつつ滞在先で出現する扉を使用。そして1つの扉に付き1日1回限りなので、他の人が使用していないか確認の上で使用している。 後に西大陸に渡って、再登場している。 ソウエモンとドウシュン(お好み焼き) 声 - 小山剛志(ソウエモン)、平川大輔(ドウシュン) 山国の近衛侍ソウエモンと、海国の宮廷陰陽師ドウシュン。価値観(尊ぶ物)の違いから仲が悪く、お互い来店時間をずらせば負けだと考えており、毎回かち合うのを苦々しく思っているが、互いの話が有益なのでいつも同席している。 ソウエモンは、「ねこや」には5年ほど前から通っている。両名とも、「ねこや」のことはそれぞれの扉をハーフリングのネズミに教えられたことで知った。 ともにお好み焼きを好物としており、料理と組み合わせたパンは、両名とも焼きそばパンが好物。 セレスティーヌ・フレグラン(パウンドケーキ) 光の神の高司祭。禁欲ぶりと信仰心の高さから、通常であれば一握りの天才しかなれず、なれても40歳過ぎで認められるのが通例の高司祭の地位に20歳の若さで就いた。 その実績から尼僧院の院長を務めているが、先代院長ブリジットから「ねこや」の扉を受け継ぎ、禁欲ぶりには定評があったにもかかわらず、すっかりパウンドケーキ(毎回異なる味が提供される)の虜となってしまう。特にラムレーズンは「神の食べ物」と称するほど目がなく、ラムレーズンが入ったお菓子も優先して食す。後に弟子の尼僧たちを連れて食堂を訪れるようになり、ブランデーケーキ(「悪魔のケーキ」)を再現するために、弟子たちと共に飽くなき努力を重ね、結果、菓子作りに精通した光の神殿は、菓子職人たちからも信仰を集めることとなる。彼女自身も、後に、光の神殿の法皇となる。 強大な魔力と、広い慈悲の心を持ち、怪我をしたアルザスを店内でみかけた際は術を施して一瞬にして治癒させている。 「ねこや」では、パウンドケーキと季節もののアイスクリーム以外を頼むことがまずない。 落ち着いた風情の表の姿と、誘惑と戦う内心の声でキャラがやや違う。 カルロッタ セレスティーヌの弟子の尼僧。セレスティーヌが院長となった後で尼僧院に招かれた一人。平民出身ながら、アンデッド討伐などで活躍した実績と長年の経験を持ち、院内ではセレスティーヌに次ぐ実力の持ち主とされ、セレスティーヌ自身も高司祭候補として特に目を掛けている。 ドワーフ並みの酒好きで、葡萄酒の中ではブランデーを特に好み、昼のお茶会でもブランデーが使われたベイクドチーズケーキを頼んでいる。 セレスティーヌ達が帰った後も「ねこや」に居残り、夕刻からの酒豪たちの呑み会に参加し、ギレムにはブランデーの生成に成功したら尼僧院に卸すよう頼んでいる。 アンナ セレスティーヌの弟子の尼僧。セレスティーヌが院長となった後で尼僧院に招かれた一人。両親が人間であるにもかかわらずハーフエルフとして生まれてしまった「取り替え子」であり、生まれてすぐに僧院に引き渡され、そのため、教団の中の世界のことしか知らない。10代で正司祭の地位に就いてはいるものの、特に秀でた能力や知識は持たない。 セレスティーヌからはハーフエルフであることによる長命さを特に見込まれて招かれ、「ねこや」の存在を知ってからは、長命な事を活用して、メニューのデザートを片っ端から食べて記録をつけ、長きに渡って研究に尽力し、後の世の異世界での菓子技術に大きく貢献することとなる。 甘いだけの物よりも、甘さの中に酸味があるものを好むため、ヨーグルト系のデザートを好物としており、自身でも作ることを目標にしている。 ジュリアンヌ セレスティーヌの弟子の尼僧。セレスティーヌが院長となった後で尼僧院に招かれた一人で、王国のやんごとなき血を受け継いでいる。 王都の贅沢も知り尽くしていたが、異世界の菓子の味に驚く。チョコレートの苦みを帯びた甘さを好んでおり、チョコレートの材料を手に入れられないか、アルフェイド商会に問い合わせたりしている。 ブリジット 光の神の高司祭。セレスティーヌの先代の尼僧院院長で、「ねこや」の元常連。酒好きかつ「ドワーフ殺し」の異名を持つほどの酒豪。 尼僧院の院長の座とともに扉をセレスティーヌに引き継ぐまでは、「ねこや」の常連で、先代店主の頃から通っており、アルトリウス、タツゴロウ、メイファンらを飲み仲間にしていた。 後のセレスティーヌらが昼下がりにデザートを食べに行っているのとは異なり、ブリジットは僧院の早い夕食も終わった日暮れ後に「ねこや」に通い、数々の酒と、締めのオニオングラタンスープを楽しんでいた。 吟醸を水でも飲むように空けていくところをアルベルトに目撃されている。 ロメロとジュリエッタ 声 - 八代拓 (ロメロ)、富田美憂 (ジュリエッタ) 吸血鬼(黒の眷属)の恋人たち。数百年生きてきた吸血鬼のロメロが、人間で領主の娘だったジュリエッタを吸血鬼とした。 領主たちに追い詰められて逃げ込んだ洞穴で、偶然に扉を発見したことで「ねこや」の客となった。 その後も、日没後に時々来店していて、ワインを飲んでいる描写がたびたびあり、他の酒好きの客たちを飲み仲間にしている。肉料理は、食べるのがメインならばビフテキ、酒をメインにするならローストビーフと考えていて、吸血鬼の特性から、料理を頼む時はガレオ(にんにく)抜きを注文している。バーベキューを食べているアレッタを見かけた時も、ワインに合うかどうかという基準で料理を見ている。 ロメロは数百年生きてきているため博識で、察しが良い。 ロロナ 声 - 沼倉愛美黒の神の神官で、黒の眷属(吸血鬼)となったばかりの少女。南大陸の黒の神の都に住む。 眷属となったことで高まった知覚能力で、扉の魔力を察知して来店し、同席したロメロとジュリエッタに勧められて食べたローストビーフと赤ワインを気に入り、再度の来訪を決意する。 リリパットたち(ホットケーキ) リリパットの村民たち、およそ100人。村民総出で「ねこや」を毎週訪れ、ホットケーキを食べる。 支払いのための銀貨は、森に住む魔女に木の実を売ることで入手している。 ユート(ポークジンジャー) 山国の新米狩人。狩猟犬のタロと共に、初めて猛獣「一角猪」を仕留めた日に扉を見つけ来店。金の持ち合わせがなかったため、仕留めたばかりの一角猪の肉を店主に渡し、それを使った料理を依頼する。 その時に店主に作ってもらったポークジンジャーを気に入り、その後もたびたび来店している。マシラ ユートの師に当たる中年の狩人。「ねこや」の常連でもあり、好物も弟子と同じポークジンジャー。マシラの師匠も「ねこや」の客だった。 アルフォンス・フリューゲル(カレーライス) 声 - 立木文彦 公国最強の海軍将軍と呼ばれていた歴戦の武人で、クラーケンを相討ちで仕留めた伝説で知られる。 35歳の時にクラーケン相手の海戦で船を沈められ、たまたま漂着した孤島では、島の主であったキマイラを討ち取り、その島で「ねこや」の扉を見つけ、カレーライスに魅了され、以後は食堂の常連となる。漂着から20年後に、島に偶然立ち寄った軍船により救助され、母国に戻る。しかし、「ねこや」のカレーが忘れられず、伝手を頼って3ヶ月かけて扉を探し出した。後に、店主がチキンカレーを試作した際は、その試食を頼まれている。 金貨で先払いをしているため、食後に会計はしない。島に漂着した際も所持金は充分持っており、使わなかった金貨と銀貨は、島にある扉の情報を将来の漂着者に伝える手紙とともに、島に残して立ち去っており、後に、イリスとアーリウスによって活用されることとなる。 武芸においては、現在でも東大陸で屈指の実力者。漂流生活を送っている間に家督や将軍職は後進に移って、自らは表舞台から引退しているが、公国に戻ってからも鍛錬は怠っておらず、公国の最強の現役騎士と戦っても圧倒するほどの力を現在も持っている。 Web版におけるフルネームは「アルフォンス・クロムウェル」で、書籍版では姓が変更されている。 エルマー 帝国の元将軍で、種族はハーフエルフ。現役時代は帝国の『楯』と称された歴戦の将帥で、その堅実な用兵と鍛え抜かれた槍術から、帝国の武の象徴としてその名は現在も語り継がれている。帝母アーデルハイドの屋敷の門番をしていたことがあり、その縁もあって初代皇帝ヴィルヘイムに重用された。 武芸においては、ハーフエルフの長命さを槍術の鍛錬に活用して修行を重ね、アルフォンスに伍するほどの腕前を持つ。現在でも実力は健在だが、50年を超えて将軍職を務めることはできないと定めた帝国の法律により軍歴を退いた。 引退後は諸国を旅して回っており、公国を訪れた際にアルフォンスに誘われて「ねこや」を知った。ヴィルヘイムも生前、エルマーをいつか「ねこや」に連れていこうと考えていた節があり、「ねこや」のコロッケを食べたことでかつての主君が漏らしていた言葉の意味を悟ることとなる。 ヴィクトリア・サマナーク(プリンアラモード) 声 - 田村ゆかり 「公国の魔女姫」の異名を持つハーフエルフ。公国の第1王女であったが、両親とも人間であるにも関わらずハーフエルフとして生まれてしまったため(詳細は#取り替え子を参照)、魔術師の道を目指した。魔術において天賦の才があり、26歳の時に王国に渡ってアルトリウスに弟子入りし、8年間の修行の末に魔術の奥義を極める。その後、公国に戻り、王城の外れの塔に研究室を構えて魔術の研究を続けている。ハーフエルフであるため、36歳となった現在でも容姿は10代半ばの状態を保っているが、異世界の種族についてよく知らない店主には、何年も前から顔が変わらない童顔の持ち主と思われている。漫画版2巻までは青色系の瞳、髪、服、褐色の肌だったが3巻ではアニメ版に準じた色になっている。 「ねこや」のことは8年前に師匠のアルトリウスに連れられていったことで存在を知り、その後はほぼ毎週来店している。 初来店の際にはデザートメニューの説明文の執筆を担当し、「ねこや」のデザートを全種類食べていて、その後もデザートが追加される都度、メニュー作成のため試食している。そのため、他の客にデザートに関するアドバイスをする事もある。 妖精の女王に匹敵するほどの高い魔力を持ち、作品中でも魔力の高さを強調されることが多い登場人物の一人。アルトリウスが復活させた転移魔術を操ることができる魔術師の一人で、師と同様、食堂の扉を呼び寄せる魔法陣を自分の研究室に置いている。 全てのデザートを食べた上で、プリンアラモードを最大の好物としている。帰宅後も自室にプリンを保存していつでも食べられるように、魔術をほどこした宝石箱型の冷蔵庫を開発し、手土産として必ず持ち帰っている4つのカスタードプリンをその冷蔵庫に収め、2日に1回食べられるようにしている。このプリンはこっそり訪れた双子の甥と姪に魔法が使えるようになる薬だと思われて食べられてしまったことがある。 プリンとカラメルソースの組み合わせを至高と考えており、カラメルソースがかかっていないプリンは認めない。 アルフレッドとマルガレーテ(お子様ランチ) 声 - 森日菜子→海田朱音(アルフレッド)、星谷美緒(マルガレーテ) ヴィクトリアの甥と姪で双子の子供たち。現公王(声 - 川原慶久)の子で、現在の公国の第1王子と第1王女。彼らの母親(声 - 桜木可奈子)がヴィクトリアを毛嫌いしているため、子供たちに離れの塔に近づかないように言い聞かせていたので、王城の「魔女の住処」に住む魔女の正体がヴィクトリアであることを知らなかった。 ヴィクトリアに連れられて、「ねこや」に行き、お子様ランチを大いに気に入る。 今は幼いが、寿命の違いから、いずれヴィクトリアより先に老いて死ぬことが明らかであるため、ヴィクトリアにとっては切なさを感じさせる存在でもある。 ジャック、ケント、テリー(ハンバーガー) 声 - 吉永拓斗(ジャック)、山本颯侍(ケント)、土田玲央(テリー) とある小さな国の田舎に住む仲良しの悪ガキ3人組。やんちゃ坊主でリーダー格のジャック、魔術師の息子のケント、1歳年長で、剣技の心得があるテリー。 村の井戸に現れた扉を通って「ねこや」に通い、ハンバーガーとフライドポテト、コーラのセットを最も好物としている。 全員が15歳になったら村を出ることを決意しており、後に3人で故郷を旅立ち、駆け出し冒険者をしている。 シャリーフ(コーヒーフロート) 声 - 田丸篤志 砂の国の王子。初登場の時点で、成人してから5年ほど経つ青年。 成人した頃に、夜の散歩で偶然「ねこや」の扉を見つけた。扉が現れた場所が砂漠だったこともあり、発見した当初は月に一度あるかないかのペースで夜に通っていたが、気まぐれに昼に来店した際にアーデルハイドに一目ぼれしてからは毎週昼間に通うようになった。 奥手な性格であるため直接アプローチすることはせず、アーデルハイドに求婚するため、まずは砂の国と帝国との繋ぎを作ろうとしており、結果として砂の国と帝国との交易が着々と進行していっていることが、作品中の描写からうかがえる。 コーヒーフロートを好物としているが、炭酸飲料が苦手なので、クリームソーダなどは注文しない。退店時はアイスクリームをお土産として持ち帰っている。 砂の国の伝統飲料「カッファ」(ホットコーヒー)の新しい飲み方として、魔術を使って冷やした「冷やしカッファ」(アイスコーヒー)を普及させた。 アニメ版では2期11話においてアーデルハイドにプロポーズし、念願の結婚を成就させる。そして異世界での結婚式を終えた後、2人の出逢いを導いてくれた「ねこや」への感謝を込めて「ねこや」でも結婚式を執り行う事となる。 ラナー(クリームソーダ) 声 - 下地紫野 シャリーフの異母妹。現国王と、側室である宮廷魔術師との間に生まれた子供。兄に対しては男っぽい言葉で歯に衣着せぬ言い方で接する。 奥手なシャリーフの恋の成就を願って世話を焼き、ラナーを介して兄妹はアーデルハイドと同席するようになり、後に、ヴィクトリアも交えた4人で昼下がりのお喋りを楽しむようになる。 兄とは異なり、カッファ(コーヒー)は苦手で炭酸飲料を好むため、「ねこや」でフロートを頼む際は飲み物を何にするかを悩む。飲み物とアイスの組み合わせは、メロンソーダとソフトクリームの組み合わせにすることが多い。 ギレムとガルド 声 - 稲田徹(ギレム)、志村知幸(ガルド) ドワーフのコンビで、どちらも酒好きかつ酒豪。酒職人のギレムは、「ねこや」で飲んだウイスキーを気に入り、ウイスキーの再現を試みて「新しい火酒」を作った。ガラス職人のガルドも、「ねこや」に出会うまでは凝った装飾の杯を作っていたが、装飾のないシンプルなビールジョッキやグラスの方が酒を美しく見せると考え、余計な装飾を排しかつ透明度の高い杯と、酒の種類ごとに見合ったボトルの研究をするようになる。年齢は不明だが、店主は「ちっこいじいさんたち」として覚えている。 山奥に住むため海産物を口にする習慣はなかったが、「ねこや」で気に入り、シーフードフライをはじめとする海の幸をつまみにして、酒を飲むことを常としており、「ねこや」が酒飲みに勧めることもあって、カキフライやアサリの酒蒸しといった、季節限定の料理も楽しんでいる。ビールや清酒も飲み、つまみとの相性も考えるが、両名ともウイスキーこそ最高の酒だと考えている。 扉が現れる山岳部には、当初は大工仕事は不得手なギレムが作ったボロ小屋が建っていたが、後から知ったガルドが立派な休憩所として建て直し、扉の出現する部屋は頑丈な鋼鉄製の扉で施錠している。登山が必要になるため、冬場は山が雪で閉ざされて利用できないという不便さがあるほか、鋼鉄扉の施錠を忘れてしまい休憩所を利用したヨハン(下記)に先に使われてしまったこともある。 ヨハン 商人の青年。ギレムが作った新しい火酒(ウイスキー)飲みたさに、長旅をしてドワーフの街へ赴くほどの酒好き。 旅の途中で山の休憩所に立ち寄った時に、ギレムらが施錠し忘れていた部屋の中で「ねこや」の扉を発見し来店。ウイスキーを大いに楽しんで満足して帰った所で、扉を先に使用されて来店できなくなって激怒したギレムとガルドに出くわすが、お土産として購入したウイスキーボトルを渡して事無きを得る。翌週までの7日間はドワーフの街に滞在して、当初の目論見通りギレムの火酒も仕入れることができ、新たに入手した「ねこや」のウイスキーボトルは贈答用として役立て、商売を広げることに成功する。その後、ドワーフの街を訪れる時にはギレムとガルドと連れ立って「ねこや」に赴き共に酒を楽しむ仲になる。 ヒルダ(チーズケーキ) 声 - 東山奈央 「夜駆け」の異名を持つ魔族の女傭兵で、帝国を拠点にして活動している。わずかな星明りでも昼間と同様の視界を得ることができる猫の目と、常人では拾えぬような音も正確に聞き分ける猫の耳を持ち、自身の目と耳と直感に絶対の信頼を置き、それらとクロスボウを武器にそれなりに名の知れた傭兵となり、難易度の高い仕事を請け負っている。 ゴブリン退治の次いでに偶然に扉を見つけたことから「ねこや」に通っていたが、「ねこや」に通うために不自然な仕事の受け方をしていたために、セシリアとラニージャに秘密がばれ、以後は3人で通うようになる。 好物のチーズの味のするデザートの中から直感で選んだスフレチーズケーキがお気に入り。 セシリア / アリシア 声 - 國立幸 「雌熊」の異名を持つ魔族の女傭兵。熊の前腕と膂力を持ち、戦斧を得物とする。魔族らしく闘争心旺盛な性格をしており、粗野な口調の帝国語で話す。 ヒルダとともに来店した「ねこや」でベイクドチーズケーキを気に入り、後にどのチーズケーキが一番うまいかをめぐって他の2人と喧嘩をするようになる。 ラニージャ 声 - 名塚佳織 「毒蛇」の異名を持つ魔族の女傭兵。少量で魔獣も殺せるほどの強力な毒を生む蛇の牙と、天井に張り付けるヤモリの指を持っており、暗殺を得手とする。西大陸風の怪しげな魅力を発する褐色の肌をした美女で、西大陸訛りの女言葉で丁寧に話す。 ヒルダとともに来店した「ねこや」でレアチーズケーキを気に入り、後にどのチーズケーキが一番うまいかをめぐって他の2人と喧嘩をするようになる。 クリスティアン(納豆スパ) 声 - 小西克幸 エルフの国、「森都」で結界の管理を担当しているエルフの美食家。現在の年齢は400歳に満たないほどだが、過去に100年ほど世界を旅をしていたことがある。 10年ほど前に「ねこや」で納豆スパ(納豆スパゲッティ)を食べて以来、エルフ豆の発酵を研究している。ファルダニアの父エドモンド(声 - 千葉進歩)とは友人同士で、彼の手紙からファルダニアも「ねこや」を訪れたことを悟り、彼女に納豆スパを勧める。 「ねこや」で納豆スパを注文するのは彼くらいしかおらず、卵抜きで注文している。 年始の特別営業では、それまでは磯辺焼きを食べていたが、納豆ライスを編み出したファルダニアに影響され、翌年の年始は納豆餅を食べるようになった。 フェイリー(カルビ丼) 海国の王女。14歳。母親は王国の王族出身で、自身は異国の血が混じった『傾国』と称される独特の美貌を持つ。 宮殿の中庭の花園にある扉を使って「ねこや」を訪れているが、普段は宮廷陰陽師のドウシュン(お好み焼き)がかけている道惑いの呪いによって近づくことができないため、ドウシュンが土曜日に宮殿を離れている時しか「ねこや」を訪れることができない。ドウシュンに隠れて使っているつもりだが、彼も自分が不在の時に彼女が扉を使っていることは知っていて、たまには息抜きも必要ということで黙認している。 「ねこや」には2年前から通っており、カルビ丼を一気にかきこんだ後、ソフトクリームで締めるのが定番で、注文時に「いつものもの」と言えばカルビ丼とアイスクリームが提供される。 なお、宮殿における普段の食事は長時間の煮込みや焼きで肉や魚の肉汁や脂身がそぎ落とされているため、物足りないと感じている。 エレンとヘルマン 東大陸北方の小さな国の辺境に住む、30代の木こりの夫婦。妻のエレン、夫のヘルマン、息子のカイと娘のボナの4人家族。 10年以上前にヘルマンが扉を偶然見つけ、二人は結婚前から「ねこや」に通っており、ヘルマンはプロポーズも「ねこや」でしようと試みている。夫婦の間には5人の子が生まれたが、残ったのはカイとボナだけだった。 現在は、扉のところに納屋を建て、一家はその横の丸太小屋で暮らしており、「ねこや」には家族一緒に訪れる。貧乏であるため4週間に1回しか来られず、食事も慎ましく済ませているものの、子供の成長を祝う際には宴を開いたり、毎年のバーベキューの日は開催日を見極めて逃さず来店するなど、ことあるごとに足を運んでいる。 読み書きが出来ないので、普段はいつも日替わり定食を頼んでおり、店主もそのことを知っているため、メニューを渡さない。夫婦とも勘定ができないため、会計も店主に財布を渡して任せているが、金勘定をごまかすことのない店主のことを信用している。 クラウゼ 東大陸の北方に位置する辺境の国の第3王子で、高慢な少年。 王位継承を巡る兄たちの争いに巻き込まれぬように辺境に逃れ、たまたまエレンとヘルマンの一家に迷い込んでしまい、「ねこや」を知る。「ねこや」で美味しい料理を食べさせてくれた一家に感謝し、その時に斧の買い換えの話を聞いていたため、後にお礼として新品の斧を贈答した。 タツジとオトラ(ローストチキン) 西大陸に住む人食いの鬼の夫婦。鬼らしく、夫婦ともに肉と酒が大好物。妻のオトラは料理上手で濁り酒を仕込むのもうまい。 『食材』として捕らえたハーフリングのネズミの命乞いで「ねこや」に案内され来店。討伐者を何度も退けた歴戦の鬼ではあるが、「ねこや」の他の常連客には敵わないことと、何より騒ぎを起こせば二度と店に入れなくなることから店内では大人しくしている。 「ねこや」で飲める数々の酒の中でも、焼酎こそ酒の華だと考えている。以前は街道の近くの山小屋を住処にして、旅人を襲っていたが、「ねこや」を知ってからはその住処を引き払い、山奥の泉のほとりの庵に移り住んだ。 最初に来た時に食べたローストチキンを気に入っているほか、『赤の女王』の話を聞いて、時々おでんを鍋一杯に作ってもらって家で食したりもしている。後に子供を授かった。 ネズミ 「ねこや」常連のハーフリング。自称吟遊詩人で、鼠を思わせる貧相な姿をしている。口先だけで数十年生き延びてきたと自負している。 過去に食い逃げを起こしたため、店主に許してもらった現在でも扉に拒絶され1人では来店ができなくなっている。そのため、「ねこや」を訪れる際は扉を開けてもらうための同行者を必要としている。 名前が初めて出るのはタツジとオトラ(ローストチキン)の回だが、それ以前の回でも、ソウエモン(お好み焼き)とフェイリー(カルビ丼)に近くにある扉の場所を教えた(扉を開けさせた)のもネズミで、ドウシュン(お好み焼き)にも扉の場所を教えている。 ティアナ・シルバリオ16世(クレープ) 声 - 青山吉能 東大陸でも屈指の魔術王国として知られる「花の国」の女王。フェアリー。 半年前に突如現れた扉を通って異世界食堂を訪れ、クレープを知る。初来店の際にヴィクトリアから助言を受け、その親切に報いるため、花の国の秘宝である「花の種」の一粒を彼女に渡した。ヴィクトリアからしてみれば、親切への対価としてはあまりに過大だったため、フェアリーたちが「ねこや」で食べた分の代金は以後すべてヴィクトリアが支払うという申し出を受け盟約を結んだ。 2回目以降は国民から抽選で選ばれた200名とともに異世界食堂を訪れているが、「扉対策会議」と称したメニュー選定会議では重臣たちといつも揉めている。 シルヴィア・シルバリオ13世 故人。花の国の先代の女王で、ティアナの母。邪神戦争の際、花の国に侵攻した人間と魔族の軍隊をどちらも撃退した。2年前に病没し、ティアナがその跡を継いだ。 ティエリア ティアナの妹で、花の国を離れて旅する冒険者。 パウロ 緑の神に仕える神官。種族はリリパットながら、大神官にまで至り、その身を巨大な竜と化すことができる。 妻と神官の一団を率いて布教のために東大陸にやってきたものの、人々の信心のなさに失望している。吸血鬼と戦っていたティエリアを偶然助けたことで、花の国を訪れる機会を得た。 ティアナからは妹を助けた恩人として歓待され、「ねこや」で宴を催してもらった。そして布教活動の拠点として、花の国の居住の許可を得た。 テッド ハーフリングの冒険者。 7日前の予約が必要であるため、旅を続けるハーフリングには注文が難しいオードブルを、扉と扉の間の旅程がちょうど7日となる「オードブル街道」を旅することで食した。 その後、王国を訪れた際は、ウルリックとソウジュンを「ねこや」に連れていっている。 一行のためにオードブルを買ってきたりはしているが、「ねこや」の存在は他の仲間には秘密にしている。 アルバート テッドらの冒険者一行のリーダーで、人間。騎士の家出身で、貴族の3男坊。 甘いものに目がない。 ガリウス テッドらと共に旅をするドワーフの戦士。 ザック テッドらと共に旅をする魔族の格闘家。赤みがかったトカゲの鱗で全身を覆われている。 リディア テッドらと共に旅をするハーフエルフ。魔術師と剣士を兼ねる。森都出身で、両親はエルフだが、「取り替え子」でハーフエルフとして生まれた。 純粋なエルフ同様、肉や魚は食べない。 サシャ テッドらと共に旅をする巫女。水の神に仕え、銀の聖印を携えている。海国の漁村出身で、濃いまっすぐな黒髪をしている。普段は丁寧な口調だが、我を忘れると漁村の頃の荒い口調に戻る。 イリスとアーリウス(カルパッチョ) 声 - 東山奈央(イリス)、朝井彩加(アーリウス) セイレーンの少女のイリスと、同じく少年のアーリウス。同じ日に卵から孵った縁で仲良くしている二人で、イリスが引っ張ってアーリウスがついていく関係。 セイレーンの間では「キマイラ殺しの島」として知られていた、かつてアルフォンス(カレーライス)が住んでいた島に巣を作るべく訪れ、アルフォンスが手紙で残していた扉の情報と金貨銀貨を発見した。アルフォンスの手紙をもとに「ねこや」を訪れ、マグロのカルパッチョを気に入ったことで、島に定住することを決める。 ねこや店内にはピアノも設置されているため、初めて訪れた際に歌を歌いだしてしまったが、セイレーンの特質上、歌を歌うと店主やアレッタら一部の者は歌に反応し幻惑されてしまったため、クロから店内で歌うことを禁止される。 その後も、「ねこや」でたびたびカルパッチョを食べている。 トウイチロウ(ホットドッグ) 西大陸の山国の武士。巫女のアヤとともに、少年の頃に「ねこや」の常連だった。「ねこや」に通ったことで外の世界に憧れを抱き、東大陸に渡る武者修行の旅に出て、5年後に故郷に帰ってきた。 アントニオ(スイートポテトタルト) 金の神に仕える神官で、竜に変身する力を持つ。鍛錬を重ねており、いかにも男らしい体つきをしている。 故郷で栽培されているクマーラ(サツマイモ)は、水気が少なくボソボソするため苦手だが、「ねこや」で提供されるスイートポテトタルトを6年前から好物としていて、毎年時期になると必ず食べに来ている。 使用している扉は人間には登るのがまず不可能な断崖絶壁の頂上近くにあるため、竜の翼を使って飛翔して通っている。南大陸の住人であるため、通い始めた当初は、「ねこや」の他の客たちの素性を理解できていなかったが、ある青年から北の大陸の存在を教えられてその正体に得心するようになった。 グスターボ アントニオの息子で、父と同様、金の神の神官。神官として相応に鍛えてはいるものの、まだ翼を得たばかりで、飛ぶのは不得手な青年。見た目は父にそっくり。 父に連れられて「ねこや」を訪れ、スイートポテトタルトを食し虜になる。 堅物な父と違いちゃっかりした一面もあり、気になっている女性のためにお土産の菓子を買って行くが、結果としてその女性の気を引くために断崖絶壁を毎週飛翔して「ねこや」に通うこととなる。 アリサとメイメイ(キノコスパ) 東大陸の名もなき小さな村の外れの森で薬師を営むアリサと、海国出身で西大陸で羊飼いをしているメイメイの二人の少女。 アリサは3年ほど前に「ねこや」の扉が彼女の薬草園に出現したことから、特別営業に通うようになった。メイメイが通い始めるようになった経緯は不明。毎週二人は同じ時間に、異なる扉から来店し同席する。アリサは和風キノコスパを、メイメイはクリームキノコスパをだいたいいつも注文して、半分食べたところで互いの皿を交換して両方の味を楽しんでいる。食後は翌週の再会を約して、それぞれの住む国へと帰っていく。 アイーシャ(シーフードピラフ) 砂の国の大使の娘で、漆黒の髪と瞳、茶色の肌をした美しい少女。砂の国の中でも、海辺の港町出身で、海の幸に慣れ親しんで育った。 父親が大使として赴任したことで始まった帝都での生活を厭うていたところ、帝国出身の執事アルフレッドによって「ねこや」に連れていかれ、シーフードピラフを食す。 その後、何度も行くようになり、帝都に来て1年が過ぎた頃に、リンダ・アルフェイドと知り合い、彼女も「ねこや」に連れていき、彼女が抱えていた課題に示唆を与える。 リンダ・アルフェイド トマス・アルフェイドの孫娘で、アルフェイド商会帝国支店の次期当主となる少女。母親は支店の現当主で、トマスの長女にあたる。 母親の命令により、東大陸の主要な都市を数年かけて巡ったことがあり、そこで得た見聞を持つ。 ライオネル(カツ丼) 声 - 檜山修之 魔族の剣闘士。生まれた時代が違えば「魔王」の一角になれたと言われるほどに邪神の加護を厚く受けており、獅子の頭と人型の屈強な肉体を持ち、怪力と速さを誇る、生まれながらの戦士。 生まれ持った強大な力でかつて一大勢力を築いていたが、帝国の領内で悪逆非道を働いていたことから討伐対象となり、20年ほど前に、四英雄の剣神アレクサンデルに敗れて売られ、魔都の魔王アルティーナの娘ラスティーナに買われて剣闘奴隷となる。 アレクサンデルに完敗したことを引きずり、剣闘士としての初試合を前に意気消沈していたところ、闘技場の個室内に扉が現れたことで「ねこや」を訪れ、先代店主が願掛けして振る舞ったカツ丼(勝つ丼)を食べて再起する。 以後は闘いの前に必ずカツ丼を食べ、奴隷身請け金の金貨1万枚をわずか1年で稼ぎ自由の身になった後も、カツ丼を食べたいがために剣闘士を続け、20年以上も最強の座を守り、「獅子王」の伝説を作ることとなる。 普段は情に厚くさっぱりした気風の人物で、はじめて訪れた時に同席だったアルフォンス(カレーライス)と仲良くなり、時にはライス系の料理を巡って他の常連たちと意見を戦わせている。 ジゼル(モンブラン) 故人。王国の通称「マローネの街」の領主家に仕えたメイド頭。 生前は「ねこや」に毎週通ってフライングパピーのモンブランを持ち帰って領主に渡していたが、扉の秘密を抱えたまま急死してしまったことで、モンブランを有力者ら特別な客人たちに振る舞っていた領主一家を困らせることとなる。 トーマス 声 - 木村良平 『探し屋トーマス』の異名をもつ王国出身の元トレジャーハンターで、目を悪くしてから引退し、現在は、宝探しの知識と培った勘を活かして調査専門の冒険者をしている。 モンブランを入手できなくなり困っていた領主家の女主人エレアノール(声 - 恒松あゆみ)に依頼され、モンブランの出所を探すこととなる。 ルシア(スコッチエッグ) 声 - 久川綾 赤の神に仕える神官。種族はラミアで、女性の上半身と、巨大な尾を持った赤い大蛇の下半身を併せ持った姿をしており、年齢は50歳超ながら艶やかな美貌を保っている。代々優れた神官を輩出してきた一族の出で、自身も当代屈指の大神官とみなされており、体全体を竜に変じることもできるほどの力を持つ。他の宗派からも「足無しルシア」と呼ばれ恐れられている。 10年前に白の神の神官カタリーナと戦った際、その戦闘は苛烈を極め、戦った地は炎と光で焼き尽くされ今でも誰も住まない無人地帯と化している。 10年前に自らの洞窟に扉が現れたことから「ねこや」に通い、「ねこや」のことは赤の神の聖地として敬っている。 初めてエミリオを連れて「ねこや」を訪れた際は、スコッチエッグを堪能した後、卵を抱えて身動きの取れない孫娘たちのためにお土産のスコッチエッグとテキーラを買って帰る。なお、ラミアは下半身が巨体であるためか、一族の娘たちとは順番を決めて「ねこや」を訪れていて、エミリオを連れて行った日は本来は孫娘のルーミア(声 - 渋谷彩乃)の番であったが、変更してもらった。 エミリオ 声 - 天﨑滉平 赤の神に仕える見習い神官。少女のような可憐な容姿を持つ。容姿から度々男から告白を受けるなど苦労していたが、ルシアに見初められ、女性しか生まれないラミアにとって優秀な「種」を得られると見込まれて、「夫」となる。 ルシアに連れられて「ねこや」へ初めて赴いた際は、そこでルシアから「ねこや」のことと「赤の神」も訪れるということを聞き、大いに驚く。その後も、「ねこや」には通っている。 後にルシア同様に竜に変じる事ができるほどの力を持ち、ルシアの孫娘との間に10人もの娘をもうける名神官となる。 コヘイジ 西大陸の山国出身で、西大陸で商売をしている、それほど裕福ではない行商。 道すがら運悪く出くわした死霊から逃げていたところ、偶然見つけた扉に飛び込み「ねこや」に入る。既に営業終了後で誰もいない時間帯だったため、そのまま眠りこんでしまい、翌朝、店主から秋刀魚の塩焼きを提供され、その味に感激して帰る。 リチとトト(アップルパイ) 東大陸の大樹海に住む子供の獣人たち。 食料の保管場所にしていたかつてのエルフたちの遺跡に扉が現れたことで、「ねこや」の客となった。アザル(リンゴ)を持っていたことから、アップルパイなら食べられるだろうと考えた店主に、アップルパイを振る舞われた。 その後、集落にいくつも落ちていたエルフ金貨でアップルパイを買い、集落に広めることになる。 メリッサ ハーフエルフの魔法戦士。年齢はちょうど60歳。人間の父と純粋なエルフの母との間に生まれた娘で、母譲りの魔術と兄譲りの槍の腕を持つ。 ハーフエルフだが、エルフの母親に育てられたこともあって、肉などのなまぐさ物は、匂いを苦手として、食べることを好まない。 先代店主だった頃の「ねこや」の常連で、駆け出し冒険者だった頃に、仲間の冒険者とともに最初に潜った遺跡で「ねこや」の扉を発見し、以後はことあるごとに仲間たちと訪れて食事を楽しむようになった。 それから10年後に、パーティーが解散することになり「ねこや」で宴を開くが、メリッサだけ、先代店主から7日後にも来るよう言われ、餞別として、「エルフ豆のクリームシチュー」を奢られる。 名前に反して「豆」が見当たらないシチューの秘密に気づき、豆乳作りを成し遂げて、実家の宿屋のメニューに「エルフ豆のクリームシチュー」を加えて大繁盛させた。 アーノルドとエリー 冒険者の中年男性アーノルドと、その幼い娘のエリーの親子。 父娘で新天地に向かう旅の途中、雨宿りのために逃げ込んだ無人の小屋で、屋内の部屋の扉だと思って「ねこや」の扉を開いてしまい入店する。 マイラとヨハン(マカロニグラタン) 声 - 加隈亜衣(マイラ)、熊谷健太郎(ヨハン) とある小さな国の小さな町に住む、宿屋の一人娘マイラと、その幼馴染でパン屋の次男坊ヨハン。 街にハーフリングたちがたびたび立ち寄ることを不思議に思ったヨハンが、彼らが必ず入っていく森を調べて扉を見つけた。 7日後、ヨハンの案内で二人で「ねこや」を訪れ、マカロニグラタンを食べ、マイラはその味を盗むことを決意する。 ラウリ 声 - 楠見尚己 マイラの父で、宿屋の店主。 ハーフリングのピッケとパッケに「騎士のシチュー」のレシピを教えてもらい、その際に大金となる銀貨100枚を払ったが、人気メニューとなったことで、客は以前の倍以上入るようになり、懐に余裕が出るようになってきた。 アニメでは、原作の黒パン売りの役割も併せ持っている。 セレナ(お汁粉) 西大陸の古い森の大樹に住むエルフ。森の精気を魔力として取り込み、老いと死を抑え続ける秘術を使いこなすことができる世界で唯一人のエルフで、3000年生きている。艶やかなストレートの黒髪と、白い肌を持つ。 エルフの範疇すらも超えた膨大な魔力を持つため、同じエルフのファルダニアでも年齢を読み取ることすらできず、その力は魔物のドラゴンを凌駕するほどのものとみられている。 食べ物も水も必要としていない代わりに、森から出てしまうと10年も経たずに朽ち果てるため、森にこもって研究を続けていたところ、30年前に「ねこや」の扉が現れ、そこで気に入ったお汁粉を食べるために、年始の特別営業の日にのみ通うようになった。 森の中に2つ目の扉が出現した際にも「ねこや」を訪れ、その際に出された大学芋も気に入る。 アルテ(ハンバーグ) 声 - 諏訪彩花 青の神の国の神官で、種族は人魚。褐色の肌と海色の髪と瞳を持つ、美しい少女。青の神に祈りを捧げて、嵐を沈めたり、竜の脚を得て地上を歩いたりすることができる。 竜の脚を手に入れたことのご褒美として、神官の先輩に連れてきてもらったことで「ねこや」を知り、デミグラスハンバーグの虜となる。その後は、青の神の国にある扉を使って通うようになる。 北の海に行った際、嵐に遭った人間の漁師ロウケイを助け、代償として「ねこや」で使う銀貨を求めるとともに、近くにあった扉を使ってロウケイを「ねこや」に連れていった。 普段は魚を食べている。 ロウケイ 声 - 松岡禎丞 海国の漁師で、日焼けした黒髪の少年。嵐で海に飲み込まれそうになっていたところを、人魚のアルテに助け出された上で、「ねこや」に連れていかれた。アルテに一目惚れしたため、代金を持つことを条件に、今後も「ねこや」に一緒に行くことを提案した。その後もアルテと共にたびたび来店している。 「ねこや」ではアルテと共にハンバーグを食べているが、ふだんは陸の獣肉は食べていない。 グレンとイグニス 帝国の砦の守備兵で、同僚同士の二人。 グレンは種族不明で、朗らかな人物。イグニスは下顎から猪のような大きな牙を2本生やした魔族で、やや照れ屋。 「ねこや」には砦近くの扉を利用して通っているが、その扉には他にも利用者(下記のグレアム・ベルトラン)がいるため、主に夜勤明けの午前中に通っている。 つまみのウィンナーとポテトの盛り合わせは共通の好物だが、グレンはビールと、子供の時に食べた郷愁のあるフライドポテトを好み、一方、イグニスは酒の苦みをあまり好まず、「ねこや」以外では味わえないサイダーと、子供時代に食べた肉を思い出すということで焼いたウィンナーソーセージを好む。 グレアム・ベルトラン 帝国の騎士。十数年前に帝国に飲み込まれて版図に組み込まれた港町の出身。 帝国の「騎士試験」を通過して騎士になったばかりで、現在はグレンとイグニスと同じ砦に詰めており、半年前に見つけた「ねこや」の扉は、お互いに相手を知らない状態で、彼らと早い者勝ちで共用している。 港町出身で、その反動により元々は肉料理を好んでいたが、内陸部に赴任し海産物を食べる機会が遠のいた現在は海の幸に餓えており、それらの様々な料理を食べることができる「ねこや」のことを貴重な憩いの場としている。 そのため、特定の料理ではなく、海の幸を使った料理を一通り食べていっている。 交易都市で育ったことから商売にもそれなりに通じているため、「ねこや」のありようについても商売の観点から考察してしまうタイプの客でもある。 アルベルト(ポークチャップ) 東大陸の高い山々の上に位置する小国の第3皇子。先代店主の頃の常連で、豪放磊落な人物。 ゴーレムや魔獣が多数生息する、国内随一の危険地帯に出現した扉を利用しているが、往路も帰路も、それら魔物の群れを剣で打ち倒して毎週「ねこや」に通っている。 北の大陸では、アルベルトの国でのみマルメット(トマト)が細々と作られていて、「ねこや」で出されるトマトを使った料理のポークチャップを好物としていた。 先代店主の頃に常連だった人物だが、他の話では店内にいる様子が描写されていない。 カタリーナ(ティラミス) 白の神に仕える神官。全身を竜と化すこともできるほどの力を有するほどの大神官。褐色の肌とクリーム色の髪を持つ女性。 息子の『白の子』が「ねこや」に入店できなくなったため、以後はカタリーナが彼の代わりにティラミスを買うために出向いている。利用している扉は住んでいる街から徒歩で2日かかる距離にあるが、竜の翼を持つカタリーナは一息で飛んでいくことができる。 カタリーナ自身もティラミスを好物としていて、「ねこや」では、青の神の神官のアルテや、かつて交戦したことがある赤の神の神官のルシアらの折り合いの悪い他宗派の聖職者との同席は避ける一方、同じ神を信仰するセレスティーヌとはケーキに魅了されたもの同士という共通点もあって仲が良く、同席することも多い。 『白の子』 白の眷属としての『白の子』の概要は「#白の子」を参照 カタリーナの子で、今代の『白の子』として、白の神の神官たちに敬われている。生まれてすぐに白の神から血を一滴与えられ、この世の物とは思えないほどに白い肌と銀髪、縦に瞳孔が入った黄金色の瞳を持ち、強大な力を振るうことができる。年齢は10歳で、わがままな性格をしている。 3年前に「ねこや」で出されたティラミスの味に感動し、店主を連れ去ろうとしたが、危機を察して入ってきた『赤の女王』につまみ出されて以来、扉に拒絶(入店拒否)されている。そのため、カタリーナに命じて「ねこや」の菓子を買いに行かせている。カタリーナに使わせている扉には、他の者が利用できないよう、常人には見えぬように隠す幻影と、不用意に近づいた物にほとんどの者を即死させるほど強力な裁きの光を降らせるといういささか過剰な呪いをかけていて、カタリーナは毎回それを解除して扉を使っている。 好物はティラミスで、「ねこや」では「バレンタインデーの祝祭」でチョコレートが買えることも知っており、そちらも好物としている。 ティーダ 海国の船乗りの少年で、フェンが船長を務める交易船の船員。 乗っていた船が嵐に巻き込まれ、船が逃げ込んだ無人島で他の船員たちのために食料を探していたところ、扉を見つける。とん汁で腹を満たすとともに、先代店主から他の船員のための食事を託される。 フェン 海国の船乗りで、海国と王国の間を巡る交易船の船長。 自身の判断ミスによって嵐に巻き込まれ、無人島で立往生させられ食料が尽きていたところ、ティーダが届けた「ねこや」の食事で他の船員とともに腹を満たして九死に一生を得る。 扉が現れた無人島を「ネコヤ島」と命名した。 ジュニア / ウィリアム・ゴールド トレジャーハンター。曽祖父の初代ウィリアム・ゴールドと同じ名前を持ち、「ジュニア」と通称される人物。サラとシアの従兄(伯母の子)にあたり、サラからは「お兄ちゃん」と呼ばれ親しまれている。両親は「ウィリアムの呪い」は受けず、商人として王都で裕福に暮らしている。 10年前に遺跡調査の旅に出て行方不明となり、死んだものと思われていたが、実際は古いエルフの遺跡を調べていた時に遺跡にあった転移装置により南大陸へ転移して帰還不能となっていて、そこで現地の女性と結婚し子供ももうけていた。その後も南大陸でトレジャーハンターとしての活動を続け、現在は妻の妹のマリベルを弟子にしている。 「ねこや」の存在は妻の亡父が残していた日記から知り、調査の末に扉を発見し、そこでたまたま居合わせたサラと再会し、両親に生存を知らせるべく自身の調査手帳をサラに託した。彼が託した調査手帳は北の大陸で多くの写本が出回ることとなり、北の大陸のトレジャーハンターたちが未知の南大陸へ挑むきっかけとなる。 マリベル ジュニアの義妹で、トレジャーハンターの弟子として彼に師事している。南大陸の人間らしく、褐色の肌をしており、赤の神の加護があるためか、体力はジュニアよりある模様。 若者言葉で話し、語尾は「〜っす」となる。 マリベルの父(アーモンドチョコレート) 赤の神の神官。ジュニアの妻とマリベルの父で、ジュニアにとっては義父にあたる。優秀な戦士だったが、3年前に白の神の信徒たちとの戦いで死亡した。 「ねこや」には毎年「バレンタインデーの祝祭」の頃に現れ、アーモンドチョコレートを買っており、日記に「ねこや」と扉のことを書き残していたため、ジュニアとマリベルが扉を発見する手掛かりとなった。 ハチロウ(親子丼) 山国出身の旅芸人。子供の頃に、口減らしのため山に捨てられたところをハーフリングの夫婦に拾われて、我が子同然に育てられ、10年間の旅の中で旅の仕方と生きるための大道芸を教わった。 毎年、夏の初めの「ドヨウの日」の昼に、育ての親の「おとう」と「おっかあ」と「ねこや」で会うことにしている。 「おとう」と「おっかあ」 ハーフリングの老夫婦。かつてハチロウを育て上げてからは再び2人で旅を続けており、現在は砂の国を旅している。 「ねこや」では親子丼を好物にしており、ハチロウにとっても思い出の味となっている。 アーレフ 砂の国のオアシスに住む魔術師。 自国の伝統飲料であるカッファ(コーヒー)が好きで、「ねこや」でも、日替わりの料理に加えて、カッファより味が濃いエスプレッソとコーヒーゼリーをいつも注文することにしている。 メイファン 海国の火山島に住むドワーフの老女。 先代店主の頃の常連で、ドヨウの日は人気のない湯治場で温泉に浸かり、近くに現れる「ねこや」で食事をしてから山小屋で一晩を過ごす事を楽しみとしている 毎回食後の締めに梅酒を呑む事を楽しみとしており、自分でも、島で採れる果実とドワーフの火酒と黒砂糖を使って醸造を試みている。自製の「ウメシュ」は、男のドワーフには不評だったが、火酒が呑みづらい女のドワーフや人間には好評で、後に(現在から10年前から)出回り始め、人間の間でも取引されるようになり、王国では王族が飲む酒のひとつになるほど珍重されている。 なお、「ねこや」のことは異世界の“酒場”とみなしている。 カミラ(フルーツゼリー) 声 - 小清水亜美 青の神の国出身の人魚で、大神官、かつ『青き帝王』の眷属。この60年間は、帝国の港町の郊外に住んでいて、年齢は100歳を超えている。美しく、かつ不老で、尾びれには海色の鱗を持つ。同じく海色の竜の姿になることもできるが、尾びれを竜の脚ではなく人間の足に変化させる術を自ら編み出したため、人間に化けることもできる。 70年前、邪神戦争末期に魔族が『万色の混沌』を復活させようとしたため、それを警戒した『青』によって、特に有力な大神官だったカミラに白羽の矢が立てられ、監視のため東大陸に送り込まれた。その際、『青』から血の一滴を受けて、青の眷属となった。結果的に、ヨミらが復活した『万色の混沌』をすぐさま倒したため、カミラの役割は実質的になくなってしまい、人間の姿に化けて10年間ほど地上で旅をした後、『青』から引き続きの監視を命じられたため、以後は東大陸の外れの町(現在の帝国の港町)の外れに家を建てて住み着いた。 5年ほど前から家の中に扉が現れるようになり、「ねこや」に通い始めた。フルーツゼリーを好物としており、自らも再現を試みて研究しており、「ねこや」に通うための金は、「フルーツゼリー」のまだ不完全な製法を人間に教えることで得ている。 後にゼリーを食べたファルダニアの訪問を受け、以降は彼女とは「ねこや」で情報交換する仲になる。 カミラは表向きは東大陸の人間の格好をしており、足も人間のそれに化け、力を隠すことにも長けているため、カミラが他の客で誰が聖職者かを見抜けるのに対して、他の聖職者はカミラの正体に気づかない。ファルダニアからも「人間の魔術師」だと思われている。 「ねこや」常連の他の大神官たちでも気配を察知する程度にとどまるクロ(『黒』)の存在を、彼女は認識している。 ナーデル 砂の国の商人。砂漠の旅をしている途中、誤算から満月の夜に旅をする羽目になってしまったところ、「ねこや」の扉を見つけ、ペペロンチーノを食べる。 アデリア(スパニッシュオムレツ) 南大陸に住む、狼の血を引いた獣人で、緑の神に仕える神官。狼の耳と尻尾を持つ。同族の女と比べても頭ひとつ分ほど小さい小柄で、人懐っこい笑顔を持った愛らしい女性。20年ほどで大神官になれる才能があると目されており、体の一部を竜の翼、爪、尾、脚にそれぞれ変化させることができ、現在は人里離れた山奥に一人こもって修行を続けている。 修行している場所の近くに扉があり、「ねこや」で好物のスパニッシュオムレツを食べることを楽しみにしている。 帝国の大地の神の司祭のソフィとは「ねこや」で会う友人の関係で、信仰する神が同じで歳も近いため、仲が良い。 おおらかな性格で、本来は殺すべき敵である「邪教徒」のアレッタにも気さくに接する。また、やや軽率な失敗をするところがあり、好物の名前をよく憶えていなかったり、扉を開いた後で忘れ物に気づいて扉を閉じて消滅させてしまったり、飛竜の肉を忘れて店主にジャーキーにされたり、店主に忘れ物ではなくあげたものだと言い張ったりしている。 カルロス アデリアの弟で、狼の血を引いた獣人。同族の男と比べても頭ひとつ大きい巨体を持ち、弓の扱いに長けた戦士。一族から大神官を出すことは大きな意味を持つため、一族を挙げて姉のことを手伝っている。 ソフィ(ポテトチップス) 大地の神の正司祭。帝都出身で、現在は帝国の開拓村のひとつにある神殿で勤めている。 任地に赴任したばかりの頃に、物珍しさから森を散策していた際に扉を見つけた。赴任した当初は帝都を離れることを渋っていたが、「ねこや」でポテトチップスをつまみにビールを飲めるようになったため、今では満足している。 実家は帝都でフライドポテトを売る屋台をしており、ソフィが手紙でフライドポテトのことを伝えた結果、再現したものを売り出して繁盛することとなる。 オニワカ 闇の女神に仕える高司祭。山国の鬼と人間の間に生まれた「鬼子」で、母親を失った後、闇の神殿に預けられて高司祭となり、その後は腕を磨くために諸国漫遊の旅をしている。刀と、闇の女神の加護を宿した札を使って戦う。 旅の途中で請け負った死霊(レイス)退治の準備をしている際に扉を見つけ、自身は心ゆくまで食事をした上で、ショウジロウのために、お土産に三色丼を持ち帰った。 ショウジロウ オニワカを護衛する老侍。オニワカはかつて自分が仕えていた主の娘の子であり、母親を失ったオニワカが闇の神殿に預けられる際に同行し、以降も旅を共にしている。 ジェラール・ヘプケン とある小さな地方の領主。騎士の家に5男として生まれ、冒険者をしていたが、先代の領主から剣の腕と旅で得た知識を見込まれ、孫娘のクラウディアの婿となり領主を引き継ぐよう請われ、冒険者を引退した。 ある日、先代領主が建てた別宅で「ねこや」の扉を見つけ、妻を伴って赴いた。 クラウディア ジェラールの妻で、先代領主の孫娘で、年齢は20に満たない。 小さい頃に祖父と両親と共に「ねこや」に行ったことがあったが、両親が事故死してから祖父の足が遠のいたこともあって、扉の場所がわからなくなっていた。 夫が扉の場所を見つけたことで、「ねこや」を再訪して思い出の味のチーズチキンカツを食べ、また行くことを決意する。 サリア 魔族の少女。邪神の加護により、夜目の効く猫の瞳を持つ。先代店主の頃にたまたま「ねこや」の客となる。 魔都でそれなりに成功していた兄を頼って一人旅をしていたところ、「ねこや」の扉に出くわした。 エドモン(カルボナーラ) 声 - 家中宏 王国の大臣。30年に渡って王国に仕え、自身の鋭い観察眼と収集した情報を使って、一介の貴族文官から大臣にまで上り詰めた。長く諜報を担当していたため、帝国の情勢に通じており、王国の行く末に危機感を抱いている。 「ねこや」には王国の歴史資料室に現れる扉から通っている。「ねこや」で客の様子を観察することで様々な情報を得ており、自国のアルフェイド商会の躍進の秘密も看破している。 王国育ちで、アルフェイド商会が革新的な麺料理を次々に生み出していた時期を経験しているため、麺料理に特に思い入れがあり、「ねこや」でしか味わえないカルボナーラを好物としている。 ソウジュン 王国の街道の街に住む老人。西大陸の出で数年前に住み始めた家の物置小屋には「ねこや」の扉があり、ある日、酔っぱらって偶然に来店した時に中華粥を食べる。 再訪を願ったものの、場所がわからず途方に暮れていたところ、ハーフリングのテッドに扉の場所を教えられ、ウルリックとともに「ねこや」の客となった。 ウルリック 王国の街道の街の衛視。以前は傭兵だったが、王都と港町を結ぶある街で出会った娘に一目惚れしたことで引退し、以後は腕を買われてその街で衛視を務めている。 「ねこや」の場所を探していたソウジュンに付き合い、成り行きで「ねこや」を訪れる。 アルザス 旅の吟遊詩人。 一人旅の途中で落石により足に怪我を負い、養生のため、以前にハーフリングのアイリに教えてもらった扉を通って「ねこや」を訪れた。怪我は来店したセレスティーヌの癒しの力によって治療された。 マリナ / アイリ ハーフリングの吟遊詩人で、若い女。 竪琴を得意としており、人間の吟遊詩人のアルザスとの共演の受けが良かったことから、半年ほど一緒に旅をしていたが、途中で別れ、別れ際に近くにある「ねこや」の扉について教えた。 イルゼガント 声 - 渡辺明乃 空飛ぶ島に住むエルフ。およそ300歳。 両親は、エルフが疫病で滅びつつあった頃に地上の研究施設を空に飛ばして逃れて魔術の研究を続けていたが、寿命が迫った頃に知識の継承を目的にイルゼガントを産んで死んだ。残されたイルゼガント自身は研究への情熱を持っていないため、無為に日々を過ごしており、空の島には、魔力で使役されるゴーレムがいる以外は、イルゼガントしかいないため、人間などのエルフ以外の種族のことを知らない。 空飛ぶ島は果物が豊富で栄養補給は果実で事足りるため、両親は料理をしなかった。そのため自身も料理のことは知識として知っている程度。 島内に扉が出現したことを感知したため、暇つぶしで「ねこや」を訪れ、宇治金時をいただく。 ライナー 帝国との国境近くにある砦に住む王国の少年。一緒に暮らしていた母親を亡くしたため、砦に勤務する父パウロに引き取られた。 パウロに連れられて、「ねこや」の客となった。 グスタフ トレジャーハンター。22歳。 古王国の都だった死の都に挑んだ際、地下に転落して足を折ってしまう。かつて同じ場所で同様に怪我を負って死亡したジュリアス・ゴールドの霊から「ねこや」の扉の存在を教えられ、店内の常備薬(治癒のポーション)で怪我を治癒してもらい、カツサンドを楽しんだ。 扉を出てからは、死の都から生還することに成功し、ジュリアスに託された手帳とナイフをゴールド家に届けた。 ジュリアス・ゴールド 死の都で命を落としたトレジャーハンター。グスタフと同じく、建物の地下に落ちて足を折り、救助を待った末に命を落としたが、渇きを癒すために飲んだ聖水のためか、霊魂と化して留まり、体のほうが白骨遺体化するほどの時間を同じ場所で過ごしていた。 数年前から自らの死体のそばに「ねこや」の扉が現れるようになり、扉の存在には気づいていたものの、霊体であるため扉を開けられず、扉を開けた先に何があるのか気になっていた。 同じように落下してきたグスタフに扉を開けさせたものの、自らは入店することができなかったらしく、戻ってきたグスタフに自身の手帳とナイフを託して、王都に届けるよう言い残して消滅した。 ヘンリー ある小国の宮廷魔術師で宮廷画家。たまたま発見した「ねこや」の扉は湖の上に出現していたため、幻想的な光景となり、画家でもあった父親の影響で絵心があったため、7日に1度、湖のほとりに通って風景画を描くことを趣味としていた。 「ねこや」の看板が変わったことで生じた違いが気になり、水上歩行の魔術を使って、初めて「ねこや」を訪れた。好奇心旺盛な性格で、異世界(ねこや)ならではの料理を所望して提供されたわさびマヨネーズソースを付けたカルパッチョを気に入る。 空間転移の魔術を使うことができる。 ラスティーナ 声 - 花澤香菜 魔獣王アルティーナの娘で、魔都を治める「魔王」にして帝国随一の大貴族の当主。その地位には3年前に病死した母の跡を継いだことで就き、現在は魔都を統治する領主としての執務をこなす日々を送っている。邪神の加護は薄く、前髪に隠れるほどの大きさの2本の角、膝に届かない程度の長さの無力な尻尾、パタパタと動かせるだけの翼を持つのみ。母アルティーナから、武術、魔術と、魔獣を手懐ける技を習得しているため、ある程度の実力は持っているが、魔王として見れば、「最弱王」であることは自他ともに認めるところ。 頭は良く、領地経営で手腕を発揮しているが、薄い加護しか与えられていない魔族であることに引け目を感じていた。 「ねこや」には、寝室の衣装ダンスに扉が現れたことで入店した。初めて訪れた際に旧知のアーデルハイドが居合わせていたことから同席し、薦められるまま食べたモカチョコレートパフェを堪能し、また「ねこや」で会うことを約束する 甘いものも好きだが、食事では肉料理を多く食べ、野菜や果物はほとんど食べない。 なお、20年以上前にライオネル(カツ丼)を金貨1万枚で買って所有していたことがある。 ファル ラスティーナの護衛兼メイド。見た者の動きを止めるメドゥーサの瞳を持つ。 アルティーナ 故人。『魔獣王』の異名を持つ女の魔族で、邪神戦争では魔王の一人として指導的立場にあったが、他の魔王たちはことごとく四英雄に討ち取られたため、戦後、唯一生き残った魔王となった。邪神の加護を厚く受け、王冠のように見える7本の角、鉄をも切り裂くと言われるほどの威力を誇る巨大な鞭のような尻尾、自由に空を飛ぶことができる巨大な翼を持つ。 エルフを凌駕する強大な魔力を持ち、攻撃、治癒の両方で強力な魔術を行使することができた。その異名の通り、魔獣を手懐ける魔獣使いの技を持ち、多数の魔獣を従えた。 邪神戦争の際に旧帝国の帝都を襲い、王を含む大部分を殺害し、その後は「魔都」として自ら支配した。邪神戦争後に、その際の生き残りであるヴィルヘイム(コロッケ)による侵攻を受けるが、アルティーナが旧帝国領に優れた治世を敷いていたことはヴィルヘイムを感心させ、彼に臣従するよう脅迫まがいの申し出を受け、利害が一致したことからそれを受け入れる。 ヴィルヘイムと盟約を結んだ後は帝国の大貴族として遇され、領土拡張を続けていた当時の帝国のために自らも軍を率いて力を振るい、他国からは帝国の『剣』と呼ばれ恐れられた。帝国に下ったことは、それにより、当時ひっそりと暮らすことを余儀なくされていた魔族の生きる場所が確保された一方で、「魔王」という地位を血筋によって相続されるものとしてしまい、これはそれまでの魔族のありようとは大きく異なるため、ライオネル(カツ丼)のようにそのことを苦々しく思っている魔族もいる。 3年前に病死した。 食事では、肉の類はほとんど食べず、野菜や果物ばかり食べる人物だった。
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