11とは?

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三省堂 大辞林

三省堂三省堂

いちいち 2 【一一】

?(名)

一つ一つものごと
「その―について説明する」
?(副)
一つ残らず。一つ一つ
「―文句をつける」「―親切に教える」


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11

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/05 17:40 UTC 版)

10 11 12
素因数分解 素数
二進法 1011
八進法 13
十二進法 B
十六進法 B
二十進法 B
ローマ数字 XI
漢数字 十一
大字 拾壱
算木 Counting rod h1.pngCounting rod v1.png

11(じゅういち、とおあまりひとつ)は、10 の次、12 の前の整数である。十一を意味する英語elevenドイツ語Elf の語源は「残りが1つ」である。これは、指で 10 まで数えたあと1つ残ることを意味する。英語の序数詞では、11theleventhとなる。ラテン語ではundecim(ウーンデキム)。11を意味する接頭辞として、ラテン語undeciギリシア語hendeca がある。11ウンデキュプルundecuple)という。

目次

性質

  • 5番目の素数である。一つ前は 7、次は 13
  • 1/11=0.090909090…(下線部は循環節)
  • 5番目のリュカ数である。一つ前は 7、次は 18
  • 4番目のソフィー・ジェルマン素数である。一つ前は 5、次は 23
  • 3番目の安全素数である。一つ前は 7、次は 23。
  • 2番目の 8n + 3 型の素数であり、この類の素数は x2 + 2y2 と表せるが、11 = 32 + 2 × 12 である。一つ前は 3、次は 19
  • 13 とペアの (11, 13) は、3番目の双子素数。一つ前は (5, 7) 次は (17, 19)。
  • (5, 7, 11, 13) は最初の四つ子素数。また、(11, 13, 17, 19) も四つ子素数である。次は (101, 103, 107, 109)。
  • 11! + 1 = 39916801 であり、 n! + 1 の形の階乗素数を生む。
  • 11# + 1 = (2 × 3 × 5 × 7 × 11) + 1 = 2311 であり、 n# + 1 の形で素数を生む(n# は素数階乗n 以下の素数の総乗)。
  • 1桁の数を除くと最初の回文数であり、1が二つ並ぶぞろ目でもある。112 = 121, 113 = 1331, 114 = 14641 もまた回文数である。
  • 2桁の数では唯一の回文素数である。
  • 偶数桁の回文数は 11 の倍数である。
  • 2番目のレピュニット R2 であり、レピュニット素数でもある。次のレピュニットは R3 = 111、次のレピュニット素数は R19 である。
  • 2桁の数の中では最小のズッカーマン数である。
  • 九九で表せない(登場しない)整数のうち最小の数である。なお11以上の素数は九九には登場しない。
  • ハーシャッド数でない最小の自然数である。
  • 11の倍数について、偶数桁目の数字の合計と奇数桁目の数字の合計の差は 11 の倍数である。
    • 例: 11 × 8348 = 91828, (9 + 8 + 8) - (1 + 2) = 22 = 11 × 2
  • 2番目のグッド素数である。
  • 11は3n-1の形式の実数部・虚数部を持たないアイゼンシュタイン素数である。
  • ストロボグラマティック素数かつ二面角素数である。
  • ある数が11で割り切れれば、それを逆から書くと別の11の倍数になる。そして、ある数の全ての隣り合った桁の数字の和が9を超えていないならば、その数に11を掛け、それを逆から書いた数を11で割ると、もとの数を逆から書いた数が出力される(例えば142312×11=1565432、2345651/11=213241)。
  • 99/11=9なので、分母が11である分数十進法表示で2つの数字が繰り返される連鎖を持つ。
  • 6進数と8進数において、各桁の数字の和が合成数になる最も小さな素数は11である。
  • 10進数において、ある整数が11で割り切れる数かを判定する簡単なテストがある。奇数桁にある数を全て加え、それから偶数桁にある数を全て加える。これらの差が11で割り切れる場合、その整数は11で割り切れる[1]。例えば、65637を例に取ると、(6+6+7)-(5+3)=11なのでこれは11で割り切れる。このテクニックは個々の数字というよりも、各グループにおける数字の数が奇数であれば、たとえ同じ数でなくても、数字のグループに対して適用できる。例えば、65637を例に取ると、3桁ずつとって65-637=-572(11で割り切れる数)となる。
  • 11で割り切れるかどうかの別のテストは、2つの連続した数字のグループに数を分割し(数が奇数ならば先頭に0を加える)、分割された数を加算することである。その結果が11で割り切れるならば、その数は11で割り切れる。例えば、数65637に対し、06+56+37=99なので65637は11で割り切れる。最後に0を加えてもこの演算は成立する。例えば、数65637に対し65+63+70=198は11で割り切れる。全てのグループが偶数個の数字(全てのグループが同じ数の数字を持つ必要はない)を持っているならば、これはまたより大きな数字のグループに対して成立する。
  • 十進法で11とある数との乗法を簡単に行う方法は以下の通りである。桁数が:
    • 1桁 - 数を複製する(すなわち2×11=22である)。
    • 2桁 - 2桁を加えて、結果を真ん中に置く(すなわち47*11=4(4+7)7=517)。
    • 3桁 - 掛ける数の1番右の桁が結果の1番右の桁となり、結果の2番目の桁は掛ける数の1番右と2番目の桁の和であり、結果の3番目の桁は掛ける数の2番目と3番目の数の和であり、結果の4番目の桁は掛ける数の3番目の桁である。和が10以上である場合には1繰り上がる。例えば123*11=1(1+2)(2+3)3=1353、481*11=4(4+8)(8+1)1=5291である。
    • 4桁以上 - 3桁の場合と同様。
  • 10進数において、11は、ハーシャッド数でない最小の自然数である。
  • 13以上の進数(例えば十六進法)において、10がAであるのに対し11はBで表される。しかし、十二進法では時たま10がT、11がEと表される。
  • 11はシュテルマー数、ヘーグナー番号、およびミルズ定数によって生成される素数である。
  • 3変数のヘルムホルツ方程式変数分離のテクニックを使用して解くことができる、11の直角な曲線の(等角の対称の中への)座標系が存在する。
  • 35個のヘキソミノのうち11個が立方体を形成するため折りたたむことができる。66個のオクチアモンドのうち11個を八面体を形成するため折りたたむことができる。
  • 無作為に選ばれた分割数が11の倍数である確率は11分の1よりずっと高い。
  • ポリオミノの研究の指導者、および貢献者であるデイビッド・A・クラルネルによると、長方形を奇数個の矩形でない合同なポリオミノに切り分けることが可能である。11は、最も少ないそのような数、素数である唯一のそのような数、および3の倍数ではない唯一のそのような数である。

基本的な計算のリスト

乗法 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 50 100 1000
11 \times x 11 22 33 44 55 66 77 88 99 110 121 132 143 154 165 176 187 198 209 220 231 242 253 264 275 550 1100 11000
除法 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15
11 \div x 11 5.5 3.\overline{6} 2.75 2.2 1.8\overline{3} 1.\overline{571428} 1.375 1.\overline{2} 1.1
1 0.91\overline{6} 0.\overline{8}4615\overline{3} 0.7\overline{8}5714\overline{2} 0.7\overline{3}
x \div 11 0.\overline{09} 0.\overline{18} 0.\overline{27} 0.\overline{36} 0.\overline{45} 0.\overline{54} 0.\overline{63} 0.\overline{72} 0.\overline{81} 0.\overline{90}
1 1.\overline{09} 1.\overline{18} 1.\overline{27} 1.\overline{36}
冪乗 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
11 ^ x\, 11 121 1331 14641 161051 1771561 19487171 214358881 2357947691 25937421601 285311670611 3138428376721 34522712143931
x ^ {11}\, 1 2048 177147 4194304 48828125 362797056 1977326743 8589934592 31381059609 100000000000 285311670611 743008370688 1792160394037
1 5 10 15 20 25 30 40 50 60 70 80 90 100
110 120 130 140 150 200 250 500 1000 10000 100000 1000000
x_{11} \ 1 5 A_{11} \ 14_{11} \ 19_{11} \ 23_{11} \ 28_{11} \ 37_{11} \ 46_{11} \ 55_{11} \ 64_{11} \ 73_{11} \ 82_{11} \ 91_{11} \
A0_{11} \ AA_{11} \ 109_{11} \ 118_{11} \ 127_{11} \ 172_{11} \ 208_{11} \ 415_{11} \ 82A_{11} \ 7572_{11} \ 6914_{11} \ 623351_{11} \

11を作るための基本的な演算の一覧

+ \times \div
0 0 + 11\ 0 - (-11)\ N/A N/A
1 1 + 10\ 1 - (-10)\ 1 \times 11 1 \div 0.\overline{0}\overline{9}
2 2 + 9\ 2 - (-9)\ 2 \times 5.5\ 2 \div 0.\overline{1}\overline{8}
3 3 + 8\ 3 - (-8)\ 3 \times 3.\overline{6}\ 3 \div 0.\overline{2}\overline{7}
4 4 + 7\ 4 - (-7)\ 4 \times 2.75\ 4 \div 0.\overline{3}\overline{6}
5 5 + 6\ 5 - (-6)\ 5 \times 2.2\ 5 \div 0.\overline{4}\overline{5}
6 6 + 5\ 6 - (-5)\ 6 \times 1.8\overline{3}\ 6 \div 0.\overline{5}\overline{4}
7 7 + 4\ 7 - (-4)\ 7 \times 1.\overline{5}\overline{7}\overline{1}\overline{4}\overline{2}\overline{8}\ 7 \div 0.\overline{6}\overline{3}
8 8 + 3\ 8 - (-3)\ 8 \times 1.375\ 8 \div 0.\overline{7}\overline{2}
9 9 + 2\ 9 - (-2)\ 9 \times 1.\overline{2}\ 9 \div 0.\overline{8}\overline{1}
10 10 + 1\ 10 - (-1)\ 10 \times 1.1\ 10 \div 0.\overline{9}\overline{0}
11 11 + 0\ 11 - 0\ 11 \times 1\ 11 \div 1

科学において

天文学

音楽において

  • 1オクターヴと4番目の間隔は11番目である。完全な11番目の弦は全音階のほとんど全ての音符を持っている。
  • ファゴットのタブキーの数(ウィスパーキーをカウントしない)。少数のファゴットは12番目のタブキーを持っている。
  • モキュメンタリーThis Is Spinal Tapで、スパイナル・タップのアンプはアップ・トゥ・イレブンとなる。
  • イゴール・ストラビンスキーの春の祭典において、同じコードの11回の連続した繰り返しが存在する。
  • トゥールの歌Jimmyにおいて、数11は歌詞の中で何度も聞かれる。
  • 11 (アルバム)はUAのアルバム。

スポーツにおいて

  • サッカークリケットでは1度にフィールドの上に1チームあたり11人の選手がいる。学校で、フレーズ"the first football XI"および"the first cricket XI"は一般的に、現在プレーしている1番目のチームを指す。他のチームはしばしば"the second XI"などと呼称される。
  • また、サッカーにおいて、ペナルティスポットがゴールラインから約11m(正確に12ヤード)の所にあるので、ドイツ語(および、場合によってはメートル法を使用する他の国)でペナルティーキックは"Elfmeter"と称される。ポジション名が取られたピラミッドフォーメーションでは、左のウィングフォワードが11を着けた。現代のゲーム、特に4-4-2フォーメーションを使用する場合において、左サイドのミッドフィールダーが着ける。フォワードが着けることもある。
  • フィールドホッケーチームは11人である。サッカーにおいてそうであるように、11を身に着けている選手は通常左側でプレイする。
  • アメリカンフットボールで同時にフィールドでプレーできるのは11人である。
  • ラグビーユニオンではレフトウィングが11を着けている。
  • ラグビーリーグは、11は2列目のフォワードが付ける。
  • クリケットでは、11番目の打者は通常テイルエンドと呼ばれ最も弱い打者である。
  • 阪神タイガースの背番号11は村山実投手の永久欠番である。

軍隊において

コンピューティングにおいて

カナダで

  • カナダの国旗の上にある特定の型にはめられたカエデの葉は11個の点を持っている。
  • カナダの1ドル硬貨は十一角形である。
  • カナダの通貨、例えばカナダの50ドル札の上で描き出された時計は11時を示す。
  • カナダの通貨11種類が大量に生み出される。
  • カナダの地方の君主政治のため、君主が連邦のレベルでだけでなく各州が別々に表されている状態で、11個の法律上別個の冠が国に有効に存在する。

その他 11 に関すること

歴史に関する 11

関連項目

参照

  1. ^ Higgins, Peter  (2008). Number Story: From Counting to Cryptography. New York: Copernicus, p. 47. ISBN 978-1-84800-000-1. 
  2. ^ Keyboard Shortcuts for Internet Explorer 4

1+1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/01/08 13:52 UTC 版)

1+1(いちたすいち)は、加法数式のひとつである。しばしば、最も単純な計算問題として言及され、様々な比喩に用いられる。計算結果が 2 とされる初等的な意味の他にも、抽象的な意味を持ち得る。

目次

初等的な意味

一般に、加法の最も素朴な意味は「合併」であり、多くの初学者は 1+1=2 の意味として「1つのリンゴと1つのリンゴを合わせると、全部で2つのリンゴになる」といった理解の仕方をする。「合併」と似た意味であるが、初等教育において厳密には区別されるものとして「添加」がある。例えば、「1人の乗客が乗ったバスに、もう1人乗客が乗ってくると、乗客は全員で2人になる」といったものであり、この場合 1+1 のふたつの 1 は区別される。すなわち、+ の前の 1 は足される数であって最初から乗っていた乗客を表し、+ の後の 1 は足す数であって後から乗ってきた乗客を表す。

以上の例では、1 はものの個数を表す基数であるが、1 のような自然数を表したり、順序を表す序数である場合がある。1 が量を表す例としては「1リットルの水と1リットルの水を合わせると2リットルの水になる」などがあり、順序を表す例としては「徒競走で1番の人の1番後の人は2番である」などがある。このように、初等教育の範囲内においてさえ、1+1 は様々な意味を持つ抽象的な概念である。

数学基礎論

初等教育では 1+1=2 は自明のこととして扱われるが、公理から出発して証明された命題のみを真実として認める、というエウクレイデス以来の哲学からすると、1+1=2 の論理的な位置付けを明らかにすることが望まれる。数学基礎論が整備されつつあった時代に、ホワイトヘッドラッセルは、数学の基礎的な部分を完全に形式的に展開することを目標として『プリンキピア・マテマティカ』を著した。この書物では、記号論理学的な準備に数百項が費やされており、実際に十進法の演算が定義されて 1+1=2 が証明されるまで700ページあまりを必要としている[1]

『プリンキピア・マテマティカ』は、先駆的な仕事であったものの、現代的には批判もあり、自然数の定義として通常採用されるのはペアノの公理である。それによると、自然数の間に「後者関数」と呼ばれる関数 suc(a) が与えられ、1 の「後者」suc(1)(これを 1+1 とも書く)が 2 と定義される。すなわち、この文脈においては、1+1=2 は定義である。一方、1+2=3 などは証明が必要である。

抽象代数

などの抽象代数においては、1 は乗法における単位元を意味し、加法は個数の合併という意味を離れた抽象的な二項演算である。

例えば、2元体 F2 は、乗法の単位元 1 と加法の単位元 0 のみをにもち、この世界においては 1+1=0 である。F2Z/2Z(整数全体の集合 Z を、2 を法とする合同関係で類別した同値類の集合)と見なせば、1 は奇数、0 は偶数を表し、1+1=0 は「奇数と奇数の和は偶数」であることを表していると見なせる。もしくは、F2 における加法は、1 を真、0 を偽とした排他的論理和を意味していると見なすこともできる。この演算は、暗号理論符号理論ニムの必勝法などに応用がある。

数学を離れた転用の例

日常的に使われる比喩として、「一足す一が二にならない」という表現で、机上の論理が必ずしも現実に役に立たないことや、理性より感情や直感を重んじるべき場面であることを表す。他に、理不尽である、神秘的である、といったニュアンスも持つ。また、「一足す一が三になる」(もしくは「三以上になる」)という表現で、相乗効果があることを意味する場合がある。

脚注

  1. ^ プリンキピア・マテマティカ、第2巻、*110.643 で、1+1=2 が証明された、と宣言されている。

参考文献

  • 遠山啓編『現代数学教育事典』明治図書出版、1965年 ISBN 978-4-18-500114-4
  • A. N. Whitehead, B. Russel; Principia Mathematica, 3 Vols, Cambridge University Press, 2nd ed, 1925 (Vol. 1), 1927 (Vols 2, 3)

1/1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/10/06 02:42 UTC 版)

1/11分の1、いちぶんのいち)は、分数において実質的に 1 を表す。通常であればこれは不要な、意味のない表現であり、それが意味をもつのは、例えば 1/21/10 のような他の分数と対比して考えられる時である。地図建築模型などの精密な模型(スケールモデル)などの縮尺を表すために、1/○○ というように、1 を分子とする分数で表す表示法があるが、それとの対比において、1/1 は実物大、等身大であることを示す表示に用いられる。

ところで実尺の地図を作る必要はないであろう。その場合は本物の地形を眺めれば用が足りるからである。しかし鉄道模型や航空模型については、構造や性能の検証のために原寸大の模型を作ることがしばしば行われる。このような模型はそれが構造を模したにすぎないときモックアップ(木型)と呼ばれ、最低限の機能を有しているときプロトタイプと呼ばれる。

このように 1/1 スケールは有用性を持つことがあるが、それだけではなく、趣味の世界でも珍重されることがある。実寸大のジオラマを前にすればその迫力に圧倒されるであろうし、フィギュア人形の愛好家にとって等身大モデルを持つことは一つの夢であろう。このことの持つ魅力は、実際の地形の中にいることや、その人形がモデルにしている実在の人物に会うことに優るとも劣らない。むしろ実際のものとは違う次元で感得されている。それは模倣(ミメーシス)に快感を覚えるわれわれの欲望の一つのかたちなのである。


正の数と負の数

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/06/15 15:23 UTC 版)

(11 から転送)

正の数(せいのすう、positive number)とは、0より大きい実数である。負の数(ふのすう、negative number)とは、0より小さい実数である。数学において負の数はマイナス記号を数字の前につけて表されるが、簿記などにおいて数字を赤くしたり括弧でくくることによって表すこともある。

ゼロ自身は正でも負でもない。負でない数とはゼロより小さくない(つまり、正かゼロの)実数である。正でない数とはゼロより大きくない(つまり、負かゼロの)実数である。

複素数の体系で考えている場合、そのうち実数についてのみ正負を論じ、虚数は正でも負でもないとされる。例えば「正の数」と言えば、それが実数であることを暗黙のうちに含意するが、明確化のために「正の実数」と言うこともできる。

一般に順序体において、零元より大きな元を正の元、零元より小さな元を負の元という。順序体ではない、例えば複素数体、有限体p 進数体においては、四則演算と両立する正負の概念を定義することができない。

目次

負の数

負の整数は、方程式 xy = z がどんな xy に対しても、 zに関する方程式として意味をもつように自然数の体系を拡張して得られるものだと考えられる。このような負の整数の捉え方と同様にして、負の有理数や負の実数も得られる。

負の数は、温度のように目盛り上でゼロより低くなる値を記述するのに役立つ。簿記においても、負債の表現に使用できる。簿記において、負債はしばしばい数字や括弧でくくった数字によって表す。

負でない数

実数はゼロに等しいかそれより大きい(すなわち正であるかゼロである)ときかつそのときに限り、負でない。したがって負でない整数はゼロ以上の全ての整数であり、負でない実数はゼロ以上の全ての実数である。

行列の正負

行列Aについて、A負でないということを、Aのすべての成分が負でない、というふうに定めることができる。このとき、実行列のうちには正とも負とも言えないものもあることになる。また、行列Aについて、Aの全ての正方部分行列の行列式が負でないとき、Aのことを完全に非負(行列理論)あるいは、完全に正(コンピュータ科学者)と呼ぶことがある。

一方で、線形代数的な観点から、実対称行列やより一般に複素エルミート行列について、上とは異なった正負の概念がしばしば用いられる。エルミート行列Aは、その固有値の全てが負でないときに、負でない(あるいは単に、正である)とよばれる。Aが負でないということはある行列BについてAB*.Bと書けることと同値になる。

符号関数

定義域が実数であり、正の数に対して1を、負の数に対して−1を、ゼロに対して0を返す関数 sgn(x) を定義できる。この関数は符号関数と呼ばれることがある。

\sgn(x)=\left\{\begin{matrix} -1 & : x < 0 \\ \;0 & : x = 0 \\ \;1 & : x > 0 \end{matrix}\right.

このとき(x=0の場合を除き)以下の式が得られる。

\sgn(x) = \frac{x}{|x|} = \frac{|x|}{x} = \frac{d{|x|}}{d{x}} = 2H(x)-1.

ここで |x| は x絶対値であり、H(x) はヘヴィサイドの階段関数である。微分法も参照。

複素符号関数

定義域が複素数であり、正の数に対して1を、負の数に対して-1を、ゼロに対して0を返す csgn(x) を定義できる 。この関数は複素符号関数と呼ばれることがある。

\operatorname{csgn}(x)=\left\{\begin{matrix} -1 & : x < 0 \\ \;0 & : x = 0 \\ \;1 & : x > 0 \end{matrix}\right.

複素数の大小は以下のように解釈する。


\begin{cases}
 x>0 \iff \operatorname{Re}(x) > 0 \vee (\operatorname{Re}(x) = 0 \land \operatorname{Im}(x) > 0) \\
 x<0 \iff \operatorname{Re}(x) < 0 \vee (\operatorname{Re}(x) = 0 \land \operatorname{Im}(x) < 0) \\
\end{cases}

符号付き数の算術演算

加法減法

加法と減法の目的では、負の数は負債と考えることができる。

負の数を加えることは対応する正の数を引くことに等しい。

5 + (−3) = 5 − 3 = 2
(¥5を持っていて¥3を借りたら、純資産は¥2である)
–2 + (−5) = −2 − 5 = −7

減算と負符号の概念の混乱を避けるため、負符号はしばしば上付きで書かれる。

2 + 5 = 2 − 5 = 7

正の数をより小さな正の数から引くと、結果は負となる。

4 − 6 = −2
(¥4を持っていて¥6を使ったら、負債¥2が残る)

正の数を任意の負の数から引くと、結果は負となる。

−3 − 6 = −9
(負債が¥3あってさらに¥6を使ったら、負債は¥9となる)

負の数を引くことは対応する正の数を加えることと等価である。

5 − (−2) = 5 + 2 = 7
(純資産¥5を持っていて負債を¥2減らしたら、新たな純資産は¥7となる)

別の例

−8 − (−3) = −5
(負債が¥8あって負債を¥3減らしたら、まだ¥5の負債が残る)

乗法

負の数に正の数を掛けると、積は負となり、2つの負の数を掛けると、積は正となる。

−2 × 3 = −6
−4 × −3 = 12

これを理解する方法の1つは、正の数による乗法を加法の繰り返しと見なすことである。3 × 2 は各グループが2を含む3つのグループと考える。したがって、3 × 2 = 2 + 2 + 2 = 6 であり、当然 −2 × 3 = (−2) + (−2) + (−2) = −6 である。

負の数による乗法も加法の繰り返しと見なすことができる。例えば、3 × −2は各グループが−2を含む3つのグループと考えられる。

3 × −2 = (−2) + (−2) + (−2) = −6

これは乗法の交換法則を満たすことに注意

3 × −2 = −2 × 3 = −6

「負の数による乗法」と同じ解釈を負の数に対しても適用すれば、以下のようになる。

−4 × −3  =   − (−4) − (−4) − (−4)
=  4 + 4 + 4
=  12

しかし形式的な視点からは、2つの負の数の乗法は積の和に対する分配法則によって直接得られる。

−1 × −1  =  (−1) × (−1) + (−2) + 2
=  (−1) × (−1) + (−1) × 2 + 2
=  (−1) × (−1 + 2) + 2
=  (−1) × 1 + 2
=  (−1) + 2
=  1

除法

除法は乗法に似ている。被除数と除数の符号が異なるなら、商は負となる。

8 / −2 = −4
−10 / 2 = −5

両方の数が同じ符号を持つなら、商は(両方が負であっても)正となる。

−12 / −3 = 4

負の整数と負でない整数の形式的な構成

有理数の場合と同様、整数を自然数の順序対 (a, b) (これは整数 ab を表していると考えることができる)を下に述べるようにして同一視したものとして定義することによって自然数の集合N整数の集合Zに拡張できる。これらの順序対に対する加法と乗法の拡張は以下の規則による。

(a, b) + (c, d) = (a + c, b + d)
(a, b) × (c, d) = (a × c + b × d, a × d + b × c)

ここで以下の規則により、これらの順序対に同値関係 ~ を定義する。

(a, b) ~ (c, d) となるのは a + d = b + c なる場合、およびこの場合に限る

この同値関係は上記の加法と乗法の定義と矛盾せず、ZN2の ~ による商集合として定義できる。すなわち2つの順序対 (a, b) と (c, d) が上記の意味で同値であるとき同一視する。

さらに以下の通り全順序Zに定義できる。

(a, b) ≤ (c, d) となるのは a + db + c となる場合、およびこの場合に限る

これにより加法の零元が (a, a) の形式で、(a, b) の加法の逆元が (b, a) の形式で、乗法の単位元が (a + 1, a) の形式で導かれ、減法の定義が以下のように導かれる。

(a, b) − (c, d) = (a + d, b + c).

負の数の起源

長い間、問題に対する負の解は「誤り」であると考えられていた。これは負の数を実世界で見付けることができなかったためである(例えば、負の数のリンゴを持つことはできない)。その抽象概念は早ければ紀元前100年紀元前50年には認識されていた。中国の『九章算術』には図の面積を求める方法が含まれている。赤い算木で正の係数を、黒い算木で負の係数を示し、負の数がかかわる連立方程式を解くことができた。紀元後7世紀ごろに書かれた古代インドの『バクシャーリー写本』[1]は"+"を負符号として使い、負の数による計算を行っていた。これらが現在知られている最古の負の数の使用である。

プトレマイオス朝エジプトではディオファントス3世紀に『算術』で 4x + 20 = 0 (解は負となる)と等価な方程式に言及し、この方程式はばかげていると言っており、古代地中海世界に負の数の概念がなかったことを示している。

7世紀の間に、負の数はインドで負債を表すために使われていた。インドの数学者ブラーマグプタは『ブラーフマスプタ・シッダーンタ』(628年)において、今日も使われている一般化された形式の解の公式を作るために、負の数を使うことについて論じている。彼は二次方程式の負の解を発見し、負の数とゼロがかかわる演算に関する規則も与えている。彼は正の数を「財産」、ゼロを「0 (cipher)」、負の数を「借金」と呼んだ[2][3]12世紀のインドで、バースカラ2世も二次方程式に負の根を与えていたが、問題の文脈では不適切なものとして負の根を拒絶している。

8世紀以降、イスラム世界ブラーマグプタの著書のアラビア語訳から負の数を学び、紀元1000年頃までには、アラブの数学者は負債に負の数を使うことを理解していた。

負の数の知識は、最終的にアラビア語とインド語の著書のラテン語訳を通してヨーロッパに到達した。

しかし、ヨーロッパの数学者はそのほとんどが、17世紀まで負の数の概念に抵抗を見せた。ただしフィボナッチは、『算盤の書』(1202年)の第13章で負の数を負債と解釈し、後には『精華』で損失と解釈して金融問題に負の解を認めた。同時に、中国人は右端のゼロでない桁に斜線を引くことによって負の数を表した。ヨーロッパ人の著書で負の数が使われたのは、15世紀中のシュケによるものが最初であった。彼は負の数を指数として使ったが、「馬鹿げた数」であると呼んだ。

イギリスの数学者フランシス・マセレス[2]1759年、負の数は存在しないという結論に達した[4]

負の数は現代まで十分に理解されていなかった。つい18世紀まで、スイスの数学者レオンハルト・オイラーは負の数が無限大より大きいと信じており(この見解はジョン・ウォリスと共通である)、方程式が返すあらゆる負の解を意味がないものとして無視することが普通だった[5]。負の数が無限大より大きいという論拠は、\frac{1}{x} の商と、x が正の側から x = 0 の点に近づき、交差した時何が起きるかの考察によって生じている。

関連項目

脚注と参考文献

  1. ^ Hayashi, Takao (2005), "Indian Mathematics", in Flood, Gavin, The Blackwell Companion to Hinduism, Oxford: Basil Blackwell, 616 pages, pp. 360-375, ISBN 978-1-4051-3251-0.
  2. ^ Colva Roney-Dougal, Lecturer in Pure Mathematics at the University of St Andrews, stated this on the BBC Radio 4 "In Our Time", on Negative Numbers, 9 March 2006.
  3. ^ Knowledge Transfer and Perceptions of the Passage of Time, ICEE-2002 Keynote Address by Colin Adamson-Macedo. [1]
  4. ^ Maseres, Francis, 1731–1824. A dissertation on the use of the negative sign in algebra, 1758.
  5. ^ Alberto A. Martinez, Negative Math: How Mathematical Rules Can Be Positively Bent, Princeton University Press, 2006; おもに1600年代から1900年代前半にかけての、負の数に関する論争の歴史。

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