三省堂 大辞林 |
じんかん 0 【人間】
にんげん 0 【人間】
(2)(ある個人の)品位・人柄。人物。
「なかなかの―だ」「あの人は―ができている」
(3)人の住む世界。世間。世の中。じんかん。
「わがすることを―にほめあがむるだに興ある事にてこそあれ/大鏡(実頼)」
〔「にん」「けん」ともに呉音〕
» (成句)人間到る処青山あり
» (成句)人間は万物の尺度である
» (成句)人間万事塞翁が馬
» (成句)人間僅か五十年
ひとま 【人間】
物語要素事典 |
人間
★1a.神が人間を造る。
『イソップ寓話集』(岩波文庫版)240「プロメテウスと人間」 ゼウスの命令でプロメテウスが人間と獣を造るが、獣が多すぎたので、いくらかをつぶして人間に造りかえた。その結果、姿は人間でありながら、獣の心を持つものができた。
『イソップ寓話集』(岩波文庫版)430「人類の創造」 プロメテウスが粘土から人間を造った時、粘土を水ではなく涙と混ぜた。だから、人間から涙を切り離すことはできない。
『エヌマ・エリシュ』(古代アッカド) マルドゥーク神は原母神ティアマトと闘い、これを倒す。ティアマトをそそのかし戦争をひき起こした悪神としてキングが召還される。マルドゥークをはじめとする神々たちはキングの血管を切り、流れる血から人間を造り出す。人間は神々の下働きをするよう定められる。
『仕事と日』(ヘシオドス) ゼウスが人類に禍いを与えようと考え、ヘパイストスに命じ、土を水でこねて人形を造らせる。人形には、美しい乙女の姿・冠や首飾り・甘い言葉に不実な心など、さまざまなものが神々から贈られ、パンドラ(パンドレ)と名づけられる。パンドラはエピメテウスの妻になる。
『二人兄弟の物語』(古代エジプト) 兄夫婦と別れ、杉(あるいは松)の谷で一人暮らすバタを神々が憐れみ、陶工神クヌムが、すべての神々の種子を入れた絶世の美女を造り、バタに妻として与える。しかし妻は後にバタを裏切る→〔夫〕5a。
『封神演義』第14回 太乙真人が、蓮花二つ・蓮葉三枚を三才(天地人・上中下・頭身脚)にかたどって机上に配置し、数百年かけて煉った金丹を用いてナタ(ナタク)の魂魄を蓮葉に導入すると、ナタは人間の形となって机上に起き上がり、床に跳び下りた。
*→〔木〕4eの『ギュルヴィたぶらかし(ギュルヴィの惑わし)』(スノリ)第9章。
*神が人間を祝福する→〔神〕7bの『人間万歳』(武者小路実篤)。
『饗宴』(プラトン) 原始時代の人間には、男・女・両性具有の、三種の性があった。男は太陽から、女は地球から、両性具有者は月から発生したため、身体は球状だった。彼らは一つの身体に、二つの顔・四本の手・四本の足を有していた。ある時、ゼウスが球状人間たちの身体を、縦に真二つに切り離し、それ以来、彼らは互いにもとの半身を求め合うようになった。これが、男女の愛・男性同士の愛・女性同士の愛の起源である〔*アリストファネスが語る物語〕。
★2.鬼が人を造る。
『長谷雄草子』(御伽草子) 朱雀門の鬼が、いろいろの死人の良い部分を集めて女を作った。百日過ぎれば、魂が定着して本当の人間になるはずだった→〔百〕1。
★3.骨をつないで人を造る。
『エゼキエル書』第37章 主なる神の霊が、「わたし(エゼキエル)」を多くの人々の骨が満ちた谷へ置く。「わたし」が主に命ぜられたように預言すると、カタカタと音をたてて骨と骨が近づき、その上に筋と皮が生じて、彼らは生き返り、ついには大集団となった。
『加賀見山再岩藤(かがみやまごにちのいわふじ)』「汐入馬捨場」 局(つぼね)岩藤が、中老尾上を自殺に追い込む(*→〔仇討ち〕6の『鏡山旧錦絵』)。尾上の召使お初が、主人の仇の岩藤を斬って二代目尾上となる。一年後、二代目尾上が先代の命日に墓参りをし、汐入堤の馬捨場まで来ると、土手に散らばった白骨が寄り集まって岩藤の姿になる。岩藤は恨みの言葉を尾上に浴びせた後、日傘をさして宙を飛んで行く。
『還城楽物語』(御伽草子) 馬頭女が亡き父竜王の骨をつないで再び生前の姿にもどすが、おとがいの骨一つが足らなかったので、代わりに納蘇利の大臣の膝のふしを取って、これを糸でつなぐ。竜王は馬にうちまたがり、還城楽の軍勢と闘う〔*『入鹿』(幸若舞)中でも、同様の話が入鹿の口から語られる〕。
『撰集抄』巻5-15 西行が高野の奥に住んでいた頃、死人の骨をとり集めて反魂の秘術をおこない、人を造ったことがあった。しかし、色悪く心もなく、声は吹き損じた笛のごとくであった。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』(ディック) 核戦争後の地球は死の灰に汚染され、多くの人々が他の惑星に移住する。異星環境下でも作業できるアンドロイドが大量に生産され、次々に新型が開発されるにつれて、外見はもとより内臓や血液も人間そっくりになり、アンドロイドが地球に侵入しても人間と区別がつかない。疑似記憶を移植されて自分を人間だと思うアンドロイドがおり、逆に、自分はアンドロイドかも知れぬと疑う人間もいる〔*『ブレードランナー』(スコット)の原作〕。
『フランケンシュタイン』(メアリ・シェリー) 科学者フランケンシュタインが、死体を素材として人造人間を作る。本来善良な心を持っていた人造人間は、醜怪な姿ゆえ人々に恐れられ迫害されたため、人類を憎悪し何人かを殺す。フランケンシュタインは人造人間を殺すべく、北極の氷原に追いつめるが、力尽きて死ぬ。人造人間も最北の果てに姿を消し、自らを火葬する。
『フランケンシュタイン』(ホエール) 死体から作られた人造人間は、怪物のごとき容姿だったが、湖畔で出会った少女は、彼を見ても恐がらなかった。少女は怪物に花を手渡し、二人は花を水に浮かべて遊ぶ。花がなくなったので、怪物は花の代わりに少女を浮かべようと、湖へ投げ入れる。少女は水死する。怪物は山の風車小屋に立てこもり、群集に火をかけられて焼け死ぬ〔*同類の物語を落語の形で語るのが、→〔子捨て〕5の『後生鰻(うなぎ)』〕。
『未来のイヴ』(リラダン) 完璧な美女アリシャは凡庸で俗悪な魂を持っていたので、恋人のイギリス貴族エワルド卿は失望する。アメリカの発明家エディソンが、アリシャそっくりでしかも高雅な魂を持つ人造人間ハダリーを造り、エワルド卿に与える。しかし、船火事でハダリーは焼けてしまう。
『ロストワールド』(手塚治虫) 豚藻博士はふとって醜かったので、誰も嫁に来ない。そこで豚藻博士は植物から人間の少女を造り出し、妻にしようと考える。しかし豚藻博士はママンゴ星で恐竜に食われてしまう。植物から造られた少女あやめは、敷島健一少年とともにママンゴ星に住む(*→〔地球〕4)。遠い未来、彼らの子孫である動植物人が、地球人と握手することになるであろう。
*瓶(びん)の中の人造人間→〔瓶(びん)〕1の『ファウスト』(ゲーテ)第2部第2幕。
*美貌の人造人間→〔両性具有〕1の『メトロポリス』(手塚治虫)。
*動物を人間に改造する→〔島〕6bの『モロー博士の島』(ウェルズ,H・G・)。
*人間の心を改造する→〔心〕1bの『時計じかけのオレンジ』(キューブリック)。
『第四間氷期』(安部公房) 地球は今、五千万年に一度の変動期を迎えつつあり、今後、海底火山のいっせい噴火により、海面が毎年三十メートル以上も上昇し、四十年後には千メートルを越えて、人類の生存が困難になる、との予測がなされる。極秘のうちに対策が検討され、海底植民地開発協会が、妊娠中絶された胎児を買い取り、水棲人に育て上げて、彼らに人類の未来を託そうとする→〔分身〕2a。
『モロー博士の島』(ウェルズ,H・G・) モロー博士の島からイギリスに帰った「私(プレンディック)」は(*→〔島〕6b)、日々出会う男女たちが退化して獣性をあらわすのではないか、との不安を覚えた。町へ出ると、女たちが猫のようにすり寄ってくる。疲れた労働者は傷ついた鹿のようだ。牧師の説教は、猿のたわ言に聞こえる。図書館で熱心に読書する人々は、獲物を待ち受ける獣に見えるのだった。
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人間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/01/09 03:25 UTC 版)
人間(にんげん)は、社会的なありかた、関係性、人格を中心にとらえた「ひと」あるいは「人」のことである。また、その存在のありかた全体を指すこともある。
- ^ 土井かおる『よくわかるキリスト教』p.29, PHP研究所, 2004, ISBN 456963494X
- ^ 土井かおる『よくわかるキリスト教』p.38
- ^ 土井かおる『よくわかるキリスト教』p.38
- ^ (尾崎和彦『生と死・極限の医療倫理学』創言社, 2002, p.264)
- ^ 土井かおる『よくわかるキリスト教』p21
- ^ アウグスティヌス以前には原罪という思想は明確にはなかった、また東方正教会にもなかった、とされる。(土井かおる『よくわかるキリスト教』p.20)
- ^ 尾崎和彦『生と死・極限の医療倫理学』創言社, 2002, p.264
- ^ 尾崎和彦『生と死・極限の医療倫理学』創言社, 2002, p.264
- ^ 尾崎和彦『生と死・極限の医療倫理学』創言社, 2002, p.264
- ^ 表現自体は「書経」の泰誓上から来たものである
- ^ こうした観点を端的に表現した概念としては、社会生物学の「利己的遺伝子」の概念などが挙げられるリチャード・ドーキンスの著『利己的な遺伝子』で広く知られるようになった)
- ^ 生物学的観点だけで人間のことを探求し記述したとしても人間のことを把握したことにはならないということである。ただし社会学などの、文化的側面が生物学的側面と独立している、あるいは対比的であるという前提についてはE.O.ウィルソン『知の統合』などの批判はある
- ^ 「ホモ・エコノミクス(経済人)」といった表現もある。
- ^ 勿論その時代にあっても多くの場合は相手も同じ人間である(理解し合うこともできるし、子供も作れる)ということを理屈の上では理解していたであろう。しかし感情的に同類と見なすことができなかったのである。
- ^ 養老孟司『死の壁』新潮社、2004年、90~94項
- ^ ヒト科ヒト属に属するヒト
- ^ もしも 地球外生命、異人類が存在し、もしも それが独自の文化や社会(いわゆる宇宙人、地球外文明)を形成していたとした場合には、「どの段階から人間として尊重すべきか?」「彼らがその形質上において地球上の生物とは異なる存在であろうとも、その何等かの特徴を持って人間として扱うべきではないか?」「ヒトという動物の中の一種族のみが人間と言えるのか?」「文化や知能が一定レベル以上であれば人間と見なしてもよいのではないか?」などということを大真面目に考えたり議論したりしている者たちもいるということである。SF作品(あくまでフィクション)では、我々の考える所の人道と同じ概念を共有出来る生命ならばそれは即ち人間である、などとして物語を展開することなどは多々見受けられる。
- ^ 俗に、「人」という漢字には、2つの存在が支えあっている様子が描かれている、ともいう。
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