三省堂 大辞林 |
みぶん 1 【身分】
「―を保障される」「―を証明する物」
(2)境遇。
「よい御―だ」
(3)封建社会における制度的階級序列。西洋中世の貴族・僧侶・市民・農奴、日本江戸時代の士・農・工・商の類。
「―制度」
(4)法律が規定する関係としての地位。
物語要素事典 |
身分
『アルト・ハイデルベルク』(フェルスター) カールスブルク公国の皇太子カール・ハインリヒは、一年間の予定でハイデルベルクの大学に遊学する。彼は青春を謳歌し、町娘ケーティと恋をするが、大公の病気のため四ヵ月で宮廷に呼び返される。二年を経て、大公となり妃も決まった彼は、ハイデルベルクを訪れてケーティと再会し、永遠の別れを告げる。
『ジゼル』(アダン)第1幕 アルブレヒト伯爵が狩りに出て、村娘ジゼルに目をとめる。アルブレヒトはジゼルに近づくために身分を隠し、村人の装いをしてロイスと名乗り、二人は恋仲になる。しかし恋敵の森番ヒラリオンがアルブレヒトの正体を暴き、「アルブレヒトには、クールランド公爵の娘バティルダという婚約者がいる」と教える。ジゼルは、胸がはりさけて死ぬ。
『セヴィラの理髪師』(ボーマルシェ) アルマヴィヴァ伯爵は身分を隠し、学士や騎兵に変装してロジーヌに求愛する。後見人の老医師バルトローのもとからロジーヌを救い出し、結婚の約束をする時になってから、伯爵は自分の身分を明かす。
『ルイザ・ミラー』(ヴェルディ) ワルター伯爵の息子ロドルフォは、身分を隠して、領内の村娘ルイザと恋仲になる→〔縁切り〕。
『大津順吉』(志賀直哉) 「私(大津順吉)」は、文科大学の学生である。父は鉄道会社の取締役で、「私」の家には何人かの女中がおり、書生もいた。「私」は、「私」付きの女中である十七~八歳の千代を恋し、求婚する。「私」が千代に接吻すると、千代は気を失う。「私」と千代は、事実上の夫婦になる。しかし父は「私」たちの結婚を認めず、千代を実家へ帰してしまう。「私」は激しく怒り、鉄亜鈴を自室の床にたたきつける〔*「私」と千代のその後については、→〔予言〕5の『過去』〕。
『海士(あま)』(能) 藤原淡海大臣が身分をやつして讃岐志度の浦へ下り、賤しい海士(=海女)と契って男児をもうける。海士は、男児を淡海大臣の世継ぎとすることを条件に、海底の龍宮へ面向不背の玉を取りに行く。海士は命を捨てて玉をもたらし、男児は房前の大臣となる。
『狭衣物語』巻1 二位中将狭衣は、悪法師の手から救った飛鳥井女君と契りを結びつつも、自分の身分を隠し、検非違使別当の子の少将と思わせようとする。しかし女君は狭衣の正体を察し、身分の差を嘆く。
『釣りそこねた恋人』(O・ヘンリー) 画家で百万長者で旅行家で詩人のカーターが、デパートの売り子メイシイをデートに誘う。メイシイは、カーターを食料品店の店員などであろうと考える。カーターは「結婚したら船に乗って、美しい絵や彫刻、宮殿や塔のある町に行こう。ヨーロッパを見終えたら、インドの寺院や日本の庭園を訪れよう」とプロポーズする。メイシイは「新婚旅行にコニーアイランドの遊園地へ連れて行くつもりなのだ」と思い、別れる。
★2b.逆に、良い家柄の・身分ある男だと思ったら、そうではなかった。
『食道楽』(三島由紀夫) 戦後間もない頃。歌子は戦前は裕福に暮らしていたが、今は未亡人となり、闇商売で生計を立てている。歌子は会社社長の宮島と知り合い、交際を始める。二人は、戦前の良き時代の軽井沢の高級ホテルの思い出や、料理の数々についての話題で、意気投合する。実は、宮島は戦後の成り上がり者で、前身はホテルのコックなのだった。そのことを知って歌子は呆然とするが、それでも宮島の求婚を受け入れた。
★2c.斜陽貴族の青年と、新興ブルジョアジーである村長の娘が、身分差を越えて結婚する。
『山猫』(ヴィスコンティ) 一八六〇年のシチリア島。山猫の紋章で知られる名門の当主サリーナ公爵は、革命騒ぎにも動ずることなく、大貴族としての生活を貫いていた。しかしすでに貴族の時代が去ったことを、彼は実感していた。彼がかわいがる甥タンクレディは、成金である村長の娘アンジェリカを気に入り、結婚したいと望む。平民の娘との縁組みには反対者が多かったが、政界・官界での出世を目指すタンクレディには資産家の娘との結婚が必要だ、とサリーナ公爵は考え、積極的に縁組みを進めるのだった。
『ローマの休日』(ワイラー) ローマ滞在中の某国王女アンは公式行事の連続に飽き、ひそかに街に出る。彼女は通信社のアメリカ人記者ジョーと出会い、ローマ市内観光の楽しい一日を経験するが、その日が終われば二人は別れねばならず、アンは再び王女としての、ジョーは記者としての、日常にそれぞれ戻る。
『無法松の一生』(稲垣浩) 日露戦争頃の九州小倉。虚弱な少年敏男が竹馬遊び中に堀に落ちて泣いているのを、人力車夫の無法松が助ける。それが縁で無法松は、敏男の父吉岡大尉やその妻よし子の知遇を得る。まもなく吉岡大尉は急病で死に、以後、無法松は、未亡人となったよし子と一人息子敏男に、献身的に尽くしてあれこれと世話をする。敏男が成長して熊本の高等学校へ入学した後に、無法松は病死する。遺品の中には、彼が敏男のために貯めた五百円の預金通帳があった〔*無法松が未亡人に恋心を打ち明ける場面があったが、映画封切り前の検閲でカットされた〕。
『古都』(川端康成) 苗子と千重子は双子だったが、苗子は北山杉の村で育ち、千重子は京都の呉服問屋の娘として育った。二人は二十歳の時に偶然めぐり合い、千重子の家では、苗子を引き取ろうとまで考えた。しかし苗子は、ただ一晩、千重子の家へ泊まりに来て、千重子と一緒に寝ただけで、「これがあたしの一生のしあわせどしたやろ」と言って、北山杉の村へ帰って行った。
『町人貴族』(モリエール) 成金の町人ジュールダンは、自らが貴族であるかのごとくよそおって暮らしている。彼は、娘リュシールと恋人クレオントの結婚を、「クレオントが貴族でない」との理由で、許さない。クレオントの従僕が「ジュールダンの亡父の友人」と称して訪れ、「あなたの父上は商人ではなく、貴族でした」と言ってジュールダンを嬉しがらせ、クレオントはトルコの王子に変装してリュシールに求婚する。ジュールダンは大喜びで、二人の結婚を認める。
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身分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/07/25 08:34 UTC 版)
身分(みぶん)とは、人の社会的状態の中で外形的なもののことである。- ^ a b 学校基本調査-平成21年度(確定値)結果の概要(文部科学省)
身分と同じ種類の言葉
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