主人公・並びに物語の中心人物
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「やすらぎの刻〜道」の記事における「主人公・並びに物語の中心人物」の解説
浅井(根来)しの(あさい(ねごろ) しの) 演 - 思春期、青年期(昭和編):清野菜名→晩年(平成編):風吹ジュン 山梨県西部の山間の集落「小野ケ沢」に生きる少女。養蚕農家・根来家の同業者の娘。B型。3歳の時に実母が死去。6歳で韮崎の本家の祖母宅に預けられるが、その祖母が死去して居づらくなる。家出を経て14歳の時分、訳あって根来家に引き取られてきた。底抜けに明るく、お転婆。細かいことは気にせず、どこか抜けている点がある。度胸は満点で特技は薙刀(県大会で2位に輝いたほどの腕前)。男子相手の喧嘩にも怯まずに立ち向かい、度々騒動を起こしてしまう。 やがて年頃になり、三平と密かに文通をし合う仲になる。 戦中の昭和16年には国防婦人会(大東亜戦争〈太平洋戦争〉の開戦後に大日本婦人会へと改められる)からの依頼により、近隣の女子たちに薙刀を教える。 アヤの死後、公平がたまたま見つけた公次からの手紙によると、元々は公次の妻となるために根来家に引き取られたとのこと。 成長するにつれ、道場で剣道の師範代を務めていた良吉にも心惹かれてゆく。 当初は戦争に肯定的で、戦争に行くことを躊躇う三平や公平を「弱虫」と突き放す。その後、「国のために働きたい」と根来家を離れ、横須賀の楠ヶ浦町にある海軍病院で働き始める。しかし、そこに運ばれて来る傷病兵の姿を目の当たりにし、次第に戦争への恐怖を感じるようになる。 公次と三平の死去後、海軍病院を辞め、再び根来家で暮らし始める。 根来家で再び暮らし始めてから三平の子どもを妊娠していることが発覚。当初は1人で育てるつもりだったが、公平と結婚する運びとなり、昭和18年10月に無事に剛を出産。 昭和23年、公平との間にできた竜を出産。 平成元年に竜に招待され、東京見物をするも馴染めずに早めに山梨へと戻る。このとき、孫の翔が気がかりとなり、公平のある作戦に加担し、連れ出すことに成功する。 山梨では四男家族と同居していたが、新居を建てるとのことで再び公平との2人暮らしに戻った。また、この頃から暇を見ては裂き織りを再開するようになる。 平成2年頃には縄を綯ったり桃の保護用袋がもったいないとの理由で新聞紙で大量に作る生活を送っている。なお、公平からは「「ほらほら」が増えた」「ホラホラばあさん」とツッコまれていた。 預かったしのぶのことは「自分に似ている」として気にかけている。なお、公平から「男が気になりだしたのはいつか」との問いには「14歳」とサラリと答え、動揺させる。 公平とみどりの関係には勘づいていたものの、翔に「妬かないのか」と問われると「久々に青春をしている」「熱が冷めれば治る」「春になれば治る」などと余裕を持って答える。 217話では翔の弟の昇になりすましたオレオレ詐欺に遭ってしまうが、詩子の機転によって未遂で終わる(この件に相当ショックを受けたよう)。 公平が剛に三平の子であると告げたとされる件については「言わなくていいことを言った」と立腹気味で「ボケかけている」「頭脳明晰だから自分で考えて」と厳しめなことを言う。 平成23年頃には87歳になっている。地震後、翔からしのぶらと連絡がつかないことを聞く。加え、公平が家を出て道に迷ってしまう事態にも遭う。地震後に会った竜の姿には「どうしてああなってしまったのか」と嘆く。しのぶらの無事を公平と祈り、239話にて里子とは再会する。 令和元年は96歳で健在である(裂き織りを続けている)。竜のことで警察が訪ねて来たときには動揺するも、公平には智恵を絞って「国勢調査」とごまかした。一方、「ときどき三平に会っている」と言い出したときには公平を呆れさせる。 245話時点で、圭夫婦によって勝手に自分らの土地が借金の返済に充てられていた事実を告げられ、その借金の額に愕然とする。 栄の当初の構想では、キャスティングは昭和編のしのを演じるのはアザミ、平成編のしのを演じるのは摂子であるが、のちに平成編のしのは律子が演じることになった。 栄一によると、天国では『道』が人気番組である一方でしのも人気があり、「しのちゃん会」なるファンクラブが結成されたという。 根来公平(ねごろ こうへい) 演 - 青年期(昭和編):風間俊介→晩年(平成編):橋爪功 山梨県西部の山間の集落「小野ケ沢」に暮らす、養蚕農家・根来家の四男。大正13年1月1日生まれ。家族が共に暮らす住所は「山梨県西巨摩郡山淵村字小野ケ沢一二六」。O型。小さい頃から“ついてない”ことばかり起きるため、13歳にして「うまくいかないのが人生」と達観し、夢や希望を持たずに生きていた。そんな折、同業者の娘・しのが根来家に引き取られて来て、家族に加わった彼女に一瞬で恋をしてしまう。口癖は「ついてない…」。気が弱く、口は軽いほうである(祖父譲りらしい)。しのからは「弱虫」と言われている。なお、老年期においても幽霊や怪談話は苦手なようであり、よくチョボクレを歌うようになっている(煙草を吸っており、酒も好きなようである)。 人生うまくいかないことばかりで同級生らからの、からかいの対象になっている。三平の死など紆余曲折を経て、1歳上の初恋の相手・しのと結ばれ、家族を築く。 平成編では竜に招待されて東京見物をするところから本編が始まる(ときどき本編のナレーションも担当)。竜の東京での生活に驚きつつ、引きこもりがちな翔に気が付く。そして「土に触れていないから」との独自の見解から、とある作戦を思いつき、翔を東京から連れ出すことに成功する。 当初は四男家族と同居していたが、四男家族は新居を建てるとのことで再びしのとの2人暮らしに戻った(このことについては肯定的に受け取っていた)。なお、農家の仕事を大きくしていくことには反対の立場である。 平成2年頃には翔に続き、里子の娘・しのぶのことも預かることとなり、ニキビに自慢する。 平成4年の年末には孫らの顔を見ることができ、久々に賑やか正月を過ごす。 平成10年の秋頃に、居酒屋のママのみどりと出会い、格好つけるために「女房はいない、死んだんだ」「子どもは1人いたが行方不明」などと嘘をつく(しのには申し訳なく思っていたが、欲望には勝てずに再び会いに行った)。みどりと良い仲になっていたところ、突然やって来たみどりの兄との間にひと騒動起きる(当初は本当に後悔していたが、翔から手助けされるうちに「若いうちには苦労したほうがいい」と心の声を漏らすようになっていた。この件を聞いた巌からは「どうにもならん」と言われていた)。また、測量のやり直しによって土地を失うという憂き目にも遭ってしまう。一方、翔と詩子の結婚が決まり、翔が新たにブドウ栽培を始めるという出来事には喜んでいた。 216話では長年の親友であったハゲを失う。 平成12年時点ではとうとうニキビが小野ヶ沢を去り、幼なじみが1人もいなくなってしまう。 剛に三平の子であると告げた件では、しのには「記憶にない」と発言する。が、自信がなく、みどりの居酒屋で剛に確認をする。 平成23年時点では86歳である。地震に巻き込まれ、翔がしのぶを案じる様子を見るにつけ、若い頃の空襲時にしのを探し回った自分を重ね合わせる。そして、なぜだか、気が付くと子どもの時分から歩き慣れたはずの道を歩いており、そのうちに帰り道も分からなくなって迷ってしまう。発見された直後に泣き出し、疲れ果てて眠るも1晩経つと平静を保っていた。地震後にやって来た竜の言動には立腹し、竜を殴りつけた剛には同調していた。 令和元年は95歳であり、足腰が弱り、独り言が増えているが健在である(チョボクレも健在)。240話では夢か現実か、過去の自分との対面を果たす。竜の逮捕は報道番組で知り、愕然とする。 245話時点では、とうとう先祖代々の土地を失う憂き目に遭い、剛に引き取られることとなる。 栄の構想では、平成編の公平を演じるのは六郎である。なお、栄が『道』を作るにあたって最初に思い浮かべた光景は、ロクにとっての原風景である昭和19年ころの写真と全く同じ道を、ロクと同じ顔をした大人の公平が歩いている様子であったが、直後に栄は物語の開始時点における公平について「彼はまだ大人ではない」と考えを改め、若々しい顔立ちの公平へと姿を変えた。 根来アヤ(ねごろ アヤ) 演 - 岸本加世子 公平の母。四男二女を育てる、大らかな人柄であり、行き場のなくなったしのを家族として温かく受け入れる。 46話にて、公次へ贈る裂き織りを作るための機織り中に倒れ、そのまま帰らぬ人となる(冴次の死から1年ほどしか経っていなかった)。なお、集落の人々は満蒙開拓団の準備のために忙がしく、葬儀は身内のみで行われた。 根来冴次(ねごろ さえじ) 演 - 佐戸井けん太 公平の父。声を荒げることは少なく、穏やかな物腰の優秀な養蚕農家である。不況によって生糸の値が下がり、元に戻る当てのない状況にはどうにもならず、苦悩していた。 21話にて、公平と三平、アヤやしのを連れて根来家の墓参りをした際、犬山の旦那から国策による食糧増産のために桑畑を潰してイモやカボチャを作らねばならなくなると言われたことを明かし、かつて自身の祖父としのの祖父が小野ケ沢に新種の桑である「一ノ瀬桑」を持ち込んで栽培を始め、小野ケ沢が「シルクの里」と持て囃される礎を作ったこと、公次が海軍航空隊に志願する気でいることも話した上で、三平が墓参りの最中でさえ絵に夢中になっているのを叱責した直後、突然心臓発作と思しき状態となり、しのと三平が懸命に心臓マッサージを行い、公平は助けを求めに走ったものの、それから10分もしない内に亡くなった。 アヤの葬儀に駆け付けた親戚の内、母方の伯母からの評判は良くなかった。 根来公一(ねごろ こういち) 演 - 佐藤祐基 根来家長男。A型。父亡き後は家長として、先祖代々の土地を守るべく、一家をまとめる。口数は少ないが、感情的になると一転して饒舌になる。 三平が戦争に行きたくないために鉄兵と同じように山へ逃げると言った際には「そんなことをすれば絶対に捕まって拷問を受けることになり、根来の家も非国民と見なされて、自分を含む全員も捕まって拷問を受ける」と怒鳴って反対した。しかし、その果てに三平が自殺を選んだのに対しては、真っ先に亡骸を抱きしめて涙を流し、その後は自分の言ったことが三平を追い詰めたのを後悔するかのように無口となった。それから程なくして、紀子が亡くなったとの知らせを聞いた際には公平と共に水沼村へと駆け付け、鮫島家の意向で小屋ごと彼女の遺体を焼こうとしていた村の住人達を制して彼女を弔おうと試み、その姿勢に感化された住人達の手助けもあって無事に人並に弔うことが出来た。農家の当主や長男は兵役免除と事実上なっていたが、45歳までの成人男子を対象とする「根こそぎ動員」が導入されて、昭和20年に赤紙が届き、家の後の事を公平に託して6月に出征する。 天津の近くで武装解除され、ナホトカのラーゲリでの強制労働から帰還。戦地で恐怖心から人を殺めたことを悔い続け、ほとんど家に帰らず鉄兵の窯で炭焼きに没頭するようになる。 平成編では既に亡くなっており、その詳細は作中では描かれていないが、仏壇に飾られている遺影を見る限り「中年のおじさん」と呼ばれるような歳になるまでは健在であった模様。 根来公次(ねごろ こうじ) 演 - 宮田俊哉 根来家次男。公平の兄(登場時は17歳)。生真面目な人柄で、口下手だが、働き者で家族思い。 生糸の値が下がったまま戻らず、加えて日本を取り巻く情勢が厳しくなるにつれ、海軍(航空隊)へ志願し、三平に家族を託す。公平に対し、自身が海軍を志すきっかけの一つが、在りし日の冴次から聞いた「日本では見ることの出来ない、南半球の星空に浮かぶ南十字星」をこの目で見ようとの思いであることを示唆する発言をしている。 公平がアヤの死後に発見した若き日の冴次がアヤ宛に送った手紙とは別にあった公次自らがアヤに送った手紙によると、しのが根来家に引き取られた際に「もしかしたら、将来、自分の妻にしようとアヤや冴次が考えていたのでは」と察しており、加えて両親の望みが自分たち兄弟皆がそろって桑畑を耕して穏やかに暮らすことであったのを分かってはいたが、先述の状況故に海軍を志し、加えてしのとの結婚も「軍人ならいつ死ぬのかわからないから、彼女を悲しませてはいけない」と断っていたことが明かされた。 アヤの葬儀には間に合わなかったが、配属先の霞ヶ浦から無事に(一時的ではあるが)小野ケ沢へ戻って来る。 第68話にて、再び小野ヶ沢へ戻って来る(その頃には気持ちを落ち着けるために煙草を吸うようになっていた)。 第69話で根来家の墓参りを済ませ、家族それぞれとも言葉を交わした。その様子から、皆、口には出さなかったものの、公次なりの根来家への別れの挨拶であったことに気付いていた。また、本人の言によると「訓練生に毛の生えた程度」ながらも零戦の操縦士として、外地のラバウルへの転属が決まった、とのこと。 ある夜、信子や幸子が飛行服姿の公次と思わしき人影を家の前で目撃し、2人に呼ばれた公平もこれを目の当たりにしたのに対して、敬礼してさらに顔に笑みを浮かべてから幽霊のごとく姿を消す。これに対して根来家では南方で戦死した公次が霊となって家に帰って来たのではとの憶測が生じるが、それから程なくして公次からの手紙が届いたことで一同は安堵したものの、それは例によって軍による検閲が入ったあちこち塗り潰されたものであった。しかし、その文面から一同はしのが公次に「お国のため働くにはどうすればいいのか?」という内容の手紙を送っていたことを察する。それから年が明けた昭和18年のある日、先年の8月7日にガダルカナル島で戦死したことが死亡通知によって根来家に伝えられた。奇しくも戦死した日付は人影を見た日と同じであった。また、戦死時の階級は飛行兵長であった。 根来三平(ねごろ さんぺい) 演 - 風間晋之介 根来家三男。大正11年4月6日生まれ。A型。口数は少ないが、成績は優秀で絵が得意。喧嘩には弱い。室井先生を慕っている。 室井先生が特高に連行された件では、彼と親交があることに目をつけられ、ガキ大将の犬山からいじめられる一幕もあった。 美大へ行く夢を持っていたが、家に進学するだけの経済的余裕が無かったことから諦め、農業に従事する。 年頃になると、しのと文通し合う仲になるが、次第に戦争に肯定的なしのとの間には摩擦が生まれ、文通は途絶え、会話も少なくなってしまう。 軍事教練を前にしての軍より同世代の男子一同が呼び出された場においては、お国のために命を捨てる覚悟の無い理由を「死ぬのが怖いから」と正直に言ったことがきっかけで、教官らから目を付けられて苛烈な扱いを受けるが、それでも戦争に反対の立場を変えず、本心を曲げなかった。「俺より年上なのに要領が悪いよ」と評した公平には「お前は賢いよ。でも、それは卑怯者だ」と言った。 第98話の昭和18年1月初旬の時点にて戦争が激化し、同月の10日に甲府第四十九連隊への入営が迫る中、家族の前で改めて戦争に行くことを拒否するも公一から猛反対される。そして、第99話の1月7日にて家の屋根の上で服毒自殺を遂げ、物言わぬ遺体となった姿を公平や公一が目の当たりにする。しかし、徴兵拒否が理由での自殺も戦時下においては大罪に当たる行為であるため、公一の提案により表向きは前々から手掛けていた雨漏りのする屋根の修理中に足を滑らせて転落死した「ただの事故死」であるかのように偽装された。偽装工作を成功はさせたものの、本心では誰もが「あの時山へ逃げるのを反対さえしなければ、三平は今も山の中のどこかを生きて自分の足で歩いているだろう」と罪悪感を抱くことになる。 平成編では、しのに姿を目撃されたり、公平の夢に登場する。 根来信子(ねごろ のぶこ) 演 - 幼少期:栗本有規→井上希美 根来家長女。しっかり者。 三平が家族の前で戦争に行くことを拒否する中、泣きながら「生きて帰って」と言った。 平成編では鉄兵がしのや公平と再会するより10年ほど前に亡くなっている。 根来幸子(ねごろ さちこ) 演 - 幼少期:遠藤璃菜→木下愛華 根来家次女。甘えん坊な面があり、公平曰く「変わったところがある」。 幼少から歌が得意だったが、成長するにつれ、1度聴いた曲を諳じられるようになる。 平成編では結婚しており、長崎県で暮らしている。 238話における公平の言によると、平成23年時点においても健在である。 根来剛(ねごろ たける) 演 - 原田野路→大熊大貴 公平・しのの長男(実際の父親は三平)。昭和18年10月生まれ。命名者はしの。通称は「ゴウ」。 根来竜(ねごろ りゅう) 演 - 長橋玄弥 公平・しのの次男。昭和23年生まれ。 根来鉄兵(ねごろ てっぺい) 演 - (昭和編):平山浩行→(平成編):藤竜也 公平たち根来家の本家の一人息子(本家と言っても現在は没落しており、彼自身は年老いた母との2人暮らし)。炭焼きと猟師を生業としている。硬派でケンカが強く、暴れん坊として界隈の町にもその名を轟かせている。このため、公平たちにとっては頼りになる兄貴分のような存在。なお、死別した父親の鉄郎と冴次が兄弟である関係で、公平ら6人兄弟姉妹にとっては父方の従兄弟同士でもある。 第18話にて母と死別。通夜の時も葬儀の時も一滴も涙を見せず、落ち着いて振舞っていた。しかし、アヤが亡くなった際には単に「アヤが倒れた」とだけ伝えられていたのか彼女に迫るや「死んだらいかん!」と叫びながら手を握るが、そこでようやく彼女が既に亡くなっているのに気付き、枕元で号泣していた。 戦況の激化に伴い、召集令状が届くが破り捨ててしまう。それを咎めにやって来た公平や公一に別れを告げ、1人で山に消えていった。なお、徴兵拒否は当時の時代背景からすれば重罪にあたるとされ、警察ばかりか町の青年団に加えて、軍による多くの兵員や軍用犬をも投入した大規模な山狩りが行われたものの、誰も彼を見つけることは出来なかった。 第98話の公一と三平に対する山おじの話によると、山中で三日三晩の説得を試みたが応じず、自ら果てたかのように偽装し、切り落とした自分の髪に狸の血をたっぷりとつけたものを山おじに手渡して「役所にこれを証として死んだと届けてくれ」と頼み、さらに山の奥の方に逃げて行ったとのこと。 平成編にて、約50年の時を経て、存命であることが分かる。根来家が物置として使っている廃屋に住み、再び炭焼きを始めるが、翔いわく「身体は弱っている」状態であった。翔からは「鉄じいちゃん」と呼ばれる。 翔のことを気に入ったらしく、冬には一緒に山に籠るが、その頃から体調が悪化していたようで、160話にて、翔に洞窟の中で亡くなっているところを発見される。医師の見立てによると、死後10日ほどが経過していた。 根来ギン(ねごろ ギン) 演 - 大澤洋子 鉄兵の母。長らく連れ添った夫の鉄郎を日清戦争で亡くしてからは腰が曲がり、老いが深くなっていた。が、それでも若い時分と同じように大酒飲みで、鉄兵と一緒に野良仕事に精を出したりしていた。 民謡がとても上手く、その歌声は「小野ケ沢の住人が恐れている牝熊のハナコでさえもじっと聞いていた」という逸話の持ち主だった。 しかし、昭和11年の時点では体調が悪化して寝たきりとなっており、18話にて亡くなった(なお、ギンの亡骸を目にした公平の心情を描写する際、栄は律子を亡くした際の自身の心情を重ねていた)。 ハゲ 演 - 青年期(昭和編):両角周→晩年(平成編):ミッキー・カーチス 小野ケ沢の住人。若松家の息子。公平の親友で、「結」で結ばれた関係性のため、一家同士は農作業を手伝い合う仲である。仲間内からは頭の一角に丸型のハゲがあることから「ハゲ」の愛称で呼ばれている。のちに家族共々満蒙開拓団に参加し、小野ケ沢を離れる。 ある秋の日、ラーゲリでの強制労働を経てニキビと一緒に帰還する。 昭和25年の正月、密かに惚れ続けていた幸子を嫁に欲しいと根来家を訪ねて来るが、幸子はジョーのことが好きだと知って諦めた。 平成編でも健在。公平・ニキビと集まっては日頃の不満を解消している。 215話では町の診療所が閉鎖されたことを嘆いていた(運転免許を所有していないことが分かる)。なお、この回で救急搬送されてしまう(ニキビの発言から、妻は認知症の傾向があり、寝たきりであることが判明する)。また、生存可能性は五分五分であるといわれていた。 216話にて搬送された病院で死去。 ニキビ / 甲田正之 演 - 青年期(昭和編):関口アナム→晩年(平成編):山本圭 小野ケ沢の住人。甲田家の息子。公平の親友で、家族同士も「結」で結ばれている。仲間内からはニキビ面であることから「ニキビ」の愛称で呼ばれている。のちに家族共々満蒙開拓団に参加し、小野ケ沢を離れる。その後、公平へ送った手紙で、戦局悪化による「根こそぎ徴兵」で赤紙が来たことを告げるが、その手紙は検閲によって満州での戦況についての部分が全て塗り潰されていた。 ラーゲリでの強制労働を経て帰還。 平成編でも健在。公平・ハゲと同じく近代化には反対の立場であり、集まっては世の中への不満を漏らしている。 翔に対するしのぶの想いには気が付いている節があった(翔・しのぶ・詩子が対面したところを目撃しており、「三角関係」と言っていた)。 公平を居酒屋「オモチャ」に誘い、それが間接的ながらも騒動の原因となってしまう。 平成12年時、公平に、娘に言われたために小野ヶ沢を離れて埼玉へ引っ込むことを告げる。公平によると別れるときには大泣きした、とのこと。 青っ洟(あおっぱな) / 村山大助 演 - 若林元太 小野ケ沢の住人。村山家の息子。公平の親友で、仲間内からはいつも鼻から青っぽい汁を垂らしていることから「青っ洟」の愛称で呼ばれている。のちに家族共々満蒙開拓団に参加し、小野ケ沢を離れる。 ラーゲリでの強制労働で倒れてしまい、現地で凍死した。
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