主人公・レギュラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/04 01:51 UTC 版)
海の王子 本編の主人公。海底王国カインの王子。本名や年齢など詳細なデータは不明。勇敢で正義感あふれる少年で、格闘や射撃、メカの操縦などに高い能力を誇る。チマと共に愛機「はやぶさ号」のメインパイロットとして数多の悪と戦う。 先に記したように本名は不明であるが、後述のチエノ博士などの協力者や敵はおろか、臣下であるザイル博士や潜水艦隊司令官、さらに父親であるカイン王国国王からも「海の王子」と呼ばれる。 「黒いおおかみの挑戦」で敵探索の合間に旧知の魚たちと戯れたり、「海神ポセイドンの謎」で戦闘中に射撃の腕を得意がったりと、やや子供っぽい一面もあり、大抵はその直後にチマからツッコミが入る。 先に記したように射撃はかなりの腕前。拳銃・光線銃は左右どちらでも使えるらしく、「深海魚作戦」では左手で銃を構えたと思ったら次のコマでは右手に持ち替えていたシーンが存在した。また、その身体能力の高さを生かし、「はやぶさ号を撃墜せよ」では音速で飛ぶ(空中分解寸前の)ジェット機から同じく音速で飛ぶはやぶさ号に乗り移る離れ業を披露した。 変装も得意であり、敵陣に潜入する、もしくは敵味方を欺くなどの理由で何回か披露した(「鉄の獅子の襲来」など)。なお、変装の際にも帽子は外さない。 音や光の形で発信されたモールス信号を機械なしで解読する特技があり、「砂漠の戦艦シーラカンス」「悪魔ブラック」で味方の発したメッセージをその場で理解した。 チマ 副主人公(ヒロイン)。海の王子の妹。優しくて勇気のある芯の強い少女で「はやぶさ号」のサブパイロットを務める。兄を冷静沈着にサポートする。王子不在時にはメインパイロットを務め、敵との戦闘もザコクラス相手ならこなせる。 王子ほかレギュラー男性陣がしゃべっているのを黙って聞いているシーンが多いため、一見すると無口な印象が強いが、しかるべき時には普通によくしゃべり、感情表現も豊かである。たまに王子やハナさんなどへのツッコミ役になることも。 先述した芯の強さは「海神ポセイドンの謎」にて、敵ゴリアスに囚われ「降伏するように言わないと死刑」と脅されながらも平然と「負けないで戦ってください」と言ってのけるシーンにも表れている。直後に処刑されかかるが、その際にも取り乱す様子を決して見せなかった。また、その芯の強さゆえに泣くこともなく、全編通して明確に涙を流したシーンは「恐竜帝国の決戦」において王子が化石光線に倒れたときと、その石化から復活したときのみである(「怪虫サタン」にて死んだと思われたハナさんたちの葬式において王子に「泣くなよ」と言われたことはある)。 戦闘時には敵の襲来や攻撃に驚くリアクションを見せることもあるが、それでもパニックに陥ることはなく、直後に出される王子の指令を正確に守り、はやぶさ号の武器や能力を行使する。「黒いおおかみの挑戦」などで王子の危機を救いに登場したり、「砂漠の戦艦シーラカンス」で機銃の音でモールス信号を打って王子にメッセージを伝えたり、「深海魚作戦」や「魔神ハガル」で敵攻略のヒントを思いついたりと、かなりの賢さを見せる。 悪に対する闘志も兄に負けず劣らずで、「鉄の獅子」で王子が毒に倒れて戦えない状況で敵が襲来、というときに「自分ひとりでも戦う」と発言したことも。また、苦境に立たされてふと弱音を吐く王子を叱咤激励する場面もあちこちで見られた(「黒いおおかみの挑戦」など)。 また、現在でいうブラコンの一面があり、「黒いおおかみの挑戦」のラストで王子に一緒に来るかと聞かれて「おにいさまと一緒ならどこへでも行くわ」と発言したり、「不死身のハイドラ」で敵を倒すためのある危険な行動の前に脱出するように言われて「わたしたちきょうだいじゃないの、こんなときこそ力を合わせるのよ」と拒否した。また「鉄の獅子の襲来」など、王子と再会したときに彼に飛びついて喜びを表現する場面が度々見られた。実際に兄妹仲は非常によく、王子がチマに冷たい態度を取ったのは「恐竜帝国の決戦」で単独で敵基地に乗り込もうとする王子に対し「私も連れてって」とすがるチマを「ぐずぐず言ってるひまはないんだ」と強い口調でたしなめた時と、「海神ポセイドンの謎」でスパイ潜入の事態に対し、敵味方を欺く芝居で「むこうへ行け。ぼくは一人になりたいんだ。」と突き放した2回だけである。「砂漠の戦艦シーラカンス」では不眠不休で行動する王子を気遣ってお茶の中に眠り薬を仕込むという、ただ従順なだけではないしたたかな一面も見せた。 王子は決して帽子を取らないが、チマは眠るときに帽子を取った姿を2回ほど確認できる。肩のあたりまで伸びた髪を首の後ろで縛っている。 原作者・高垣葵によると「チマ」という名前は「小魔」と書き、いわゆる小悪魔的なイメージがあるとの事。高垣が原作を書いたいろいろなドラマで使用されているらしい。 なお、学習雑誌版では王子・チマともコスチュームが一新し、後述のはやぶさ号のデザインも変更された。また、カイン王国の設定も省略され、「太平洋のどこかに住む謎の少年」と呼ばれていた。チマの王子に対する呼び方も「おにいさん」に変更された。 チエノ博士 東京都内に「チエノ科学研究所」を構える世界でも有数の天才科学者。はやぶさ号を改造したり数々の新兵器を開発するなど高い技術力を持つ。王子・チマの最大の理解者。 「黒いおおかみの挑戦」冒頭では奪われたウラン鉱を王子が取り返し、博士のもとに届けた。その包みについていた名刺から「海の王子」の存在を知る。その後キーン指令の誘いで原子力潜水艦サーチライト号の試運転に同乗したところ、キーン司令官共々黒いおおかみ一味に囚われ、組織への協力を要請される。その後、はやぶさ号の破片からその強度を割り出し、それを破壊できる「チエノ光線」を発明した。もっとも彼の真意は、それを取り付けた潜水艦Z2号を完成時に破壊することであった。最終的に破壊するつもりでもきっちり要求に応えて見せたあたり、律義な性格であるらしい。 「海へび大帝の猛襲」でカイン王国が海へび大帝に襲撃された後、チマの提案で王子はチエノ博士に相談に来た。ここで初めて両者は顔を合わせる。その後はあらゆる事件で文字通り、王子たちの頭脳となって活躍する。 性格は基本的に冷静で温厚。「海神ポセイドンの謎」では研究中に訪ねてきた王子たちに珍しく厳しい態度を取り、関係者一同を驚かせたほど。壮年ながら事件や冒険の最前線に進んで飛び込んでいくエネルギッシュな人物。 知識の幅は非常に広く、はやぶさ号の各種装備開発はもとより、「動くスフィンクス」ではピラミッドの古代文字を資料なしでその場で解読するシーンもあった。日輪博士や大空博士など、科学者コミュニティの友人も多い。世間からの信頼も厚く、何か事件があるとハナさんやキーン指令などからインタビューや相談を持ちかけられる。もっとも「深海魚作戦」などの話では、海の王子に協力を要請するための窓口として相談を受けていた。侵略者対策の防衛会議に出席したり、月面探検などのプロジェクトチームのリーダーを務めたりすることもある。その反面、世界征服を狙う敵にとっては目の上の瘤であり、「黒いおおかみの挑戦」など刺客に襲われるシーンも度々あった。 獅子 花夫(しし はなお) 「赤いサソリの恐怖」より登場。「サンデー・ニュース」社会部の新聞記者。通称「ハナさん」。事件を嗅ぎつける嗅覚に優れており、特ダネのためならどんな場所にも行く。 「赤いサソリの恐怖」では原子力潜水艦「あけぼの」の北極横断航海を取材しようと、潜望鏡にしがみついているのを発見された。その後サソリ戦隊が日本を襲撃する段になって、研究所(先に出た「チエノ科学研究所」とは別の施設)から逃げない博士に付き添い「赤いサソリの写真を取る」と豪語する(結果として失敗に終わる)。その後は避難した地下50mの研究所で王子たちと合流、力を合わせてサソリ艦隊と戦う。以降、王子や博士の友人として様々な事件に遭遇した。 大食漢で常にお腹を空かしており、「深海魚作戦」では「五日分の食糧が三日も持たない」と海上保安庁の乗員が悲鳴を上げていた。「一日五回食べないと死んじゃう」「腹が立つと腹が減る」など、食べることに関する迷言も多い。 利き手は話によって違い、多くの話でメモをとるときペンを右手、手帳を左手に持っている一方で、「赤いサソリの恐怖」で機関銃を左脇で構えていたり、「鉄の獅子の襲来」で腕時計を右手首にはめていたりと、左利きらしい描写がある。 海の王子の熱烈なシンパで、王子を馬鹿にする人間に対しては、たとえそれが軍の高官であろうとも食ってかかる。はやぶさ号の勝利には大はしゃぎして全身で喜びを表現し、また「不死身のハイドラ」では、生死不明になった王子を心配して人目をはばからず大声で泣いたりと、4人の中で最も感情表現が豊かである。 基本的にコメディリリーフであるが、柔道の達人であり、基本的に臆病ながらいざというときは剛胆なところもあるため、「鉄の獅子の襲来」など生身での活躍で王子たちを助けることもあった。「赤いサソリの恐怖」「海神ポセイドンの謎」などでは機関銃・拳銃などの小火器を使用。相手の持っている通信機だけを撃ち落とすなど、素人の域を超えた腕前の持ち主。また、サバイバル能力もずば抜けており、「さばくの赤いくじら」や「悪魔島ゴーレム」で披露された。「海の王子の連絡係」を自称したり、敵をおびき寄せるための作戦に従事したりするケースも。 基本的にジャーナリストとしても有能で良心的な人物だが、「まぼろしの流星」では自分が書いた記事でチエノ博士の発言を捏造して怒られていた。 その行動力ゆえに人と関わることも多く、「恐竜帝国の決戦」のスカンレー、「怪虫サタン」の春夫など、ゲストキャラクターとコンビを組んで話を盛り上げることも多い。
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