睡眠 睡眠関連の物品

睡眠

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/09 21:58 UTC 版)

睡眠関連の物品

畳、紙衾、莚敷、布団、ベッド、敷衾、キャノピーベッド英語版

上掛け
日本の近代以前では、昼に着用していた上着を使用する例もあった[104]
毛布
パジャマ寝巻(ナイトウェア、着る毛布ドイツ語版掻巻)
関連物
スリープマスク耳栓マウスピース(スリープスプリント)
起床
  • 目覚し時計
  • 定刻起床装置 - JRなどで使用される定められた時間に起床させる装置[105]

文化

信仰

古代中国で、死屍を枕に眠る巫医の夢の中で死に至った原因の啓示を仰いでいた[106]古代エジプトでは、眠りの寺院英語版と呼ばれる医神イムホテプの神殿があり、病気の治療、催眠や夢占いなどの儀式を行なった。これらの寺院は中東古代ギリシアにも存在した。イムホテプと同一視された医神アスクレーピオスの神殿アスクレペイオンなどにおいては仮眠室が作られ、病気の転帰を願い神官が積極的に仮眠をとっていた[106][107]。この儀式はインキュベーション (儀式)英語版と呼ばれている。

文学

眠ったら、何年もたってしまったという作品は『リップ・ヴァン・ウィンクル』『エピメニデス』『7人の眠り男英語版』『眠れる森の美女』など数多い。

ちなみに、『三年寝太郎』は寝ていたのではなく、思索にふけっていたので上記のパターンとは異なる。

眠りと死を絡める神話や文学が多く見られる。

ギリシア神話の眠りの神ヒュプノスは死の神タナトスの兄弟である。そのほかにエンデュミオーンの話がある。
ローマ神話のソムヌス(en:Somnus)は、詩人ウェルギリウスの話では死の神モルスの兄弟である[108]

睡眠にまつわる表現

しばしばは睡眠に例えられる。死を睡眠になぞらえた例には次のようなものがある。これは、亡くなった状態を遺族や悲しむ人々や死者本人に気を使う意味で使われる。

また「寝る」「眠る」という語を含むことわざとして次のようなものがある。主に「辛抱強い」や「気長」「寝ているように大人しい」状態を意味する。

  • 果報は寝て待て
  • 寝る間も惜しんで
  • 寝る子は育つ(科学的・医学的に正しいが、ことわざとして語句通りの意味で用いた場合は誤用[注釈 1]
  • 寝ても覚めても
  • 寝た子を起こす
  • 草木も眠る丑三つ時
  • 猫鼠同眠
  • 寝食を忘れる
  • 寝るより楽は無かりけり 浮世の馬鹿が起きて働く

動物の睡眠

動画(ドイツ語):なぜ寝てる鳥は枝から落ちないか?しゃがむとが引っ張られ、自動的に足趾が閉まる構造になっているからである[109]

脳が無い動物ヒドラにも睡眠が存在し、その制御が脳を持つ動物と共通することから、脳の獲得以前の進化で睡眠することを獲得したことが示唆される[110]

必要な睡眠時間は種ごとの体の大きさに依存する。例えば小型の齧歯類では15時間 - 18時間、ネコでは12 - 13時間、イヌでは10時間、ゾウでは3 - 4時間、キリンではわずか20分 - 1時間である。これは大型動物ほど代謝率が低く、脳細胞の傷害を修復する必要が少なくなるためとも考えられている[111][112]。また小型の動物は他の動物に捕食者として狙われやすいので、無防備になる睡眠時間は短い傾向がある。体躯が同程度であれば、草食動物は睡眠時間は短く、肉食動物は長い傾向にある。草食動物は摂取する食料に不自由しない反面、食料は低カロリーであり、繊維質も多く、長時間食べて消化する事を余儀なくされるので、睡眠時間は短い。一方で肉食動物は、食物を得る機会は乏しく、一方で食物は高カロリーであるため、一度食物を得た後はしばらく食物を摂る必要が無い。そのため何もしない時間が多く、その間は睡眠によって消費カロリーを抑えていると考えられる。 ただし草食動物であってもナマケモノやコアラのように毒を含む葉を主食にしている場合は、毒素の分解のために睡眠時間が長くなる傾向がある

全ての陸生哺乳類にレム睡眠が見られるものの、レム睡眠時間の種差は体の大きさとは無関係である。例えば、カモノハシは9時間の睡眠時間のうち、レム睡眠が8時間を占める。イルカはレム睡眠をほとんど必要としない。

脊椎動物以外の動物、例えば節足動物にも睡眠に類似した状態がある。神経伝達物質の時間変化を観察すると、レム睡眠と似た状態になっている[113]。これら昆虫も睡眠不足となると作業が雑になり、ミスが見られるようになる[114][115]。殺虫剤のネオニコチノイドなどの薬物は、有益な蜂などの昆虫の睡眠や時間感覚を妨害する[116]

ヒトと異なり、生物の中には、長い期間覚醒しない種もある。これは冬眠と呼ばれる。冬眠する生物の例として、クマリスカエルなどが挙げられる。

睡眠の際の姿勢も生物によって異なる。魚類は単に水中を漂う形で睡眠状態に入る。フラミンゴは片足で立ったまま眠るとされる。またイルカや一部の鳥などは数秒程度の半球睡眠(大脳半球ずつ交互に眠ること)を繰り返して取るため、眠りながら泳ぎ続けることが可能である。半球睡眠は人間では脳障害などの病気や薬の重篤な副作用以外では脳の構造上、不可能と言われている。

ネコは丸くなって寝ているという印象が多いが、これは身を守ろうとしているか寒い時の状態で、攻撃を受けないと確信したリラックス状態の飼い猫は、体の熱を逃がすために仰向けで寝ることもある。この例はネコに限った事例ではなく、イヌなど体毛が多く気候や気温が安定しない場所で生活する動物は行う。

さまざまな動物種の睡眠時間[117]
睡眠時間 REM睡眠の割合
Little pocket mouse英語版 20,1 16 % beide geschlossen
ココウモリ 19,9 10 % beide geschlossen
ミナミオポッサム英語版 19,4 10 % beide geschlossen
ヨザル 17,0 11 % beide geschlossen
13,2 26 % beide geschlossen
11,9 8 % ein Auge manchmal offen
ニワトリ 11,8 10 % ein Auge manchmal offen
チンパンジー 10,8 15 % beide geschlossen
イヌ 10,7 29 % beide geschlossen
コウテイペンギン 10,5 13 % ein Auge manchmal offen
ショウジョウバエ 10,0 0 % keine Augenlider
アヒル 9,1 16 % ein Auge manchmal offen
ウサギ 8,7 14 % beide geschlossen
ブタ 8,4 26 % beide geschlossen
アジアゾウ 5,3 34 % beide geschlossen
ウシ 4,0 19 % beide geschlossen
ウマ 2,9 27 % beide geschlossen
キリン 1,9 21 % beide geschlossen

注釈

  1. ^ この諺が成立したのは栄養失調、病気、寄生虫その他による乳幼児死亡率が高かった時代で、そういった場合、死ぬ可能性の高い乳児は寝ずに泣き続けるケースが多いことから来ているため、この場合の「育つ」とは単なる成長の著しさではなく「死なずに無事生きる」事を指している。

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