ホワイトカラー
・企業内の管理部門等に所属し企画・管理業務等を中心とする労働者の事を表す。
・ホワイトカラーの語源は、事務職に従事する労働者が白い襟のワイシャツを着ていた事が経緯となっているといわれている。
・ホワイトカラーの職場環境では、ブルーカラーに比べて業務に直接起因する労働災害は少ない。一方で業務の標準化が進んでいない面もあり、業務量や責任の偏重が発生しがちになり精神的な負担が大きくなる傾向が見られる。近年では精神疾患や過労死などが社会問題となっているが、業務に直接起因しているか否か判断し難い面が問題にもなっている。
・賃金水準においては、ブルーカラーに比べて高い傾向があるため、ブルーカラーと比較して高い地位であるイメージが確立していた。しかしホワイトカラーの増加等により一概に判断できない。
・加えて、産業構造の変化によりサービス産業の比重が大きくなってきたために、製造業を中心とした概念による区分(ホワイトカラー・ブルーカラー)で捉えきれない様々な業務に携わる機会が多くなってきており、一般にホワイトカラーの範囲も曖昧になってきている。
ホワイトカラー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/14 08:34 UTC 版)
ホワイトカラー(英語: white-collar[1][2][3][4], white collar[5]; white-collar worker[6][7])とは、「白い襟」の意で[8]、広くは事務系の職種一般[8]、つまり企業の管理部門で企画あるいは管理業務などの事務労働に従事する労働者を指す[2][9]。
概要
職業分類の概念であり[1]、現業系(技能的職業)の労働者を指す[11] ブルーカラーに対比される。雇用従業員の中でも、知的ないし技術・開発的労働や事務系、企画・営業・販売系の職に就いている者をいう[3]。オフィスで仕事をしている職員や事務員が[5]、白い襟のワイシャツ(ドレスシャツ)と背広を着用しているのが多いことが、その語源である[8][9]。
具体的にいえば、専門的職業、技術・開発的職業、中・下級の管理的職業、事務的職業、企画・営業・販売的職業、対人サービスが挙げられ、これら精神労働がホワイトカラーの特徴である[12]。
ブルーカラーと比較すると、賃金水準は高い傾向にあり[9]、生産に直接的に関わることのない非現業的な職種に携わっている[12]ため、業務が原因の労働災害が少ない[9]。但し、業務内容の標準化の遅れから、業務量が偏重しがちで精神的負担が大きくなる傾向がある[9]。
歴史
19世紀後半から20世紀前半にかけて、機械制大工業を基盤とする第二次産業中心の産業化社会が産まれ、ブルーカラーが急増した[12]。次いで、20世紀半ばから高度産業化が進んだことで、ホワイトカラーの質的な多様化と急激な増加をもたらし、多くの先進国でホワイトカラーがブルーカラーの数を上回った[12]。職場組織の大規模化と官僚制化による管理スタッフの増大や、大量消費社会の成熟による流通・広告・販売関連の拡充、行政機構の肥大と社会保障施策の充実による公共サービスの増大、情報技術の発達による情報社会化といった第三次産業の発展は、さらにホワイトカラーを大量に生み出した[12]。一方で、1970年代以降、ホワイトカラー・ブルーカラー双方の労働現場にコンピュータやITなどの技術革新が導入され始め、労働の機械化・自動化が進んだ[13]。これによって、ブルーカラーは肉体労働から監督労働や判断労働へと移行する一方で、ホワイトカラーは機器操作業務が増え、両者間の差は曖昧となった[13]。
かつて20世紀前半まで、学歴や賃金・報酬、昇進の可能性の違いから、ホワイトカラーとブルーカラーはそれぞれ異なった階級意識を持っていた[14]。しかし、ホワイトカラーとブルーカラーの間に存在した格差(学歴や地位など)は、高学歴化や賃金水準の平準化に伴って消滅していった[13]。また、日本では、マスメディアを中心に、ホワイトカラーとブルーカラーを区別なく「サラリーマン」「会社員」とする呼称が普及した[13]。くわえて、サービス産業の比重の増大によって製造業中心の概念区分では捉えきれない多様な業務も増えたため、ホワイトカラーの範囲も曖昧になりつつある[9]。
就労形態の多様化は、「ホワイトカラー」における上層と下層かという両極化を生んだ[15]。下層のホワイトカラーはブルーカラーと同質化し、ホワイトカラー内でも二重構造化が進んでいる[15]。
問題点
大企業のホワイトカラーには、フェイクワーク(仕事をするふり)やブルシット・ジョブ(被雇用者本人でさえ、完璧に無意味で、不必要で、有害であると感じる仕事)をしている者がおり、解雇しても企業利益や運営に支障がない者が多数いると指摘されている[要出典] 。
アメリカでは、株主は年金受給者や退職金口座運用者であることが多いため、ホワイトカラーの余剰人員に対して、企業が人件費を支出していることは、株主から利益を奪っている状態になる。グーグルやメタといったアメリカのテック企業では、大規模な余剰解雇が行われている。グーグルCEOのサンダー・ピチャイは、2022年の同社全員参加会議で、「我々の生産性は全体として、現在の人員数に見合う水準に達していないことを懸念している」と述べている[16]。メタのマーク・ザッカーバーグも、2023年は自社の「効率化の年」にすると宣言し、「管理職が管理職を管理する」という状態に肥大化している自社組織構造に嫌悪感を示した[16]。
脚注
- 1 2 杉政孝. ブルーカラー・ホワイトカラー - 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- 1 2 大辞林 第三版. コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- 1 2 デジタル大辞泉. コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- 1 2 精選版 日本国語大辞典. コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- 1 2 世界大百科事典 第2版. コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- ↑ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- ↑ プログレッシブ和英中辞典(第3版). コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 人材マネジメント用語集. コトバンク. 2019年2月27日閲覧。
- ↑ 「ビジネス書」と日本人 、川上恒雄 ,、PHP研究所、2012年3月22日
- ↑ ブルーカラー・ホワイトカラー #ブルーカラー - 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年2月28日閲覧。
- 1 2 3 4 5 杉政孝. ブルーカラー・ホワイトカラー #ホワイトカラー - 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年2月28日閲覧。
- 1 2 3 4 ブルーカラー・ホワイトカラー #格差の解消と新しい中間層の出現 - 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年2月28日閲覧。
- ↑ ブルーカラー・ホワイトカラー #階層帰属意識 - 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年2月28日閲覧。
- 1 2 ブルーカラー・ホワイトカラー #ホワイトカラーの両極分解 - 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年2月28日閲覧。
- 1 2 Jackson, Sarah (2024年5月15日). “「グーグル社員の半分は仕事をしていない」…有名VCのパートナーが指摘”. BUSINESS INSIDER JAPAN. 2024年5月15日閲覧。
関連項目
「ホワイトカラー」の例文・使い方・用例・文例
- ホワイトカラー犯罪
- あるSNSサイトが、「ホワイトカラー」や「ブルーカラー」に加えて第三の働き方として「オレンジカラー」というものを提唱した。
- ホワイトカラーの仕事をしながら同時に技術的な仕事やブルーカラーの仕事をする人をグレーカラーと呼ぶ。
- 労働力の40パーセントはホワイトカラー労働者であり、その大部分は、退屈でばかばかしいデッチアゲ仕事をしている。
- なぜ、会社によって、ブルーカラーの人のほうが、ホワイトカラーの人より給料がいいのですか?
- 「1日8時間、週40時間」という労働基準法が定める労働時間の規制を特定のホワイトカラーだけ除外する「ホワイトカラー・エグゼンプション」の議論が進んでいる。
- 炭鉱夫の息子は簿記係としてホワイトカラーの職業につくことを求めた
- ホワイトカラーという社会階層
- ホワイトカラーという社会階層に属する人
ホワイトカラーと同じ種類の言葉
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