す・る【刷る/×摺る】
読み方:する
[動ラ五(四)]
1 活版・版木などの面にインク・絵の具などをつけて、紙を当てて文字や絵を写し取る。印刷する。「紙幣を—・る」
2 布に木型を押し当てて、彩色したり、模様を染め出したりする。
「月草に衣は—・らむ朝露に濡れてののちは移ろひぬとも」〈古今・秋上〉
[可能] すれる
す・る【×剃る】
す・る【×掏る】
す・る【擦る/▽摩る/▽磨る】
読み方:する
[動ラ五(四)]
1 物に、他の物を強く触れ合わせて動かす。こする。「マッチを—・る」
2 物の表面に他の物を押し付けて繰り返し動かす。「やすりで—・って仕上げる」「墨を—・る」
3 賭事(かけごと)などで、金を使ってなくす。費やす。すり減らす。「競馬で財産を—・った」「元も子も—・ってしまう」
4 (「擂る」と書く)すり鉢などに入れて、触れ合わせて細かく砕く。「味噌を—・る」
[可能] すれる
する【▽為る】
読み方:する
1
㋐ある状態・現象の起きたことやその存在がおのずと感じられる。「稲光がする」「地鳴りがする」「物音がする」「においがする」「寒けがする」「動悸(どうき)がする」
㋑ある状態になる。ある状態である。「がっしりした骨組み」「男好きのする顔」
㋒(金額を表す語に付いて)それだけの価値である。「五億円もする絵」「その洋服いくらした」
㋓(時を表す語に付いて)時間が経過する。「一年もすれば忘れるだろう」
2
㋐ある事・動作・行為などを行う。意図的にその物事・行為を行う場合から、ある状態や結果になるような動作・行為を行う場合、結果としてある事を行ってしまったり望まないのにそうなったりする場合など、いろいろに用いられる。「運転をする」「仕事をする」「いたずらをする」「道路を広くする」「負担を軽くする」「女らしくする」「大損をする」「やけどをする」「下痢をする」
㋑ある役割を努める。ある地位にあって働く。また、そのことを仕事として生活をささえる。「司会をする」「仲人をする」「料理長をしている」「商売をする」
㋒(多く「…を…にする」「…を…とする」の形で)人や物事を今とはちがった状態のものにならせる。ある地位に就かせたり、ある用に当てたりする。「息子を先生にする」「彼を会長にする」「肘(ひじ)を曲げて枕とする」「失敗を教訓として生かす」
㋓ある状態・性質であることを示す。「鋭い目付きをした男」「むじゃきな顔をした子供たち」
㋕…であると判断をくだす。みなす。また、決定する。選んでそれに決める。「まあ、これでよしとしよう」「友をよき競争相手とする」「出場を取りやめにする」「私は、コーヒーにする」
3 (補助動詞)
㋐(動詞の連用形、または、サ変複合動詞の語幹に助詞「は」「も」「こそ」「さえ」などを添えた形に付いて)その動詞の意味を強調する。「雪は降りはしたが積もらなかった」「泣きもしない」「感謝こそすれ、恨むわけがない」「顔を出しさえすればよい」
㋑(「…うとする」「…ようとする」の形で)もう少しである作用・状態が起こりそうになる。また、今にもある行為をしそうになる。「日が沈もうとしている」「飛びかかろうとする」「時が過ぎようとする」
㋒(「…とする」「…とすれば」「…としては」「…にしては」などの形で)…と仮定する、…の立場・レベル・段階で考える、などの意を表す。「今、台風が上陸したとする」「習作とすれば上々の出来だ」「親としては心配するのは当然だ」「冬にしては暖かい日が続く」
㋓(「…にしても」「…としても」の形で)そのような場合でも、の意を表す。「どんなに急いだにしても間に合わなかっただろう」
㋔(接頭語「お」「ご」の付いた動詞の連用形、または、サ変複合動詞の語幹に付いて)謙譲の意を表す。「お届けする」「お伴します」「ご案内します」
[補説] (1) 語種(和語・漢語・外来語)を問わず、名詞・副詞や形容詞・動詞の連用形などに付いて多くの複合動詞がつくられる。その際、語幹が1字の漢字のものなどは「案ずる」「論ずる」「応ずる」「重んずる」のように「〜ずる」となるものが多い。これらは、また「案じる」「論じる」「応じる」「重んじる」と上一段としても用いられ、さらに「愛する」「解する」「略する」などは五段にも活用する。(2) 口語の未然形には「せ」(打消しの助動詞「ず」「ぬ」が付くときの形)と「し」(打消しの助動詞「ない」が付くときの形)がある。使役や受身の助動詞が付くとき(サ変複合動詞のうち語尾が濁るもの以外)、「せさせる」「せられる」となるはずであるが、多く「させる」「される」のようになる。この「さ」は未然形として扱うことになる。(3) 命令形は、古くから現在まで「せよ」が一貫して用いられるが、中世後期から「せい」が(今日でも関西方言で用いられる)、近世以降は「しろ」が用いられるようになる。(4) 助動詞「き」へ接続する場合は、終止形「き」には連用形の「し」から(「し=き」)と原則どおりであるが、連体形「し」・已然形「しか」には未然形「せ」から(「せ=し」「せ=しか」)続くという変則の承接をする。
[下接句] 足を棒にする・意とする・家を外にする・内を外にする・海を山にする・公にする・己を虚(むな)しゅうする・玩具(おもちゃ)にする・肩で息をする・気にする・軌を一(いつ)にする・揆(き)を一(いつ)にする・客をする・苦にする・臭い物に蓋(ふた)をする・口にする・首を長くする・言(げん)を左右にする・虚仮(こけ)にする・心を一(いつ)にする・心を鬼にする・異(こと)にする・小馬鹿(こばか)にする・杯(さかずき)をする・辞(じ)を低くする・袖(そで)にする・為(ため)にする・手にする・徳とする・亡き者にする・馬鹿(ばか)にする・鼻を高くする・懐にする・本気にする・枕(まくら)を高くする・身を粉(こ)にする・水にする・耳にする・無にする・無下(むげ)にする・目にする・目を皿にする・目を三角にする・目を丸くする・物ともせず・物にする・横の物を縦にもしない・余所(よそ)にする・諒(りょう)とする・労を多とする・悪くすると
擦る
為る
(する から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/16 13:30 UTC 版)
為る(する)とは、ある主体が主体的な活動や在り方として、一つの状況を成り立たせる行為や作用を行う事。抽象的な様態から具体的作用および行為まで、幅広く用いられる。唯一の単体のサ変動詞。これは日常的によく使われる語だからであって、この種の語は歴史的に文法や音韻規則が変化していっても、それに従って形態を変えることが嫌われ、長く古形を残すことが多いからである。なお、名詞および副詞などに付いて多くの複合動詞がつくられ、これをサ行変格複合動詞(サ変複合動詞、サ変動詞と略する)という。
- 1 為るとは
- 2 為るの概要
- 3 抽象的に見た為る
する
出典:『Wiktionary』 (2021/07/26 09:45 UTC 版)
動詞:為る
する【為る】
- 動作を起こす。
- あるものに作用を及ぼして、状態などを異ならせる。
- 音、味、においなど、あるいは身体的症状が感じられる。
- (〜〈金額〉する)〜の価格である。
- (服飾品などを)身に付ける。
- ものを使っておおう。
- ふたをする。カバーをする。
- (〜〈時間〉する)〜の時間が経過する。条件節でのみ使う。
- 形容詞・形容動詞の連用形について、他動詞の複合動詞を構成する。
- (〜にする)〜に決める。
- ハンバーグにしよう。
- (〜にする)このあとすぐに行う。
- (〜とする)〜と定める。設定する。仮定する。
- (〜とする)〜とのべる。説明する。主張する。
- (多くは慣用句: 体の一部 + にする)その器官の機能を実現する。
- (修飾語 + 体の一部 + をする)その人の特徴として、そのようなものを持つ。
- 動詞に取り立て助詞をつけるときに用いる。補助動詞に使うことは比較的少ない。形容詞の場合は ある を用いる。
活用
発音(?)
東京アクセント
- す↗る
語源
- 古典日本語「す」
関連語
翻訳
- 古英語: dōn (ang)
- アラビア語: عَمِلَ (ʕámila), فَعَلَ (ar) (faʿala)
- カタルーニャ語: fer (ca)
- クメール語: ធ្វើ (km)
- グルジア語: კეთება (ka)
- 古代エジプト語: jr (egy)
- シンハラ語: කරනවා (si)
- タイ語: ทำ (th) (tham)
- チェコ語: dělat
- デンマーク語: gøre, udføre
- ドイツ語: tun (de), machen (de)
- ギリシア語: κάμνω (el) (kámno), κάνω (el)
- 英語: do (en)
- スペイン語: hacer
- エストニア語: tegema
- バスク語: egin
- ビルマ語: လုပ် (my)
- ヘブライ語: עָשָׂה (he) (asá)
- ペルシア語: کَردَن (kærdæn), کُن (kon) (現在形)
- フィンランド語: tehdä
- フランス語: faire (fr)
- ベンガル語: করা (bn) (kôra)
- アイルランド語: déan
- スコットランド・ゲール語: dèan
- ヒンディー語: करना (karnā)
- クロアチア語: činiti
- ハンガリー語: tesz, csinál
- インドネシア語: buat, melakukan
- アイスランド語: gera (is), gjöra (is)
- イタリア語: fare (it)
- グルジア語: კეთება (ket‘eba)
- 朝鮮語: 하다 (ko) (hada)
- クルド語:(クルマンジー)kirin, çêkirin、(ソラニー) kirdin
- ラテン語: facere, agere
- リトアニア語: daryti (lt), padaryti (lt)
- マルタ語: għamel
- ネパール語: गर (gara)
- ノルウェー語: gjøre (no)
- オランダ語: doen (nl)
- オック語: far (oc)
- ポーランド語: robić (pl) (未完了相)/zrobić (pl) (完了相)
- ポルトガル語: fazer
- ロマンシュ語: far
- ルーマニア語: face
- ロシア語: делать (djélat’) (未完了相) сделать (sdjélat’) (完了相)
- サルデーニャ語: fai
- スロヴェニア語: storiti, narediti
- アルバニア語: bën
- スウェーデン語: göra
- トルコ語: yapmak, etmek
- ウルドゥー語: کرنا (karnā)
- ベトナム語: làm, thực hiện
- 中国語: 做 (zuò)
接尾辞:為る
する【為る】
用法
翻訳
動詞:擦る・磨る・擂る・摩る・摺る
活用
発音(?)
- す↘る
- IPA: /ˈsɯ.ɺɯ/
関連語
用字
翻訳
動詞:摩る
する【摩る】
活用
発音(?)
- す↘る
- IPA: /ˈsɯ.ɺɯ/
関連語
翻訳
- 英語: lose
動詞:刷る・摺る
- 字を紙に写す。
活用
用字
発音(?)
- す↘る
- IPA: /ˈsɯ.ɺɯ/
関連語
翻訳
動詞:掏る
する【掏る】
活用
発音(?)
- す↘る
- IPA: /ˈsɯ.ɺɯ/
関連語
翻訳
動詞
する
刷
抹
摩
摩 |
擂
擦
擦 |
擵
砑
砑 |
「する」の例文・使い方・用例・文例
- >> 「する」を含む用語の索引
- するのページへのリンク