けんじょう‐ご〔ケンジヤウ‐〕【謙譲語】
敬語
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敬語(けいご、英: honorifics[1])とは、主体(書き手、話し手など)とその相手(読み手、聞き手)やその話題中の人物との社会的関係(親疎、権力の大小)と態度を表す言語表現である[2]。ポライトネスを実現する手段の1つであり、狭義には体系的に文法化されているものを指すが、広く敬称などの語彙的表現を含む場合もある[3]。
注釈
出典
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謙譲語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:09 UTC 版)
話題中の動作の客体(間接的である場合もある)が話題中の動作の主体よりも上位である場合に使われる。そのため謙譲語は話題中に2人以上の人物が登場しなければならない。動作の主体を謙す言い方であり、主体=話し手の場合には自分が謙ることになる。卑しめるという意味ではないが、自分が退くことで相手に敬意を表す意図があるため、会話においては@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}慇懃無礼であるという印象を与える[独自研究?]ことがある。 動作の客体となる人物は聞き手でも第三者でもよく動作の主体は話し手・聞き手・第三者の誰でもよいが、会話の場にいない人物への敬語が使われなくなってきたため動作の客体が聞き手、動作の主体が話し手である場合が多くなっている。「やる」の謙譲語の「上げる」のように謙譲の意味が薄れている、または「食う」の謙譲語「食べる」のように謙譲の意味がほぼ消滅した語もある。 謙譲語は客体を高める語である。古文では天皇・皇族や貴族の動作に謙譲語がついた例もある。 語形変化には以下のような方法がある。 語彙自体を変える - 行く→伺う、見る→拝見する お / ご~する - 待つ→お待ちする、掛ける→お掛けする お / ご~頂く・申し上げる - 買ってもらう→お買い頂く、挨拶する→ご挨拶申し上げる 向かう先のある名詞に関しては接頭語「お / ご」を付けた形も謙譲語として用いられる。 手紙→お手紙を差し上げる、挨拶→ご挨拶を申し上げる、ご連絡を差し上げる これらは同じ語形で尊敬語とも謙譲語ともなる。 先生へのお手紙、お客様へのご連絡 - 謙譲語 先生からのお手紙、お客様からのご連絡 - 尊敬語
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謙譲語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 05:59 UTC 版)
謙譲語は、古代から基本的に動作の客体への敬意を表す言い方であり、現代では「動作の主体を低める」と解釈するほうがよい場合がある。動詞に「お〜する」「お〜いたします」(謙譲語+丁寧語)をつけた形などが用いられる。たとえば、「取る」の謙譲形として、「お取りする」などが用いられる。 語によっては、特定の謙譲語が対応するものもある。たとえば、「言う」の謙譲語は「申し上げる」、「食べる」の謙譲語は「いただく」、「(相手の所に)行く」の謙譲語は「伺う」「参上する」「まいる」である。 なお、「夜も更けてまいりました」の「まいり」など、謙譲表現のようでありながら、誰かを低めているわけではない表現がある。これは、「夜も更けてきた」という話題を丁重に表現することによって、聞き手への敬意を表すものである。宮地裕は、この表現に使われる語を、特に「丁重語」と称している。丁重語にはほかに「いたし(マス)」「申し(マス)」「存じ(マス)」「小生」「小社」「弊社」などがある。文化審議会の「敬語の指針」でも、「明日から海外へまいります」の「まいり」のように、相手とは関りのない自分側の動作を表現する言い方を丁重語としている。
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