仕奉とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 学問 > 歴史民俗用語 > 仕奉の意味・解説 

仕奉

読み方:ツカエマツル(tsukaematsuru)

仕えるの謙譲語御用勤める。官に奉仕する


仕奉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/21 04:40 UTC 版)

仕奉(しぶ)とは、「仕える」と「奉る」を組み合わせた語で、目上の人に仕えることの謙譲表現。歴史学においては、古代日本におけるヤマト王権大和朝廷)やヤマト大王天皇)に対する職務を通じた臣従行為を指し、それによって生み出される主従関係・社会関係を仕奉関係と表現する。国家・社会・主人のために私心を捨てて仕える「奉仕」とは異なる意味を持つ。

概要

古代日本における大王王権に対して(集団としての)およびそのメンバーである氏人が臣従の意思を示すためには2つの方法があった。1つは物品を「たてまつる」という物質的な表現である“貢納”であり、もう1つは自らの身体で「つかえまつる」という人的な表現である”仕奉”であって、両者をもって政(政事・まつりごと)が構成されていた。

文献史料として『日本書紀[1]』や『続日本紀[2]』において「つかえまつる(仕え奉る)」という表現がみられ、出土史料として稲荷山古墳出土の金錯銘鉄剣における「杖刀人首として奉事」、江田船山古墳出土の銀象嵌銘大刀における「典曹人として奉事」という表現がみられる。職能集団として編成され、それぞれの職務を通じて王権や大王に仕え奉る仕組を「人制」と称する。

律令制においても朝廷・天皇に対する仕奉の意識は生き続け、官人はそれぞれの官職や身分に課せられた政の職務を通じた仕奉行為が存在し、百姓は戸籍に登録されて力役(雑徭)の形態で仕奉を行い、また租税(調)の形態で貢納も合わせて行った。

脚注

  1. ^ 敏達天皇12年条など。大化2年条の「鍾匱の詔」の“国の政に奉る”と言う表現もこれに準じる。
  2. ^ 文武天皇元年条・天平宝字元年条など。

参考文献



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「仕奉」の関連用語

仕奉のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



仕奉のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの仕奉 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS