第90期卒業生
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司 瑛士(つかさ えいし) 声 - 石田彰 遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第一席。 身長176cm。4月2日生まれ。血液型はA型。好きな色、白。好きな飲み物、コーヒー(砂糖・ミルクは無し)。 現在の十傑の頂点に君臨する立場であり一見クールな雰囲気だが、人付き合いが苦手で自分でも「人前に立つタイプじゃない」と語るほど気弱な性格で、第一席としての責任や重圧に押しつぶされそうになっている。秋の選抜でも会場の仕事は一色たちに任せて自分は裏方に回っていたが、本戦で創真や美作が食戟を立て続けに行ったことで事前処理にかなり苦労したと語っている。一方で、短すぎる人生に対して料理はあまりにも深く広いという考えを持っており、料理の腕には他人に味の有無を確かめないほどに絶対の自信を持っている。また、良くも悪くも自分の料理を極めることしか頭になく、他人への配慮を考慮しない傲慢なところがあり、中枢美食機関の方針で大衆料理店が潰れることを仕方ないと割り切っている。いつもネクタイを肩にかけている。 得意ジャンルはフランス料理。徹底的に「自分らしさ」を捨て、素材のよさを極限にまで研ぎ澄ませた料理を重要視し、食通からは食材に傅きその身と誇りを奉じる者「食卓の白騎士(ターフェル・ヴァイスリッター)」と賞賛されている。特に「ジビエ」に造詣が深く「鹿肉」を自身のスペシャリテにしている。えりなからも感性と技術は人間業を超え、美食をつかさどる神々の領域に踏み込んでいると評されている。一方、弱気すぎる性格から他人に作業を任せられないため作業工程は全て自分で行っている。 中1の頃、遠月で生き残るため日々努力を重ね、毎日講師に何食も試作を作り、じゅうぶん美味いと言われながらも満足せず、多くの講師をノイローゼ寸前に追い込んでいたことから周囲には「講師つぶし」と呼ばれていた。1年前の紅葉狩り会で上級生に挑戦状を叩きつけた久我の挑戦を受け完勝した。同年の月饗祭では中央エリアに出店し5日連続売上1位を達成した。第一席になってからは遠月の代表として世界中の来賓に料理を振舞うことが多くなったが、肩書きだけで自分の料理を絶賛されることに苛立ちを覚えるようになる。そこへ薊が現れ、その後何度も互いの料理観を話し合うにつれ薊の考えに共感するようになった。 中枢美食機関発足後、自らが講師を務めた講義で自分のサポートに回った創真の能力の高さを気に入り、自分の助手として中枢美食機関に誘う。創真からは断られたが、第一席の地位を条件に創真に食戟を申し込む。2種類のソースで鹿肉を彩った「ふたつの表情を見せる鹿のロースト」で創真に勝利したが、奇抜な料理を作る創真の破天荒さを自分では制御できないと判断し、創真の中枢美食機関入りを取り下げた。 創真ら反逆者との連帯食戟では2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「緑茶」で久我と対決。4種の茶葉と4つのピューレを組み合わせた「4つの緑茶によるグラデーションビュレ・スープ」で久我を破るも大きく体力を消耗し、しばらくは休養をとらざるを得なくなった。4th BOUTでは「野ウサギ」で一色と対決。フランスの代表的ジビエ料理「野ウサギの王室風仕立て(リエーブル・ア・ラ・ロワイヤル)」で一色に完勝した。FINAL BOUTではメインを務める。鹿肉を塩釜にした必殺料理「白き鎧の皿 ~ソース・シュヴルイユ~」で薊を絶賛させたが、創真とえりなの予想を超えるハーモニーに敗れた。 連帯食戟後、遠月を卒業し竜胆と共にジャングルで動物採取をしていたが、特注の大型グレーターを引っさげBLUEに参加する。しかし朝陽に破れ、グレーターを奪われてしまう。それから数年後は同期と共に自分の店を持つオーナーシェフとなり、WGOの星も獲得しただけでなく、宿泊研修の審査を依頼されるほど。 小林 竜胆(こばやし りんどう) 声 - 伊藤静 遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第二席。 身長171cm。10月12日生まれ。血液型はO型。好きな季節、夏。好きな国、特にスペイン。 スタイルがよく、八重歯、左目を髪で隠しているのが特徴。明るく茶目っ気があるが、ドキドキするという単純な理由で薊に加担するなどどこか食えないところもある。料理することよりも食べることを趣味としており、月饗祭では十傑の中で一人だけ出店せず5日間で全120店舗の食べ歩きを行っていた。かなりの寒がりであり、久我曰く、爬虫類みたいに動かなくなるらしい。創真や久我など後輩からは「竜胆先輩」と呼ばれている。 司とは中等部の頃からの付き合いで彼の料理に対する姿勢に興味を持ち、彼の十傑第一席に着く夢に対して、自分は第二席に着くことを約束していた。 遠月の歴史でも稀に見るワニなどの希少食材マスター。部位に応じて最も効率的なナイフを使い分け瞬時に解体するナイフテクニックに加え、希少食材の解体法・捌き方を含めた食材に対する膨大な知識に未知なる味への強い好奇心を持つ。十傑入りした当初からその権限で海外を飛び回り、元々日本国内の希少食材に精通していた才覚は現地でしか味わえない素材に触れることでさらに成長を遂げた。現地スタッフとの共同プロジェクトによって発見された新種も多数存在し、生態系に影響が出ないと判断された全ての生物を調理し食べ尽くしてきた。これらにより財と権力で己の食欲を満たす「美食家」、未知なる食材を探求する「調査者(フィールドワーカー)」、あらゆる食材を食らい尽くす「蛮族(バーバリアン)」の3つの顔を持つ。 月饗祭で久我に一矢報いた創真を気に入り、創真と恵を司の模擬店に招待した。中枢美食機関設立後、創真と叡山が食戟を行うと聞きつけ、面倒な事務処理を司に押しつけて見学に訪れ創真の「羽根チーズ付き餃子」を試食し絶賛した。 進級試験では反逆者を潰す機関側の刺客として派遣されるが、試験官達のような卑劣な手は使わないと公言する。また、十傑を追放された久我が進級試験で反逆者に加勢するのも黙認しているなど、水面下で不穏な動きを見せる。薊の命で三次試験でタクミと恵と対戦することになったが、料理勝負ではなく自分に美味いと言わせる料理を出すという形式にし、条件をクリアした2人を合格にした。連帯食戟では2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「唐辛子」で女木島と対決。ワニ肉と大量の唐辛子を使った料理で女木島を破るも大きく体力を消耗し、しばらくは休養をとらざるを得なくなった。4th BOUTでは「ヤリイカ」でタクミと対決。ピラルクーを使ったペルー料理のマッシュポテト「カウサ」で完勝した。FINAL BOUTでは前菜を務める。しいたけを主役食材とし蟻酸を使った「きのこのミルフューユ ~デュクセルを挟んで~」でメインの司にうまくつなげるも敗北した。 連帯食戟後、遠月を卒業し司と共にジャングルで動物採取をしている。 女木島 冬輔(めぎしま とうすけ) 声 - 楠大典 遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第三席。 身長193cm。7月4日生まれ。血液型はO型。好きな箸、割り箸。好きな女優、梶芽衣子。 ニット帽子を被った大柄な生徒。十傑の中では最も背が高く筋肉質な体格。常に無表情で口数も少ない。勝負事は性に合わず、料理の勝ち負けはいかに客を喜ばせられるかという競争だけでいいと考えており、食戟嫌いの料理人として知られる。ただし、口先だけの者は容赦なく叩き潰す。日本一の料理学校という評判を聞き遠月に入学したが、望まない食戟を毎日挑まれ、あまりのしつこさに売られた勝負を片っ端から受けた結果、いつのまにか第三席にまで上り詰めていた。そのため十傑の地位へのこだわりはなく、自分のラーメンを戦闘の道具にはしたくないと語っている。 得意料理はラーメンで「ラーメンマスター」の異名を持つ。調理時には創真と同様頭に手ぬぐいを巻く。ラーメン道を追及するため、日本全国で屋台を引きながら修行の日々を重ね、その先々で経営難に陥った店を助けたり、ラーメン店同士のいざこざなどを解決してきた。やがて女木島の名は全国に広がり、いつしか日本中のラーメン店主から絶大な信頼を受け、若旦那や組長などと呼ばれるラーメン界の若き王となった。 3年の十傑では唯一薊の方針に反対していたため、一色、久我と共に十傑の権限を剥奪された。創真たちが進級試験を受けている間はラーメン文化を守るために北海道入りし、薊政権の圧力で食材の仕入れに苦しむ店のため、自身の人脈を総動員して流通ルートの確保に努めていた。連帯食戟のメンバーを集める創真の要請をラーメン業界のことだけで手一杯として拒否し、それでも食い下がる彼を「上級生としての躾」名目のラーメン対決で完膚なきまでたたき伏せるが、何度負けても這い上がる執念と「全ての皿が自由である環境を守りたい」という信念を認め、連隊食戟への参加を決意する。第1戦で鏑木を下し、2nd BOUTにも引き続き参戦し、テーマ食材「唐辛子」で竜胆と対決。竜胆の豪快な性格を先読みし、アフリカの調味料「ハリッサ」を大量投入し「チキンムアンバ」をベースとした「アフリカンラーメン」でパワープレイに応じる。敗れはしたが、竜胆の体力を大きく消耗させた。 連帯食戟後、遠月を卒業しパリでラーメンの屋台を開いており、地元民から絶賛されている。 茜ヶ久保 もも(あかねがくぼ もも) 声 - 釘宮理恵 遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第四席→第三席。 身長140cm。8月21日生まれ。血液型はB型。好きな匂い、バニラエッセンス。好きな部分、肉球。 十傑では最も小柄でツーサイドアップのような髪型をしており、常にブッチーと呼ばれるネコのようなぬいぐるみを抱いている。ブッチーをぬいぐるみ扱いされると怒る。一人称は「もも」。口数は少ないが結構な毒舌家でもある。人見知りが激しく梁井によると目を合わせて会話が成立するまで軽く1か月はかかるという。ただし時間が経つとかなり口数が増える。気に入った相手に様々なあだ名をつけるが、一色によると可愛いと愛でるのは下に見ているからで、あだ名で呼ぶのは自分より格下だと思っている人間だけだと分析している。飛行機が苦手で、進級試験で北海道に向かうときは必死に抵抗していた。 遠月学園当代きってのパティシエ(菓子職人)と呼ばれており、洋菓子・和菓子問わずスイーツ作りを得意としており、その繊細な技術と華やかな美的センスを生かした菓子作りで十傑入りを果たした。茜ヶ久保をトレースした美作は「かわいいのカリスマ」と称している。作った料理を自撮りしてその写真をSNSに投稿しており、同世代の女子から絶大な支持を集めている。 幼い頃から可愛いものに対する感性が鋭く、気に入ったグッズが軒並み大ヒットを連発した。やがてその評判を聞きつけた様々な業界関係者が押し寄せ意見を求められるようになった。多くの業界から勧誘されたがそれらを断り、お菓子を作っているときの自分が一番可愛いという理由で遠月学園への進学を決めた。 月饗祭では山の手エリアで売上総合1位を達成。初日の残党狩りでは叡山と同じくD会場に出場し各研究会に完勝した。 連帯食戟では2日目の3rd BOUTに参戦し恵と「りんご」での勝負となる。バラの中でも優美な香りを持つ「ダマスクローズ」を染み込ませた「女王さまの林檎タルト」で恵を破るも、恵の予想外の善戦に機嫌を悪くした。続く4th BOUTにも参戦し、えりなと「黒糖」で対決。醤油クリームを塗りつけた「黒糖ロールキーキ城」を披露するも、恵の料理からヒントを得たえりなの料理に敗れた。 連帯食戟後、遠月を卒業し洋菓子店を開いている。 斎藤 綜明(さいとう そうめい) 声 - 小西克幸 遠月学園第90期卒業生。「遠月十傑評議会」の元第五席→第四席。 身長186cm。2月11日生まれ。血液型はB型。好きな剣術の構え、八相。好きな映画、太秦ライムライト。 モヒカンと鼻の横一文字の傷が特徴。刀ほどの巨大な包丁「いさな斬り」を常に持ち歩いており、さらしを巻いている。古風な武士口調で話し、武士道を志すあまり他人からすればどうでもいいことにまで武士っぽさを見出しこだわり抜く。食戟でも正々堂々を好み、敵に塩を送ることもある。一人称は基本的に「俺」だが、他の3年の十席からは時々「拙者」も使うと言われており、創真との対決では実際に使っている。 得意ジャンルは寿司で、当代きっての寿司職人と呼ばれる。愛刀いさな斬りで巨大なまぐろを瞬時に解体する刀工技術を持つ。魚介類の扱いを特に得意としているが、魚介類を生かすあらゆる副食材の扱いにも長けている。そのため寿司以外のジャンルにも精通している。 実家は母親が女手一つで切り盛りする小さな寿司店を営んでおり、常連客も抱えていた。遠月学園への進学後、母のような寿司職人を目指し学業に励む毎日を送っていた。母は地元でも名門とされる老舗寿司屋へ修行に行くものの、男尊女卑の古い習慣が根付く悪質な勤務状況から、無理が祟り過労で倒れてしまう。母親以外の従業員は客前に出せる寿司を握れる技術がなかったことから店を守るべく中等部3年の時に自ら寿司職人として職場に立つようになり、子供・学生だからと差別待遇をして因縁をつけてくる相手に職人としての能力を見せつけ、周囲の面々を黙らせてきた。斎藤の過去を知る薊から勧誘を受け、薊の思想に心酔はしなかったが拒否する理由もないことから薊の側についた。 連帯食戟では2nd BOUTに参戦し、テーマ食材「まぐろ」で美作と対決。自身を完璧にトレースする美作を賞賛し、より対等な条件にするべく「いさな斬り」を差し出した。勝負の場では「まぐろ十貫 小玉紅玉寿司(こだまルビーずし)」を披露し、ネタに筋を入れて味を広がりやすくする「隠し包丁」の差で勝利した。司や竜胆同様に体力を削られたが水垢離で神経を研ぎ澄まし、翌日の3rd BOUTでは創真と「バター」で対決となる。オレンジの果汁とレモン汁で作った特製酢飯を使った「海鮮バター丼」で創真を追い込んだが、孤高の道を歩んできた自分とは対照的に好敵手との研鑽を積み重ねた創真の料理の前に、自身の敗北を認めた。 連帯食戟後、遠月を卒業し寿司屋の大将となり、翌年まで予約で埋まるほどの人気店となっている。
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