中枢美食機関
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/07 15:00 UTC 版)
薙切 薊(なきり あざみ) 声 - 速水奨 えりなの父親。旧姓は中村。遠月学園第71期卒業生。極星寮OB。 色白の肌に白のメッシュと黒のスーツにコート、他人を畏怖させるほどの威圧感が特徴の人物。一見紳士的な人物に見え政治的なパフォーマンスにも優れているが、その発言は慇懃無礼で、自分の意にそぐわない者を容赦なく見下し、反論等は意にも反さない。美食を追及した料理を「芸術」と例えているが、それに値しないものは「餌」と断言し、「真の意味での美食は、限られた者だけの間で価値を共有すべきもの」としている等、選民思想に近い思考をしている。薙切家に婿入りしたことで、薙切家の者が美味なる料理を食すと周囲の者を強制的に「おはだけ」にする「おさずけ」を受け継いでいる。 かつては遠月学園に在籍し、堂島と城一郎の2年後輩にあたる。当時高等部1年生ながら2人に次ぐ十傑第三席の地位におり、翌年には第一席へと昇格。卒業から数年後に薙切家の令嬢だった真凪と結婚、婿入りした。極星寮時代の頃を輝かしい思い出のように語っており、『当時の』極星寮には強い思い入れがある。中でも先輩にあたる城一郎を強く尊敬しているが、『現在』の極星寮についてはあまり評価しておらず、叡山の八百長による極星寮潰しも黙認しているなど、昔過ごした寮が潰れようとどうでもいいと考えている模様。また、現在のような改革を行う理由を「才波先輩を駄目にした腐った料理界への救済」と称している。また、創真が城一郎の息子だと創真から聞かされた時には、思わず真顔になっていたが、城一郎の息子に改革を見せられることに喜びを感じてもいた。 10年ほど前、えりなの「神の舌」を完成形にするべく、彼女に対して「まずい料理」を容赦なく捨てさせるといった常軌を逸した英才教育という名の洗脳を行っていた。その際はえりなの反論は一切認めず、威圧と笑顔を使い分けて徐々にえりなをコントロールしていき、彼女に現在のような料理観を植え込んだ。この件で仙左衛門の怒りを買って、遠月および薙切家を追放された。その後、遠月では彼の存在に関する記録が徹底的に抹消されており、アリスや新戸など薙切家に関係する一部の者には事情を伝えられるも、名前を含め彼の存在に触れることはタブーとなっていた。仙左衛門ですらも、孫娘のえりなの教育を彼に任せてしまったことを「最大の失敗」とまで評している。追放後は、主に海外で活動していたという。 月饗祭の最終日に、突如えりなの店に姿を現す。現在の遠月の状況を憂いており、遠月を「あるべき姿」に正すべく、十傑の過半数を味方に付けて総帥の座に就き、改革を行うことを宣言する。改革として、「全てのゼミ・研究会の解体を行う」と「中枢美食機関の設立」を言葉巧みに提唱し推し進める。叡山による八百長策が打ち砕かれると、研究会・ゼミの解体を懸けた食戟を中立の審査員を立てた状態で全て受けると声明を出した。 えりなが家出した際には強制的に連れ戻すようなことはせずに様子を見る姿勢でおり、極星寮を訪れた際に対面した際には寮の面々にえりなを仲良くするように頼むなど、上述した冷酷な部分は表立たずに至って普通の父親のように接しつつ、「えりなは必ず僕のところに戻る」と確信して去っていった。 創真ら反逆者を潰すため進級試験の内容を変更し三次試験では十傑を差し向ける。創真から十傑の座を駆けた全面対決を提案されまるで相手にしようとしなかったが、突如現れた城一郎から負ければ自分がお前の下につくという条件を提示され創真達との連隊食戟に応じる。後日、ルール決めの打ち合わせでえりなに自分の元に戻るよう迫るが拒否され、負ければ一生中枢美食機関のために尽くし二度と逆らわせないと宣言する。連隊食戟の4th BOUTの途中に突如WGOの執行官デコラとクラージュを引き連れ審査委員に割って入り、FINAL BOUTでも引き続き審査を務る。自身が見込んだ司の勝利を確信し、えりなの料理を不純物と称し頑なに認めようとしなかったが、本能には逆らえずに敗北を受け入れた。 BLUE編では城一郎が遠月を去った直後の出来事が語られている。十傑と国内外の仕事に出向く時も空虚感を抱えていたが、真凪に心の内を見抜かれた事を機に彼女を見返そうと交際が始まる。しかし彼女が神の舌に絶望し倒れてしまった事で娘に同じ苦しみを味わわせまいと、真の美食計画を始めてしまった。更に後日談では真凪と出会う前、海外で出会った女性と一晩の行きずりで朝陽が誕生した事も真凪がWGOに調査させた事で発覚。その事をえりなに明かし、薙切家を去ろうとするがえりなの計らいによって朝陽と共に本来の家庭を取り戻した。 相田 ショーン(あいだ ショーン) 声 - 興津和幸 薙切薊の側近を務める男性。薊に対して自分が何を言ってもまるで聞かないと愚痴を漏らしている。えりなが家出したことで味見役の仕事をキャンセルするのに頭を下げて回ったという。 広井(ひろい) 声 - 勝生真沙子 遠月学園の講師を務める壮年女性。 中枢美食機関側の立場で進級試験の一次試験では創真・恵・黒木場・アリス・吉野を担当し、班別による「鮭料理」のお題を出す。同じく担当となったえりなから創真ら反逆者勢を引き離したうえでチームにまとめ、産卵を終えて体力が落ち通常食用に使わない「ホッチャレ」をあてがったが、瞬間凍結法の一つ「ブライン法」で保存された季節外れに取れる貴重な「トキシラズ」を短時間で仕入れた創真らの機転により失敗した。 遠藤(えんどう) 声 - 上田燿司 遠月学園の講師を務める中年男性。 広井同様中枢美食機関を支持しており、進級試験の二次試験では個人による「麺料理」のお題を出す。事前に受けた広井からの助言で反逆者勢の順番を後回しにし、小麦粉などの麺の材料が残り僅かな状態で彼らを試験に臨ませる。さらに天気予報で把握していた大吹雪を利用して外部からの食材調達を封じたことで彼らの不合格を疑わなかったが、じゃがいもを残していたことが仇となり、それを活用した豪雪うどんによる合格を嫌々ながら認めた。
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