中枢神経系の中毒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 01:57 UTC 版)
カフェインは中枢神経系の大脳皮質の神経細胞を興奮させる作用を有している。カフェインの分子は、キサンチンの1番と3番と7番の窒素に、水素ではなくメチル基が結合した構造をしており、したがって、メチルキサンチン類に分類される。キサンチンにも中枢神経系の興奮作用が存在するものの、キサンチンが分子中に有する窒素にメチル基を結合させると、この中枢神経系の興奮作用が増強する事が知られている。メチルキサンチン類の中でも3箇所の窒素にメチル基を持つカフェインは、比較的中枢神経系の興奮作用が強い事が知られている。 カフェインも低濃度であれば、アデノシンA1受容体をブロックするために、眠気が去る覚醒作用を起こす程度で済む。この覚醒作用も、メタンフェタミンのような覚醒剤のように神経細胞へ直接刺激するのではなく、脳自身が自身の活動を抑制する作用を弱めるという間接的な方法によって覚醒作用を起こしているに過ぎない。これが不眠の原因になる場合も有る。 さらにカフェインの濃度が増すと、中枢神経系が刺激された事による有害作用が起きてくる。例えば、知覚過敏、不安、振戦などである。もっとカフェインの濃度が増加すると、局所での痙攣、さらには、全身での痙攣が発生する場合も有る。 なお、中枢神経系の興奮に伴い、心拍数増加や動悸など、その他の末梢での症状も随伴し得る。
※この「中枢神経系の中毒」の解説は、「カフェイン中毒」の解説の一部です。
「中枢神経系の中毒」を含む「カフェイン中毒」の記事については、「カフェイン中毒」の概要を参照ください。
- 中枢神経系の中毒のページへのリンク