バンド (音楽)
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バンド(英: band)または楽団(がくだん)、楽隊(がくたい)とは、楽曲を演奏する集団のこと。主にロック、ソウル、ジャズ、ポップなどのジャンルで使用される用語である。なお、英語の“band”は音楽バンドのみならず、一まとまりの集団も意味する
概要
大人数のクラシック・オーケストラと、ロック、ソウル、ジャズやなどのポピュラー音楽の相違点としては、オーケストラは階層的で厳粛であるのに対して、ロックのバンドメンバーは関係が平等であり、観衆とフレンドリーに交流している点があげられる。[1]クラシック音楽のオーケストラには、交響楽団、管弦楽団、吹奏楽団などがあり、木管楽器、金管楽器、コントラバスなどのファミリーで構成されている。[2]クラシックの大きな楽団を交響楽団と呼び、国立交響楽団のような楽団の場合、団員数が100人にもおよび、バンドと呼ぶには不適当な規模となる。[3]日本で使用されるユニットは、英語圏ではアルバム・ユニット(album-equivalent unit)のように、ダウンロード数とストリーミング数を合計してアルバム1枚に相当すると数える、新しい集計方法を指している。[4][5] [6]
分類
ロックバンド
主にロックやポップ・ロックを演奏することを目的としたバンド。一般的には3人から5人、あるいはそれ以上のメンバーで構成されており(2人のこともある)、概ね以下に分類される。ただ、人数はメンバーの脱退や新規加入により変動するため、人数による分類には問題もある。専任ボーカル不在の場合は、メンバーの誰か、あるいは何人かがボーカルを兼任する場合が多い[注 1]。
- 2人組
-
2人組のユニットで、ロックバンドとしての最少編成。最も簡素な編成だが、1980年代のエレクトロやシンセ・ポップの流行以降、この編成をとるバンドが増える傾向が見られた。
- スティーリー・ダン、ホール&オーツ[注 2]、ヤズー、ユーリズミックス、ホワイト・ストライプス
- 3人組
- パワー・トリオ[7]
- ギタリスト+ベーシスト+ドラマーの構成。
-
1960年代後半から増加したロックバンドの編成。スリーピースと呼称される場合もある。
- クリーム [注 3]。/ ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス / グランド・ファンク・レイルロード / ポリス / ニルヴァーナ / ラッシュ/グリーンデイ
- ロック・バンドwithキーボード
- キーボーディスト+ベーシスト+ドラマーの構成。
- ギターでなくキーボードを入れるスリーピース。当然ながら、ギターのロックバンドではなくなる[注 4]。
- 4人組
- ギター、ベース、ドラムス+ボーカル
-
スリーピースとボーカルを個別に揃える4人タイプ。担当するパートを個別で専任にすることができる、ロックバンドのもう一つの基本的なタイプ。
- キンクス / ザ・フー[注 6] / レッド・ツェッペリン / ザ・スミス / ストーン・ローゼズ / レッド・ホット・チリ・ペッパーズ / ブラー
- ギター2人、ベース、ドラムス
- ギターを2本入れるタイプ。スリーピースに比べ、ボーカルが派手にステージングしにくくなる代わりに、2本のギターで音に厚みが生まれる。
-
- ザ・ビートルズ / ザ・ベンチャーズ / ザ・クラッシュ / ピクシーズ / マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
- 5人組
- ギター2人、ボーカル、ベース、ドラムス
-
ギターは2本で、かつボーカルを専任とする5人編成。パートが多く、ボーカルも専任の場合が多い。
- ローリング・ストーンズ/ ザ・バンド / リトル・フィート /ヤードバーズ[注 7] / エアロスミス/ AC/DC / ジューダス・プリースト / ストロークス
- ギター2人以上、ボーカル、キーボード、リズム隊
- ギター複数に、さらに専任ボーカルとキーボードを揃える。
- 変則的バンド編成
- 6人組
- ギター・トリオ+リズム隊+ギター+ドラム(パーカッション)+キーボードなど
- 6人編成でドラマーを2人とするタイプ。2人のドラミングで音圧が増すが、ドラム同士のコンビネーションが求められる。
- 7人組
-
- シカゴ、レーナード・スキナード(1977年ごろ)
- ツイン・リード・ギター
- ロック・バンド+ホーン・セクション
- ブラス・ロックのシカゴ、チェイス、BS&Tなど。多くのパートが存在する大人数。
- ロック・バンド+ストリングス
- ELOなど
- ブルース・ロック・バンド。
- ロック・バンド+ブルースハープ
- フリートウッド・マック(初期)、ジェスロ・タル(初期)、ポール・バターフィールド、ジョン・メイオールなど
- ジャム・バンド
- ステージにおいて即興演奏を行うことを主体とするバンド。
- グレイトフル・デッド、フィッシュなど
ソウル/R&B
- ファンク・バンド
- クール&ギャング、オハイオ・プレイヤーズ、ジミー・キャスター・バンチ[注 8]、バーケイズ、コンファンクシャン、カメオ、パーラメント、スレイブ、ファットバックなど
- ハウス・バンド
- ブッカーT&MGズ、ファンク・ブラザーズ、MFSBなど
ラップ
- ヒップホップ・バンド
- ザ・ルーツ
レゲエ
- レゲエ・バンド
- ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズ、サード・ワールド
ルーツ/ブルース/カントリー
- ジャグ・バンド
- ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド
ジャズバンド
主にジャズを演奏することを目的としたバンド。
- コンボ[8]
- 少人数の編成による音楽集団。[9]厳密にいえば三重奏から八重奏までがコンボにあたり、九人以上がビッグ・バンドとなる。また、従来のジャズバンドは生楽器による編成が基本とされていたが、マイルス・デイヴィス以降は電気/電子楽器の導入も大幅に増えた(ザ・クルセイダーズ、スタッフ、ハービー・ハンコックなど)。
- ビッグバンド
- 大人数編成のバンド。ラロ・シフリン、クインシー・ジョーンズのビッグ・バンドなど
- スウィング・ジャズ・バンド
- 戦前のアメリカで流行したスウィング・ジャズを演奏する大人数のバンド。
- デューク・エリントン、ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、グレン・ミラーなど
- 人数による分類
ジャズ、クラシックなどで使用される用語。またカルテット、クインテットなどは、ソウルやロックでも使用される。
- 二重奏団(デュオ、2ピースバンド)
- 三重奏団(トリオ、3ピースバンド)
- 四重奏団(カルテット、4ピースバンド)
- 五重奏団(クインテット、5ピースバンド)
- 六重奏団(セクステット、6ピースバンド)
- 七重奏団(セプテット、7ピースバンド)
- 八重奏団(オクテット、8ピースバンド)
- 九重奏団(ノネット、9ピースバンド)
- 十重奏団(デクテット、10ピースバンド)
クラシック音楽
オーケストラ
管弦楽団、交響楽団とも呼称される。主にクラシック音楽及び非ポピュラー音楽の演奏を目的とした楽団。ただし「ボストン交響楽団」と「ボストン・ポップス・オーケストラ」の様な形で複数のジャンルを演奏する場合もある。ウィーン・フィルやベルリン・フィルなど、活動拠点を名称にしている場合が多い。
吹奏楽団
- コンサート・バンド
- シンフォニック・バンド
- ブラスバンド
- ファンファーレ・バンド
- スクールバンド
- マーチングバンド
- ミリタリーバンド(軍楽隊)ることがあり、この小編成のことをイタリア語でバンダと呼ぶ。詳細はバンダ (オーケストラ)を参照。
ポピュラー音楽
ポップスのオーケストラは、イージー・リスニングとも呼ばれる。主にポピュラー音楽の演奏を目的とした楽団であり、指揮者自身が編曲をつとめる。
- 著名なバンド・リーダーの例
フォークソング
- 大体はアコースティックギター2人、アコースティックギター2人にベースが多数を占めるが、アコースティックギター2人にドラムス、アコースティックギター2人にフルートもある。ギター2人にベースとドラムス、ギター2人にキーボード、ベースとドラムスと言う4人組、5人組もある。殆んどがフォークブーム終焉時に解散している。
その他
- 男女混合バンド
- 女性がボーカルを担当する男女混合バンド。スージー・クアトロ、ジョーン・ジェット&ブラックハーツ、LINDBERG、JUDY AND MARY、DREAMS COME TRUEなど。
- ガールズバンド
- 原則として女性だけで編成されたバンド[10]。ゴーゴーズ、バングルス、プリンセス・プリンセス
- バックバンド
- 原則として伴奏を受け持つバンド。ブルーコメッツのように歌手のバックバンドを多くつとめたグループもいる。キング・カーティスのキングピンズなど
- コピーバンド
- 有名なバンドに似せた演奏を行うバンド。演奏内容だけでなく、衣装やステージアクションなどもコピーする例もある。ファンによるリスペクトや、諸事情でオリジナルのバンドを呼べない場合の代替手段など、存在理由は多岐にわたる。
- コミック・バンド
- バンドの名称にもある通り、社会情勢・身内・時事などをネタにした内容の演奏を行うバンド。主な例としてはクレージーキャッツ、ザ・ドリフターズ[注 9]、ラトルズ、一人バンド扱いのギタリスト王様、トリオ・ザ・ミミック、ビジーフォー、ハンダースなどがある。
- アンサンブル
- クラシックの数人から十数人程度の、小編成の演奏団体に対して用いられることが多い。他にもジャズを演奏するバンドに対しても用いられる。
- インディーズ・バンド
- 大手レコード会社(メジャーレーベル)に所属せず、インディーズレーベルを中心に活動しているバンド。
脚注
注釈
- ^ ただし、ロックバンドにボーカルが必須という訳ではなく、ベンチャーズ、フォーカスなど、インストゥルメンタル主体のロックバンドも存在する
- ^ 「サラ・スマイル」「シーズ・ゴーン」「リッチ・ガール」など多数のヒット曲を持っている
- ^ エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーのトリオだが、ブルースとベイカーの極端な不仲は有名だった
- ^ ただし、エマーソン・レイク・アンド・パーマーによる「タルカス」の一部や「悪の教典#9 第1印象」で、キーボーディストが演奏の低音部を片手で担当し、ベーシストがギターを担当するという例もある。
- ^ 黒沢健一を中心としたバンド。黒沢健一は48歳で死去している
- ^ 「マイ・ジェネレーション」「サマー・タイム・ブルース」などが代表曲
- ^ 結成からジェフ・ベックの脱退まで。
- ^ バーサ・バット・ブギーなど、ファンクの名曲を多くリリースしたバンド
- ^ コメディアングループとしての活動が著名だが本来はバンド。
出典
- ^ Differences between classical and rock wilforbismusic.com 2025年10月31日閲覧
- ^ Bands courses.lumenlearning.com 2025年10月23日閲覧
- ^ Guide to the orchestra Kennedy center 2025年10月31日閲覧
- ^ Standards 2025年10月21日閲覧
- ^ Why Album Sales Are Down 2025年10月31日閲覧
- ^ A decade of iTunes singles killed the music industry 2025年10月31日閲覧
- ^ Best Power Trio 2025年10月21日閲覧
- ^ コンボ shiroutojazz.com 2025年11月4日閲覧
- ^ [1]
- ^ ガールズ・バンド | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス. 2021年10月25日閲覧
関連項目
楽団
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 23:33 UTC 版)
「ZOMBIE LOLITA」の記事における「楽団」の解説
チャナ -CHANA-(団長/Guitar) ゾンビロリータ団長。 作曲、作詞、イラスト、デザイン、メイク、構成、演出、劇作家、バンドプロデューサー。 HIDEATH -ヒデス-(Drum) 「劇団チャイナマーブル」からのオリジナルメンバー。 ブラストビート、高速ドラミングを主に得意とする。 黒色乙女 -くろいろおとめ-(Guitar/vocal) 2011年加入。2015年1月より休養のため一時脱退。 当初はヴォーカルのみの参加だったが現在はギターメインとなっている。 DAHLIA、紅蓮飛鳥、肥溜下子、グロリア、月乃るび、愛弓を担当。 わんたろう -WANTARO-(Bass) 2005年一時加入。2012年に復活し正式加入。 ライブパフォーマンス、女装などを得意とし積極的に行う姿が度々見られる。 義眼城柊子 -ぎがんじょうとうこ-(key board) 2013年加入。 鍵盤から効果音まで担当している。
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「楽団」の例文・使い方・用例・文例
- 楽団を契約して使う
- 交響楽団
- ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
- その楽団は音楽ホールで聴衆にマーチを演奏した
- 彼は楽団に演奏を始めるよう合図した
- 彼が楽団を率いる歌手だ。
- 楽団はポロネーズを演奏し始めた。
- 彼は、アルゼンチンのあるタンゴ楽団のバンドネオン奏者である。
- 私は管弦楽団に入りました。
- 彼は吹奏楽団に所属しています。
- 今日のABC交響楽団の演奏は期待はずれだった。
- 管弦楽団は郷愁に満ちた音楽を演奏し始めた。
- 楽団は新しい指揮者の指揮ですばらしい演奏をした。
- 楽団は急に活気づいた。
- 楽団は行進曲を何曲か演奏した。
- ロンドンの交響楽団のコンサートスケジュールを知りませんか。
- ダンサーたちは楽団の音楽にあわせてステップを踏んだ。
- その楽団がパレードの見物客を楽しませた。
- オーケストラの楽団員はみな成功を喜んだ。
- 大管弦楽団, グランドオーケストラ.
樂團と同じ種類の言葉
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