新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-) 各国の対応

新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/17 03:55 UTC 版)

各国の対応

感染が拡大するに従い、世界各国で旅行制限、検疫外出禁止令などの公衆衛生上の対応が取られた。感染源となった武漢をはじめとする地域がロックダウン(都市封鎖)されたり、各地で様々な外出禁止措置が取られたりしたほか、感染者を含む乗客を乗せた英国船籍のクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス号」が日本近海で検疫を受けたり、イタリアでも全土で移動制限措置が取られたりした[317][318]。一部の空港や鉄道駅では、体温チェックや健康状態の申告書の提出を求めるなどのスクリーニング方法が実施され始めている[319]。また、市中感染が進行中の地域への渡航に対する注意・警戒情報(自粛要請・中止勧告含む)の発令や実際に感染地域からの渡航を制限・停止するなど渡航規制の強化、さらにEUなどで国境封鎖する国も出てきている[320][321]

社会距離拡大戦略

医薬品を使わない介入 (NPI) による集団感染緩和策 (Community Mitigation)
(1) 流行のピークを遅延させる
(2) ピーク時の医療への負荷を下げるために曲線を平坦化する
(3) 感染者数と健康への影響を減らす[322]
感染ピークを遅らせるための緩和策(流行曲線の平坦化英語版)により、医療機関はより適切に治療負荷を管理できる[323][324][325]。同様に、人員や設備の増加などによって医療機関のキャパシティが大きくなると、患者の増加に対応できるようになる[326]
集団感染緩和策不十分であると、感染急増の緩和後、再び感染が増える可能性がある[324][327]

医薬品を使わない対策・介入 (Nonpharmaceutical Interventions, NPIs) は、集団感染緩和策 (Community Mitigation) とも呼ばれ、以下の対策、予防が含まれる[328]

学校、職場、イベント、集会など日頃集団が密集するような空間で、相互に間隔を置く。
  • 閉鎖 (Closures)
学校、職場、イベント、スポーツ、宗教的な集会、フェスティバル、会議など人が集まる場所の閉鎖。

新型ウイルスに対して人間は免疫を持っていないので感染が拡大するが、ワクチンが使用できない場合はNPIsは感染を制御する有効な方法とされる[328]。これまでの疫学解析で、最も有効な対策の組み合わせを最適なタイミングで実施することでかなりの程度被害が抑えられる[329]

日本における感染予防に関する指針

厚生労働省は2020年3月1日、これまでの日本の集団感染(クラスター)事例にスポーツジム屋形船ビュッフェスタイルの会食雀荘スキーゲストハウス、密閉された仮設テントなどがあったとし、換気が悪く、人が密集して過ごす空間、不特定多数の人が接触する場所に行くことを避けるよう勧告した[330]

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議3月9日、これまで集団感染が確認された場所は、1.換気の悪い密閉空間[注 3]、2.多くの人が密集、3.近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声という3つが重なった場であり、このような場所を避けるよう勧告した[332]。同会議は集団感染を防ぐために以下を強く推奨した[332]

  1. 換気のために窓を開ける
  2. 会場を広くし、お互いの距離を1 - 2mあける
  3. 近距離での会話や発声、高唱を避ける
こまめな手指衛生、咳エチケットの徹底、共用品を使わない、使う場合は十分に消毒[332]

3月12日第一種感染症指定医療機関である都立駒込病院の今村顕史感染症科長は、現在の日本の状況では流行を抑えるために一番重要なのはクラスター(感染集団)対策であるとする[333]。クラスターの中で複数の人に感染を広げている人が見つかったら、徹底的に接触者(濃厚接触者)を調べるとする[333]。ジムに通っていた陽性者で、濃厚接触者数が約1,400人となった例があった[333]

3月19日に専門家会議は、現状は持ちこたえているが、あるとき突然爆発的に患者が急増(「オーバーシュート」)して、医療が提供できなくなれば、強硬なロックダウン措置(都市封鎖・店舗閉鎖・外出自粛など)を取らざるを得なくなると懸念した[334]。その上で引き続き、集団感染(クラスター)の早期発見、重症者への集中治療の充実と医療提供体制の確保を維持し、また各地域は感染状況に応じて、密閉空間でのイベントや集会(3つの条件の重なる場所)など感染リスクの高いものは徹底的に回避しながら、感染が拡大していない地域においては感染リスクの低い活動から徐々に解除することもありえるとした[334]

上記までの見解を踏まえ、新型コロナウイルス厚生労働省対策本部では、リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」を改善するため、多数の人が利用する商業施設等においてどのような換気を行えば良いのかについて、有識者の意見を聴取しつつ、文献、国際機関の基準、国内法令基準等を考察し、推奨される換気の方法として、「「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法」を取りまとめた。

3月28日、新型コロナウイルス感染症対策本部より、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」が発表され、この中で感染者を抑えること、医療提供体制や社会機能を維持することが重要であり、「3つの密」(密閉空間・密集場所・密接場面)を避けること、疫学調査等によるクラスター発生の封じ込めが推進された[335]。なお、この三つの密のある空間は「3密」と表現され[336]、広報されている[337]

集団免疫

集団免疫 (Herd immunity) のモデル。
  (青):免疫を持っていない人
  (黄):免疫を持っている人
  (赤):感染者
1.上段図では、免疫を持っている人がいないため感染が激増する。
2.中段図では、集団の少数に免疫を持つ人がいる。
3.下段図では、集団の大多数が免疫を持っている。その結果、上段図と比べて、感染の拡大は圧倒的に抑えられる。

日本の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議は3月2日に「感染症のなかには、大多数の人々が感染することによって、感染の連鎖が断ち切られ、感染していない人を保護する仕組みが機能できる」として集団免疫の考えに言及した[338]

集団免疫は、市中感染が拡大する以前の隔離政策、またワクチンがない場合の対策として見なされている[338]

新型コロナウイルスと同じコロナウイルスである、ヒトコロナウイルスOC43について、集団免疫が成立しているかもしれないという説がある[339]。このウイルスは、19世紀末に100万人が死亡した大流行の元凶の可能性があるが[340]、現在では季節性の風邪に過ぎない。

イギリスでの集団免疫

3月12日、英国政府は集団免疫で対策すると表明した[338]

3月14日、イギリスの科学者は「社会距離戦略の即時実施提言」を発表し、政府の対応は不十分で、もっと厳しい「社会距離戦略」を速やかに実施すれば、国内の感染拡大を劇的に遅らせ、数万人の命を救うと主張した (3月16日迄に501人署名)[341][342]。また現時点で『集団免疫』を追求するのは有効ではないとした[342]バーミンガム大学のウィレム・ファン・シャイク教授(微生物学)は、集団免疫の効果を目指すには、国内だけで3600万人が感染し回復しなくてはならないが、その人的コストの予測は不可能で、数万人から数十万人が死亡するとし、「NHSがパンクしてしまわないよう、数百万人の感染が長期間にわたり散発的に起きるように流行期間を引き伸ばすしかない」と述べた[342]

イギリス保健省は「集団感染は、我々の行動計画の一部ではなく、感染症流行の自然な副産物だ。人命を救い、最も弱い立場の人たちを守り、NHSの負担を軽減することが、私たちの目標だ」とし、「感染対策はすでに封じ込めフェーズを過ぎて、感染拡大を遅らせる段階にきている」「今後数カ月の間に国内の免疫力がどういうレベルになるか、予測できている」と反論した[342]

渡航制限

流行の発生を受けて、シェンゲン圏内のほとんどの国と地域[343]、およびアルメニア[344]オーストラリア[345]インド[346]イラク[347]インドネシア[348]カザフスタン[349]クウェート[350]マレーシアモルディブモンゴルニュージーランドフィリピンシンガポールスリランカ台湾[351]ベトナム[352]、およびアメリカ合衆国[353] が、中国市民や最近中国を訪問した者に対する一時入国禁止や、中国市民に対する査証(ビザ)の発行停止および査証発行要件の強化を実施した[354]

サモアに至っては、中国での滞在歴がある自国民の入国さえも拒否し、適法性を巡って広く非難を呼んだ[355]

欧州連合 (EU) はシェンゲン協定を一時効力停止してイタリアとの間に国境管理を導入する考えを拒否した[356][357]

日本からの渡航者に対し入国制限をしている国が2020年3月27日時点で176カ国・地域、世界の約9割に相当し、2月25日時点の7カ国から25倍となった[358]。また、3月31日時点で日本はアメリカ、ヨーロッパ、中国、韓国を渡航中止勧告と入国拒否の対象国に指定することを決定した[359]。2021年「オミクロン株」が流行した時には全世界から外国人の新規入国を停止した[360]

韓国は2020年4月から投資、貿易、人道上に限りビザを発給し入国を制限した。2022年の6月から観光ビザの発給を再開し[361]、同月8日ワクチン未接種者にかされていた隔離措置を解除した[362]

アメリカは3月13日にシェンゲン協定締結国26カ国に対し30日間の入国禁止を実施、16日には制限をアイルランドとイギリスにも拡大した[363][364]。19日にはアメリカの全国民に海外渡航の中止を求める勧告を出した[365]。2021年10月、アメリカはワクチン接種を条件に入国制限を緩和した[366]

北朝鮮は1月21日(武漢の都市閉鎖は同23日)に中国からの旅行客の受け入れを中止し、事実上の国境封鎖を行った[367]

在外国民の避難

ウクライナは武漢から自国民および外国市民を避難させた。

武漢市および湖北省で公共交通が封鎖されたため、いくつかの国は、中国当局による離着陸許可を得て、チャーター便を手配して同地域から自国民および外交職員を本国へ避難させることを計画した。カナダ、アメリカ合衆国、日本、インド、フランス、オーストラリア、スリランカ、ドイツ、およびタイは、早くから自国民の避難を計画していた[368]。一方、パキスタンは中国から自国民を避難させないと言明した[369]。2020年2月7日、ブラジルは34名のブラジル人や家族、および4名のポーランド人、1名の中国人、1名のインド人を避難させた。このポーランド人、中国人、インド人は、ブラジル機が本国へ向かう途中に降り立ったポーランドで降機した。本国に帰国したブラジル国民はブラジリア近くの軍基地で検疫された[370][371]。同日、215名のカナダ人が中国の武漢からカナダ軍基地トレントン英語版避難(176名は第1便、39名は米国政府がチャーターした第2便)し、2週間検疫された。2月11日、別の便で185名のカナダ人が武漢からカナダ軍基地トレントンに到着した。オーストラリア当局は2月3日と4日に277名の国民を検疫施設に転用したクリスマス島にある収容所に避難させ、そこで14日間待機させた[372][373][374]。ニュージーランドの避難者を乗せた航空便(オーストラリアおよび太平洋諸国の市民も搭乗)は2月5日にオークランドに到着し、オークランドの北、ファンガパラオアにある海軍基地で検疫された[375]。アメリカ合衆国はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号に乗船しているアメリカ人を避難させると発表した[376]。2月21日、「ダイヤモンド・プリンセス」号から避難した129名のカナダ人を乗せた航空機がオンタリオ州トレントンに到着した[377]。インド政府は国民をイランから避難させるため、空軍を向かわせる予定であることを発表した[378]

都市封鎖 (ロックダウン)

武漢でのCOVID-19のパンデミックが抑制され、イオンモールは営業を再開した。
  • 中国:2020年1月23日、武漢市都市封鎖を宣言。ドイツ連邦保健省、シュパーン保健大臣、ロベルト・コッホ研究所は3月11日に、武漢の強制隔離は感染者の急増を防ぎ緩やかにする効果は期待できるが、新規感染の数を減らすものではなく、ウイルスの消滅を意味しないとし、隔離の効果への過度の期待はできないと述べた[379][380]シャリテ医科大学のクリスチャン・ドロステン (Christian Drosten) は、中国当局のデータは意図的に操作されており信頼に値しないとし、また中国の社会活動が元通りになれば再流行が起こると予測した[380]。3月27日から武漢の道路や鉄道の封鎖が解かれはじめた[381]ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のケイシャ・プレムは「武漢の移動制限の拙速な緩和は避けるべき。感染『第2波』が早まりかねない」と強調した[382]
  • 日本:2020年2月20日、イベント主催者に必要性の検討を要請[383]。2月27日、スポーツやイベントなどの集会の2週間の中止・延期・規模縮小を要請し[383]、3月2日からの一斉休校を要請した[384]。3月19日に専門家会議は、感染が爆発的に急増(オーバーシュート)すれば、強硬なロックダウン措置(都市封鎖・店舗閉鎖・外出自粛など)を取る必要があると提言した[334]。しかし、3月13日に成立した改正新型インフルエンザ等対策特別措置法には罰則規定が無いため、罰則を規定する立法か超法規的措置を行わない限りは政府や各都道府県自治体によるロックダウンは不可能であり、外出自粛の要請(最終的な意思決定は国民に任せる)が限界である[385]
    • 北海道:2月28日、緊急事態を宣言、週末の外出自粛を要請[386]、3月1日に「人が大勢集まり、風通しが悪い場所」に行かないことを要請、緊急事態宣言は19日で終了、外出自粛は4週連続で呼びかける[387]
    • 名古屋市:3月9日、感染の疑われる市民に不要の外出禁止を条例で求めた[388]
  • イタリア:2020年2月22日、ロンバルディア州ローディ県10自治体やヴェネト州ヴォー封鎖[389]。3月7日、ロンバルディア州全州、エミリア=ロマーニャ州マルケ州ピエモンテ州、ヴェネト州に拡大、ミラノヴェネツィアも含まれ、4月3日まで学校・スキーリゾートの閉鎖、スポーツ冠婚葬祭などイベントの中止、バーレストランの営業制限が命令された[390][391]。3月10日、北部に限定されていた移動制限と休校、レストランや喫茶店の夜間営業停止が全土に適用[392][393]。また3月12日-25日まで、生活必需品販売店や薬局などを除く全商業活動休止[393][394]。しかし、住民の外出は止まず、8日間で5万1000人の違反者が出たため、3月17日に政府は、感染を隠して外出した場合、虚偽の申告で公衆を危険にさらしたとして、懲役最長12年を科すと厳罰化した[395]。またロンバルディア州は携帯電話GPSによって市民の行動を監視していると明らかにした[395]。3月19日ロンバルディア州知事は「ジョギングも自転車に乗るのもやめてほしい」「訴えを聞いてもらえなければ軍隊を出動する」と言った[396]
  • 韓国大邱市は2020年3月7日、新興宗教団体「新天地イエス教会」の関係者が入居する建物で46人の集団感染が確認されたため、2棟を封鎖した[397]
規制により人通りがなくなったスペインの通り(2020年3月15日)
  • スペイン:2020年3月14日に非常事態を宣言。買い物や出勤以外の外出を制限。国境も事実上封鎖[398]
  • フィリピン:2020年3月15日から4月14日までマニラ首都圏を封鎖[399]、3月17日にルソン島全域も封鎖[400]
  • レバノン:2020年3月15日、外出禁止措置を実施[401]
  • チェコ:2020年3月16日、都市封鎖を実施[401]
  • EU:2020年3月16日、EU域内への不要な渡航の30日間禁止を提案。入域制限地域はアイルランドを除くEU加盟26カ国と、シェンゲン協定に参加する非EU4カ国の計30カ国を想定し、状況によって延長も検討[402]欧州委員長フォンデアライエンは「移動が少ないほど、ウイルスを封じ込めることができる」と述べた[402]
  • ドイツ:2020年3月16日から学校を閉鎖し、17日から美術館、映画館、スポーツ施設、コンサートホール、バー、動物園などが営業停止、公演も各種イベントも禁止し、事実上の都市封鎖(ロックダウン)[403]。18日から飲食店の営業時間を午前6時から午後3時までに制限し、テーブルの間隔は最低1.5メートル以上、入店は最大30人までという条件付きである。午後3時以降は、テイクアウトもしくは配達のみ[403]。スーパー、薬局、ガソリンスタンド、銀行などは営業可能で、ふだんは営業禁止の日曜も営業可能とした[403]。さらに国境も閉鎖した[403]
フランスパリの地下鉄駅(2020年3月24日)
  • フランス:2020年3月17日から15日間、買い物や通勤を除き、外出を制限し、違反者は処罰[398]
  • イスラエル:2020年3月17日、外出禁止措置を実施[401]
  • ベネズエラ:2020年3月17日、外出禁止措置を実施[401]
  • ベルギー:2020年3月18日、外出禁止措置を実施[401]
  • マレーシア:2020年3月18日から31日まで全国で都市封鎖[400][404]。スーパーマーケットや薬局、水・電気・通信事業者、刑務所や防衛関連を除き、全ての政府と民間の事業所、学校が閉鎖される[404]。イスラム教の行事を含む大規模集会は禁止、レストランは配達サービスのみ営業可能[404]。日系工場の停止でサプライチェーンへの影響が懸念されている[404]
  • イギリス:2020年3月18日、20日から一斉休校を実施すると発表[405]ロンドン市は3月19日から最大40カ所の地下鉄駅を閉鎖、カーン市長は必要でない限り公共交通機関を使わないよう要請[406]
  • アメリカ合衆国カリフォルニア州は2020年3月19日、外出禁止令を発令した。食品店、薬局、銀行などは営業を継続する[407]
  • インド:2020年3月19日、デリー首都圏で全ての飲食店、スポーツジム、ショッピングモールを閉鎖し、22日から全土で外出を禁止[408]
その他
  • オーストリア、イギリス、ドイツ、イランは外出禁止までは至っていないが、移動を制限[401]
  • チュニジア、ボリビア、セルビア、米ニュージャージー州、米自治領プエルトリコ、フィリピンの首都マニラでは、夜間外出禁止[401]

学校閉鎖 (一斉休校)

各国での学校閉鎖の状況
  一部地域の学校を閉鎖した国・地域
  全国の学校を閉鎖した国・地域

世界各国で集団感染を防ぐために学校や大学が閉鎖され、少なくとも15億人の児童・生徒・学生が影響を受けた[409][410]

また、国連教育科学文化機関 (UNESCO) は、世界各国で学校を閉鎖していることによる教育の中断を懸念し、遠隔学習プログラムの実施を推奨している[411]

国際援助

  • 2020年1月26日、ゲイツ財団は、500万ドルの寄付を表明し[412]、2月5日、更に1億ドルをWHOに寄付すると発表した。寄付金はワクチンの研究費と処置の取り組み、ならびに「危険にさらされているアフリカおよび南アジアの人々」を守るために使われる[413]
  • 日本は、武漢市にいる日本国民を救出するためのチャーター便の手配を調整する過程において、まず無人となる往路便で、日本国民のためだけでなく中国の人々のためにもなる、大量のマスクおよび防護服から成る支援物資を武漢市に輸送することを約束すると茂木敏充外務大臣が表明した[414]。1月26日、チャーター便が武漢市に到着し、100万枚のフェイスマスクを武漢市に寄付した[415]。支援物資の中には東京都から寄付された医療用防護服2万着も含まれていた[416]。1月28日、水戸市は5万枚のマスクを友好交流都市である重慶市に寄付した。2月6日、岡山市は22,000枚のマスクを姉妹都市の洛陽市に送った。政権与党の自由民主党は2月10日、党所属の国会議員全員の3月分の歳費(給与)から一律5,000円を天引きし、集まった200万円を中国に寄付するという象徴的な行動を見せ、これについて同党の二階俊博幹事長は「我が国にとって、中国でのウイルスの大流行を見るとき、身内や隣人が苦しんでいるのを見ているようであります。日本の人々は中国を助けることを厭わず、この大流行がなるべく早く終息することを願っております」と述べた[417]ピースウィンズ・ジャパンはスタッフを中国に派遣し、同国に送るフェイスマスクやその他の物資の配布を手伝うと発表した[416]
  • 人道支援団体「ダイレクト・リリーフ」はフェデックスと協力して輸送・物流支援を受けながら、手袋と病衣を含むその他の個人用保護装備とともに、1月30日までに支援の要望があった20万枚のフェイスマスクを緊急空輸し、武漢協和医院中国語版に届けた[418]
  • 1月30日、アメリカの大学で学ぶ中国人留学生の一部はグレーター・シカゴ地域の合同グループと共に5万枚のN95マスクと1,500着の防護服を湖北省の病院に送った[419]
  • 2月5日、中国外務省はベラルーシ、パキスタン、トリニダード・トバゴ、エジプト、およびイランを含む21カ国が中国に支援物資を送ってきたと表明した[420]
  • 2月8日、アメリカ合衆国国務省は中国に約18トン分のマスクや防護服など感染対策の支援物資を空輸し、最大1億ドルの資金援助も行うと表明した[421]ピッツバーグ市は姉妹都市である武漢市に医療物資を送ると発表[422]、ピッツバーグ大学医療センター (UPMC) も支援計画を発表した[423]
  • マレーシアは1800万人分の医療用手袋を中国に寄付することを発表した[424]
  • フィリピン赤十字社英語版からも140万ドル相当のフィリピン製フェイスマスクが寄付され、武漢市に発送された[425]。トルコは医療用装備を発送し[426]、ドイツは10,000着の化学防護服を含む様々な医療用品を配送した[427]
  • 2月19日、シンガポール赤十字社は226万ドル相当の支援物資を中国に送ると発表した[428]

  1. ^ 特に日本の旅行・伝統文化・イベント業界の売上高は2020年5月の前年同月比で軒並み99%減[16]
  2. ^ なお、ジョンズ・ホプキンス大学の集計には反映されていない。
  3. ^ 専門家会議の見解における「換気の悪い密閉空間」とは、一般的な建築物の空気環境の基準を満たしていないことを指すものと考えられる。その意味では、ビル管理法の基準に適合させるために必要とされる換気量(一人あたり必要換気量約 30m3 毎時)を満たせば、「換気の悪い密閉空間」には当てはまらないと考えられる。[331]
  4. ^ アカマイ・テクノロジーズは一般には知られていない会社だが、他を圧倒する高速なコンテンツ配信により日常的に使われる大手Webサイトの全てを顧客に持っていると言われる、インターネットで最大の会社である[549]
  5. ^ 2020年大晦日スペシャル以降、出演者全員マスクを着用している。
  6. ^ 読売新聞』のコーナー「こどもの詩」への投稿作品を楽曲化したもの。





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