ピースウィンズ・ジャパンとは? わかりやすく解説

ピースウィンズ・ジャパン

行政入力情報

団体名 ピースウィンズ・ジャパン
所轄 広島県
主たる事務所所在地 神石高原町近田1161-2
従たる事務所所在地 広島県神石郡神石高原町上豊松728号 東京都渋谷区富ヶ谷2-41-12富ヶ谷小川ビル2階 佐賀県佐賀市松原1-3-5まるなかビル6階 愛媛県越智郡上島町弓削豊島42番地 島根県隠岐郡海士町大字海士1473-6
代表者氏名 大西 健丞
法人設立認証年月日 1999/09/30 
定款記載され目的
この法人は,生命の尊厳守られだれもが安心して豊かな生活を享受できるよう,国内外諸問題解決積極的に貢献するとともに市民民間組織公益実現により大きな役割を担う社会構築取り組むことを,その目的とする。 
活動分野
保健・医療福祉     社会教育     まちづくり    
観光     農山漁村中山間地域     学術・文化芸術スポーツ    
環境保全     災害救援     地域安全    
人権・平和     国際協力     男女共同参画社会    
子どもの健全育成     情報化社会     科学技術振興    
経済活動活性化     職業能力雇用機会     消費者保護    
連絡助言援助     条例指定    
認定
認定・仮認定
認定   認定   旧制度国税庁)による認定   認定更新中  
PST基準
相対値基準     絶対値基準     条例指定()    
認定開始日:  2014/12/19     認定満了日:  2029/12/18     認定取消日:   
認定年月日:    認定満了日:    認定取消日:   
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解散年月日  
解散理由  

ピースウィンズ・ジャパン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/21 13:31 UTC 版)

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
Peace Winds Japan
略称 PWJ
国籍 日本
格付 特定非営利活動法人
法人番号 2010005017549
専門分野 人道支援
設立日 1996年2月
代表者 代表理事 兼 統括責任者 大西健丞
活動地域 イラクケニア南スーダンウガンダスリランカミャンマー東ティモールネパールハイチバングラデシュインドネシア日本
主な事業 緊急人道支援、難民支援、国内災害支援、地域再生、犬の保護、フェアトレード
事務所 本部:〒720-1622 広島県神石高原町近田1161-2 2F
東京事務所:〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷2-41-12 富ヶ谷小川ビル2F
佐賀事務所:〒840-0831 佐賀県佐賀市松原1-3-5 ゼロワン佐賀ビル6F
外部リンク https://peace-winds.org/
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特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン: Peace Winds JapanPWJ)は、1996年2月に設立されたNGOである。紛争地や災害被災地で人道支援を中心に活動し、国内の地域再生、動物愛護活動などにも関わる。広島県神石高原町に本部を置き、代表理事と統括責任者を大西健丞が兼務する[1]

主な沿革

  • 1996年の設立以来、主にイラク北部のクルド人自治区で人道支援と復興援助を行った。2014年からシリア内戦でイラク北部に逃れた国内避難民も支援している。2019年2月に在イラク日本国大使館は、日本とイラクの相互理解と友好関係に寄与したことでPWJ在イラク代表のカワ・サミ・サブリ・アルソラニ氏に在外公館長表彰を授与した[2]。2019年10月にトルコがシリア北部へ越境攻撃を開始し、約1万8000人のクルド人がイラク北部のスヘーラへ避難した。国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) の要請で、シリア難民が一時避難するための巨大テントを4棟設置した[3]
  • 1999年に東ティモールで独立の是非を問う住民投票が実施されたが騒乱で大量の国内避難民が発生すると、現地で緊急支援を開始して2003年から現地のコーヒー生産者の自立支援と産業育成の一環としてフェアトレード事業を開始し、「ピースコーヒー」の製品化までのすべての工程を管理・指導している[4][5]
  • 20年以上続いた第二次スーダン内戦が2006年に終結すると、南スーダンで活動を開始し、井戸掘削やトイレ建設など水供給や衛生面で支援している[6][7]
  • 2011年の東日本大震災で、発災直後に宮城県気仙沼市を中心に緊急支援を開始し[8]、南三陸町、岩手県陸前高田市、大船渡市へ活動地域を拡大した。仮設住宅への生活用品・暖房器具の配布、商工会への資機材支援、バス運行、乳幼児への遊び場の提供、自主防災支援、コミュニティ支援等の活動を行った[9][10][11]
  • 2011年から2012年の東アフリカ大干ばつソマリアから45万人超がケニアへ難民として逃れると、2012年2月からダダーブ難民キャンプで支援を開始した。2018年12月までに外務省のNGO連携無償資金などを活用して約14,000軒の仮設住宅を建設し、難民の住環境を改善した[12][13]
  • 2015年のネパール大地震で、バグマティ県で給水施設の修繕・復旧や耐震技術の普及など活動し、2017年から国際協力機構 (JICA) の資金で営農改善による生計向上を指導している[14]
  • 2016年4月の熊本地震で、熊本県益城町において避難所支援として益城町総合体育館前広場に女性専用の大型シェルターやペット連れ向けのテントを設営し[15][16][17]、5月に再春館製薬所本社内の芝生広場でペット同伴避難が可能なテント村避難所を開設し、のちに熊本テクノリサーチパーク内でエアコンを完備するユニットハウス村を設けて移転した[18]。避難生活の長期化に伴い施設形態を変えながら10月末までの約7か月間避難所を運営した[19]
  • 2016年9月より、日本の4人組バンドSEKAI NO OWARIとの共同プロジェクト『動物殺処分ゼロ活動支援プロジェクト「ブレーメン」』が始動[20]
  • 2017年7月の九州北部豪雨で、朝倉市において災害救助犬とレスキューチームが行方不明者を捜索し、企業と連携して避難所に寝具、衣類、衛生用品などの支援物資を配布[21]
  • 2018年に、保護犬25匹に狂犬病予防注射をしなかった狂犬病予防法違反の容疑で、大西健丞代表理事と職員2人が福山北警察署他に書類送検された[22]
  • 2018年の西日本豪雨で、岡山県と広島県で救助、避難所支援、物資支援、医療支援などを2019年2月まで行う[23]
  • 2018年のインドネシアスラウェシ島地震で10月から地元の救援団体ACTやジャパン・プラットフォーム (JPF) と連携し、6300世帯に台所用品などの生活支援物資を配布し、仮設住宅を建設して256世帯に提供した[24]
  • 2019年に、犬舎で多頭飼育することで喧嘩が発生して2匹が殺傷された事件で、PWJと2人が書類送検された[25][26]
  • 2019年の台風15号で千葉県に大規模停電が発生すると、医師と看護師を含む支援チームが県南部で診療して支援物資を配布し[27]、のちに鋸南町災害ボランティアセンターで運営を支援して被災家屋のブルーシート張りを担当した[28]
  • 2019年の台風19号の豪雨で千曲川が決壊した長野市において、支援チームは消防やDMATとともに、高齢者の転院搬送を200人余支援して避難所で医療支援した[29][30]
  • 2019年に、NPO法人アジアパシフィックアライアンス・ジャパンと公益社団法人シビックフォースとともに「空飛ぶ捜索医療団ARROWS」を発足し、医師や看護師などが空路で被災地に駆けつけて救援活動や医療支援にあたる災害支援プロジェクトを開始[31]
  • 2019新型コロナウイルス禍で、2020年にJPFの助成事業として感染拡大地域で高齢者施設へマスクなどの支援物資を配布[32]
  • 2020年に長崎港に停泊中のクルーズ船「コスタ・アトランチカ」で新型コロナウイルスの集団感染が発生すると、4月下旬に長崎県の要請で「空飛ぶ捜索医療団ARROWS」の医師や看護師らが医療支援を行った[33]
  • ウガンダへ逃れたコンゴ民主共和国 (DRC) の難民を、2019年7月から支援し、2021年は難民居住地区で新型コロナウイルス感染症予防策として給水衛生を支援した[34]
  • 2021年に国連児童基金 (UNICEF) と協力してイラクで、乳幼児の定期予防接種や新型コロナウイルスワクチン接種のためにモースルでワクチン貯蔵庫を建設した[35]

批判

週刊新潮の2018年5月10日号で、「ピースワンコ事業で殺処分ゼロを謳いながら52匹にも及ぶ犬の安楽死が行われている」「数十人のスタッフのみで1200匹にも及ぶ犬が劣悪な環境で飼育されている」「保護犬に不妊去勢手術をしないのは、保護団体として不適切」と報道された。これに対しPWJは同日、「助かる可能性のない犬のみを安楽死している」「犬舎等の清掃を外部の清掃業者に委託している」「今の状態はまだ理想的ではないが、現状でも日本の保護施設のなかで相対的に良い環境」[36]とウェブサイトで反論した。

また、同紙は9月12日号で、「殺処分より酷い虐待」「フードも1日1回」「犬がケガをしても処置さえできない」「団体が広島県神石高原町へのふるさと納税などを利用して活動資金を調達し、『殺処分ゼロ』の美名で10億円集金」などと続報した。PWJは9月14日、「2500頭の犬がいるが、約2億円をかけて犬舎3棟を新たに建て居住スペースは1400平米増加し、1頭あたり1枚ほどのスペースを確保している。これで十分とは考えず常に拡充の努力を続けているが、現状でも日本の保護施設のなかでは相対的に良い環境」[37]とウェブサイトで反論した。

その後、12月6日号で「動物愛護管理法に違反しているとしてピースワンコの事業を司るピースウィンズ・ジャパン大西健丞代表理事とピースワンコ責任者大西純子が、11月26日に広島県警福山北警察署へ告発された」と報じた。のちに平成30年検第101377号と令和元年検第100572号で不起訴処分となった。

脚注

  1. ^ 死亡は静岡の男性操縦士 広島ヘリ墜落”. 産経ニュース (2022年8月16日). 2022年8月17日閲覧。
  2. ^ ピースウィンズ・ジャパン在イラク代表カワ・サミ・サブリ・アルソラニ氏に対する在外公館長表彰の授与 : 在イラク日本国大使館”. www.iraq.emb-japan.go.jp (2019年2月21日). 2019年11月14日閲覧。
  3. ^ 国追われた家族たち 手を差し伸べたい、日本人のバトン:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2020年1月8日). 2020年1月21日閲覧。
  4. ^ 月刊!プロジェクトマネージャーの1日 第28回 草の根技術協力事業 市民参加 事業・プロジェクト - JICA”. www.jica.go.jp. 2019年11月15日閲覧。
  5. ^ 東ティモール産「PEACE COFFEE(ピースコーヒー)」”. びんちょうたんコム. 2019年11月15日閲覧。
  6. ^ 南スーダン通信 A Letter from the Ambassador of Japan to South Sudan : 在南スーダン日本国大使館”. www.ss.emb-japan.go.jp (2015年7月15日). 2019年11月11日閲覧。
  7. ^ 特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン – アフリカ日本協議会 -Africa Japan Forum-”. 2019年11月11日閲覧。
  8. ^ ピースウインズ・ジャパンスタッフ3名と緊急支援物資、気仙沼に到着”. GiveOne. 2019年11月11日閲覧。
  9. ^ 特定非営利活動法人 ピースウィンズ・ジャパン - 陸前高田市まちづくりプラットフォーム”. 2019年11月11日閲覧。
  10. ^ 東日本大震災:気仙沼市で「森のつみ木広場」実施 現地レポート⑨<松岩公民館> « OISCA news” (2012年3月21日). 2019年11月11日閲覧。
  11. ^ 2012年開始事業|東日本大震災被災者支援特設サイト 認定NPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)”. tohoku.japanplatform.org. 2019年11月11日閲覧。
  12. ^ ODAメールマガジン(第406号)の発行”. 外務省 (2019年9月27日). 2019年11月11日閲覧。
  13. ^ 日本放送協会. “世界最大の難民キャンプはなぜ閉鎖に追い込まれたのか - 記事 - NHK クローズアップ現代+”. NHK クローズアップ現代+. 2019年11月11日閲覧。
  14. ^ NGO-JICAジャパンデスク(JICAプラザ) ネパール事務所 海外のJICA拠点 JICAについて - JICA”. www.jica.go.jp. 2019年11月11日閲覧。
  15. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2016年4月25日). “【熊本地震】避難所に女性目線 着替え・授乳…悩みに対応”. 産経ニュース. 2019年11月11日閲覧。
  16. ^ ペット同行避難 難しく 一時預かりなど支援は拡大 場所、人手 なお不足 熊本地震”. 西日本新聞ニュース (2016年4月27日). 2019年11月11日閲覧。
  17. ^ 熊本地震で被災ペットを救う活動が続々始まる いざという時の犬猫「備蓄用品」と避難方法は”. J-CASTニュース (2016年4月21日). 2019年11月11日閲覧。
  18. ^ 再春館ヒルトップ『ペット同居テント村』終了しました。”. 【再春館製薬所】熊本復興への取組み (2016年7月11日). 2019年11月11日閲覧。
  19. ^ 環境省_熊本地震における被災動物対応記録集”. www.env.go.jp (2018年4月27日). 2019年11月11日閲覧。
  20. ^ 【殺処分ゼロへ!】SEKAI NO OWARIとの共同プロジェクト始動 | お知らせ”. ピースワンコ・ジャパン. 2025年3月15日閲覧。
  21. ^ 九州北部豪雨・緊急支援のNPOスタッフが振り返る”. オルタナS (2017年8月14日). 2019年11月11日閲覧。
  22. ^ ピースウィンズ・ジャパン代表理事ら書類送検 狂犬病予防法違反の疑い”. MSN. 2018年12月8日閲覧。
  23. ^ まび記念病院で緊迫の患者救出 稲葉医師「時間との闘い」語る”. 岡山の医療健康ガイド MEDICA (2018年7月18日). 2019年11月11日閲覧。
  24. ^ 256世帯に仮設住宅 被災地パル ピースウィンズが支援”. www.jakartashimbun.com (2019年4月26日). 2019年11月11日閲覧。
  25. ^ 狭い犬舎で犬同士けんか発生、2頭殺傷し書類送検 - 社会 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com (2019年6月4日). 2019年6月7日閲覧。
  26. ^ 劣悪環境で保護犬2匹死なせる 容疑でPWJ代表らを書類送検:山陽新聞デジタル|さんデジ”. 山陽新聞デジタル|さんデジ. 2019年6月7日閲覧。
  27. ^ 停電続く館山・南房総 NPOが医師派遣、避難所へは物資も”. 東京新聞 (2019年9月15日). 2019年11月11日閲覧。
  28. ^ 台風15号被災者支援2019|国際協力NGOジャパン・プラットフォーム(認定NPO法人)”. www.japanplatform.org. 2019年11月14日閲覧。
  29. ^ 「恩返ししなければという思い」 西日本豪雨での経験を生かし、台風19号の被災地で医師らが支援活動 岡山(KSB瀬戸内海放送)”. Yahoo!ニュース. 2019年11月11日閲覧。
  30. ^ 長野県立総合リハセンター、千曲川氾濫で膝まで泥水|医療維新 - m3.comの医療コラム”. www.m3.com. 2019年11月15日閲覧。
  31. ^ 「空飛ぶ医療団」活動広げ 発足半年、クルーズ船に派遣も 神石高原 /広島”. 毎日新聞 (2020年5月28日). 2020年6月1日閲覧。
  32. ^ 新型コロナウイルス対策緊急支援(寄付受付中)|国際協力NGOジャパン・プラットフォーム(認定NPO法人)”. www.japanplatform.org. 2020年4月25日閲覧。
  33. ^ 長崎に停泊中のクルーズ船の医療支援 県外の医療チームも参加(KTNテレビ長崎)”. Yahoo!ニュース. 2020年5月9日閲覧。
  34. ^ ウガンダ国内コンゴ民主共和国難民緊急対応支援-ジャパン・プラットフォーム(JPF)”. www.japanplatform.org. 2021年11月12日閲覧。
  35. ^ イラク:長年の破壊を受けた街に、ワクチンが希望をもたらす”. www.unicef.org (2021年10月11日). 2021年11月12日閲覧。
  36. ^ 【お知らせ】『週刊新潮』5月10日発売号の記事について”. ピースワンコ・ジャパン (2017年5月10日). 2018年12月18日閲覧。
  37. ^ 【お知らせ】『週刊新潮』9月12日発売号の記事について”. ピースワンコ・ジャパン (2018年9月14日). 2018年12月18日閲覧。

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