野生化
外来種
野生化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:19 UTC 版)
ペットが野に放たれ、外来種が生み出されるという問題も世界中で発生している。たとえば日本では、アライグマが野生化し、農作物を食い荒らす、住宅の天井裏に住み着き糞尿をするなどの被害が発生している。アライグマがペットとして人気となったのは、1977年(昭和52年)に放映された『あらいぐまラスカル』というテレビ番組の影響であるとされる。しかしアライグマの成獣は気性が荒く、飼育は難しい。世話に手を焼く飼い主が捨てたことで、野生のアライグマが全国に急速に増加した。そのような実情を経て日本ではアライグマは飼育禁止になっており、野生の個体を捕獲・保護した場合にも飼育は不可能である。 野生化したペットは狩猟対象となることがある。ドイツでは、同国の狩猟法において、野生の犬猫の駆除は野生生物の保護を名目に合法化されている。年間40万匹のノネコ、4 - 6万頭のノイヌが民間のハンターによって狩猟の対象とされているが、野生化した動物も単に戸外を歩き回るペットも見分けが付かないことにも絡んで、狩猟区域に入り込んだペットが捕獲されたり罠にかかったりするトラブルも報じられている。 日本でも、鳥獣保護法により野生化したノイヌ、ノネコは狩猟対象である。しかし、それらは非狩猟鳥獣の野良犬、野良猫との判別が困難なため、それらを主要な狩猟対象として活動する者はほとんどいないとされる。
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野生化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 06:24 UTC 版)
人間に飼われていたウサギが野生化して繁殖している島や大陸がいくつかある。ウサギのペットブームを背景に、飼い主の都合で公園や川岸などに捨てられたペットのウサギが群れ、繁殖したケースもある。室内飼い専用の品種として販売されていても、野外で生き延びる場合がある。 広島県大久野島 詳細は「大久野島のうさぎ」を参照 瀬戸内海にある広島県大久野島は別名を「うさぎ島」という。1970年代初頭に島外の小学校で飼われていたウサギがこの島に放されて繁殖したのだという。なお同島では戦時中に毒ガスの研究が行なわれていたが、そのための実験用ウサギが野生化したというのは都市伝説に過ぎない。実際には毒ガス関連処理の際に全羽殺処分されている。 愛知県前島 愛知県幡豆郡の無人島である前島も、名鉄海上観光船によって数百羽のうさぎが放し飼いにされ、「うさぎ島」と呼ばれた。日本猿を放し飼いにされた「猿ヶ島」こと沖島とともに41年間にわたって観光航路となっていたが、1997年11月30日に両島をめぐる観光船は運航廃止となり、ウサギは各地の動物園に、猿は日本モンキーパークに引き取られた。 オーストラリア ここではウサギの野生化が環境問題として扱われている。 オーストラリア大陸では、哺乳類は始新世までは有袋類と単孔類、そして有胎盤類が共存していたが、その後になって有胎盤類が一度姿を消した。5500万年前に翼手目が、2800万年前にジュゴンや鰭脚類が、約5万年前にネズミ目が現れ始めたが、ウサギ類はこの時まだオーストラリアには現れていなかったとされる。 オーストラリアでは1859年に、ビクトリア州において食用やハンティングの目的で飼育ウサギ持ち込み、それを放獣したのが、ウサギ類の分布の始まりであるとされる。現在はタスマニア州を除く全州に分布している。ウサギが増えたわけであるが、気候が適していて、餌が豊富で、その上で人間以外の天敵の猛威がさほどでもなかったのである。農作物や牧場の牧草、土着の植物を食い荒らし土壌の流失の原因になったとして、ウサギが数々の固有種とニッチを競合すること等とともに問題視された。そのため、オーストラリアでは農作物を守るため、ウサギの侵入を防ぐ「ラビット・プルーフ・フェンス」が敷設されている。ウサギを駆逐するため盛んに捕獲したところ、ウサギ毛皮の売上高がもともとの特産である羊毛の売上高を上回るという皮肉な結果を招いた時期があった。最近では、ウサギを捕食対象とする野良ネコが繁殖する事態も生じている。いうまでもなく、このノラネコもウサギ同様、人間が持ち込んだものが野生化したものである。 ニュージーランド ニュージーランド島には、翼手目、鰭脚類を除けば哺乳類はいなかったとされ、当然ウサギもいなかった。
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