マスクラットとは? わかりやすく解説

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マスクラット【muskrat】

読み方:ますくらっと

ネズミ科哺乳類体長2535センチ尾長1828センチ。体は暗褐色で、後ろ足水かきをもち、肛門近く麝香(じゃこう)臭を放つ腺(せん)がある。岸辺にすみ、巣穴出入り口水中作る北アメリカ分布日本では毛皮として飼育されいたもの野生化においねずみ

「マスクラット」に似た言葉

マスクラット

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/12 00:46 UTC 版)

マスクラット
マスクラット Ondatra zibethica
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネズミ目 Rodentia
: ネズミ科 Muridae
亜科 : ハタネズミ亜科 Arvicolinae
: マスクラット属
Ondatra Link, 1795
: マスクラット O. zibethicus
学名
Ondatra zibethicus
(Linnaeus, 1766)
シノニム

Castor zibethicus Linnaeus, 1766

和名
ニオイネズミ
英名
Muskrat
Ondatra zibethicus

マスクラットOndatra zibethicus)は、ネズミ科マスクラット属に分類される齧歯類。本種のみでマスクラット属を構成する。

分布

アメリカ合衆国カナダに自然分布[a 1]ヨーロッパロシア日本埼玉県中川水系、千葉県市川市東京都葛飾区水元公園[1][a 2][2])などに移入[a 1]

形態

体長30.2-30.3センチメートル[1]。尾長21.8-23.3センチメートル[1]。柔らかく短い体毛で密に被われる[1][a 2]。毛衣は褐色や黒褐色、黒[1][a 2]

趾には短毛が密生する[1][a 2]。尾は側偏し、泳ぐ時には舵の役割を果たしていると考えられている[1]。腹部に臭腺[肛門腺]があり、ここから分泌される匂い麝香(Musk)に似ていることが名前の由来[3]。かつて英名を直訳してジャコウネズミと呼んだこともあるが、トガリネズミ科ジャコウネズミと紛らわしいことから、今日ではこの呼称は文学作品の翻訳で見かけるぐらいである[4][5](「ニオイネズミ」という和名も以前はしばしば用いられたが、同様に現在ではあまり用いられなくなっている)。臭腺から発せられる匂いはディスプレイやマーキングに役立つと考えられている。

歯式は、1/1・0/0・0/0・3/3=16[6]

生態

などに生息する[3]。河川に生息することは少ない[3]。陸に上がることは少ない[3]。入口が水中にある巣を作り沼地では水中に植物を積みあげた塚を作りその中に、河川では水辺に横穴を掘って巣穴にする[3]

食性は雑食で、、水生植物、魚類甲殻類貝類などを食べる[3][a 2]

繁殖形態は胎生。妊娠期間は25-30日[1]。1回に1-11頭の幼獣を5-6回に分けて産む[1]。南部個体群は周年繁殖(主に3、11月)する[1]。寿命は3年。

形態、生態ともヌートリアによく似ており、混同されることも多い。

人間との関係

毛皮目的で狩猟されたり養殖されることもある。

日本国外では堤防を決壊させた被害例もある[a 2][2]。イギリスでは完全駆除に成功した[a 2][2]。日本では1943年江戸川区の養鶏業者によって毛皮用に養殖されていたが、第二次世界大戦後に放逐され江戸川周辺で野生化した[1]。都市化、開発によるハス畑や池沼、湿地の減少などにより生息数は減少している[1][6]ハス(レンコン)等の農作物、マコモヨシカラシナなどの水生植物などの生態系への懸念[7]、日本国外では堤防を決壊させるなどの被害例があることから、2006年外来生物法により特定外来生物に指定された[a 2]

参考文献

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会2008年、130頁。
  2. ^ a b c 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7 
  3. ^ a b c d e f 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、48、234頁。
  4. ^ 例 大きな森の小さな家 ローラ・インガルス・ワイルダー著,恩地三保子訳、福音館書店1972年 10-11、33頁 ISBN 978-4-8340-0350-5
  5. ^ ムーミン(1972年版
  6. ^ a b S. D. Ohdachi, Y. Ishibashi, M. A. Iwasa, and T. Saitoh (2009-07). The Wild Mammals of Japan. SHOUKADOH. ISBN 978-4-87974-626-9 
  7. ^ 鈴木欣司『日本外来哺乳類フィールド図鑑』旺文社、2005年7月20日。 ISBN 4-01-071867-6 

 

関連項目

外部リンク

  1. ^ a b c The IUCN Red List of Threatened Species
    • Linzey, A.V. 2008. Ondatra zibethicus. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.1.
  2. ^ a b c d e f g h 環境省

マスクラット

出典:『Wiktionary』 (2021/08/20 14:00 UTC 版)

名詞

  1. ネズミ目ネズミ科マスクラット属に属す齧歯類一種学名:Ondatra zibethicus。毛皮としても利用される。別名、においねずみ

翻訳


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