ゴマダラカミキリとは? わかりやすく解説

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ごまだら‐かみきり【×胡麻斑天牛】

読み方:ごまだらかみきり

カミキリムシ科昆虫体長2.53.5センチ触角は体より長い体色黒くて光沢があり、背面白斑散在する幼虫鉄砲虫とよばれ、コナラ・シイ・などを食害。《 夏》

胡麻斑天牛の画像
撮影朝倉秀之

ゴマダラカミキリ


ゴマダラカミキリ

和名:ゴマダラカミキリ
学名Anoplophora marasiaca THOMSON
    コウチュウ目カミキリムシ科
分布日本全土台湾朝鮮中国マレーシア
 
写真(上):ゴマダラカミキリ雌成虫
写真(下):ゴマダラカミキリ成熟幼虫
説明
幼虫が,柑橘園の蜜柑類,ポプラ類,ヤナギ類ハンノキ類,カエデ類,シラカバなどの庭園街路樹のほか,スギ造林木へ穿孔し,被害与える。成虫体長2435mm。雄は雌に比べて体長対す触角長さ長い老熟幼虫体長は,4560mm1年あるいは2年1回発生成虫は,関東地方では6月下旬から7月上旬にかけて脱出する雌雄成虫とも加害樹皮摂食して性成熟する。雌成虫樹幹表面に付け噛み傷産卵痕)に産卵管差し込み産卵する幼虫樹皮下および材内を食害するこのため,木の損や折損がおこる。幼虫越冬後,翌年あるいは翌々年成虫となる。防除法として成虫対す薬剤散布産卵防止のための樹幹下部へのトタン巻きなどがある。
ゴマダラカミキリ雌成虫

ゴマダラカミキリ成熟幼虫


胡麻斑天牛

読み方:ゴマダラカミキリ(gomadarakamikiri)

カミキリムシ科昆虫

学名 Anoplophora malasiaca


ごまだら天牛

読み方:ゴマダラカミキリ(gomadarakamikiri)

漆黒色の地に白い斑点のある大型カミキリ

季節

分類 動物


ゴマダラカミキリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 19:14 UTC 版)

ゴマダラカミキリ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Coleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
上科 : ハムシ上科 Chrysomeloidea
: カミキリムシ科 Cerambycidae
亜科 : フトカミキリ亜科 Lamiinae
: ゴマダラカミキリ属 Anoplophora
: ゴマダラカミキリ A. malasiaca
学名
Anoplophora malasiaca
(Thomson, 1865)

ゴマダラカミキリ(胡麻斑髪切 Anoplophora malasiaca)は、コウチュウ目(鞘翅目)、カミキリムシ科に分類される甲虫の一種。フトカミキリ亜科としては大型で姿が目立ち、また、食樹も広範であるため都市部の街路樹、庭木、公園樹木でもよくみられるため、国産カミキリムシ中で最もよく知られる種の一つである。

成虫の体長は2.5cm-3.5cmほどで、全身が黒い。特に前翅は光沢のある黒色に白い斑点が並目立ち、和名もこれに由来する。前翅以外の部分はあまり光沢がなく、腹側や脚は青白い細かい毛で覆われる。触角は体長の1.5倍ほどで、触角を形作る各節の根もとにも青白い毛があるため、黒と青のしま模様に見える。

北海道から琉球列島の日本全国に分布する[1]

生態

ゴマダラカミキリ(脚を開いている)2008年7月中旬、千葉県にて

ゴマダラカミキリは幼虫の食樹、成虫の後食対象ともに生木であるが、食樹が非常に幅広いのが特徴で、ミカン類、ヤナギクリクワイチジクプラタナスシラカバ、イチョウなど多岐にわたる。果樹街路樹として利用される木にもやってくるので都市部でも姿を見ることができ、比較的大型で目立つ体色であることも相まってよく知られたカミキリムシとなっている。

成虫は6月-8月に出現。昼夜の区別なく活動し、食樹の葉や若枝のみずみずしい樹皮を後食する。食樹の樹幹、梢を歩行したり、その周囲を飛翔する姿がみられる。夜間は灯火等の光源に飛来する。

交尾を終えたメスは生木の樹皮を大顎で傷つけ、その箇所に産卵する。主に根元付近の樹皮に産卵することが多いと書籍などでは記述されることもあるが、実際には同じ生木を食害するシロスジカミキリなどと同様に根元から1~2mの高さの幹に産卵することも多い。幼虫(テッポウムシ)は生木の材部を食害し成長する。幼虫は成長すると幹内部を降下し、主として根株の内部を食い荒らす。孵化から羽化までには1年-2年を要する。幼虫が侵入した樹木は幼虫の活動によって坑道が樹皮に達し穿孔され、木屑や樹液が出るようになる。蛹を経て羽化した成虫は木の幹に円形の穴を穿孔し、野外に脱出する。時に産卵痕や脱出痕からは樹液が染み出すことがあり、カナブンクワガタムシなどの昆虫が集まる様子も観察される。

幼虫が材部を掘り進むと直径1cm-2cmほどの坑道ができ、木の強度が弱くなって折れやすくなる他、ダメージを負った樹木は成長不良に陥り、枯死することもある。果樹や街路樹に被害が出ることもあり、特にミカン農家ではゴマダラカミキリは重大な害虫の一つとして警戒されている。

近縁種

奄美大島、徳之島と沖縄島にはオオシマゴマダラカミキリ A. oshimana (Fairmaire)、与那国島にはヨナグニゴマダラカミキリ A. ryukyuensis Breuning et Ohbayashi、小笠原諸島にオガサワラゴマダラカミキリ A. ogasawarensis Makihara が分布する。いずれもよく似ている。 中国から朝鮮半島にかけてはツヤハダゴマダラカミキリ Anoplophora glabripennis (Motschulsky, 1853) が分布する。こちらも日本のゴマダラカミキリと同様に幅広い食性を持ち、アキニレを中心にポプラカエデニレヤナギニセアカシアなど幅広い樹種を食樹とする。 近年、日本でも散発的に記録があり、特にアキニレを食害しているゴマダラカミキリ類は、慎重にツヤハダゴマダラカミキリか否かを同定する必要がある[2]

脚注

  1. ^ ゴマダラカミキリ”. 北海道立総合研究機構. 2025年8月10日閲覧。
  2. ^ 区別法・食樹等の詳細はツヤハダゴマダラカミキリを参照。

関連項目

  • ゼットン:背中のデザインはこの生物をモチーフにしている。



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