生態系エンジニアとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 生態系エンジニアの意味・解説 

せいたいけい‐エンジニア【生態系エンジニア】

読み方:せいたいけいえんじにあ

生息域環境改変することで、他の生物にも影響与え動植物ダムをつくることで小魚水草などの繁殖促すビーバーなど。


生態系エンジニア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/23 03:33 UTC 版)

生態系エンジニア(せいたいけいエンジニア, Ecosystem engineer)とは、ハビタットを創造したり、ハビタットを改変したりする生物のことである。

タイプ

Jones et al. (1994)は、生態系エンジニアを2つのタイプに分けている。

  • 同種異系エンジニアは、何らかの物質を物理的に変化させることで、環境を改変させる。
ビーバーは典型的な生態系エンジニアである。ビーバーは、樹木を切り倒しダムを作る過程において、環境を広範囲にわたって改変させる。様々なタイプの生物が、ビーバーがダムを作ることで、ダムが無い環境に比べよく育つようになる。
また、を巻いたり綴ったりしてを作るチョウ目幼虫(shelter maker)は、その巣を二次的に利用するその他の節足動物にとってのシェルターを作っている。ビーバーに比べ小規模だが、マイクロハビタットの改変を行うことで、多様な節足動物に様々な利益を与えているため、shelter makerは生態系エンジニアであると考えられている。
  • 自律的エンジニアは、自分自身を変化させることで、環境を改変させる。樹木は成長に従って、がその他の生物にとってのハビタットとなる。熱帯地方では、リアナ英語版が樹木同士をつなげることで、様々な動物林冠を移動することが可能となる。

事例

移入種は、しばしば生態系エンジニアと成り得る。

南東アメリカに移入したマメ科植物であるクズは、動物や分布個体数に変化をもたらした。また、クズが繁茂することで、在来種が生育できない環境になる。

北アメリカにおいて、カワホトトギスガイ(ゼブラ貝)もまた、生態系エンジニアの働きをしている。捕食者からの隠れ家を提供することでマイクロハビタットを増加させ、淡水性の無脊椎動物の成長を促している。結果として、湖に射す光の量が増加するため、の成長を促進させている。

関連項目

参考文献

  • Jones CG, Lawton JH and Shachak M 1994. Organisms as ecosystem engineers. Oikos 69: 373-386
  • Jones CG, Lawton JH and Shachak M 1997. Positive and negative effects of organisms as physical ecosystem engineers. Ecology 78: 1946-1957


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「生態系エンジニア」の関連用語

生態系エンジニアのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



生態系エンジニアのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの生態系エンジニア (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS