分割民営化以降
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「さくら」のオシ14形車内1999年8月 売店時代 原則的に分割民営化後は、1990年(平成2年)までに電車・気動車の食堂車は淘汰。「九州ブルトレ」や青函トンネル開通後に運転が開始された「北斗星」「トワイライトエクスプレス」の対北海道寝台特急のみで営業が継続された。 九州ブルトレでは従来からの営業スタイルで一定の評価と営業実績を維持する一方、1990年(平成2年)3月の改正で東京 - 下関間の「あさかぜ3号・2号」にラウンジカーが登場し、サービスカウンターでうなぎ御飯・カレーライス・牛丼・焼そば・たこ焼き・シュウマイなど温かい料理を提供するようになった。 しかし利用客の減少は続き、1991年(平成3年)6月1日に「みずほ」・「出雲1号・4号」が、1993年(平成5年)3月改正で九州ブルトレ全列車の食堂車営業が終了した。食堂車はその後しばらく売店として引き続き連結。日本食堂の従業員が電気コンロ以外の設備を利用して暖かい食事の提供を行ったが、売店としての営業は「さくら」が「はやぶさ」と併結運転を開始するにあたって終了。「フリースペース」 として食堂車が連結されていた「出雲」は2006年(平成18年)に列車自体が廃止となり、北海道系統を除く寝台列車の食堂車は全廃となった。 対北海道の2列車では、事前にみどりの窓口で食事券を購入するコース料理の予約制と「パブタイム」と呼ばれるコース料理終了後に設定される予約不要のスナック的営業を行い、従来の「予約不要で食事を取るための食堂車」から「列車内での食事を楽しむエンタテインメントとしての食堂車」というコンセプトへの転換が図られ好評を博した。その結果、1999年(平成11年)からは新たにE26系客車による「カシオペア」も設定されたが2010年代に入ると諸事情が重なり、いずれも列車そのものが廃止された。 「トワイライトエクスプレス」(大阪 - 札幌) スシ24 2「トワイライトエクスプレス」用食堂車 「ダイナープレヤデス」 ステーキピラフ・スペアリブ 朝食メインプレート 車両老朽化ならびに北陸新幹線並行区間の第三セクター化等を理由に始発駅基準で2015年(平成27年)3月12日発の列車をもって廃止。 1989年(平成元年)から運転開始された同列車にはスシ24形食堂車「ダイナープレヤデス」を連結。元々24系客車に存在したオシ24形とは別の車両であり、485系電車サシ481形・489形からの改造編入車であるため、寝台車特有の高い屋根とは異なる一段低い屋根にAU12形(1・2)またはAU13形の分散式冷房装置を搭載する点や、側板に大きな絞りのある車体などに特徴がある。食堂は以下の形態で営業されていた。大阪発下りのみ13時 - 16時:「ランチメニュー」品数限定でビーフシチュー・カレーライスなど提供。 札幌発上りのみ発車 - 16時:「ティータイム」スイーツとコーヒー・紅茶のソフトドリンク類のみ提供。 17時30分 - 21時:「ディナータイム」乗車前からの予約定員制で季節ごとに内容の変わるフランス料理フルコース(1万2,300円)を提供。 21時 - 23時:「パブタイム」ピラフ・パスタ・ビールやワインなどドリンク類・地鶏のから揚げ・スモークサーモンなどのおつまみ類を提供。 6時(大阪発)・6時45分(札幌発) - 9時:「モーニングタイム」希望者は乗車後に車内で利用時間を予約をする45分刻みの定員制。かつては和食・洋食が選べたが、廃止時点ではブレックファーストメニュー(洋食)のみ提供だった。 また、数量限定ながらルームサービスで以下のメニューが存在した。ディナータイム:日本海会席御膳(事前予約制6,000円) 大阪発19時まで:特製弁当トワイライト特製2段重(1,850円) 札幌発:黒毛和牛のすき焼き重(1,300円) 大阪発下り列車は正午前の発車でありランチタイムを営業することから食堂車で朝昼夕の3食を提供する列車であった。 「北斗星」(上野 - 札幌) 「カシオペア」(上野 - 札幌) スシ24 504「北斗星」用食堂車 「グランシャリオ」JR東日本所属車 「グランシャリオ」JR北海道所属車 「北斗星」フランス料理 「北斗星」朝和定食運行終了時とは内容が異なる 「カシオペア」食堂車内 「カシオペア」フランス料理 「カシオペア」懐石御膳 「北斗星」は2015年(平成27年)3月14日ダイヤ改正以降で臨時列車へ格下げ。青函トンネル区間での北海道新幹線試験走行本格化に伴い、同年8月22日発列車で廃止。 「カシオペア」は:北海道新幹線開業に伴い2016年(平成28年)3月21日上野駅到着列車で廃止。 「北斗星」に連結されていたスシ24形食堂車「グランシャリオ」は「トワイライトエクスプレス」同様にサシ481形・489形からの改造であるが、種車が1972年(昭和47年)以降に製造された車両であるため屋根上搭載冷房装置はAU13形のみである。廃止時点における「北斗星」ならびに「カシオペア」の営業形態は同一である。出発時 - 21時過ぎ:「ディナータイム」として和洋食ともコース料理のみの予約制営業。 21時30分(利用状況により変動あり) - 23時(オーダーストップは22時30分):ディナータイム終了後の「パブタイム」。列車利用者であれば予約なしでも利用できた。ハンバーグステーキやビーフシチュー(単品・定食)・スパゲッティ・カレーライス・ビール・ワインなどのドリンク類などを提供した。 6時30分 - :予約なしで利用可能の朝食営業。メニューはドリンク類と和もしくは洋定食のみ。 2010年(平成22年)12月16日までは和洋食ともおかずは同一で、ご飯・味噌汁セット(和食)もしくはパン・スープセット(洋食)のどちらかを選択する形であったが、翌17日のリニューアルでおかずが和食・洋食で異なる形態となった。和洋ともデザートのプリンおよび食後のコーヒー・紅茶は共通。 食材は下り列車の始発である上野駅構内の加工センターで予め加工調理した物を搭載していた。ディナー・弁当用食材は予約人数と予備の分を合わせたものを準備。 パブタイム用食材も車内で温めたりソースと合わせる直前まで加工。 朝定食用食材のうち、車内で行われる調理は和食は鮭切り身の塩焼き、洋食はスクランブルエッグ程度で、その他はフライヤーによる加熱調理で提供可能な状態に加工された。 到着駅である札幌では車内販売のビール樽・各種ドリンク程度のみの補充となるが、車内で調理する鶏卵等が予想よりも消費が多い場合などには稀に補充される場合もあった。このため折り返しとなる上り列車では、特に食材の1次加工に手間がかかるビーフシチューやハンバーグ等は積込数が限定されるため売切か売切間近となっていることも多く、他メニューも上野積載分の売切で終了となった。 前記の通り、観光列車の一環として食事サービスを提供する事例は21世紀になって複数の会社で実施されているが、下記の列車は運行を終了している。 「伊豆クレイル(IZU CRAILE)」 2016年7月16日から2020年3月29日まで、小田原 - 伊豆急下田間を土休日に1往復運行された快速列車で、651系電車を改造した座席定員98名/4両編成のジョイフルトレインだった。食堂車としての連結ではないが、1・3号車で料理を、バーカウンター・ラウンジを備えたパブリックスペースの2号車で酒類とつまみを提供した。クハ650-1007+モハ650-1007+モハ651-1007+クハ651-1101→クロ650-1007+モハ650-1007+モロ651-1007+クロ651-1101 1・3号車は食事・ドリンクをセットにした旅行商品として販売されたが、4号車のみ一般客向けに販売され、乗車券・普通列車用指定席グリーン券のみで乗車できたが、全車グリーン車指定席のため定期券、青春18きっぷならび北海道&東日本パスでの利用は不可だった。
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分割民営化以降
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以降、【東】はJR東日本、【海】はJR東海、【西】はJR西日本、【貨】はJR貨物に関する出来事を表す。 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化。東京駅 - 熱海駅間など計176.2kmを東日本旅客鉄道が、熱海駅 - 米原駅間など計372.7kmを東海旅客鉄道が、米原駅 - 神戸駅間など計166.1kmを西日本旅客鉄道が、貨物支線3線区計18.3kmを日本貨物鉄道が継承。東海道貨物線 品川駅 - 東京貨物ターミナル駅間改キロ (+4.4 km)。品川駅 - 鶴見駅間の区間を分割し、品川駅 - 浜川崎駅、鶴見駅 - 八丁畷駅間とする (-3.0 km)。鶴見駅 - 横浜羽沢駅 - 戸塚駅間の終点を東戸塚駅に変更(実態は変わらないが、これにより東戸塚駅 - 戸塚駅間が6線となる。-4.2 km)、名古屋港線 名古屋駅 - 名古屋港駅間の起点を山王信号場に (-1.8 km)、貨物支線 千里丘駅 - 大阪貨物ターミナル駅間の起点を吹田信号場に (-1.6 km)、神戸臨港線 六甲道駅 - 神戸港駅間の起点を東灘信号場に変更 (-1.4 km)。 高島線 鶴見駅 - 高島駅間および高島駅 - 桜木町駅間を区間統合し表示を鶴見駅 - 桜木町駅間に変更。 高島線 鶴見駅 - 新興駅 - 東高島駅間 (11.0 km)、貨物支線 岸辺駅 - 大阪貨物ターミナル駅間 (8.8 km)、神戸臨港線 灘駅 - 神戸港駅間 (4.3 km) の営業キロ設定を廃止。 東海道貨物線 品川駅 - 浜川崎駅間、鶴見駅 - 八丁畷駅間、鶴見駅 - 横浜羽沢駅 - 東戸塚駅間、高島線 高島駅 - 桜木町駅間、貨物支線 梅小路駅 - 丹波口、北方貨物線 吹田駅 - 尼崎駅間、梅田貨物線 吹田駅 - 梅田駅 - 福島駅間で旅客営業開始。品川駅 - 東京貨物ターミナル駅間の貨物営業廃止。 大垣駅 - (新垂井)駅 - 関ヶ原駅間の下り専用線が本線であったのを、大垣駅 - 垂井駅 - 関ヶ原駅間の下り線を本線扱いに変更。大垣駅 - (新垂井)駅 - 関ヶ原駅間は支線となる。 7月1日:【海】第二種鉄道事業が開業(山王信号場 - 名古屋港駅間 6.2 km)。(臨)ナゴヤ球場正門前駅が開業。 1988年(昭和63年)3月13日:【海】西岡崎駅・三河安城駅・逢妻駅が開業。 11月16日:【海】三河塩津駅が開業。 1989年(平成元年)3月25日:横浜博覧会開催中に、山下臨港線 横浜港駅 - 山下埠頭駅間の廃線跡を利用し、横浜博覧会協会臨港線として日本丸駅 - 山下公園駅間で列車運行(同年10月1日まで)。 7月9日:【海】金山駅に東海道本線ホーム開業。金山駅 - 名古屋駅間が中央本線との重複区間となる。 1990年(平成2年)3月10日:【西】貨物支線 梅小路駅 - 丹波口駅間が電化。 【貨】塩浜操駅を川崎貨物駅に改称。 1991年(平成3年)3月16日:【西】栗東駅が開業。 12月14日:【海】豊田町駅が開業。 1993年(平成5年)3月18日:【貨】東静岡駅を静岡貨物駅に改称。 1994年(平成6年)9月4日:【西】南草津駅が開業。 10月8日:【海】第二種鉄道事業(山王信号場 - 名古屋港駅間 6.2 km)廃止。(臨)ナゴヤ球場正門前駅が廃止。 1995年(平成7年)1月17日:【西】阪神・淡路大震災により、大阪駅 - 神戸駅間が不通となる。翌日、一部区間で運行再開。以後段階的に開通し、不通区間を解消。 2月27日:【貨】高島駅が廃止。 3月16日:【海】尾頭橋駅が開業。 4月1日:【西】最後まで不通であった住吉駅 - 灘駅間が復旧したことにより全通。 9月1日:【西】神足駅を長岡京駅に改称。 1996年(平成8年)10月1日:【東】東海道貨物線 品川駅 - 浜松町駅間 (3.7 km) 廃止。 【西】甲南山手駅が開業。 1998年(平成10年)1月30日:【東】東海道貨物線 浜松町駅 - 東京貨物ターミナル駅間が休止。 3月30日:【海】西名古屋港線 名古屋駅 - 名古屋貨物ターミナル駅間、稲沢線 名古屋駅 - 稲沢駅間が電化。 6月1日:【西】宮原操車場が宮原運転所と統合され宮原総合運転所となる(停車場としての宮原操車場は現存)。 10月30日:【海】東静岡駅(旅客駅)が開業。 2001年(平成13年)3月31日:【海】西名古屋港線 名古屋貨物ターミナル駅 - 西名古屋港駅間 (8.7 km) が廃止。西名古屋港駅が廃止。 4月22日:【海】愛野駅が開業。 12月1日:【東】湘南新宿ライン運行開始。 2003年(平成15年)3月31日:【海】西名古屋港線 名古屋駅 - 名古屋貨物ターミナル駅間改キロ(3.9 km→7.0 km)。 12月1日:【貨】神戸港臨港線 東灘信号場 - 神戸港駅間 (3.4 km) が廃止。神戸港駅が廃止。 2004年(平成16年)10月6日:【海】西名古屋港線 名古屋駅 - 名古屋貨物ターミナル駅間が名古屋臨海高速鉄道に転換。 2006年(平成18年)4月1日:【貨】第二種鉄道事業(梅小路駅 - 丹波口駅間 3.3 km)が廃止。 2007年(平成19年)3月18日:【海】野田新町駅が開業。 【西】さくら夙川駅が開業。西ノ宮駅を西宮駅に改称。 2008年(平成20年)3月15日:【西】島本駅が開業。 10月18日:【西】桂川駅が開業。 2009年(平成21年)3月14日:【海】南大高駅が開業。 2010年(平成22年)3月13日:【東】品鶴線に武蔵小杉駅横須賀線ホームが開業。 月日不明:【貨】新興駅が廃止。 2011年(平成23年)3月12日:【貨】梅小路駅を京都貨物駅に改称。 2012年(平成24年)3月17日:【海】相見駅が開業。 10月8日:【西】営業開始前の吹田貨物ターミナル駅を信号場に準じた扱いで供用開始。北方貨物線 吹田駅 - 尼崎駅間の起点を吹田貨物ターミナル駅に変更 (JR西日本のみ+1.5 km)。 2013年(平成25年)3月16日:【貨】吹田貨物ターミナル駅が正式開業し、貨物駅としての営業を開始。梅田貨物線 吹田駅 - 福島駅間の起点を吹田貨物ターミナル駅に変更 (JR貨物のみ+1.5 km)。同時に吹田信号場が吹田貨物ターミナル駅に統合され、貨物支線 吹田信号場 - 大阪貨物ターミナル駅間の起点も吹田貨物ターミナル駅となる(改キロはなし)。 4月1日:【貨】【西】(貨)梅田駅が廃止され、梅田信号場となる。 2014年(平成26年) 10月6日:【海】台風18号による土砂災害で熱海駅 - 豊橋駅間が不通となる。7日には富士駅 - 興津駅間除き復旧、10日には富士駅 - 由比駅間が、16日には全線が復旧。 2015年(平成27年)3月14日:【東】上野東京ライン開業に伴い東京駅経由で東北本線・高崎線・常磐線と直通運転開始。 2016年(平成28年)2月28日:【西】梅小路 - 丹波口間が廃止される。 3月26日:【西】摩耶駅が開業。 9月30日:【東】東海道貨物線 浜松町駅 - 東京貨物ターミナル駅間改キロ(7.7 km→7.1 km)。 2018年(平成30年)3月17日:【西】JR総持寺駅が開業。 2019年(令和元年)月日不明:【貨】高島線 鶴見駅 - (旧)新興駅 - 桜木町駅間の区間表示を、鶴見駅 - 東高島駅 - 桜木町駅間に変更 (11.2 km→8.5 km)。新興駅廃止により事実上廃線となっていた旧・入江駅 - 旧・新興駅間の営業キロ設定を正式に廃止。 11月30日:【東】品鶴線・東海道貨物線の旧蛇窪信号場 - 鶴見駅(通過) - 横浜羽沢駅間に相鉄・JR直通線として埼京線・相鉄新横浜線・本線直通電車が乗り入れ開始。羽沢横浜国大駅が開業しJR東日本と相鉄との境界駅となる。 2020年(令和2年)3月14日:【東】高輪ゲートウェイ駅(山手線・京浜東北線)が開業。 【海】御厨駅が開業。 2023年(令和5年)春:【西】梅田貨物線梅田信号場の地点に大阪駅地下ホームが開業。 2032年(令和14年)頃:【東】大船駅 - 藤沢駅間に村岡新駅(仮称)が開業。 ※現在の日時より未来の日時で記されている事項は予定である。
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