分割民営化前・短編成化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 11:57 UTC 版)
「国鉄485系電車」の記事における「分割民営化前・短編成化」の解説
1985年3月14日のダイヤ改正では東北・上越新幹線上野開業後も残存した「つばさ」1往復・「あいづ」・常磐特急「ひたち」・信越特急「あさま」「白山」・近距離運転の「新特急」を除き上野乗り入れが打ち切られたが、捻出された車両で他地区での増発を行った。また短編成化の推進によって不足する先頭車の確保も要求されたが、本系列はすでに製造が終了しており、これらには食堂車やグリーン車を含めた余剰車の再利用、つまり改造も含めた以下の広域転配が行われた。 東北地区特急列車運用の見直しと短編成化 東北地区では車両の余剰化が激しく、今回の改正では編成替えのために向日町への転出と南福岡・鹿児島への転出が多数を占めることになる。また、「ひたち」は急行「ときわ」を全廃し格上げが行われる増発が図られることになるが、同時に仙台運転所から勝田電車区への移管となるための転属が行われた。増発用車両は青森・仙台・向日町の余剰車が充てられるが、同時にクハ481形を非ボンネット形からボンネット形への置換えが行われ、九州地区から大量に初期車が転入した。これは短編成化した際の座席確保の点から、改正後11両編成となる「ひたち」にボンネット車を、短編成列車に非ボンネット車を充当させるのが目的で、引換えに東北地区からはクハ481形200・300番台が軒並み向日町や九州地区に転出した。 勝田電車区配置「ひたち」充当車(1985年)前所属/形式モハ485+モハ484クハ481サロ481青森運転所 100・101・10541501 - 1506 仙台運転所 3-12+2-12 - 3-15+2-151 - 16・18 - 2034 - 43・47 - 6167 - 71・77207+309・208+309 224+603 25・26 97・114124 - 126・129 向日町運転所 17・62 - 64・67・68 南福岡電車区 14・17・1922・24・31・32 鹿児島運転所 1 - 1315・16・18・2034・36・38・40 備考 3-:モハ483形 2-:モハ482形 本移動は改正前の1984年から行われており、クハ481形南福岡・鹿児島転入車のうち1 - 4・8・9・12・14・15・17 - 19・22・36・40は一旦仙台所属となり、改正に合わせて勝田に再転出。 これらとは別にクハ481-101が書類上1985年3月14日に仙台から転入し同月22日に向日町へ転出。 また、1000番台の東北地区から他地域転出が初めて行われ、青森運転所や秋田運転区からMM'ユニットのみが向日町運転所に転出した。同時に1500番台のMM'ユニットも全車青森から向日町に転出したが、翌年全車が上沼垂に再転出した。 「雷鳥」をはじめとする北陸特急からの食堂車の廃止と和式グリーン車「だんらん」(サロ481形500番台)の導入 向日町ベースでは食堂車の廃止が行われ、サシ481形改造の和式グリーン車サロ481形500番台「だんらん」の連結、並びに編成替えと増発に必要な車両が青森、秋田、仙台から転入している。翌1986年3月に余剰となったサロ・サシ481形が廃車となったが、一部車両は分割民営化直前に車籍を復活させた。 「くろしお」増発分に余剰車投入 気動車急行「きのくに」を置換える形で「くろしお」を4往復増発することになったが、本来381系電車を投入すべきところを経費節減のために余剰化していた本系列の投入で対処した。 紀勢本線は季節や区間によって乗客数の変動が大きいため4両編成を2本併結して対応することになった。その際に不足する先頭車は短編成のためMG・CPはクハ481形からの供給で充分と判断されサハ481形・489形から改造のクハ480形を充当。またモハ484形は車掌室装備の600番台に限定した上で4両編成×11本を組成することになり以下の44両が日根野電車区へ配置された。 日根野電車区配置車(1985年)前所属/形式モハ485+モハ484クハ481クハ480青森運転所 251+610 - 255+614 仙台運転所 225+604 - 228+607249+608・250+609 南福岡電車区 201・203 - 205207 - 212・217 向日町運転所 1 - 8 金沢運転所 9 - 11 備考 クハ480-1 - 8:種車はサハ481-12 - 19 AU13形冷房装置搭載車 クハ480-9 - 11:種車はサハ489-201・204・252 AU12形冷房装置搭載車 しかし、天王寺 - 新宮の所要時間は振子式の381系と比べ1時間半ほど長く、従来の気動車急行列車と大差がなく苦情も多発したため381系による置換えが決定、翌1986年11月1日のダイヤ改正で運用を終了。一部のクハ481形はクロハ481形に、クハ480形はMG・CP搭載を施工しクハ481形へ改造の上で「北近畿」運用へ充当される福知山運転区転出車 と九州地区転出車に分けられた。 九州地区の短編成化と初期車老朽化による置換え 1984年2月のダイヤ改正で増発を行った際には短編成化による先頭車不足から、東北・上越新幹線開業による保留車をクハ481形に改造対応した。さらに本改正では、モハ485形→クモハ485形・サロ481形に運転台を取付けクロ480形にするなどの短編成化改造を多数施工し対応した。モハ485形→クモハ485形への改造は、定員数の問題からモハ484形200番台のユニットが充当されたために鹿児島運転所の初期車は南福岡車と交換が行われたほか、青森運転所からMM'ユニット9組18両が転入。また、東北地区にボンネット形クハを大量供出した見返りに非ボンネットクハ16両が南福岡電車区に転入した。 この後、先頭車化改造や半室グリーン車のクロハ481形への改造が頻繁に行われるようになり、短編成化はさらに推進された。1986年11月1日国鉄ダイヤ改正では、分社化後の車両運用や供給も考慮された車両転配が行われた。本系列に関しては、些細な転配を除くと以下の特徴がある。 「あさま」用として200番台車を中心にした489系27両が金沢運転所から長野第一運転区 に転出 日本海縦貫線に関係する特急車両配置基地の見直しを行い、新潟運転所上沼垂支所を上沼垂運転区として独立させ青森運転所・秋田運転区・勝田電車区・向日町運転所・金沢運転所からの転入車72両を配置。「雷鳥」「白鳥」「北越」の運用を担当。 上沼垂運転区配置車(1986年11月1日)前所属/形式モハ485+モハ484クハ481サロ481青森運転所 1502 - 1505・1507 秋田運転区 1007・1010 - 10131020・1024・1069・1078 勝田電車区 114・124・125 金沢運転所 753 向日町運転所 65・66・83・85 - 87138+241・149+2511501 - 1507 21・23・27 - 30102・258・260・261 38・104 - 107 備考 クハ481-753はサハ489-5からの改造車 1987年4月の分割民営化で、483系8両・485系1,083両・489系136両がJR4社に承継された。 分割民営化時(1987年4月1日)基地別車両配置会社車両基地McMM'Tc(T'c)Tsc(T'sc)ThscTsTTd計備考JR北海道札幌運転所 6 1 7 全車保留車 JR東日本青森運転所9 31 40 22 9 2 2 115 Tは増結車Tdは保留車 秋田運転区 28 28 24 4 84 全車1000番台 勝田電車区 504 504 36 18 1548 この書体は483系 北長野運転所 9 9 6 3 1 28 全車489系Tdは保留車 上沼垂運転区 24 24 16 8 72 JR西日本金沢運転所 2533 2533 2620 716 2 83104 この書体は489系Tdは保留車 向日町運転所 60 60 382 30 22 1904 この書体は489系Tは保留車 福知山運転所 18 18 9 9 54 JR九州南福岡電車区23 48 71 21(8) 10(15) 8 10 10 224 ( )は480形 鹿児島運転所 29 29 28 14 100
※この「分割民営化前・短編成化」の解説は、「国鉄485系電車」の解説の一部です。
「分割民営化前・短編成化」を含む「国鉄485系電車」の記事については、「国鉄485系電車」の概要を参照ください。
- 分割民営化前・短編成化のページへのリンク