専用線とは? わかりやすく解説

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せんよう‐せん【専用線】


専用線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/02 08:56 UTC 版)

専用線(せんようせん)は、主に電気通信事業者が提供する特定顧客専用の有線無線通信回線である。

解説

専用回線は二地点間のものだけではなく、星型・分岐型の構成も可能である。専用の通信線路電波周波数帯域を用いるとは限らず、他の回線と多重化されているものの方が多い。

狭義の専用線は、電気通信事業者が提供する特定顧客専用の通信回線を指すが、特に利用者自身で設置するものを私設線と呼ぶ。対して、加入者間で相手先を任意に変更できるもの(固定電話ISDN網など)を公衆網と呼ぶ。

特徴として次のような点がある。

  • 公衆網輻輳に影響されない。
  • 公衆網と比較して、情報漏洩盗聴改竄の可能性が低い。 
  • 定額料金であるので、通信頻度が多く・占有時間が長い場合、公衆網より安価である。
  • 二地点間を直接結ぶものの場合、接続動作が不要である。
  • 回線設備の敷設・保守を電気通信事業者が行うので、顧客の技術的負担が私設線より小さい。

主な目的と用途

専用線が使われる理由は大別して2つある。

1. 公衆網の途絶時も確保しなければならない通信や、改竄・盗聴を防止しなければならない通信のセキュリティを確保するため。

2. 回線の使用頻度が高く、公衆網よりも料金を安くするため。

支店代行電話は区域外のNTT局舎から専用線を引いて構築していた。ダイヤルアップ接続が主流の時代に専用線接続でインターネットに接続する個人ユーザーもいた。

料金

料金は定額(固定)であるが、通信速度(伝送容量)と距離によって変化する。

回線の品質・通信の高機密・稼働率99.999%以上の無停止・故障時30分以内の修理完了を保証しているため料金が高額で、コンピュータネットワークの構築に利用されるデジタル回線の場合、回線容量の少ない(64Kbps)近距離でも月額3万円程度の料金がかかり、個人レベルではADSLFTTH接続の方がコスト面で効率が良いため導入されるケースはほとんどない。

東京 - 大阪間を6Mbpsの専用回線で結ぶ場合は月額400万円程度、テレビコンテンツの伝送などMbps - Gbpsは月額数千万から億円である[1]

主なサービス

主な一般専用線のサービス品目
品目 利用用途 速度・帯域・用途 端末区間 通信方式等 備考
帯域品目 自由利用 3.4kHz 2線/4線 適宜 音声帯域 300Hz - 3.4kHz
3.4kHz(S) 4線 音声帯域 300Hz - 3.4kHz 伝送特性を改善
48kHz 音声帯域 60.15kHz - 103.83kHzもしくは104.33kHz - 107.7kHz 2013年7月1日廃止
目的利用 音声伝送 2線/4線 電話 音声帯域 300Hz - 3.4kHz
音楽放送 4線 全二重通信 音声帯域 300Hz - 3.4kHz 2012年4月1日廃止
AM放送 音声中継帯域 50Hz - 10kHz 2015年7月1日廃止
FM放送 音声中継帯域 40Hz - 15kHz 2010年4月1日廃止
符号品目 50bps アースリターン 2線 全二重通信  
メタリックリターン 単向・半二重通信
4線 全二重通信
100bps 2009年4月1日廃止
200bps 2015年7月1日廃止
1200bps 2010年4月1日廃止
2400bps 2015年7月1日廃止
4800bps
9600bps
48kbps

[2]

提供企業

全国的に提供

地域限定提供

歴史

回線借用

回線借用(Down for maintenance)とは、通信事業者の都合(線路移転、設備保守など)により専用線回線を一時停止することである。通信事業者は借用が発生する場合には事前にユーザに申し入れ、日程の調整が行われる。

脚注

関連項目

外部リンク


専用線(廃止)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 16:52 UTC 版)

大船駅」の記事における「専用線(廃止)」の解説

かつて存在した専用線。元旧日本軍軍用施設への引き込み線が多い。大船工場専用線のように民生施設転換されたり、大船PX専用線のように接収した米軍使用され存続したが、最後まで残った大船工場専用線2006年平成18年)に廃線となったことで全廃となった大船工場専用線横須賀海軍工廠深沢分工場から転換され車両工場北鎌倉寄り横須賀線から分岐本線側から直通出来ず工場へはスイッチバック入線する必要があった。線路撤去され線路用地跡だけが残る。 住友電工横浜製作所専用線 貨物線から分岐して柏尾川対岸にある住友電工専用橋梁を渡る単線1984年昭和59年)まで現役だったが、廃線後柏尾川を渡る橋梁撤去された。 住友セメントサイロ専用線 住友セメント大船包装所(大船サービスステーション)に続く専用線。住友電工専用線から分岐する形で途中にあった住友電工専用線と共に廃線後軌道撤去されたが、貨車セメント搭載するサイロ2000年代までコンクリートミキサー車用として現役だった(現在は撤去済み)。 海軍軍需部大船倉庫専用線 現在の根岸線から伸びた形で横須賀線挟み大船工場専用線反対にあった戦後直ぐに廃止され倉庫敷地1947年昭和22年)に開校した大船中学校になっている大船PX(旧第1海軍燃料廠)専用線 海軍軍需部大船倉庫専用線接続する形で笠間側から伸びて砂押川渡って旧海軍第1海軍燃料廠に至る引き込み線であったが、戦後米軍専用線になった1967年昭和42年)に日本返還され廃線東洋高圧専用線 詳細不明貨物線構内から分岐東洋高圧工業(後の三井化学)へタンク車用いて石油積み卸ししていた。貨物取り扱い廃止後に廃線

※この「専用線(廃止)」の解説は、「大船駅」の解説の一部です。
「専用線(廃止)」を含む「大船駅」の記事については、「大船駅」の概要を参照ください。

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