広域イーサネット
広域イーサネット
別名:広域LAN,ワイドLANサービス
【英】wide area Ethernet
広域イーサネットとは、イーサネット(Ethernet)を利用して100km単位の各拠点間を接続する大型ネットワークのことである。
イーサネットのパケット中継装置(スイッチングハブ)は、パケットに記載される情報によって中継先を判断するレイヤー2スイッチの方式を利用する。そのため、ルーターなどのように別途アドレス情報を参照して中継先を判断するレイヤー3スイッチを利用する方式のスイッチングハブと比べても、非常にコストが安くなり、保守管理も容易となり、多対多の接続も可能となる。あるいはイーサネットがネットワークの標準的なLAN技術として普及していることから、LAN上のどのような通信方式(プロトコル)でも使用でき、非常に利便性が高いという利点もある。通信速度こそ差ができるものの、公共の通信回線を自社専用線であるかのように用いることができる。
なお、「広域LANサービス」という語は、厳密にはクロスウェイブコミュニケーションズ社のサービスの名称である。これがさきがけとなって、相次いで同様のサービスが登場したことから、現在ではほとんど広域イーサネットの代名詞のように用いられている。
広域イーサネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 15:17 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動広域イーサネット(こういきイーサネット、Wide Area Ethernet)は、地理的に離れたLAN間などをイーサネットインターフェースで接続する技術もしくは電気通信役務である。
特徴
IP-VPNやインターネットVPNに比べると以下の点が利点である。
- 通信速度が速く、遅延も小さい。
- 網構成の自由度が高く、拠点の追加・プロトコルの変更などに柔軟に対応できる。
- IP以外の通信プロトコルを利用する場合でもイーサネットへの変換のみで済む。
- VLAN機能を有するL2スイッチ・L3スイッチの使用が可能である。
欠点としては、以下の点があげられる。
- 提供地域が狭く、アクセス回線の費用が高くなることもある。
網の構成
Wide Area NetworkやMetropolitan Area Networkの場合は、通信事業者が用意したVLANにより分割されたイーサネット網を共用する。
LAN--|L2スイッチ|--光ケーブル--|事業者イーサネット網| LAN--|L3スイッチ|--光ケーブル--|事業者イーサネット網|
近距離の場合は、通信事業者のダークファイバーを利用して直接接続することもある。
LAN--|メディアコンバータ|--光ケーブル--|メディアコンバータ|--LAN
事業者網の構成
VLAN対応のL2スイッチのみで構成されたものが多い。
EoMPLSと呼ばれる、MPLS網でイーサネットをトンネリングする構成もある。
アクセス回線
広域イーサネット的に利用できるレイヤ2 VPN
広域イーサネットはイーサネット(レイヤ2)通信が提供されており、利用するプロトコルがIPに依存しないため、LANと同じ感覚で利用可能である。
レイヤ2(イーサネット)パケットのトンネリング通信やブリッジ接続などをサポートしているVPN技術を用いることにより、前述した広域イーサネットのメリットと同等のことを実現でき、インターネットVPNを用いて安価に構築することができる。特に、仮想LANカードと仮想ハブおよび既存の物理的なLANをVPNプロトコルで接続し、その上でブリッジ接続する手法により、広域イーサネットと同様に、既存のスイッチングハブやレイヤ3スイッチが使用されているLAN同士をVPN接続することができる。さらに、LANに対してイーサネットのレイヤでリモートアクセスすることが可能になる。
外部リンク
広域イーサネットと同じ種類の言葉
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