EARPLAY 〜REBIRTH 2〜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 14:54 UTC 版)
『EARPLAY 〜REBIRTH 2〜』(イアプレイ リバース2)は2020年5月13日角松敏生通算2作目のリメイク・ベスト・アルバム。
に発売された、注釈
- ^ a b 『REBIRTH 1 〜re-make best〜』 2012年3月14日 発売 IDEAK ⁄ Ariola Japan Inc. BVCL-317
- ^ 『SEA BREEZE 2016』 2016年3月16日 発売 IDEAK ⁄ ARIOLA JAPAN ⁄ Sony Music Labels Inc. 2CD:BVCL-707/8【初回生産限定盤】 / CD:BVCL-709【通常盤】
- ^ 以前も角松の大学時代からの友人である金澤寿和が企画・構成・選曲を手掛けた『Light Mellow 和モノ』シリーズの1枚に角松の「NO END SUMMER」を収録しようとしたところ、本人からは許可をもらえたが当時楽曲を管理していた出版社(マーマレード音楽出版)が既に機能していなかっため交渉が難航し、結局『REBIRTH 1 〜re-make best〜』[注釈 1]収録のリメイクバージョンを入れたという出来事があった[3]。
- ^ a b 『BEFORE THE DAYLIGHT』 1988年2月5日 発売 OM ⁄ BMG VICTOR CD:M32D-1001
- ^ 『VOICES FROM THE DAYLIGHT〜Gold 12inch Items』 1988年4月21日 発売 OM ⁄ BMG VICTOR MGD-1
- ^ a b 『ALL IS VANITY』 1991年7月3日 発売 OM ⁄ BMG VICTOR CD:BVCR-696(リマスター盤再発)
- ^ 『TOUCH AND GO』 1986年6月11日 発売 AIR ⁄ RVC(初発) LP:RAL-8839, CD:R32A-1008
- ^ 秋に不定期で行われているライブツアーで、コンピューターに収録された過去作品のマルチ・トラックや打ち込みによるリメイクに角松とキーボーディスト(小林信吾・友成好弘・森俊之の3人が公演によってそれぞれ参加)の2人がギターとキーボードをその上に乗せて演奏するという形式のコンサート。
- ^ 『WEEKEND FLY TO THE SUN』 1982年4月5日 発売 RCA ⁄ RVC(初発) LP:RHL-8802
- ^ 『WEEKEND FLY TO THE SUN』のマルチトラック・テープはレコード会社(ソニー・ミュージックレコーズ)と、前々所属事務所(トライアングル・プロダクション)の関連企業(バミューダ音楽出版)に権利があるので実現可能であり、過去のインタビューではレコード会社側の権利が強い『SEA BREEZE』から『ON THE CITY SHORE』までデジタルアーカイブを行ったことを語っていたが、『WEEKEND FLY TO THE SUN』については一部のテープが前所属事務所(マーマレード)の倉庫に紛れ込んでいる状態だという。一応当時の社長だった梶岡勝にはアーカイブについての相談を行っているものの、楽曲の権利を管理しているボンド企画およびマーマレードの関連企業のマーマレード音楽出版も活動していない状態のため、権利関係の処理が複雑化している状況にある。
- ^ a b 『東京少年少女』 2019年4月3日 発売 IDEAK ⁄ ARIOLA JAPAN ⁄ Sony Music Labels Inc. CD:BVCL-958【初回生産限定盤】 / CD:BVCL-959【通常盤】
- ^ 『GOLD DIGGER〜with true love〜』 1985年5月21日 発売 AIR ⁄ RVC(初発) LP:RAL-8824 / CD:RHCD-529
- ^ 『ON THE CITY SHORE』 1983年5月21日 発売 AIR ⁄ RVC LP:RAL-8805
- ^ 「GIRL IN THE BOX〜22時までの君は…」 1984年10月5日 発売 AIR ⁄ RVC 7":RAS-528
- ^ 『REASONS FOR THOUSAND LOVERS』 1989年9月6日 発売 OM ⁄ BMG VICTOR CD:M32D-1005
- ^ 「End of The Night」の歌い出しはサ行で始まるのだが、ボーカルにディセッサーもしくはシビランス・コントローラー(サ行やタ行の発音の頭が強いノイズに聴こえて聞き苦しい場合、頭のわずかな発音をカットする機械だが、かけすぎると頭が欠けてしまう)で処理をかけた際にアメリカ人がミックスをしたため日本語が分からず、歌い出しにゲートがかかりすぎていることに気づかないまま発音が欠けてる状態でミックスされてしまった。角松はミックスに立ち会っておらず、作品がマスター化されて初めてそれに気づいた。
出典
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- ^ “TOSHIKI KADOMATSU Performance 2020 "Earplay"〜REBIRTH 2〜公演 CD『EARPLAY〜REBIRTH 2〜』について”. ソニーミュージック オフィシャルサイト. ソニー・ミュージックエンタテインメント (2020年4月13日). 2020年5月13日閲覧。
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- ^ a b c 角松敏生 (2020年5月11日). “「End of The Night」皆様、お元気ですか? SNS否定派(笑)の角松です。...”. 角松敏生. Facebook. 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b c d 角松敏生 (2020年5月10日). “「ALL IS VANITY」皆様、お元気ですか? SNS否定派(笑)の角松です。...”. 角松敏生. Facebook. 2020年5月13日閲覧。
- ^ a b 『ODAKYU SOUND EXPRESS』2020年4月18日放送分
- 1 EARPLAY 〜REBIRTH 2〜とは
- 2 EARPLAY 〜REBIRTH 2〜の概要
- 3 解説
- 4 収録曲
- 5 クレジット
- 6 リリース日一覧
EARPLAY 〜REBIRTH 2〜
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「EARPLAY 〜REBIRTH 2〜」の記事における「EARPLAY 〜REBIRTH 2〜」の解説
I CAN GIVE YOU MY LOVE – (7:15)角松敏生 作詞・作曲 / 角松敏生・PHILIPPE SAISSE 編曲 / 数原晋 ブラス編曲 1988年 (1988)発売の7thアルバム『BEFORE THE DAYLIGHT』収録曲。 角松はバブル景気の頃ニューヨークにも部屋を持っており、曲創りやライブは日本、レコーディングはアメリカという日々を過ごしていた。『TOUCH AND GO』でそれまでの経験をひとまず活かし切り、次に発案したのが、米国のプロデューサーに自分を委ねつつ自分で制作環境創りとプロデューサー選びをするというものだった。アメリカでのコンピューター・プログラミングによる音楽制作の見学は、後に中山美穂の『CATCH THE NITE』やジャドーズのプロデュースなどで活かされることになった。 本作に収録されているヴァージョンは、1988年発売の12inchリミックス・コンピレーション「Voices From The Daylight 〜Gold 12inch items」収録のリミックス・バージョンのオープニングをコラージュしている。アレンジはオリジナルのディティールを継承しつつ、近年ライブで披露する際のアレンジになっている。ちなみにベースの山内薫によるスラップのフレーズは、長年角松のバックバンドのメンバーだった青木智仁がライブで編み出したもので、彼に敬意を表してライブアレンジにおける不動のフレーズとして現在でも使われているものである。 Cryin' All Night – (5:01)DAVID FOSTER・STEPHEN KIPNER・JAY GRAYDON 作詞・作曲 / 小林信吾・角松敏生 編曲 エアプレイのカバー。 前述した通り本作のジャケットはエアプレイのパロディとなっているが、これは流れてきた時間の再確認と時代への郷愁、そして風刺を込めたものであり、決して「AOR」の賛美を目的としたものではないという。ただ、角松は、あの時代の混沌としたエネルギーに学ぶものがあると再認識しており、目指せるものを見つけようと始動した自分の心の一部を見せるようなことをしたという。それは小林も理解しており、彼の力なくして完成はあり得なかったと述懐している。というわけで、ジャケットであれだけパロディしながら、何もしないわけにはいかないだろうということで、フォスター・グレイドン作品の中から自分の心に残る作品を2曲選んで、細密にオリジナルアレンジを精査してカバーする、ということをサービスとしてつけることになった。 「Cryin' All Night」のアレンジは日本では80年代、歌謡曲の編曲家が好んで模倣したもので曲自体はポップだが、実際に楽曲を解体・解析すると、緻密・複雑・高度な手法で作成された楽曲であることが改めて判明し、角松は当時の米国のミュージシャンの先進性、優秀さを改めて感じることとなった。原曲ではデイヴィッド・フォスターのピアノプレイだった8分音符の細かい刻みは小林が演奏しており、角松は「こんなふうな雰囲気を出せて、尚且つパワーと正確性を備えて弾ける人はもう本邦にはほとんどいないだろう」と絶賛している。グレイドンのバッキングギターも鈴木英俊が精緻に解読して再現。またシンセサイザーは森俊之が角松の自宅スタジオにあるリ・イシュー版のアナログシンセを駆使して70年代当時のシンセの再現を試みている。角松と小林、森、鈴木の4人で、再現実験室みたいな感じでスタジオで構築したが「ピアノのボイシングはこうだ」、「ギターのフレーズはこうだった」、「シンセの音色はこれだった」と徹底的に追求し、オタクの部活や大学の軽音楽サークルみたいな感じで本当に楽しかったそうである。 オリジナルのトミー・ファンダーヴァーグによるヴォーカルは自分ではとても真似できないと感じ、オリジナルから1音下げたキーでアレンジされている。だがその分、オリジナルにはない小此木まりと亜季緒による女性コーラスがポップさと軽快さを出してくれたので、若干落ち着いた大人の「Cryin' All Night」になったと振り返っている。 DISTANCE – (6:19)角松敏生 作詞・作曲・編曲 1991年 (1991)発売9枚目のアルバム『ALL IS VANITY』収録曲。 「DISTANCE」制作背景には当時携帯電話が普及し始め「遠距離恋愛」という言葉が流行り出したことあり、角松の知人が「遠距離恋愛ってドラマでもなんでも距離を越えられないって悲しい話が主流だけど、距離を越えられたっていうお話があってもいいんじゃないかな、そういう曲が聴きたいな」と口にしたのがきっかけで作られた。 『ALL IS VANITY』で提唱したテーマは「バック・トゥ・ベーシック(原点回帰)」で、当時主流になっていたプログラミング・サウンドに飽きを感じていた角松は、もう一度生演奏による録音に拘ってみたくなったそうである。そして目指したサウンドは1970年代後半から80年代前半の所謂「AOR」的なものへの回帰だった。アメリカ・ミュージシャンで録ったロサンゼルス録音サイド・日本ミュージシャンで録った東京録音サイドに分かれて、日米の腕利きミュージシャンが参加。また本作のアソシエイト・プロデューサー小林が『ALL IS VANITY』でも共同プロデューサーに招かれたが、小林を『EARPLAY』に招いたのも『ALL IS VANITY』での仕事を「想い出」として、「思えば遠くに来たもんだ」感を演出したかったからだそうである。 オリジナルの「DISTANCE」は東京録音で、ドラム:村上秀一、ベース:青木智仁、ギター:鈴木茂、フェンダーローズ:佐藤博、アコースティック・ピアノ:小林信吾、パーカッション:斎藤ノヴが演奏している。間奏のジェイ・グレイドンを模倣した角松によるギターソロは1日中スタジオに籠り何度もテイクを重ねた思い出があるという。 本作のリメイクでは幾多のステージで演奏、歌唱してきた経験が詰め込まれている。 ドラム:山本真央樹、ベース:山内薫、ギター:鈴木英俊に当時と同じく小林のピアノで再レコーディングし、角松のギターソロもより真剣に「あの頃の音」を模倣したそうである。本曲で使用されているピアノはベヒシュタイン製のアップライトピアノで、角松の娘がピアノを始めたのをきっかけに奮発して買ったものがグランドピアノのような音がする「当たり」の楽器だったため、ミュージシャン間では「奇跡のピアノ」と呼ばれているという。 Take It Away – (4:50)角松敏生 作詞・作曲・編曲 / 本田雅人 ブラス編曲 1986年 (1986)発売の6枚目のアルバム『TOUCH AND GO』収録曲。 オリジナルはドラム:バディー・ウィリアムス、ベース:青木智仁、ピアノ:ドン・グロルウィック、ギター:アイラ・シーゲルにジェリー・ヘイ率いるホーン・セクションという非常に豪華なもので、角松もリズム・トラックについてはオリジナルも大好きで、今聴いても完成されておりやり直す必要はないと語っている。なのでやり直すというより人気曲なので違った装いで入れてみたという感じで収録されている。 今回の打ち込みを中心としたアレンジは2015年の『TOSHIKI KADOMATSU SPECIAL LIVE TOUR 秋の旅情サスペンス「お前と俺」』 用に作成したものをそのまま使用し、そこに角松のギター、小林のアコースティックピアノ、本田雅人ブラスアレンジによるホーンセクションを追加している。バックシンガーは小此木と吉川恭子で、前年度のライブ以降レコーディングでもいつか試したいと思っていたので、このセッションは適時と思い起用された。また本作のギターは自分でやっている時間がなかったため重要なところは鈴木に任せているが、この曲ではL側R側とも角松自身がレスポールで弾いている。 Can't Hide Love – (4:54)SKIP SCARBOROUGH 作詞・作曲 / 小林信吾・角松敏生 編曲 / 本田雅人 ブラス編曲 クリエイティブ・ソースのカバーで、アース・ウィンド&ファイアーが『灼熱の狂宴』でカバーしたことでも知られる楽曲。 「Cryin' All Night」と「Can't Hide Love」の2曲のベーシック・アレンジは小林に依頼。ドラムは打ち込みだがスティーヴ・ガッドのドラムをサンプリングして使用している。打ち込みにしたのは時間がなかったことと、小林のソロ・アルバム『soliloquy』でのリズム・トラック作りが見事だったのでそれを依頼したかったのがある。 角松によるカバーはジェイ・グレイドンのプロデュースでデイヴィッド・フォスターがストリングス・アレンジを手掛けているディオンヌ・ワーウィックのアルバム『フレンズ・イン・ラヴ』に収録されているバージョンを参考にしている。ディオンヌのヴァージョンはプロのミュージシャンが好む、いわゆる「通好み」のやつで、小林や森がよくライブのリハーサルの合間にふと手休めにこの曲のイントロを弾いていたりするそうである。キーは女性キーなので悩んだが小林から、ディアンジェロが角松のやろうとしているキーで歌っているヴァージョンがある、ということを聞き、それを参考にした。ホーンはオリジナルのジェリー・ヘイ・ホーンズを本田雅人、中川英二郎、二井田ひとみ、エリック宮城の4人が完コピしている。 CRESCENT AVENTURE – (6:22)角松敏生 作詞・作曲・編曲 / 藤堂昌彦 ストリングス編曲 1982年 (1982)発売2枚目のアルバム『WEEKEND FLY TO THE SUN』収録曲。 『WEEKEND FLY TO THE SUN』は、角松にとっては最も心残りがある作品で、『SEA BREEZE 2016』のように歌のリテイクとリミックスをしたい最先鋒だという。まだ経験もスキルもないにもかかわらず敢行されたロサンゼルス録音は当時の自分には分不相応だったと述懐している。ただメロディラインや歌詞にはその後を感じさせるオリジナリティがあり、個人的に好感を持っていた曲があり「CRESCENT AVENTURE」もその一つだったが、何十年も演奏していなかった曲であり今回は今なりのリメイクがされている。 ストリングスはTOM TOM 84によるアレンジが素晴らしかったので、バイオリンの藤堂昌彦に譜面を起こしてもらい、リアレンジして弦楽四重奏で録音された。ギターは原曲ではカルロス・リオスが演奏していたものを角松がこなしている。リズムトラックはあえてプログラミングにしているが、ベースは若手ベーシストの起用を思い立ち、ドラムの山本が在籍するフュージョンバンドDEZOLVEのベーシスト小栢伸五が弾いている。小栢は角松が音楽監督を務めたミュージカル『東京少年少女』で「若手で楽器もできて演技、歌にも興味を持っている人」を探していたところ山本から紹介され、ミュージカルに出演することになった。前作『東京少年少女』収録の「to be or not to be」をミュージカル用に小栢のベースで録り直した時に、角松は演奏の見事さに驚きその時点で「CRESCENT AVENTURE」のベースに彼を起用することを決めていた。 バック・シンガーは小此木と亜季緒。以前吉沢梨絵にお願いして小此木や浦壁多恵を紹介してもらった時を踏襲し、小此木に「誰かいい人」がいないか相談したところ亜季緒を紹介してもらった。角松は、ミュージカルでは作品全体の精度を上げるためには周りを固める助演、アンサンブルの歌唱力が必要とされ、また演者は音楽のジャンル問わず舞台に応じた様々な歌唱表現が求められるため、ミュージカル界には秀逸なシンガーが何人も潜んでいると分析している。角松はそういった「秀逸なシンガー」と何人も出会いたいために、近年はミュージカル界と親交を深くしている、と語っている。 Lost My Heart In The Dark – (6:18)角松敏生 作詞・作曲 / 角松敏生・PHILIPPE SAISSE 編曲 / 中川英二郎 ブラス編曲 1988年発売7枚目のアルバム『BEFORE THE DAYLIGHT』収録曲。 オリジナル版でのイントロのプログラミングパーカッションには1987年 (1987)当時にアメリカでリバイバル・ヒットしていたRoland TR-808が使われており、日本のミュージシャンにとっては忘れ去られた「音」だった808の音を使用したアレンジには当時角松が衝撃を受ける出来事だった。 本作ではプログラミングはPHILIPPE SAISSEによるアレンジを再現し、その上にライブと同じバンドメンバーによる生演奏を乗せている。吉沢と小此木によるコーラスはツアーのためにリハーサルとして行われたレコーディング・トラックが使用されている。 I Can't Stop The Night – (4:43)角松敏生 作詞・作曲・編曲 1985年 (1985)発売5枚目のアルバム『GOLD DIGGER〜with true love〜』収録曲。 3rdアルバム『ON THE CITY SHORE』の小ヒットや杏里のプロデュースワークでようやくプロとして軌道に乗り始めた頃、レコード会社やプロダクションの意向で「リゾート・ミュージック」や「シティポップの貴公子」など本人にとっては有り難くもないコピーを飾られてしまい、当時はそのイメージから脱却するのに必死だった。そして当時傾倒していたクラブダンス・ファンクに自分のポップスをどうにかして融合できないか、どうやったらそういう音が作れるのか思案し、その結果レコーディング・エンジニアのマイケル・ブラウアーと出会い「Girl in the Box」を制作し、そこで築いた信頼関係が『GOLD DIGGER』にも繋がっていった。まだヒップホップが普及していなかった当時の日本のポップシーンでラップやスクラッチなどを盛り込んだ『GOLD DIGGER』は角松曰く「ある意味賛否両論問題作」だったというが、オリコンチャート7位(本人は何位だったか忘れていた)を記録し、その後の角松の活動を盤石なものにする作品になった。 「I Can't Stop The Night」は角松が初めてプログラミングに挑戦した曲だった。当時打ち込みサウンドに挑戦してみたかったが、Roland MC-4のように信号を打ち込むタイプは高価な上に複雑で扱いきれなかったため、当時発売されたばかりでミュージシャンが弾いた音をデーターとしてクォンタイズするタイプのYAMAHA QX 1を使い、角松と友成好宏、オペレーター林有三の3人で制作していった。 本作のリメイクではオリジナルのディティールは残しつつも、生演奏を中心にしたバージョンになっている。当時はできなかった打ち込みサウンドのライブでの再現が、機器の発達によりステージ上にコンピューターを持ち込むことで可能になり、さらに今ではプログラミングと生演奏が程よく混在する表現が自在にできるようになり、このアレンジなどはその最たるものになっている。 End of The Night – (5:12)角松敏生 作詞・作曲 / 森俊之・角松敏生 編曲 1989年 (1989)発売8枚目のアルバム『REASONS FOR THOUSAND LOVERS』収録曲。 『GOLD DIGGER』『TOUCH AND GO』『BEFORE THE DAYLIGHT』『REASONS FOR THOUSAND LOVERS』の一連の作品は角松のニューヨーク在住時代の4部作としており、内容は徐々に高度にまた贅沢になっていったという。セルフ・プロデュースをある程度完成させてからアメリカのプロデューサーに客観的に自分を観てもらいプロデュースを委託しながら本場の方法論を学んで行く、というやり方は角松にとって非常に有効だった。『REASONS FOR THOUSAND LOVERS』では半数をアメリカのプロデューサーに依頼し、半数をセルフ・プロデュースという体制になっており、当地で学んだことをリアルタイムで吐き出している様子が伺えると回想している。「End of The Night」はウェイン・ブライスウェイトのプロデュースで、彼は類稀な才人だったというが若くしてこの世を去ってしまった。角松はこの曲を書いた当時、作曲法における転調にハマっていて、トリッキーな転調を自然に聴かせるにはどうしたら良いかということに専心していた。この曲などはその実験性が如実に出ている作品で、その後の角松の作品における特徴の一つである転調の面白さの原点となった曲でもある。 この曲は森俊之がプロデュースしているが、角松によると他人にプロデュースを任せたのは自身が時間がなくて息切れしていたのもあるが、最近80年代から90年代までにR&Bがアーシーなものからコンテンポラリーなものへと変化した過程を再検証いく中で森にそういった曲調のものを依頼したら面白いだろうな、と考えたからだと記している。森がリンドラムの実機を持っており、それを直接サンプリングした音などを使用し、そこに鈴木のギター、本田のサックス、小此木と亜季緒のコーラスを追加している。 実はオリジナルの「End of The Night」は歌い出しの歌詞が欠けていて、それを修正したかったのがこの曲をリメイクしたかった本当の裏事情だった。 ALL IS VANITY – (6:10)角松敏生 作詞・作曲・編曲 1991年 (1991)発売7枚目のアルバム『ALL IS VANITY』収録曲。 「ALL IS VANITY」は英語で「諸行無常」という意味である。当時色々と悩み事も抱えていて、それを無理矢理払拭しようとジタバタしていた時でもあり、その時なりの苦悩を表現したかったのだろうと回想している。そして今は、30年の時が流れ娘を持つ身となり、子供を大切に育てながらも自分の老いと向かい合わなければならなくなり、当時とはまた違う意味での「心の叫び」に聴こえてくるという。 アルバムのタイトルナンバーでもあったこの曲は特に思い入れの深く、それまで様々なことに影響を受けてきたことを自分なりにうまく咀嚼して表現できたもので、角松自身も非常に納得のいく作品だった。唯一思い残しがあるとすればテンポであり、曲の持つスリリングさをライブで表現するにはオリジナルテンポはまったりしすぎていると感じ、ライブではいずれもオリジナルテンポより早く演奏していた。とはいえ、オリジナルのテンポであれだけの演奏をしたドラム:カルロス・ベガ、ベース:ジョン・ペイニャン、ギター:マイケル・ランドウ、ピアノ:ランディー・カーバーという4リズムの記録は貴重そのものだという。特にカルロス・ベガは、ボズ・スキャッグスの初来日公演をテレビで見た際「この人と一緒に演りたい!」と思っていたので、それが叶いとても嬉しかったという。そしてアルバムのミックスを手掛けたグラミー賞受賞者でもあるウンベルト・ガティカから「お前歌うまいな」と言われたことが何より有難く、それまで歌唱力にコンプレックスを抱いていた角松が歌う事に喜びを感じられるようになった切っ掛けになった。なお、小林は当時スケジュールの都合でオリジナル版のレコーディングに立ち会えておらず、ロサンゼルスでのレコーディング初日に参加した後東京にとんぼ返りして仕事を済ませロサンゼルスに戻るというかなりの過密スケジュールで、「綱渡りなスケジュールよく角松くんも許してくれたな(笑)」と述懐している。 今回のリメイクではそのテンポ問題を解消したバージョンを記録するのが目的だったが、ドラムは2014年頃に当時22歳の山本がバックバンドのオーディションを受けた際のテイクが使用されている。ベースもその時に手伝ってくれた山内のテイクを使い、その上に小林のピアノや鈴木のギター、本田のサックス、小此木と吉川のコーラスを追加しブラッシュアップさせている。小林は「この辺の曲は体に染み込んでいる」と言っていたそうである。角松は「リメイクとは過去を振り返ったり、否定することではなく、音楽に現在(いま)の力を新たに吹き込む所作でもあるのだなぁ、と、本作のこの曲を聴いて思いました。」と振り返っている。
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